この日、わたしは、ローコードアプリの画面開発に没頭していました。ドラッグ&ドロップでコンポーネントを配置し、プロパティを調整します。ローコードアプリは、かってのようなコードを書くよりも直感的で、それなりに自由度も高いのが特徴です。気づけば、壁に掲げられた時計は夜の十時を回ってました。広い事務所を見回します。照明に照らされたデスクの列には誰もいません。わたしひとりだけです。部屋の消灯スイッチを押すと、闇が事務所を包みます。ドアロックし、エレベーターホールへ向かいます。一階の玄関口で、守衛さんが「お疲れ様です」と声をかけてくれます。わたしは「お疲れ様です」と返して、ビルの外に出ます。急に冷たい夜気…