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2018-02-25

文書フォーマットの国際化とオープン化

先日受けた文字情報技術促進協議会のセミナー「文字と情報処理の変遷とこれから」の中で、村田 真氏の話された「文書フォーマットの国際化とオープン化」についての解説が面白かったので、メモがわりに書き起こし。

(セミナー内で、内容についてのSNSやブログでの発信について特に注意はありませんでしたが、何か問題あれば削除します)

村田 真氏より、他で決定稿を出す予定ありとコメントあり、この記事はクローズしました。

村田氏のさらに詳しい解説を見られるのを楽しみにしています。

2017-11-06

電子出版アクセシビリティの現状と課題

2017/10/24 JEPAセミナー「電子出版アクセシビリティの現状と課題」自分用メモ


情報アクセシビリティの現状とマイクロソフトの取り組み

スピーカー 日本マイクロソフト 技術統括室 大島友子

マイクロソフトアクセシビリティについて、まずMSのアクセシビリティ担当がどういう仕事をしている部署であるかについて。

アクセシビリティとは「アクセス」と「アビリティ」からきている言葉ですが「あらゆる人にとって使える」ということを目指している。

アクセシビリティ対応について、Windowsは初期バージョンの頃から、障害者の方から様々な要望が寄せられ、それに対応してきたという経緯があります。

テクノロジーによって、障害という困難を補完していくという形で、音声認識や、自動翻訳、複合認識などの技術開発をおこなってきています。

マイクロソフトのミッションはすべての個人と組織が、より多くのことを達成できるようにする、ということです。


「障害」と情報アクセシビリティを取り巻く状況について

昨年(2016年)4月、障害者差別解消法が施行され「障害を理由とした差別の禁止」とともに「合理的配慮の提供」が定められました。

「差別の禁止」というのはわかりやすいと思います。たとえば「この会社に入社したい」とか「この打ち合わせに参加したい」とかを障害を理由にして差別してはならないということです。

では、「合理的配慮」とは何か。

これは障害のある人からの申し出に対する対応について「その実施に伴う負担が過重でなければ、提供しなければならない」と定められたもの。

これまでは障害への対応は対応する側の善意で行うのみ(つまりやるかやらないかは対応側に任せられている)だったことが「過重な負担がなければ提供しなければならない」と法律で明確に定められたということは大きな意味があります。

過重な負担とは、障害者からの申し出に対して、経済的負担やそれを行うことによるメリットなどとの比較などによって、総合的に判断されます。これからは障害への対応について、関係者間の合意形成が重要になってくると言えます。


障害とは

以前は、障害といえば、体の機能の障害ばかりを言われましたが、今は社会モデル(社会環境側がその障害のある人の参加を前提としていないところから社会参加を妨げる)としての障害まで含めて議論されます。

情報アクセシビリティの法律について、米国ではリハビリテーション法508条で「障害のある人でも、障害のない人と同じように情報にアクセスできなければならない」と義務付けられています。

しかし日本ではまだアメリカほどはっきりと定められたものがありません。

ただし、教科書バリアフリー法などで「(障害のある人への対応を)提供してもよい」となっているので、教科書などでデジタルデータの提供をすることが可能になっています。。

今年(2017年)1月、EPUBを策定したIDPFがWeb標準技術を策定するW3Cと統合しました。

WebのアクセシビリティはWCAGで定められており、これは情報を得るためのアクセシビリティとして、EPUBなどでも重要になります。

情報アクセシビリティの話をすると、どうしてもコンテンツの話に偏りがちになりますが、情報(コンテンツ)を得るためのリーダー(端末)やその提供方法についても同等に重要です。


読むことの困難は色々ある

視覚障害、といっても全盲、弱視、視野が狭いなど多様な状態があります。

印刷された文字が読めないなどの読字障害、ディスレクシアや、本を持ったりページをめくることが困難な肢体不自由、老化による目の衰えなど「読むことへの障害」は様々であり、こういった状況はいつ誰に降りかかるかわからない。アクセシビリティの問題は一部の人の問題ではなく、すべての人にふりかかってくる問題なのです。


マイクロソフトの取り組み
  • Word、OneNoteに搭載「イマーシブリーダー機能」

最新版にテキスト読み上げ機能搭載。Windows8から搭載されている音声エンジンで読み上げる。Edgeでも読み上げ対応。


  • Windowsでの読み上げ機能ショートカット

キーボードショートカットwin + ctrl + enter でナレーター機能が起動

windows自身の読み上げを行う

終了させるにはctrl + Alt + Escで終了


  • Windowsでの画面ズーム機能ショートカット

win + れ(+) で画面拡大 レンズ拡大や全体拡大などが選べる

ctrl + Art + L (レンズ)

ctrl + Art + F (全体)

win + Escで終了

これらのショートカットはWindowsの設定で「簡単操作」で設定できる



写真を撮った文書の台形補正→OCRを行うスマートフォンアプリ

読み込んだ書類をイマーシブリーダーに送ることができるのでそのまま読み上げ可能


  • UDデジタル教科書体

Windows 10 Fall Creators Updateで森沢の「UDデジタル教科書体」を提供

通常の教科書体は弱視の人にとって細い部分が読みづらい、ディスレクシアの人からの文字のはらい、突き出しがこわいという意見、しんにょうの形が手書きされるものと違って判別できない、といった意見をとりいれ、かつ学習指導要領にそった字形に対応。


カメラで撮影されたものに対して、言葉で説明してくれるアプリ

文字の読み上げはもちろん、その物がなにであるかを解析、判断して言語で説明してくれる

物の解析にはAIによる自動判断が使われている。


Q&A

Q SeeingAIのサービスについて、クラウド上動画データをあげて解析し、テキストにして返していると理解したが、例えばテキストから要約して手話動画に変換といった変換には取り組んでいるか

A テキストから動画に変換するサービスは今は表に出しているものはない。フォローレンズやバーチャルリアリティキネクトなど動きを捉えるという研究はしているがまだ成果をだせるほどになっていない



WordTalkerのご紹介

スピーカー イースト株式会社 柳 明生

WordTalkerはWord読み上げのツール

読み上げ機能は最新版のWordには標準で搭載されているが、それをさらに強化するプラグイン

インストールするとWordに「読み上げ」タブが追加され、様々な機能が利用可能に。

Q&A

Q 読み上げの際の日本語、英語の切り替えはどう区別して判断しているのか?

A 文字列での判定基準についてはHPにも載せているが、英語で読みたい部分について、半角スペースか改行で挟まれておりかつ、その間に日本語が含まれていなければ英語と判断している

Q 言語解析辞書などは利用していないのか?

A 辞書も使っているが一般的なもの。MeCabで解析している




デジタル化による視覚障害者の読書環境の向上と課題

スピーカー 慶應義塾大学 中根 雅文

自己紹介として、ほぼ先天的な全盲です。

ほぼ、というのはごく幼年期は見えていたらしいが本人まったく覚えていないので、ほぼ先天的な全盲と言っている。

私は、小中高と盲学校で点字で教育を受けました。

アクセシビリティの情報サイト、AccSellを主催しています。

今日は電子書籍アクセシビリティについての話をするが、主に全盲のユーザーが使う場合についての話。

最初にこういったセミナーで話すときに、私が手元で何を使っているかを説明します。まずスライドについてはGoogle スライドで作ったもの。以前はスライドなしで話していたのですが、聴講者から「なにか見るものがないとつらい」といわれて、それからとりあえずスライドを表示するようにしてます。

FireFoxで表示、スクリーンリーダーで読み上げて、その画面を点字化するソフトを使い、手元の点字ディスプレイで表示させてスクリーンに表示されているものを確認しています。

Googleスライドについてはなぜかスクリーンリーダーがタイトルしか読んでくれないので、別に原稿を作って、それを点字で読み上げています。



視覚障害者の書籍アクセス:電子書籍以前

  • 対面朗読

一番原始的なものです。もともとは誰かに読んでもらうしかなかった。現在でもアクセシビリティの確保されていない文字情報についてはこの方法がもっとも確実。

公共図書館などでは「対面朗読サービス」として、視覚障害者に提供しています。これは視覚障害者だけではなくディスレクシアの対応にもなっています。


  • 点字図書

書籍の内容を点字に(点訳)して提供。

もともとは点字も手書きで、紙を点字機の点字版に挟み込み、針で1点1点押し込んで作る。これ、手はかかりますが、みなさんが思うよりははるかに早く書けます。私はいまでもメモ書き程度には使っています。ただ、今は(PCなどを使うようになって)以前ほど早くは書けなくなりましたが。携帯つかうようになってみなさんが漢字忘れて書けなくなったというのと似てます。

その後点字製版という手法も普及しました。亜鉛の版に点字を彫ってプレスする。銅版画と似ています。原版を作るのは大変ですが、大量に刷ることできる。高校生の頃なんかは生徒会で配る資料なんかをこれで作っていました。今でも使っているところはあると思います。

最近ではPC上で点字データを作り、点字プリンターで出力する方法が主流になりました。いまでは手書きの点字本にはほとんど出会わなくなりました。


点字図書の問題点

まず、点訳者の不足、昔は手作業なので大変だった。今はパソコンになっているが、そもそも点字の書き方に習熟するのが大変というのがあって、なかなか増えない。

日本語の点字には仮名しかなく、ひらがなとカタカナの区別もない。

文節分かち書きを用いることで意味が理解できるようにしていますが、この文節をどこで分けるかも細かいルールがあり、一部普通の表記文字とは一致しないものもある。これらの規則が複雑なため、点訳者がなかなか増えない。

あと、点字の本は物理的にかさばります。

1冊の文庫本でも点字にすると6冊ぐらい、辞書などは大変なことになる。個人で点字の辞書を所有するということは、書庫の一角にすむようなもの。


原本の内容を朗読したものを録音して提供。アメリカで始まったときはアナログ・レコードやソノシート。やがてカセットテープへ移行。

私が1980年代にアメリカに行った時、ソノシートは現役でした。どういったものがソノシートで提供されていたかというと、雑誌などの録音はソノシートだった。

1990年代中頃移行にDAYSY形式が普及。日本でも一気にひろまった。

音声データとメタ情報で構成され、原本のページ情報、見出し、段ラック、センテンスといった文書構造の情報を提供可できる。ちゃんと作ってあれば、目次から目的の章への頭出しなど、それまでカセットではできなかったことが可能に。ただし、できるからといってちゃんと作るかというとそこは別の話ではあったが。


点字図書、録音図書での図表、写真などの扱い

基本はテキストオンリー。点図という点で表現した図もあることはあるが、簡易のもの。

点訳者、音訳者が図に対する注釈を挿入することが多い。

以前はそういった部分はばっさりと省略されることも多かった。注釈で「図は略」とか。本文で「写真がうんぬん」とあるのにその写真についての説明が一切ないとか。


点字図書、録音図書共通の問題点

点訳、音訳にはそれなりに技術と経験が必要。特に音訳はアクセントなどを正しくするのはもちろん、音訳者の解釈が伝わってはいけない(なるべく無感情によむ)が70年代80年代は感情ゆたかな読み手もいたり。

点訳も音訳も原本発売からのタイムラグがかなりある。直木賞受賞作などは早いが、専門書などはそもそも翻訳されない。

翻訳された本も、個人で所有できることはまずなく、限られた部数の点訳、音訳本を各都道府県にある点字図書館などをとおして借りていた。

限られた数しかないので、視覚障害者で取り合いになっていた。


点字図書、録音図書の電子化

現在はパソコン点訳が一般化。一度つくったデータを何枚も複製できる。

録音図書DAISYの普及によりデジタルデータとなりコピーも簡単に。

その後インターネットの普及で、状況はますます改善。PC上で点訳された図書データを集約する「てんやく広場」というシステム。IBMが中心に1988年社会貢献事業として開始。ただし、当時はパソコン人口も少なく利用者も少なかった。現在はSAPIE(サピエ)という名称でサービス継続、インターネットへの対応と個人でも利用できるようになったことで直接点字データをダウンロードして手元で読むユーザーが増加。

入手したデータを点字ディスプレイや点字プリンターを利用して読む場合もあるが、仮名テキストに変換して読み上げアプリを利用するユーザーも。


録音図書利用環境の変化

当初は専用の機器が必要だった。

SAPIE以降、SAPIEで提供されるDAYSYデータを手元の専用機器やPC、スマートフォンで再生できるように


電子書籍と視覚障害者

1990年代の電子ブック登場時から、視覚障害者が電子ブックによせる期待は大きかった。

特に辞書は、点字での辞書がものすごくかさばってしまうなど所持するにはハードルが高かったことから電子化で飛びついたユーザーは多かった。

OCR技術が向上したことで書籍の「自炊」による電子化を行う人も増えたが、スキャンのめんどくささと、バラした本の順番がわからなくなってしまうと大変という問題がある。


Kindle登場

2007年11月に米アマゾンがkindle発売

当時は視覚障害者にアクセシブルではなかったため、改善を求める声が視覚障害者からあがった。

2009年TTS(text to speech)への対応。ただし、端末の操作メニューなどは音声化されず。

2009年、Amazonの教育機関へのkindle導入の試みに対して、視覚障害者団体などから、障害者への対応が不十分として訴訟がおこる。

米ではWebサイトのアクセシビリティを巡っても、障害者への対応が不十分であると訴えられるケースが多く、対応不十分とされると政府への導入などにも支障が出ることから、電子書籍アクセシビリティ訴訟に対してアマゾンは真摯に取り組む必要があった。


Kindle書籍の問題点

図表や写真は基本的にアクセシブルではない


EPUBへの期待

EPUBの書籍には、文書構造を適切に埋め込むことができるため、Web上の文書と同等のアクセシビリティーを確保することができる

ただし、文書構造が適切に埋め込まれているかどうかは製作者次第。また、リーディングシステム側での対応も必要。

スクリーンリーダーでの漢字の扱い

1文字ずつ確認する場合とまとめて読む場合で読み上げが変わる。

詳細読みで文字を識別。最悪文字コードを頼りにその文字について調べることができる。音声リーダーがめったにつかわれていない字に対応していない時がある。その場合、文字コードで調べる。

当然だが外字はお手上げとなる。


アクセシブルな電子書籍とは

重要なのは過不足なく情報が伝わること。最近では不足なく情報を伝えることは心がけられているが、過分な情報提供に対する意識は弱いと感じる。

書籍を読んで読者が解釈しないといけない内容は、活字書であれ電子書籍であれ、障害者であれ健常者であれ、基本的に同じになるべき。

たとえば、1/2という表記。これは「いちすらっしゅに」と読むべきだと思うがこれをリーダーが「いちがつふつか」「にぶんのいち」と読んでしまう。

「いちすらっしゅに」を「いちがつふつか」なのかを「にぶんのいち」かを判断するのは、読み手側に委ねられるのがよいと考える。

ただし、これは視覚障害者の読書での話であって、ディスレクシアなど障害の種類によっては考え方は変わる。なので、どちらで読み上げるかはリーダー側で設定できるようになるとよい。

視覚障害者は「正しくない読み上げ」には慣れているので、「正しく読み上げられる電子書籍」にこだわるよりも、正しく文書構造が伝わり、図や写真などの非テキスト情報が適切に伝わるようになっていることの方がはるかに重要。

読み上げの正確さについては、今後音声合成の進歩はSSMLなどの技術での改善が期待できるので、制作側は正しく文書構造を設定するといった点により注力してもらいたい。

電子書籍の登場は視覚障害者の読書機会を増大させている。

現状ではkindleがほぼ唯一の選択肢であるが、少なからず改善すべき問題があるため、この点で勝る電子書籍が増えれば、視覚障害者の読書環境はよりよくなる。



【感想】

電子書籍アクセシビリティについて、JEPAでは定期的にセミナーがあるが、障害者差別解消法の施行などで、障害を取り巻く環境はここ数年目覚ましく変化しているように感じられる。

機能的な視覚障害だけでなく、ディスレクシアなどのいままで存在すら見えていなかった障害が一般的に認知されつつあり、その対応としても、電子書籍が重要になってきている。

しかし、視覚障害の方が書籍などを音声読み上げで読むのを聞いていると、私にはとても聞き取れないようなスピードで音声を聞いていて、ひょっとすると普通に目で読むよりよっぽど早いのじゃないかという気がするな…

2017-10-12

JEPAセミナー「使える? 使えない? 権利処理の境界線」

JEPAセミナー「使える? 使えない? 権利処理の境界線」〜事例で考える権利処理の課題〜を受けてきました。自分メモ用レポート。

スピーカー:株式会社マイクロコンテンツ 鈴木道典  用賀法律事務所 弁護士 村瀬拓男

(セミナー内では該当の書籍の画像も表示されたが、さすがにここに表示していいとは思えないので非掲載)




既存書籍の電子化にあたり、煩雑な権利処理が発生する場合がある。

事例を元に、どういった場合に問題になるのか、電子化の際の権利処理の課題と対策について。


ただしい引用とは

著作物の中の引用について、後々になって問題になるのが嫌だから、となんでも許諾を求める傾向があるが、正しい引用であれば、許諾をとる必要はない。


引用の要件 公表された著作物、明瞭性区別、主従関係、出所明示、著作物で引用。

引用の要件のなかで大切なのは「主従関係」と「明瞭性」

引用とは主に学術論文の中でつみあげられてきたルールである。論文とはまっさらな1から書かれるものはあまりなく、過去の論述に積み上げていくものである。先人の許諾を得ずともその文章を使うことができるのが引用である。

論文においては、まずその引用に対して「言いたいことがある」ということが大前提となる。

「新しく言いたいこと(主)」に対して「これまで言われてきたこと(従)」をだす、主従関係がはっきりしていること。

主従の表示上の区別がはっきりしていること(明瞭性)。

「これこれこう言われてきた」として引用するものは文章でも写真でも図でもなんでもよい。

主従は分量の問題ではない。主の分量が従よりはるかに少なくても問題はない。

近年の裁判例では、著作物として使える範囲、権利制限規定に当てはまらないものをむりやり引用として処理したりする例もあるが、あまりあたらしい判例をみるとわけがわからなくなる。

例えば鑑定書の裏にその絵画のコピーを貼ってあるといったところの権利処理をするのにこれを引用として無理やり解釈するといった判例


著名人の写真の引用

マドンナの写真が引用された書籍、これは引用として判断されるか

まず、文中に写真についての具体的な論述があれば引用として判断できる。さらに引用されている分量が正当な範囲であるかどうかという判断。

ただし、文章と違い、写真や絵の引用はそれ自体が独立して鑑賞の対象になると判断されると微妙になる。

この例においては、写真のサイズがやや大きい(紙面の3分の2を占める)のが気になる。

4分の1以下の大きさにとどめる、カラー写真であるならモノクロにするなどの工夫をしたほうがよい。

裁判をすれば問題ないと判断されると思うが、そもそも「最終的に裁判で勝てればよい」のか「クレームがくるのを避ける」のかという二つの立場がある。

法律上問題ないということと、クレームがこないというのは別であり、クレームを避けるというのを第一におくなら写真、絵画のサイズ、分量は気をつける


引用の改変について

引用の基本は「それまでに言われた考えなどを出す」ためのもの。そのものを改変しては意味がないので、引用は元の著作物をそのまま使う必要がある。

ただし、測定データを図表化したというようなものには著作物性はないため、これは引用に当たらない。そのため改変しても問題にはならない。

データやグラフ、地図といったものに著作性はない

しかし、例えばミシュランの星の数といったものは著作物にはならないが、そのデータを持ってきて商用利用するということは別の権利侵害にあたる可能性があり、著作権の問題ではなく、不法行為となる場合がある。


引用か転載許諾か

漫画を数コマ掲載した例、この場合引用でよいのか転載許諾が必要か

「引用」は何かを証明するためという主従関係がないと引用と言えない。

例であげられた漫画のコマの場合、このコマの内容と文中で指し示す事例が関わりがあると判断されれば引用でよい。

しかし、関連はするがそれでなければいけないという結びつきがないものは引用にならないので転載許諾が必要となる。

(例として、4コマ漫画、映画のカットワークを参考にしたと解説されるコマ割りは引用でよしとされた。他の掲載例で、文中で話すテーマについての4コマ漫画を載せた例は、関連はあるがこれでなければならない結びつきがないとして、転載許諾が必要とされた)


新聞記事の引用

新聞記事にも著作物性はある。

ただし、著作物性があるとされるのは、感情を起こさせるような部分のみ、事実の伝達にすぎない時事報道内容は著作物にならない。

つまり事件の詳細をつたえるにあたり、感情を誘導するような見出し部分については著作性が認められる。

新聞記事を整理して事実を記載するのはOKだが、新聞記事の見出しを羅列してコンテンツを作るのは著作権の侵害にあたる可能性がある。


写真の著作権 人の場合

写真の著作権はまず撮影者にある。撮影された被写体が人である場合、人格権に基づくパブリシティ権があるが、人ではないものの場合パブリシティ権はない。

パブリシティ権、ピンクレディの裁判で有名だが、撮影されたものに顧客誘引力がある時はパブリシティ権を考慮するが、一般の人については経済的な価値はないとする。

肖像権はだれもがどんな時でも認められるものではない。

たとえば、写真において政治、思想、信条などが推測されるのが不利益があると判断されるような場合は考慮される。

渋谷のスクランブル交差点で撮影されることには不利益はないと判断されるが、道玄坂でカップルで取られたとなると不利益があると判断される可能性がある。


写真の著作権 所蔵者の場合

建物や絵画、彫刻、仏像といった物品の写真に対してその所蔵者の権利はどうなるか

基本的には、所蔵者には著作権はないが、ほとんどの場合、写真を撮影したときの条件に絡んでくる。撮影時にどういった条件で撮影したかによって所蔵者の権利が変わる。


写真の著作権 立体物と絵画

彫刻、仏像など立体物の写真についてはアングルやどの部分をきり出すかといった違いにより写真が著作物として認められる。

しかし、絵画を真正面に撮ったものについては著作物としては認められない。


写真の著作権 フォトストックの写真

例えば浮世絵の写真といった著作権の切れたものでも、フォトストックなどから借りて利用する場合、利用料が発生する。

電子化の再販の場合、再利用料を支払うことになるが、通常、最初の使用料の7〜8割程度を要求される。

最初に数千、数万を作成する紙の印刷物と違い、電子の場合はとてもその再使用料を払うことができない。、これから制作、印刷される書籍については電子化まで含めた料金で契約されていることがほとんどだが、古い書籍についてはそういった契約がないため古い書籍の電子化の壁となっている。


写真、イラスト、絵画の著作権 誰が著作権者か不明なもの

人物写真、風景写真など、誰がとったか不明な写真の扱い。

本来は、文化庁長官裁定にて裁定を受けるのが必要であるが、非常に手間(とお金)がかかる。

個別での判断になるが、問題がないと判断したものについては、そのまま使ってしまい、著作者からの申し出があった時点で個別対応するというやり方を取らざるをえない。

問題がないという判断は、まずパブリシティ権、顧客誘引力があるかどうかの判断。経済的価値があるかどうかで判断される。

イラストや挿絵については、署名があるものは調べるが、載っていないものについては調べようがない場合もある。

そもそも書籍の電子化において、一度紙の書籍になっているということは、書籍化される際に許諾をとったということである。

一度許可したものに対して電子化だと「No」を出す人というのはそれほどいない。

それを前提に考えると、著作権者不明のものはそのまま使ってしまい、著作者の申し出を待つというのもあり。


装丁デザインの著作権

装丁デザインについては許諾は必要ないとしている。

電子化を前提に作るものについてはそれを含めて費用何割マシかで作る場合もあるが過去の本の電子化については装丁デザインの許諾はとらない。

装丁デザインには著作権はないと考えられるが、装丁の中に使われているイラスト・装画には著作権が発生する。ここには許諾が必要である。

ここでの許諾は、電子化において、電子データの一部として装丁(表紙、表紙裏、見返しその他)が含まれることを指している。

販売用サムネールとしての装丁利用は、中身の同一性の保証として、商品流通のためのパッケージとしての利用の共通認識とされていると考える。(つまりサムネール利用については許諾は必要ない)



会場とのQ&A

Q (マドンナの写真例において)4分の1以下の大きさにとどめる、カラー写真であるならモノクロにといった話がありましたが、この場合写真の同一性保持の侵害にはならないか

A 同一性保持の侵害の部分はあるが、4分の1以下の大きさにとどめる、解像度を下げるといった規定はサムネイル利用を定めた基準としてある。法律にサイズや解像度を下げることを許容する規定があるということは、同一性保持をそこまで重視しない

Q 引用としての重要度に主従関係とあり、従がこれまで言われてきたことで、主が新しく言いたいことであると言われたが、教科書などでは主が新しいことと限らず、従来言われてきたことを言うために引用するがこれはよいか

A 主、新しいとは新規性をいうものではなく、まとめなおす、説明し直すといったものも含む。つまり、書き手の言いたいことというのが主。

まとめ直すとは、書き手が言いたいことが入っていなければならない。つまり、まとめサイトのように、いろんな発言を集めて並べただけのものは引用とは言えない。まとめ主が言いたいこと、というのが入っていないため。


Q 単なるデータについてのグラフ化は著作物ではなく、改変にも当たらないとあったが、著者がフィールドワークで独自に集めたデータであっても著作物にあたらないか?

A 著作権法上の著作物は、かいた汗には比例しない。どんなに苦労して集めても、集めたデータは著作物にはならない。

ただし、集めたデータは著作権意外の法的保護がある可能性があるので、その先人の努力にただのりする(集めたデータを勝手に使うなど)は著作権の問題ではないが、他の不法行為となる場合がある。

Q 引用部分の明瞭性、区別性とあったが、紙面においては段下げなどではっきり区別できていた部分が電子化でリフローになると段下げが認識しづらくなることがある、この場合は。

A リフローであり版面が固定できないのであれば、鉤括弧でくくる、フォントを変えるといった他の形で対応する必要がある。電子化に合わせてデータを改変する必要がある

Q 電子化復刊の際、権利侵害をしてしまった場合、その責任は著書にあるのか、それとも電子化した出版社にあるのか

A まず、出版社はその責任を免れることはないと申し上げる。頒布している以上、権利侵害を放置したということで、そこの責任は免れない。

Q 写真に写り込んでしまったものに対する著作権は発生しないとあるが、この偶然写り込んだという判断はサイズとか考え方はあるか

A 軽微な構成であるとか、どのぐらいクリアかは総合判断の要素ではなるが、相対的な全体で判断される



【感想】

既存書籍の電子化の際に一番問題になる「権利者が見つからない」問題。法律的にはどう対処するのかな…とおもったら「とりあえず作ってしまって、申し出があったら対処する」という、至極現実的な回答でありました。

それと、レンタルフォト類の使用料問題は出版社側がかなり苦労していそう。

電子書籍での再利用時の料金、多分レンタルフォト側もそんなに深く考えずに請求しているのでは…という価格。

紙の出版物とは部数も金額も違うものであるという前提の料金にしてもらえないと過去出版物の電子化はハードルが高い。

2016-09-16

FontExplorer Xが日本語化したぞーーー!

安定と信頼のフォント管理ツール、FontExplorer Xがついに日本語化しました!

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▲待ってたよ!

いろんなフォント管理ツールを試しては、あそこがダメだここがよくないと好き放題めった切りしてる私ですが、普段使っている管理ツールはFontExplorer X PROです。

私がフォント管理ツールに求める条件である

・安定性

・軽快な動作

・フォントの外部フォルダ(システムフォルダ外)での管理

・バージョン違いフォントの複数管理

・フォントセットの作成の簡単さ

をある程度備えているツールとして、もう10年近くのお付き合い。

ただ、そのFontExplorer X、日本語対応してなくてメニューや設定表示が全て英語!というところが玉に瑕だったのです。

いや、英語メニューのままでも、日本語フォント管理はできるんですよ?

だけどただでさえフォント関連の用語って馴染みがないことが多いのに、日本語でもわからない単語が英語で書いてあってわかるわけがないじゃないすか!設定画面全部英語で「多分こういうことだよなー」って何となく設定してたけど不安じゃないですか!

それが日本語対応!

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▲ちゃんと日本語表示!


正直、日本語対応する気配全くなかったので、ほとんど諦めてたよ!「外国のメーカーだし仕方ないなー」って!

「FontExplorer X Proは金髪美人の有能秘書のイメージ。仕事できるけど何言ってんのかわかんないの。対してApple純正システム標準のFontBookは純情素朴な田舎の幼馴染。いつもそばにいるけどちょっと抜けてて物足りない」とか言ってたのに、金髪秘書、いつの間にか日本語をマスター!有能!

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▲有能美人秘書と田舎の幼馴染イメージ(イラスト:@moriwaty画伯

まだ関連文書全部は日本語化できていないようで、ヘルプやクイックツアーなどを選択すると、英語のままだったりNot Foundが出ちゃったりします。

この辺はまだまだ秘書も「ニホンゴ勉強中デス…」って感じでしょうか。

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▲ところどころ英語が出ちゃう

でもメニューが日本語表示になったことでお付き合いしやすくなった感じはあるよね!

今まで、人に勧めるのにも「いいツールだよ。でも全部英語なんだ」っていうと「それはちょっと…」的な反応が多かったけど、これでハードルが低くなったというか、親しみやすくなったというか!

今まで「英語だから…」と敬遠してた方はこの機会にお近づきになってみてはどうでしょうか!


ただしFontExplorer X、有償ツールなので試用期間終了後は購入する必要があります。89.00€

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割と定期的にアップデートがあって数バージョンごとにアップデート料金が必要。

「報酬はきっちりいただきます。仕事ですから」って感じ。

フォント管理ツールは、FontBookやLETS FontACE、モリサワFontKeeperなどタダで使えるツールも色々あるだけにこの金額に抵抗を感じる人もいるかもしれない。まぁタダで使えるツールは機能的に「タダだからな…」としか言えないところも多いので、FontExplorer Xは価格分の価値は十分あると思うけど。


「安い女(フリーウェア)と一緒にしないでくださる?」

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ビジネスライクなお付き合いをお願いします!

2016-06-16

【小ネタ】スクリプトエディタ.appに画像が表示できる


スクリプトエディタ.appの編集の「説明を表示」欄に、画像がドロップ表示できることに気がついた。


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▲「説明」欄に画像をドロップ

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▲表示される

さらに選択して「マークアップ」で編集画面が出てくる。

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マークアップ

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▲編集できる

しかし保存して開くと「?」になって消えてしまうし、なんの為の機能なんだかさっぱりわからない。

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▲消えてる




「みなさんこんにちは!ちくわです!ちくわです!ちくわです!」

── こんにちわ!「ちくちく日記」です!…ってちょっと勝手に出張らないでよ。

「すいません、あまりにも久しぶりすぎて!」

── 前回登場してから1年ちょいぶりぐらいか…っていうか、別に今回は呼んでないよ。なんで出てきてんの。

「いやだって、僕のブロマイドが使われてますし!困るなー、ちゃんと事務所通してもらわないと」

── 事務所ってどこだよ。紀文かニッスイか。

「というか、なんですか今回のネタは。こんなのわざわざブログに書かなくてもTwitterでつぶやいときゃいいんじゃないですか」

── まぁそうなんだけどね。でもしばらく更新してないからたまには更新しとこうかなって。

「ああ、あんまり更新してないと『もうちくわ出さないんですか?』ってきかれますもんね」

── ちくわ情報ブログじゃねーよ

「それでとりあえず、どうでもいい小ネタで更新、と」

── 正直、Twitterでつぶやくんなら数分で終わるのに、ブログに起こすとなると、文章打つのも時間かかるし、画像加工も時間かかるし、ちくわが出張ってくるし途中で「なにやってんだかな」って思ったな。

「人生の無駄遣いですね」

── だけど、こういうどうでもいいネタなら炎上もお叱りもないからな!みんな、こんな不真面目なブログみて真面目に怒ってちゃ時間の無駄だぜ!見んなよ!

「そういう言い方するから叱られるんだと思います!」


これからもやる気ない感じで不真面目にやっていきたいと思います!