Rough Ride Hatena Campsite

2012-11-16

川苔山(1363m) 

 

 数度の寝坊による延期を経て、いよいよ川苔山への登山決行と相成った。

 前日早めに寝て朝五時起床し、いつものフルグラとバナナにホットミルクの朝食を済ませて出発。万全の装備を二日前にパッキングしておいたので忘れ物も無いはずだ。 早朝に加えてここ数日かなり冷え込んでいるが、1月の鍋割山でも活躍したパールイズミのアンダーにマイクロフリース、ウィンドブレーカーの組み合わせは非常に優秀で、露出している顔と耳だけが辛いもののそれほど寒さを感じない。 登るときはウィンドブレーカーも脱いでいいだろうと予想しつつ電車に乗り込んだ。 青梅線に乗り換え待ち中になんとなく話したおじさんの話が面白く奥多摩駅まではあっという間に過ぎてしまった。

 奥多摩駅到着からバス発車までの時間が10分程度しかなく、登山届を出したりトイレに入る余裕も無かった。バスに乗る時点で既に催していたのだが、登山道入り口へ向かう林道の始点となる川乗橋バス停付近にもトイレは無かったので、しかたなくここでストレッチを済ませ、ウェストベルトのポケットに行動食を移し、GPSの電源を入れて歩き始めた。 もっともここでストレッチや準備なんてする人は少ないようで、皆バスを降りるとさっさと歩き出してしまい、同じバスに乗った人で自分は最後から2番目の出発。

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登山道入り口

 予想はしていたが、山間部に加え沢沿いなのでいっそう冷え込んでいる。尿意を我慢しながらではペースも上がらず、後から来た人にもたちまち抜かされあっという間にドンケツになってしまった。 後から来る人が居ないとわかると安心して出せるのでここでようやく小雉を撃つ。 

 スッキリしたので安心してスピードを上げると、昔何かのプレートが取り付けられていたような痕跡(四角い凹)のある岩に出くわした。 後でググったところによると、1986年に上智大の探検部の学生さんが聖滝の鍾乳洞にある地底湖探検中に行方不明になった遭難の慰霊レリーフであり、去年25年ぶりに白骨遺体が発見されたというなんとも背筋の凍る話であった。 なんか剣呑な雰囲気を漂わせていると思ったが・・・・。しかしなんでそのレリーフが外されてしまったのであろうか。

 

 そんな疑問も歩いていくうちに忘れてしまい、谷間で薄暗かった道にも日が差してきた。竜王橋を渡ったあたりで進行方向のほうに見事な景色が現れた。 晩秋〜初冬の濃い青空に切り立った岩壁の上部だけ紅葉が張り付いて見事なコントラストだ。笙ノ岩山の肩の部分であろうか。 とにかく今日は天気が恐ろしく良くて、空気も澄んでいるので何もかもが色鮮やかだ。 森の木々は紅葉より黄色の葉が多いのだけど、その分現れる紅葉はいっそう鮮烈だ。 また途中には小さな滝や落ち込みがいくつもあって目を引く。

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笙ノ岩山方面

  

 細倉橋のトイレが設置されているところからいよいよ登山道が始まる。ちなみにここのトイレは小規模水力発電(水車)の電気が通ったバイオトイレであり、匂いが全く無い優れものだ。 ただ、一つしかないので土日にはかなりの行列が出来るだろう。 ここにはベンチもあるので小休止をとる人も多く、自分も自家製エナジーバーを一口かじって一服入れる。 さっき小雉を撃ったばかりだが、寒くて近くなっているので念のため小用も済ましておく。 軽いストレッチをもう一回やって体も温まったところでウィンドブレーカーを脱いでザックに押し込み、いよいよ「真・登山道」に入る。

 

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細倉橋の登山道入り口

 わざわざ括弧つきで書いたのは、(川乗橋バス停のところにゲートがあるとはいえ)ここまでは林業や警察消防の救助隊の車は来れる道だからで、ここからは一気に道幅も狭くなり、滑りやすい木道や悪い足場、渡渉なんかが出てくるからだ。 奥多摩消防署や山岳サーチ&レスキューのサイトを見てもらえればわかるのだが、ここ川苔山は奥多摩でもトップクラスの遭難多発地帯なのである。前出の洞窟探検中に遭難した学生があの世からオイデオイデしているわけではないだろうが・・・。

 標高が大した事なさそう(御前山や三頭山より低い)に見える、山頂の眺望に定評がある、途中「百尋の滝」という人気スポットがある、交通の便もそれなりと色んな要素が重なってタダでさえ登山者が多いからというのもあるのだが、その手軽さに反して登山道が狭い上、沢沿いの為常に湿っており秋は濡れ落ち葉で転倒しやすい、足場の悪いガレ石の上を通ったり渡渉を繰り返すため疲労しやすくこれがまた転倒を招く、いったんコケると切り立った急斜面の為止まれず数十mあっというまに滑落してしまうのが大きな理由だ。 実際歩いているとそれがよく判る。

 

 2度ほど登った丹沢の大倉尾根は斜面はキツく足にダメージは来るものの、侵食防止の為に登山道を外れないよう両脇にロープが張られていたりするため、道を踏み外して遥か下に滑落といった恐怖を感じることはほとんど無いのだが、ここは傾斜のきつさとは別に転倒・滑落のリスクが大きい山なのだ。 今は歩き出して間もない登りの途中だから体力的にも余裕があるが、高齢の登山者がこちらを下山ルートで取った場合などは危険度も急上昇するだろう。 ブログを見ると天候の運もあるが初登頂までに数回敗退してる人もいるようで、体力が無い人には油断のならない山かもしれない。

 

・・・と、脅かすような事を書いてしまったが、この登山道は非常に楽しい。 なんというか変化が大きくて飽きが来ないのだ。 針葉樹と広葉樹の樹相の変化も大きく、時折必要な渡渉、木道、狭く緊張感のある道、ガレ場、ごつごつした岩場、小刻みなアップダウンと様々な状況が現れるし、見える景色の変化も大きい。先ほども書いたように小さな滝や落ち込みが頻繁に現れ、時に手で掬って飲めるような湧水もいくつかある。 今日は秋で紅葉、黄葉が美しいが、春なら新緑、夏は生い茂った豊かな緑が目に優しそうだ。 今日は肌寒いので有り難味が感じられないが、脇を流れる川は夏には天然のクーラーとなってくれるだろう。 ここまでなら勾配も比較的緩やかなので、体力に自信の無い人は百尋の滝まで行って帰ってくるだけでも十分楽しめるだろう。

 

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 変化に飛んだ道を楽しく登っていくと突然ザックリと切り立った大岩壁が前方に現れ、梯子の様に急な階段を降りていく道と急激な登りの道の分岐となる。 急階段は百尋の滝へ向かうのでまずはこちらへ進む。自分は気になるほどではないが体力の無い人にはきついのだろう、結びコブを作った補助ロープも設置されている。 先行していた青年が階段から上がってくるなりニコニコ顔で『すばらしいですよお!』と絶賛するので期待は一層高まる

 丹沢が多かった今年の山行で川苔山、しかもこのルートを選んだ目的の一つはここ百尋の滝だったのだが、本当にこのルートを取るだけの価値はあった。 落差は40mだというから海沢大滝よりもスケールはでかい。 払沢の滝は60mだが、アレは何段かに分かれている一番下の部分だから一発の落差で言えばこちらの方が迫力がある。 が、それでいて繊細というのか女性的というのか、なにか柔らかさも感じるのだ。

 

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 ガレた岩場を慎重に歩いていけば滝壺近くまで寄れるのだが、そこから見上げると一層雄大だ。 しかしここまで近づいてしまうと飛沫というか水煙も飛んできてタダでさえ低い気温が一層寒く感じる。 今日はいつもの防水コンデジに加えて父親のカメラを借りてきたのだが、こちらは防水ではないので取り扱いは慎重にしなければならない。あまりここで粘っていると水煙でじっとり濡れてしまいそうなので肉薄したところではあまり長居をしなかった。 水面に枯葉が厚く浮いているので地面と誤認して靴を濡らしそうになりながら対岸側に渡って撮影しているうちに体がすっかり冷えてしまった。歩いている途中は感じないのだが、なんだかんだ言ってやはりまだ気温が低いのである。細倉橋で出したばっかりなのにまた催してしまい、二人の壮年登山者と入れ違いに滝壺を離れて岩陰でこっそり本日3度目の小雉を撃った。

 

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2012-10-26

陣馬・景信・高尾縦走!

 

 以前から気になっていた、山頂に白い馬のある山・陣馬山に行ってみた。 陣馬だけではちょっと物足りなさそうなので明王峠〜景信山〜小仏峠〜高尾山と縦走コースを取ることに。 丹沢で鍛えた俺ならば大丈夫だろう!


朝8:30に陣馬高原下バス停を出発し、新ハイキングコースで陣馬山へ。 気温が低いので肌寒いが、登るにはむしろちょうど良い。 登山道はずっと針葉樹林の中で眺望も効かずいまいち。 積極的に飛ばし55分で山頂へ到着。まだ朝なので空気が澄んでおり眺望は素晴らしかった。

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ところが、山頂で電池が切れ、入れ替えた電池は昨日から充電したばっかりのはずなのになぜか電池切れの表示が出て撮影が続行できなくなってしまった。

 

仕方なく撮影を切り上げて景信山へ。 景信山まではあまりアップダウンが無く走りたくなるような歩きやすい登山道だ。 景信山は山頂が広く茶店、ベンチが充実しているが、平日の早い時間なら絶景を独り占めできる。

カメラのスイッチを入れなおしてみたら今度は普通に撮影できた。どうなってんだこりゃ。

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景信山の眺望。 ここでごはんにするのがお勧め。

 

 景信山からの下りでルートを間違え、小仏峠へ向かうつもりが小仏バス停や小下差のほうへ降りる道に行ってしまう。 小学生の遠足児童がこの道を上がってきており、良く確認しないでこっちに降りてしまったがゆえの敗因だった。

 

途中で気付きはしたのだが、いい加減かなり下ってしまい景信に登り返すのも面倒だったので一旦小仏バス停のほうに降り、そこから林道経由で小仏峠に上り返したのだがこれが大失敗。 はるかに遠回りで景信に登り返したほうがマシだったのだが知る由も無い。

 

 一旦、「小仏バス停から降りちゃおっかな」などと思ったが、あまりにも安易過ぎるので心に鞭を振るって却下。 しかし無駄足と思うと余計に疲労も増すもので、林道を登ってる途中に足がピキピキしてきた。 ルートのきつさで言えば丹沢のほうが遥かに厳しいはずなのだが・・・。

 

 それでもなんとか小仏峠に到着。 

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さらに進み小仏城山へ。 眺望もよく、解放感あふれるよい山頂だと思います。茶店のなめこ汁やおでんが食いたいが我慢我慢。 ちなみに今日はへまが重なる日で、行動記録を記入する測量野帖と行動食の甘納豆をすっかり忘れていたのだった。コンビニおにぎりを買ったからいいようなものの、ミニようかんとカロリーバランス、エナジーゼリー各1個だけでは足りなくなるところだった。

 

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 城山からの下りでそろそろ膝がやばくなる。丹沢ではこうなってから2時間近くエゲツナイ下りがあり完全にパンクしてしまったのだが、よりによってここでも膝に来る階段が多いのだ。それでも一丁平で丹沢を眺め、「俺はあそこの丹沢山までピストンしたんだ!」と心を奮い立たせ、

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一丁平から丹沢を望む。絶景!

 

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2012-09-12

びっくりするほどタンザーワ! 丹沢山(1567m)ピストン!!

 

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 始発バスに乗るため朝4:30に起床。登山の日の朝のいつものメニュー、フルーツグラノーラとバナナを食べたらザックにハイドレーションパックをセットし、ボトルホルダーにストックを挿して家を出る。 携帯電話はすっからかんと忘れていたが、気付いたのはいい加減坂を登ってしまい引き返したら電車の時間がやばくなるあたり。 ええ、もうだめだ、諦めよう。

 

 大山から始まってもう6回目の丹沢だというのに何でこんなに浮き足立っているかといえば、いよいよ大倉〜丹沢山ピストンに挑戦するからだ。 表尾根縦走と塔ノ岳ピストンは既に一回こなし、特に後者はまだかなり日が高いうちに帰還できたので緊張することもないのだが、今回はそれプラス往復で2時間(ヤマケイのコースマップでは3時間弱)の距離をこなさなければならない。 この2時間追加がどんだけの足の負担になるか想像できないのだ。

 

 「塔ノ岳まで登って、足が駄目そうだったらそのまま下りてきちゃえばいいよな」と考えていても、バス停で会話したほかの登山者には「いや〜、今日始めて丹沢ピストン挑戦するんですよ〜」などと口にしてしまう。弱気の虫が出たり隠れたりする中、大倉のビジターセンターに降り立った。 今回は特に距離が長くなるので念入りにストレッチするが、そのせいか同じバスで降りた人はみんな先に行ってしまい、残ったのは地下足袋帆布の脚絆と加藤文太郎スタイルで渋く決めた青年だけだった。 大倉のビジターセンターを出たのは朝7時12分。

 

 今日は距離が長いので前回に比べて気持ちハイペース、あまりのんびり途中休憩もせず15分おきにハイドレーションでスポーツドリンクを飲み、気が向いたらポケットに入れておいた行動食の甘納豆をつまむ・・・という、できるかぎり行動時間を増やして距離を稼ぐスタイルなのだが、肝心のスピードが一向に上がらない。 バスで軽く挨拶した兄ちゃんにはあっという間に引き離され、地下足袋に脚絆の文太郎青年にも抜かれたと思うと見る間に引き離されていった。 暑さのせいもあるが、やはり新島の宮塚山に登って以降、まったく歩きのトレーニングをしていないのが響いているようだ。 

 

 後もうひとつ、今日は荷物を軽量化した上にトレイルランニングシューズを使用し兎に角スピードアップ!のつもりだったのだが、ご存知の通り新島でソールを駄目にしてしまったので、冬に備えて購入したグランドキングのごっつい縦走用登山靴(GK68-02)を急遽使用しているのも響いているようだ。 この靴が悪いというのではない。ただ、本来重い荷物を背負っても足首を痛めないために関節をガッチガチに締め上げる靴であるゆえ、脹脛のあたりの圧迫感が半端ではないのだ。 おまけに前日に駅まで往復6km程度歩いただけなので慣らし終っておらず、足に馴染んでいない。 急なガレ場や不規則な樹の根っこ地帯では足が安定していい感じなのだが・・・。

 

 それでもペースの遅い高齢の登山者は何とか追い抜き引き離しつつ登っていく。 花立山荘(1300m)を過ぎたあたりでは霧が濃厚に立ち込め気温もじわじわと下がりだいぶ楽になってきた。ちなみに堀山の家(950m)では気温26.3℃前後だったが、このへんではどうだろうか。

 

 霧と雲が出てきて太陽が隠れてくれるのはこの厳しい残暑の中有難いのだが、夏場に丹沢に5回登って一度も山頂が晴れずに眺望が利かないというのはどうしたことか。 10回登って晴れたのは1回だけという人もいるからそう珍しくもないのだろうが・・・。

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 前回は花立山荘を過ぎたあたりで調子が上がってきたのだが、今回は特に調子が上向いて来るという事もなく、何とか登りをこなすといった具合。 途中これまでとは違うでっかい角の雄鹿にびびったりしつつ、9時52分に何とか塔ノ岳山頂に到着。 タイムは前回より10分ほど縮まって2時間40分。 殆ど休憩も取らなかったので本当はもうちょっと縮めたいところなのだが・・・。 

 

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D

 

 とりあえずベンチに寝っころがりストレッチをしたのだが、起き上がってベンチを見ると見事に人型の染みになっており仰天。あまり周囲に人が居ないので脱いで絞ったらジップアップシャツ、メッシュアンダー共にビシャビシャと水滴がたれてきた。 前回に比べて風がないせいで汗も余計にかいてしまうようだ。

 

ストレッチしてたらかなり太腿が張っており、何だか余計に攣りそうなのでほどほどにして切り上げる。5月の表尾根縦走で食べ残したソイジョイを半分だけかじり(ここまで甘納豆を少ししかつまんでないのにそれほど食欲が出ない)、10時05分に山頂を発ち丹沢山へ向かう。 いよいよここから未知の世界だ(大袈裟)。

 

 丹沢山へ向かう道はこれまでと違って一気に静かで穏やかな雰囲気になる。 塔ノ岳までに比べて登山者が少ないのに加え、傾斜も緩やかでバカ尾根のように殺伐としたところがないのだ。

 

 日高、竜が馬場といった小ピークをこなしていくと、向こうからバス停で軽く話した初ピストン挑戦の青年がやってきた。 恐らく塔ノ岳山頂までで10〜15分、丹沢山山頂までにもさらに10分近く差をつけられているのだろう。競争ではないのだがちょっと悔しい。 ちなみにこの辺も晴れていれば素晴らしい眺望らしいのだが、ご覧のとおりの濃霧で自分の行く先すらあまり見えない状態だった。

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生物モニター調査のための捕虫網が沢山仕掛けられたフシギ空間を抜け、花畑を過ぎるといよいよ丹沢山の山頂だ。 時間は11時4分。 ほぼ一時間。ガイドブックのタイムだと1時間半、健脚さんだと50分前後との事なのだが・・・。まあまあなのかな?

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  みやま山荘でスタンプを捺してから山頂の標識で写真を撮っていないことを思い出した。ところが辺りを見回してもそれらしいモノが見当たらない。 確か「日本百名山 丹沢山」の標識があるはずなのだが・・・。 と、間抜けな感じで二本立ってる丸太の根元に「メンテナンスのため撤去してあります」とラミネートされた紙が張ってあった。 う〜ん、眺望がきかない分せめて有名なこの標識の前で撮りたかったのだが・・・。

 

 仕方ないので下の石に彫り込まれている標識を写真に収め、休憩をとる。 今日はとにかく足に負担がかかるので、大休止のときは一旦靴を脱ぎ、念入りにストレッチとマッサージをする。 ついでに食べ残しのソイジョイとコンビニで買ったあんパンを食べ始めたのだが、疲労のためか食欲が出ずあんパンは半分だけ食べてザックに戻した。 ちょいちょい甘納豆をつまみ、スポドリをカパカパ飲んでいるとはいえ、4時間近く歩きっぱなしなのにあんパン半個とソイジョイで腹いっぱいというのはどうしたことか。

 

 そんなことを気にしていたら、怪しかった空からついにポツリポツリと雨が降ってきた。 一番遠い折り返し点まで来て雨というのはさすがに気が滅入る。 ところが仕方なくレインコートを取り出そうとしたら雨はすぐ止み、今度は雲が切れたかと思うと太陽が顔をのぞかせ、オラオラオラとばかりに炙りに出てきた。 おかげで急に暑くなり、、寝苦しくなったか昼寝中の登山者もむっくり起き上がってきた。

 

 ところでこの時山頂には3〜4人居たのだが、あまりに眺望のきかないがっかりコンディションとひんやりした霧、塔ノ岳に比べて開放感のない雰囲気、ここまで来た疲労等などがミックスされたせいか皆一様に押し黙っていたのだが、この人だけは饒舌だった。なんでも蛭ヶ岳まで行くつもりだったのだが、「眠いからやめた!」とのこと。 さすがに蛭ピストンは自分の限界を超えてると思うのだが「ここまで来れたんだから大丈夫ですよお」とニヤニヤ笑いながら蛭ヶ岳行きを薦めてくるのである。 いや、さすがに尊仏山荘かみやま山荘に泊まってから行くのが普通だと思うんだけど・・・。

 

 まあそのうちに泊りがけで行くんだろうけど、まずはここから帰らねばならぬ。 来た道を引き返し塔ノ岳へ向かう。 と、一瞬霧が晴れ、その蛭ヶ岳が顔を覗かせた。 ここまでがんばったご褒美だろうか。

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全体的には丹沢から塔までは下り基調のはずなのだが楽な感じはせず、いい加減疲れてきたのか塔ノ岳までの時間は殆ど変わらないどころか1分だけ遅くちょうど1時間かかってしまった。

 

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 塔ノ岳で再び大休止を取り念入りにマッサージしてから午後1時に下山開始。 わずかに雲が切れたりもしたが、結局富士山方面は見えなかった。 だから山頂ではこんな会話が交わされるのである

 

「しっかし塔っていっつもこんな天気ですね。まあ前よりはマシですけど」

「いや、夏でも晴れることあるよ」

「何時でしたか」

「ん〜と、3年前だったかな?」

「駄目じゃないっすかw」

 

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 天神尾根の途中で立派な角の鹿が道の真ん中でもっしゃもっしゃと草を食んでいた。 登りでも遭った奴だが、登山道の真ん中を占拠するとは神経の太い奴である。目つきも微妙に悪かった。 なんでも「トウタロウ(塔太郎?)」とかいうあだ名があるとかないとか、山頂付近の鹿のボスだとかなんとか、いろいろ噂の多い奴である。山頂のベンチを占拠していたこともあるらしい。

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 堀山の家のあたりでスポーツドリンクが尽きて、真水のハイドレーションバッグに切り替える。 そろそろ疲労の蓄積が誤魔化しの利かないところまできたのだろう、駒止茶屋と見晴らし茶屋の中間あたりから急激にスピードが落ちたのが自分でもはっきりわかるようになってきた。 それでもまだこの時点では傾斜が緩くなったところでは少しスピードを上げるくらいの事はできたのだが、観音茶屋のあたりまで来ると膝が悲鳴を上げてそれすら出来なくなってしまった。急な段差の階段だけでなく緩やかな下り斜面でも膝に衝撃が来るようになってしまい、痛みをかばって歩いていたら、急いで下っているわけでもない山ガールにまで追い抜かれてしまったのだ。 観音茶屋なんて殆どゴール(スタート)地点みたいなものなのだが、そこから登山道入り口までが信じられないほど長く感じてしまう。 今までの山行だと、「早くひとっ風呂浴びてえ」「帰ったら冷たいビール飲みたいな」「晩飯はたんぱく質たっぷりのゴーヤチャンプルだな」などと考えるのだが、ようやく大倉のビジターセンターまで来た時にはそういった欲望が入る余地もなく、

「もう、下りはイヤ!」

ということしか考えられなくなっていた。

 

 ビジターセンター着は3時40分 2時間40分だからタイム的には前回と同じだが、今回登りと同じ時間というのはいただけない。 駒止茶屋以降の大ブレーキがなければもっとタイムが縮められたはずで、こりゃもっと鍛えなおさないとなあ。

 帰りの電車ではいつも通り転寝したのだが、途中あまりの不快臭に目を覚ましてしまった。その臭いの原因は自分の汗がたっぷり染みたシャツだったわけだが、隣に座った人は災難だったと思う。申し訳ない。

 

 

タイムライン

7:12 大倉バス停発

7:36 観音茶屋

7:54 見晴茶屋

8:25 駒止茶屋

8:43 堀山の家

9:22 花立山荘

9:52 塔ノ岳山頂 10:05発

10:28 日高

10:44 竜が馬場

11:04 丹沢山山頂 11:35発

12:37 塔ノ岳山頂 13:00発

13:30 花立山荘

14:05 堀山の家

14:25 駒止茶屋

14:55 見晴茶屋

15:15 観音茶屋

15:40 大倉バス停

 

服装 

サウスフィールド・ジップアップ半袖Tシャツ

パールイズミ・クールアンダーノースリーブメッシュ

サウスフィールド・ハーフパンツ

キャラバン・GK68-02

イグニオ・スゴ涼感ワークキャップ

 

装備 

ザック:ドイター・クロスエアーEXP

ストック:サウスフィールドTP1002

水筒:エバニュー・ハイドレーションパック2函2(水2函倍に薄めたスポーツドリンク2函

レインウェア:モンベル・レインダンサー

地図:二万五千分の一「大山」、昭文社「丹沢」、ヤマケイガイド「丹沢」

コンパス:SUUNTO

食料:あんパン×1、エナジーゼリー×1、ミニようかん×2、カロリーバランス1箱

   塩タブレット×3、甘納豆、黒ゴマきな粉げんこつ飴、ソイジョイ×1

カメラ:オリンパスμTough

GPS:GT-730FL-Sデータロガー

2012-08-20

島旅2012 式根島〜新島(3)

 

 血の飛び散ったテントで寝たせいかスプラッターな夢を見てしまい何度か変な時間に目が覚めてしまった。おまけに寝ぼけた状態で耳を澄ますとパシャパシャと雨音がする。 週間予報で2日目(20日)はイマイチの天気というのは聞いていたが、さすがにしっかりと降られると気が滅入る。 テントは雨に強いムーンライトなのでそれ程心配することはないのだが、昨日の昼間のように30分かそこらちょろっと降ってもすぐカラッと上がってしまうのならともかく、一日降られるとなあ・・・等と考えつつまた眠りに落ち、暑苦しさで目が醒めると雨はすっかり上がっていた。 まだ眠いのでテント内でゴロゴロしていたが、明るくなってきたところで諦めて起床しささっと朝食にかかる。 真夏のテント泊では朝は食欲もないし、作るのも面倒なのでクラッカーと野菜ジュース、ギョニソやスライスチーズといったところになるが当然今日もその定番メニュー。

 

 朝食を済ませたら3点セットとカメラを持って泊浦に向かう。まだ8時だというのに「夜中の雨と予報は無かった事にしましょう!」という肌を灼くような快晴で思わず「ふふふふふ勝ったな」などとほくそ笑んでしまう。 真夏の遊びは天気が物を言うのだ。

 さて、これまで大浦と中の浦では潜っているが泊浦でのスノーケリングは初めて。 と言うのも、岩場が多くスノーケリングポイントとして定評のある前2つに比べてこちらは砂浜海岸であまり豊富な生き物が期待できない。なのでなにかと後回しになってしまったのだ。 今回はハシゴできるだけの時間もたっぷしあるので、海水浴場として紹介されているところは全部回ってしまおうという計画なのだ。


 朝8時という時間では当然誰もいず、海岸を独り占めっ!

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独り占め!

 

 ところが、海の中はまだ完全に目が覚めていないのかちょろっと回遊魚が出迎えてくれた以外はあまり魚の気配がない。

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回遊魚

  

右側の岩場のほうが魚が一杯いるかな?と方向転換して岩場に向かったのだが、凄まじい勢いでプランクトンが増えてきて、顔や露出している腕や足にチクチク当たって只ならぬ気配になってきた。 赤潮にはなっていないんだけど、半透明のプランクトンが視界一杯に広がり靄がかかってくるような感じでこれ以上進んでも良いことはなさそうである。

 

 昨日潜った大浦、中の浦とも無害なクシクラゲはいても有毒のアンドンクラゲはいなかったのでナメてかかってクラゲ避けのsafeseaクリームを塗らずに来てしまったのが仇になった。 こいつを塗っておけば突起が刺さってかぶれの原因になる「チンクイ」と呼ばれる甲殻類の幼生プランクトンもある程度防げたので気にずる事はなかったのだが、ノーガード戦法でこのプランクトンが濃厚な中に突っ込んで行くのはちょっとぞっとしない。

 そんなわけで右側の岩場は諦めて、遊泳区域のブイギリギリのところにある鉄柱が立っている岩場のほうに回ってみた。 

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オヤビッチャ

 

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キンメモドキ?

 ここでやっと小さいとはいえそれらしい魚に逢えたが、なんにしても大浦や中の浦に比べて物足りないので30分ほどで切り上げてキャンプ地に戻ることにした。

 

 大浦に戻るとやはりここはキャパが違う。海へ入るなり「ハーイいらっしゃ〜い」とにぎやかなお出迎え

 

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お出迎え

  

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クラゲも精一杯光を反射してアピール

 

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るり色ダンサーズも乱舞

とりあえず全部回ると決めていても楽しくて時間が過ぎてしまう。 ただ大本命は中の浦なので重点的にルリちゃんをカメラに収めたら再び移動し中の浦へ。

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2012-08-19

島旅2012 式根島〜新島(2)

 

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式根島が見えてきた

 

 毎回の恒例行事で大島、利島、新島で叩き起こされ、なんとなく寝不足状態で式根島到着。3人組は当然のように寝不足腫れぼったい不機嫌面であった。彼らはバンガロー泊だが自分はキャンプ場なのでいったんここで散開。

 

 式根には二日しかいないので少ない時間をフルに活用しようと「荷解きしたら早速落ち合って潜ろうぜえ!」と元気一杯の提案をしたのであるが、寝不足でフラフラの3人に「疲れてるからまずは寝る!」と却下されてしまった。仕方ないので午前中は勝手に動こうと13kgほどの荷物を満載したフレームザック(今回はハシゴなので自転車を持たず、大型バックパックのみなのである)を背負ったままスタスタと歩き、

 

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泊浦

泊浦で写真を撮った後に大浦のキャンプ場でテントをさっさと張って、速攻で海に飛び込む。

 

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大浦


・・・・!!!??冷っめてーっ!!!!

 

 一応事前に頭からジャブジャブと水を被っていたから感じ取ってはいたのだが、一昨年の八丈島感覚のつもりでいたら予想外に冷たかったので面食らってしまった。あとでライフセーバーに聞いたのだが、なぜかここ大浦海岸だけ昨日の晩に冷たい外洋の水が流れ込み、23度まで低下したらしい。

 

 それでもさすがスノーケリング天国の海。 3年前に訪れたときより遥かに豊富な魚がお出迎えしてくれた。

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もう多すぎて何がなんだか

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るりちゃんだかそらちゃんだか

  

 体が冷えてきたので一時間半ほどで切り上げて小休止。 ここで電話をしてみたのだが、なんでも借りたバンガローが荷物を預けられてもチェックインできるのが午後からとかで全く眠れていないというのだ。 それに予定を立てるのでなくその時のノリと流れで行動したいとのことだったので、それじゃあ中の浦に連れ出すのも悪いかなぁとこっちは勝手にメシを済ませて先に潜ってしまう事に決め、腹も減ったので式根島のお楽しみ、岩ノリ弁当を購入するために池村商店へ向かった。 強烈な陽光と夏の正統派入道雲の下を歩いていると、冷えた体もあっという間に火照ってくる。

 

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夏の正統派入道雲

 

 ところで3年前に池村商店を訪れた時は暑さでぐったりとしたマスコット犬がいたはずだったのだが、見当たらないので店の人に尋ねてみると残念ながら亡くなってしまったらしい。さすがに3年もたつと犬も亡くなったり入れ替わったりするのだなぁとシミジミ。

 店先のベンチを借りてとりあえず岩のり弁当をつまみにビール・・・といきたいところだが、このあとも潜るので自重してコーラで。


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