東京新聞WEB 社説 「国会議員削減 助成金も仕分けしては」

一部で根強いファンを持つ東京新聞だけれど、関西にいるとインターネット版でしか紙面を読むことが出来ない。西松事件においては東京地検特捜部取材で睨まれて取材できなくなったことなどもあり、他の大手新聞などよりも正論を吐くようなので読んではみたいのだが、インターネット版だとやはり物足りない。

今日、そんな東京新聞のインターネット版で正論を見つけたので紹介する。以下はそのコピーである。

国会議員削減 助成金も仕分けしては
2010年7月8日

 参院選で主要九政党のうち六政党が国会議員の定数削減を公約に掲げている。厳しい経済情勢下、議員自ら身を削る姿勢をアピールする狙いだが、三百二十億円に上る政党助成金も削ってはどうか。

 国会議員の定数は現在、衆院四八〇(小選挙区三〇〇、比例代表一八〇)、参院二四二(選挙区一四六、比例代表九六)の計七二二。

 民主党衆院の比例八〇、参院で四〇程度の削減、自民党は衆参合わせた定数を六年後に三割減の五〇〇に削減する案を掲げた。

 新党改革たちあがれ日本みんなの党も具体的な数字を挙げて定数削減を主張し、公明党選挙制度改革に合わせた削減を打ち出している。

 定数削減に反対し、比例中心の制度への移行を訴える共産、社民両党と、公約に明記していない国民新党を除く各党による削減競争の様相だ。国会議員自らが身を削る姿勢を示すことで、支持拡大を図ろうとしているのだろう。

 特に民主党は、菅直人首相が「厳しいことをお願いするときには議員定数削減を含めしっかり実現したい」と述べるように、消費税率引き上げ論議をにらむ。

 増税に踏み切る前に、特権的待遇を受ける国会議員の定数を削減しなければ、国民は納得できないだろうことは理解できる。

 とはいえ、議員定数削減は象徴的な意味の方が強い。

 例えば、衆院議員一人当たりの歳費・期末手当、立法事務費、文書通信交通滞在費、公設秘書給与の総額は年間約七千万円。衆院で定数を八〇削減しても六十億円弱程度の予算削減にとどまる。

 だとしたら、歳費などに加えて政党助成金も「仕分け」対象にしてはどうか。共産党以外の政党が三百二十億円を「山分け」しており、国会議員が身を削るなら、この方がより実質的な意味がある。

 さらに懸念するのは、民主党衆院の定数を比例代表から削減しようとしていることだ。

 比例定数が減れば、少数政党は議席を得にくくなる。二大政党化に拍車が掛かり、民意がより鋭角的に反映されるようになるとはいえ、少数意見の切り捨てにつながるのなら見過ごせない。

 衆参両院の「一票の格差」を是正することも喫緊の課題だ。

 議員定数は単純に削るのではなく、衆参両院の役割をどう定義し直すのか、選挙制度をどう変えるのか将来像を描く中から、適正な定数を導き出すべきだろう。

ここにもあるように、民主党衆院比例80,参院40議席削減を主張しているが、人口比でいうと現状の国会議員数自体諸外国と比べて多いとはいえず、それに比べて税金より支出される政党助成金や議員歳費などの巨額さと、それらのお金の使われ方が不透明な点に目がいくのである。

参考
日本の国会議員の給料は世界最高水準!
欧米主要国の政治資金制度の概要 (PDF)

この東京新聞の社説にあるように、政党が受け取る、その使途すら明らかにする必要がない政党助成金こそメスを入れるべきであり、議員定数の削減などよりずっと誠実な公約になるであろうと思う。

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