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2008-11-10 書評のワザと効果 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

細々とライター家業を続けている難波にも、ときどき書評の依頼が来ます。某雑誌の来月号掲載の書評を頼まれて、週末は、「おすすめの本」を探していました。

今時、書評は、ブログの主要なネタですし、タダで読めるよい書評がネット上にざくざく転がっています。そんなご時世に、有料の雑誌の一部に掲載するということは、読者からお代をいただくということですので、それなりの価値のあるものを書かないかんなあと、腹の下に力を入れてみたりもします。


そんなわけで、「おすすめの本」を検索していたところ、「はてなブックマーク」で話題になっている本を見つけました。水村美苗さんの「日本語が亡びるとき」です。


梅田望夫さんのブログには、10日朝、私が見たとき、470以上のブックマークがついていました。


わたしが、この騒ぎ?を知ったのは、書評で(も)有名な小飼弾さんのブログ404 Blog Not Found:今世紀最重要の一冊 - 書評 - 日本語が亡びるときです。小飼さんは、梅田さんのブログで、この本を知ったそうです。


小飼さんのブログでは、冒頭に

「まずは本書の存在を教えてくれた、梅田望夫に感謝したい。」

「おかげでAmazonが在庫を切らす前に注文することが出来た。」

「日本語で何かを成しているものにとって、本書をひも解くことは納税に匹敵する義務である」

と、畳みかけるように書かれていて、これは、本を「おすすめ」する記述としては、相当に強力です。



水村さんといえば書く本、書く本、賞を取り、海外の大学で日本近代文学を教える作家さんなのですが、寡作なこともあり、文芸書をよく読む方でないとご存じないかもしれません。

わたしも、読書範囲が狭いので、自分が講談社の文芸局に勤めていたときに彼女の「私小説 from left to right」が野間文芸新人賞をとらなければ、知らなかったかもしれません。


この本の初版が何部かは知りませんが、文芸作家の初版から考えると、ブログの影響で、さっそく在庫切れになるかもと、すぐアマゾンで確認してしまいました。(10日朝現在、3〜4日で発想してもらえる状況でした)


さて、この騒ぎ?は売れ行きにどのくらいの影響があるのか、出版社に聞いてみたいです。


CoSTEPでは、昨年度科学図書の紹介を、サイエンス・ライティング授業の素材として取り入れていました。受講生の方が推薦する科学の本は「おすすめ科学の本」として、CoSTEPサイトで読めます。


事の発端は、梅田さんの書評でしたが、自分の活動に引きつけて本を紹介しているところで、小飼さんの書評の方が切迫感があり、「読まねば」感が高まりました。

「よい書評」がなにかについては、人それぞれ考え方が違うでしょう。

「きちんと批評していればいい」という人がいれば、「とりあげる以上、とにかく、読者が読む気をなくすような書評はよろしくない」とか。私は、後者です。


騒ぎに気がつき、検索したおかげで、「書評のワザと効果」について勉強になりました。

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2008-11-05 IC このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

ICC(NTTインターコミュニティーセンター)というのがあります。

西新宿の東京オペラシティータワーに。


InterCommunication

という雑誌を発行していました。


リニューアルして、書店売りする雑誌から

『IC』というフリーペーパーに変わりました。


2008年秋号には、「40人のキーワード」という特集があり、

今をときめく福岡伸一さん始め、我がCoSTEPのスタッフ

渡辺保史さんのコメントが掲載されています。

よ!渡辺さん、「有識者」でっせ!!


中には、あー、この人、今はろくに勉強も研究もしてないんだなーという有識者もいらっしゃいました。

こういう短い論考だと、よりそういうのがはっきり出ちゃいますね。


おもしろかったのは、ライター・編集者の速水健朗さん

コミュニケーションデザインについて、最重要と思われるキーワードとして

「社会資本」をあげており、

「赤塚(不二夫)はタモリという弟子を持ったが、タモリは弟子を持たなかったのだなあ」と書いています。


つまり、「社会が後進を育てることを止め、新しいことを見出すことに注力しなくなったのだ」と。

そりゃあ、ロスジェネとか自分のことで精一杯で、後輩どころじゃないよと、理由はいろいろあるにせよ、確かに、少子化もその表れだし、私たちの世代(30代)、もう一つ上の40代も、いつまでも自分探しに余念がなく、社会全体、自分より若い人を「育てる」ことがおろそかになっている。


もう一つ速水さんが答えている、コミュニケーションに関係なくこれからの世界に重要なことは、「コンテンツに金を払う」でした。もとフリーランスとして、これは、ほんとに、切実と思います。


渡辺保史さんが重要としたのは、「つながり」。

肝は渡辺さんに聞いてください。

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2008-10-02 初音ミクNight このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

f:id:Namba:20081002103715j:image

わたし、初音ミク

札幌で生まれた人気者なの。


みなさん、サイエンス・カフェって知ってる?

科学やテクノロジーのお話しを、気軽に楽しめるんですって。

10月12日、ミク、札幌でサイエンス・カフェにデビューするのよ。

ミク、歌は得意だけど、おしゃべり苦手だから、代りにミクのお父さん、

クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之さんが話してくれるの。

ミクがおしゃべりが苦手な理由も、

伊藤さんが、話してくれるんじゃないかな。

「サイエンス・カフェ」ってライブは、ミクとお客さんと、みんなで一緒に

作るのよ。伊藤さんや、当日集まるミクのお友達と、いっぱいお話ししちゃおう!


みんな、来てね。


と、初音ミクさんがお話しするかどうかは、定かではありませんが、

「初音ミクNight〜科学を超えた歌姫〜」

と題して、サイエンス・カフェを開催します。

ぜひ、いらしてください。


文責:ミクもといミホ



【イベント情報】

初音ミクNight〜科学を超えた歌姫〜

日 時:2008年10月12日(日)18:00 〜 19:30(開場17:30)

会 場:sapporo55ビル1階インナーガーデン(紀伊國屋書店札幌本店正面入口前)

ゲスト:伊藤博之さん(クリプトン・フューチャー・メディア代表、北海道情報大学客員教授)

定 員:約100人(座席は約70人分となります)

参加費:無料(事前申し込み不要)

※コーヒー等の飲み物は、会場内のコーヒーショップでお買い求めいただけます。

主 催:「初音ミクNight」実行委員会 

協 力:北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)



 札幌で生まれた音楽制作ソフト、そして同名のキャラクターが「初音ミク」です。印象に残るツインテールの髪型とキュートな笑顔、透き通るような歌声で、多くのファンを虜にしています。そして、初音ミクの魅力は、それにとどまりません。音楽制作やわたしたちを取り巻くメディアのあり方にも影響を与えているのです。初音ミク現象とは何なのか、音楽と科学技術のスパイラルな関係、ユーザーがコンテンツを創り、それが広く流通するUGC(User Generated Content)やCGM(Consumer Generated Media)の可能性、地方発ベンチャーの誇り−。初音ミクの生みの親、伊藤博之さんをゲストに、会場の皆様の質問を交えて進めていきます。

kanayama1119kanayama1119 2008/10/03 14:20 >わたし、初音ミク。
>札幌で生まれた人気者なの。

と、難波先生が声に出して話しているところを想像して、ちょっとニヤリとしました。
ふふふ。

NambaNamba 2008/10/03 14:25 Kanayamaさん
イメージしないでください・・・。

K_TachibanaK_Tachibana 2008/10/03 23:15 さっそく,初音ミクノ全テにもリンクされているのを発見しました!

http://richier.jugem.jp/?eid=709

NambaNamba 2008/10/03 23:28 Tachibanaさん、ご紹介ありがとう。さっそくですね。ミクファンたちの熱いディスカッションを期待しています。

tateyamatateyama 2008/10/06 17:32 こんにちは。場違いでなければいいのですが。
私も難波さんボイスで想像してにやにやしました。
当日間に合えば会場におじゃましますね

NambaNamba 2008/10/06 17:40 ポスターミクちゃんの産みの親のtateyamaさん。間に合えば、会場に来て、そして、私は前の方にいるので、受付の誰かに、Nambaに「来たぞ」の合図を送るように言ってください。

2008-10-01 3歳のお誕生日おめでとう このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今日、10月1日でCoSTEPは開講3周年を迎えました。

昨日で、スタート時からのメンバー岡橋さんが退職され、

来月か再来月には、新しいスタッフを迎える予定です。

8人の専任教員のうち3人が入れ替わることになります。

この1年を振り返るとき、立ち上げからのスタッフが

3名いなくなったことが一番大きな変化でした。

新しく着任したスタッフがすぐに溶けこみ、

授業をパワーアップしてくれたことも

頼もしく感じています。

しかし、それでもなお、立ち上げからのメンバーが入れ替わることの

寂しさ、心細さをかみしめた1年でした。

前に進むことは、何かを失うことでもあります。



CoSTEPの立ち上げは、国が科学技術コミュニケーションを重要として、

その分野の人材育成にお金をかけることに決めたところに

端を発します。

この予算は、5年の時限付きです。

折り返し地点を過ぎました。


この間、科学技術コミュニケーションの人材育成や、科学技術政策の

予算に関わる重要な評価をする人たちの口から出た言葉

(私は聞いたわけではなく、読んだだけですが)は、

日本の科学技術コミュニケーションをどう捉えて何を評価しているのか、

わからないものでした。


「科学技術コミュニケーションによる利益は市民が享受するものだから、

その費用は市民が負担すべきだ」という趣旨の意見も何度も聞きました。


はたして、本当にそうなのでしょうか。

科学技術コミュニケーションのための負担は「市民」が一方的に負担させられるものなのか。


そりゃあ、広い意味では、誰もが市民です。日本国民すべてが「市民」です。

しかし、そういう意味ではなく、立場、コミュニティーで考えたとき、

科学技術コミュニケーションによって、利益を得るのは、まず第一に

科学者たちなのではないでしょうか。


そして、科学技術コミュニケーションは国全体に利益をもたらします。

利益をもたらす以前に、これがないことには、科学と市民をとりまく

社会に、解決しない課題が無視できないほどにたまり、科学をどう我々を

幸せにするものにしていったらよいか見えなくなるから、科学技術コミュニケーションが

必要だということになったのではないでしょうか。


今、科学技術コミュニケーションに関わる多くの人たちが、

3年、5年というビジョンを持って働ける環境にありません。

2009年3月、5年の時限付きで科学技術コミュニケーションの人材育成のために

投じられた予算は、打ち切りになります。

それと同時に、科学技術コミュニケーションという言葉も聞かれなくなるのでは

という不安すらあります。


その後、この分野を自分の使命として牽引していくところは、

どこになるのでしょうか。

予算を託された、早稲田、東大、北大は、どれだけ、自分たちの

責任を認識しているのでしょうか。


3歳の誕生日に、3歳の子供が考えるには、あまりにも大きな課題です。

人間の場合、子供が3歳の時、その子の未来は、

産み落とした親も一緒に考える責任があります。


文責:難波

*この文章は、CoSTEPを代表するものではありません。

2008-08-20 必要な情報はどこにあるのか このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

2004年12月、福島県の県立病院で、出産中の女性が失血死しました。


私事ですが、先日出産した身内が、実に2リットル以上も出血しました。

予見されていたので、自分の血液を採り貯めており、その輸血で存命しています。


出産ではまれに、大量出血することがあります。


今を去ること30年以上前なので、原因は本人も忘れたと言っていますが、私の母が出産するときも大量出血で、一時危篤状態になったそうです。


「まれ」「ごくまれ」といわれるようなことが、私の近親者に2人もおきています。

一般にお産には、母子の命を脅かす、ある程度の危険があります。

予見できる場合も、できない場合もあるでしょう。

危険が予見できたとしても、予見できない経過のせいで、予見通りに進まないこともあります。

専門家にも、一瞬の躊躇や観測違いはあるでしょう。

それでも、我々は、病院で、助産所で、専門家の介助を得て、出産します。



冒頭の県立病院の産科医師は、2006年、業務上過失致死の疑いで逮捕されました。逮捕の時から、今朝の判決前のニュースまで、テレビでは医師の顔や歩く姿がくり返し放映されています。


そして今日、医師は、裁判で、無罪となりました。


多くの医師たちがこの逮捕について非難の声を上げています。

事前に警察から情報を得ていたマスコミが、逮捕の時に手錠をかけられた医師の姿を大々的に報道したことから始まり、マスメディアに対する医療界の不信も深刻です。


朝のニュースでは、遺族の無念の声が聞かれました。

しかし、被告の声はまったく伝えられないですし、弁護士の肉声も聞けませんでした。


日経メディカルオンラインに、被告主任弁護人のインタビュー記事が載っています。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t020/200808/507534.html


裁判の争点が簡潔にまとめられています。少し難しいところはありますが、この内容なら、専門家ではなくても理解できると思います。


どんな情報が、どういう形で提供されれば、我々は医療の過失について、医療の専門家と意義ある話し合いができるのでしょうか。そういう視点で、これから数日の報道を受け止めてみたいと思います。

ほそかわほそかわ 2008/08/20 19:54 私も興味津々でした。
なぜか?
私の考えは医療現場に近いところにいるので、偏っているかもしれません。医師が一生懸命患者の治療に向かっているのなら、その家族にも一生懸命対応してほしいと言うことではないでしょうか。
説明責任や治療の危険性について、十分な説明とその後の結果についても、家族が納得できる説明をする責任が問われたのではないかと思います。
刑事裁判なので、無罪と言う判決でしたが、民事裁判で「説明責任」と言う争点になれば、医療者が今後の説明のあり方に一石を投じることになると考えます。
本当に、医療者は「説明する」「伝える」そして、「患者と家族の納得を得る」ことに真剣に取り組むことが必要なんじゃないかと思います。

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