「考える」を形にするという力 ―『こうやって頭のなかを言語化する』(荒木俊哉)― 「自分の考えがまとまらない」「うまく言語化できない」――。そんな焦りやもどかしさを覚えた経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。かく言う私もその一人です。日々、膨大な情報に晒され、意思決定を迫られるなかで、「言葉にする力」はまさに生き抜くための武器とも言えるもの。しかしその鍛え方は、誰もきちんと教えてくれません。 荒木俊哉さんの『こうやって頭のなかを言語化する』は、まさにその問いへの答えを提示してくれる一冊でした。本書は、単なる「伝え方」のハウツーではありません。言語化という行為の根底にある「思考の構造」や「…