「対米従属の謎」(平凡新書)を買って読んでいる。前に読んでいたとハズと思っていたけど‥‥やはり古いのが出てきた。(2冊もったいない)
2017年の発売、松竹伸幸氏の本で、日本の対米従属の現実、従属の原点、従属の形成、従属の展開、従属の深層を分析し、対米従属から抜け出す道を探っている。
まだ途中だけど、この本、分かりやすく、よく書けていると思う。
第一章の「日本の対米従属の現実」では、1977年の横浜での米ファントム墜落し、子どもたちが亡くなった事故でのことが記されている。従属の現実として、米軍パイロットは自衛隊に救出され、アメリカに帰り、日本はおろか、米国でも裁かれることがなかった例を示している。
また、日本が全土基地方式として、基地や施設はもちろん、低空飛行など訓練も区域もやりたい放題だが、イタリアやドイツなどでは、国内法が優先されているなど、地位協定と実際の運用の違いなど、分かりやすく比較されている。
イタリアでは、米軍は、すべての航空機の飛行や管制、物資の輸送なども、当局に届け出や許可が必要になっている。
第二章の「従属の原点」のところで、あぁそうだったと思いだしたのが日米安保とNATOの始まりの違い。
日本は米軍の単独占領、ドイツは米軍やソ連軍も含む分割占領だった。そのため各国で様々な意見調整が行われた。
決定的違いは、米国やイギリス、フランスなどの勝者の軍事同盟に、対ソのため、敗者のドイツが加わった事。日本では、勝者の米国が、敗者の日本に占領を継続しておしつけ、対ソ対中戦略の拠点としたこと。
この本で書かれている事の多くは、松竹氏が共産党本部の勤務員の頃の情報と認識だろうと思われる。わかりやすいし、内容については、ほとんどそのとおりと思う。
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これらの本を再読しているのは、松竹氏がどこで「シン日本共産党」で展開している「核抑止力抜き専守防衛」、つまり安保条約容認に変わったのか知りたいからだ。
松竹氏は、自衛隊を合憲とするようだが、米軍「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の指揮統制下に組み込まれ、南西諸島を中心とした中国とのミサイル戦争を戦おうとする自衛隊をどう合憲とするのか? 専守防衛?…… 専守米防衛だろう。
そのあたりの認識、変遷を知りたい。
半田滋さんの動画、よくわかります。
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