今朝の「サンデー・フロントライン」(テレビ朝日)、事故原発検証が、観ごたえがありました

 今日の午前中、テレビ朝日で放送された「サンデー・フロントライン」は、観ごたえがありました。

 「東日本大震災から1ヵ月」と題された番組で、冒頭から全体の2/3程度が、もう1ヶ月をすぎようとしている福島の事故原発と、その影響や背景などの取材、検証。
 このパートでは、原発事故と、原子力発電が関わってるややこしい事情を、ポイントを抑えた構成で多面的に検証してくれました。大別して3つの話題を扱うコーナーで構成されてた。
 特に3番めのセクションでは、1990年に原子力施設の設計についての安全指針を作った、当時の原子力安全委員会の関係者に、きちんとしたインタビューをしたり、観ごたえがありました。


 終盤の1/3ほどは、原発事故自体とは別話題だけど、東日本大震災で大きな被害を被った三陸地方の漁業の現状ルポルタージュ
 「津波から明日で1ヵ月 三陸漁業は再生できるのか――」と題されたパートで、震災が地域の漁業に加えた被害をルポ。現地の「手の付けようがない」という人、「海の復活は意外と早い」という人、「泣いてばかりいるわけにはいかない」と、いう人、色々な漁業者の人たちを取材して、優れたルポルタージュになってた。

 例えばアタシは、直接震災の被害を被らなかった地域の住民だけど、原発事故とかこれからの日本のことをあれこれ考えるとき、被災地のことを忘れてどうこう言うわけにはいかないな、とアタシはそんなふうに受け止めました。
 視聴者に、それぞれの生活感覚から考える材料を提供するルポルタージュだけど、取材者の考えを押し付けてはいない。優れた「報道」って、こういうものよね、と思えるルポでした。

 冒頭が、事故原発の検証で、締めが被災地の漁業のルポって、構成も優れてたのよね。


 東京電力がこの1ヶ月核炉の安定化を試みてきてる事故原発は、監督省庁である原子力安全・保安院が未だに作業工程のロードマップすら発表しないまま、泥縄式としか思えない対処が続けられてる。

 アタシたち国民としては、ともかく、核炉の安定化を果たしてもらわないとならないけれど。
 もう、そろそろ、なんだってこんな泥縄な事態になってるかの検証もはじめてもらわないと困る。
 だって、もう1ヶ月だもん。


 今朝、放送された「サンデー・フロントライン」の、ことに、取材、検証のパートは、そうした検証の糸口として、貴重だし重要だと思いました。
 東京電力原発事故の検証自体は、何年もかかる長い解明を、最終的には国会でやってもらわないと困ります。

 このブログでも、何度か書いたし、何度でも書きますけれど、現場検証もできない内に「原発事故の総括」なんかを口にする政治家には、アタシたち国民は、はっきり「ふざけるな」って言うべきですから。

 だから、今朝の「サンデー・フロントライン」取材、検証は、糸口だけど重要。
 「サンデー・フロントライン」には、これからもこの調子で取材を重ねていってほしいと思う。
 アタシたち国民は、メディアのこうした優れた活動には、声援を送った方がいいと思います。これから、どんどん増えていってもらわないと。


 アタシが知ってるとこでは、同じように重要な検証報道に、毎日新聞が4月4日付けで公表した「検証・大震災:初動遅れ、連鎖 情報共有、失敗」があります。(きっとほかにも、アタシがまだ知らないのもあることでしょう)