ジマー節とは

「ブレイキング・ニュース」最終にぎりぎり転がり込んで、いやー、これは傑作だわ、と観ているあいだずっと楽しかったのだけれども(しかし、香港警察の制服ってなんであんなに絵になるんでしょう)、劇中、「警察が編集した警官出動ビデオ」のBGMが、ものすごい、絶妙に狙った安っちい、それはもうパチもん臭がぷんぷん漂うジマー節で、笑いました。

「PTU」とか、これとか、ジョニー・トー親父はアクション映画なのに物凄いオケや打ち込みでガンガン鳴らそうとかいう意図はなくて、フュージョン風のギタースコア(なんかね、香港が舞台でこういうメローなギターが流れると、川井さんの「ケルベロス」を連想してしまうんですが)をこういう映画に平気でつけているわけですが(それが、ジョニー・トーにセンスがある為なのか逆にない所為なのかよくわからん)、そういう音楽の付け方から見ると、(後にジャッキーのそっくりさんが出てくることからもわかるように)この映画の報道の映像はなんらかのパロディ、ギャグとして撮られているわけで、そういうところに「安いジマー」をつけるのは、まったく正しいというか、なんというか。

まあ、久しぶりに「リッチな画を観た」という気分にさせてくれた映画でしたよ。香港のああいう建物って、すごく映画向きなんだなあ。

ミステリ攻略

というわけで、入院中にNHKポアロ翻案ドラマ「名探偵赤富士鷹」を見たことから始まった、ミステリ攻略週間継続中。ポォとかアガサ・クリスティとかコナン・ドイル(「ホムワトもの」って腐女子ジャンルがあるのをはじめて知りましたよ奥さん!)とかは別にして、人生で意識的にミステリを読むのは初めてだ。どちらかというと、食わず嫌いに近かったからなあ。しかし、新本格とか本格とかってなんじゃらほい。サイバーパンクとかニューウェーブとか、外から見るとSFのサブジャンルもこういう意味不明さを漂わせていたのだろうなあ。

いまのところ京極さんを数冊、笠井さんの評論と小説を数冊、いまは小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」にトライ中。いや、なかなかいいもんですね、ミステリってのも。

あれれ、箸井地図+大塚英志+清涼院流水の「探偵儀式」の設定って・・・山口雅也キッド・ピストルズ」まんまやんけ。そうか、「探偵」という存在をポップな記号と化すまで陳腐化させる手法って、別に清涼院流水さんのJDCオリジナルじゃないんだな〜。