グアムで夏休み
・グアムと日本人
もうだいぶ経ったが,夏休みにグアムに行ってきた。
- 作者: 山口誠
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/07/20
- メディア: 新書
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・代替医療のトリック
旅行に持っていって読んだ本がこれ。
- 作者: サイモンシン,エツァートエルンスト,Simon Singh,Edzard Ernst,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/01
- メディア: 単行本
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最近日本でもホメオパス助産師が問題になったが,ホメオパシーは世界的に普及しているという。ベルギーでは半数以上の人がつかっているとか,イギリス王室にも愛用者がいるとか。普及に一役買っているのはやはりマスコミ。日本人はメディアリテラシーがない,日本のメディアの質は低い,とかよく言われるが,どの国もどっこいどっこいのようだ。毒を極度に薄めると病に効く,それも薄めば薄めるほど効くとかいう歴史の浅い代替医療で,薄め過ぎで有効成分の分子が1つでも残っている確率は何億分の一という。
この本ではホメオパシーの扱いが最も大きいが,東洋の神秘ということで西洋人にはたまらないらしい鍼や,カイロプラクティック,薬草,ほかさまざまな聞いたこともない代替医療について論じている。感心するのは,偏見,臆測を排して,臨床試験の結果だけをもって評価をしているところ。なぜ効くかのメカニズムが科学的に分からなくても,怪しくても,効くという有意な結果が出れば批難すべきではないとする。本書は,臨床試験の歴史から説き起こされる。臨床試験が普及する以前の西洋医学は,瀉血といって悪い血を抜く治療が主流(カミソリや蛭を使う)で,米国初代大統領のワシントンが血を抜きすぎて死んだという逸話には驚いた。当時は代替医療しかなかったらしい。今から見ると,だけれど。
臨床試験の基本は二重盲検法である。患者を本当の治療をするグループと偽薬(プラセボ)を与えるグループに分けて,しかも患者にも施術者にもプラセボかどうかを知らせずに試験をして,プラセボ効果以上の治療効果があるかを調べる*2。代替医療についてもいろいろと臨床試験が行なわれていて,その結果,わずかにカイロと薬草にプラセボ以上の効果が認められるらしい。しかしその効果は特定の疾患についてわずかに見られるだけで,通常医療より効果がないか,あるいは通常医療と同様に効果がないそうだ。費用を考えたら医者にかかるほうがずっといい。
昔小児喘息を患っていて,結構大変な思いをしたのだが,見かねた母にカイロに連れて行かれたことがある。なんだか痛くて嫌で一回でやめてしまったのだが,カイロが喘息に効くということもないらしい。創始者によると,どんな病気も治るというのだけど。
代替医療の問題は,効果がないということではない。むしろ代替医療にはプラセボ効果という歴とした効果がある。(私のような)信用してない人間には出ない効果だが,場合によってはかなりの治療効果が出ることもある。プラセボ効果という効果があるならいいじゃないかという意見もあるが,患者を無知にしておいて,施術者の権威を鵜呑みにさせなければ治療できないというのはやはり不正義である。
そして代替医療の一番の問題は,イデオロギー的に通常医療を避けてしまう傾向があること。代替医療に熱中していて気づくと手遅れになる悲劇が後を絶たない。命にかかわる重大な病気なら,まずは通常医療で手を尽くす必要がある。
- 作者: 伊勢田哲治
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2003/01/10
- メディア: 単行本
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著者には一時はまっていて,下の本もとてもよかった。印象に残っているのがさまざまなベジタリアンについて。ベジタリアンは当然肉は食べないが,卵や牛乳を摂るかどうか,などいろいろ違いがあるそうだ。ヴィーガンと呼ばれる人々は動物性の食品を一切食べない。さらにフルータリアンと呼ばれる,植物の命にかかわるものも食べない(植物が食べてもらうために提供してくれる果実しか食べない)人たちもいる。それじゃ栄養足りないだろう。さらにネット情報によると,果実も食べないブレザリアン(息しかしない=霞しか食わない?)というほとんど仙人という人間もいるらしいが,これはウソだろう。それって即身仏だ。
- 作者: 伊勢田哲治
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2008/11/20
- メディア: 単行本
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