本日の東京市場、寄り付き前の外人動向が13日ぶりに買い越しに転じた事を背景にNY市場の下落にも関わらず117円高で始まり後場に入っては米ブッシュ大統領サブプライムローン問題に対する総合的な対策の概要を31日に発表するとのサプライズの好材料を受けて一段高の415円高16.569円高値引け、先物出来高10万6.932枚で現物に対して約31円順ザヤの16.600円高値引けと久々に踏み上げ相場に入って今月の商いを終えている。昨日筆者は米政府の対応が好材料となってこの問題も9月中には決着が付くものと見ると解説したが、9月を迎えるに当って月末の本日に早速その動きが出て来た事は9月相場に大いに期待を持って良いものと筆者は考える所である。 まずは今夜のNY市場に於けるブッシュ氏の発表する対策の中身とバーナンキ氏の発言に注目である。
相場の中身に於いては市況関連株、商社、船株、ハイテク電機株、大きな流れがいずれもうねりを伴った強い上昇となって来ている点に注目である。この所の相場はこれ等の流れが多少とも強く上昇しだすと先物に踏みが入ったりと敏感に反応するが続かずに来た。しかし、本日は一瞬では無く後場から大引けまで一貫して踏みを交えた強力な上昇の動きとなって来ている点である。相場は昨日までの戻りを取る反発の動きから上値を取る上昇の動きに一変した本日であり、久しぶりのこれぞ相場という動きに筆者も嬉しい限りである。
ようやく鬱憤を晴らす相場が来るものと筆者は見る。9月相場に大いに期待したい所である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月31日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は様子見ムード。DOWは−50ドルの13238ドル、NASDAQ総合指数は+2.14ポイントの2565.30ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+35円の16,235円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2830万株、買い3050万株、差し引き220万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は全面高商状。日経平均株価始値16,270円と前日終値16,153円から117円高くスタートし、ハイテク株などの主力株を中心に堅調に推移。後場には一段高となり上げ幅を更に拡大いたしました。引けは+415円の16,569円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,559銘柄に対し、値下がりは99銘柄、変わらずは58銘柄。東証1部の売買代金は2兆6696億円、売買高は18億4006万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 31日、週末金曜日の本日の東京株式市場は全面高で大幅続伸いたしました。円安基調の為替や、米NY株式市場でハイテク株がしっかりとしていたことなどから買い安心感が生じ、引けにかけて幅広い銘柄が買われました。
 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、三井金属(5706)など非鉄金属株が上昇。

 また、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、シャープ(6753)、TDK(6762)などハイテク株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株が上昇。また、昭和シェル石油(5002)、新日本石油(5001)、AOCホールディングス(5017)、石油資源開発(1662)など石油株や石油関連株が続伸。
 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株や、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、乾汽船(9113)など海運株も買われております。

 その中目立った銘柄では、短期資金介入の市田(8019)が+23円の144円と大幅上昇を演じ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。仕手性銘柄のMUTOHホールディングス(7999)は続伸しストップ高野村証券原子力発電設備業界のレポートで取り上げた帝国電機製作所(6333)や、コスモ証券が投資判断を「B+」から「A」に格上げした東京鐵鋼(5445)、自社株買いを発表した古河電気工業(5801)などがそれぞれ人気化し上昇。
 その他、クボテック(7709)がストップ高となった他、東日カーライフグループ(8291)、ディーアンドエムホールディングス(6735)なども幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は上昇期待の買いが広がり上昇。主力株では、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、インテリジェンス(4757)、ディー・エヌ・エー(2432)、アルデプロ(8925)などが買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数それぞれ揃って続伸いたしました。

 個別では、「特別会員銘柄」のSBIベリトランス(3749)、インフォテリア(3853)が揃ってストップ高まで買われた他、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からファンドクリエーション(3233)、ジャストシステム(4686)、T&Cホールディングス(3832)、ダイヤモンドダイニング(3073)、コシダカ(2157)、データ・アプリケーション(3848)、リミックスポイント(3825)など多くの銘柄がストップ高まで買われました。「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄はストップ高続出となっております。

 さて、東京株式市場全面高で日経平均は400円幅の大幅上昇となりました。ブッシュ大統領が31日に「サブプライムローンの借り手が債務不履行に陥るのを避けるために対策を取りまとめる意向」と伝わったことから買いムードが高まる形となりました。サブプライム問題進展への期待に円安方向に振れた為替も好感されております。

 本日はどちらかといえば東証1部銘柄の上げ幅が目立っておりました。新興市場は直近公開銘柄物色が広がりを見せる形となっておりますが大幅上昇を演じている銘柄は、新興市場の中でも流動性の乏しい小型株が多く、新興主力株は比較的おとなしい動きとなっておりました。
 ただ、過去の動きを見ると9月相場は連休も多く中間決算もあることから月末に向けて主力株の動きは悪いとされます。一方、新興市場銘柄は年金の小型株運用が10月から開始される予定となっており、その先回り買いが期待されます。下げ続けてきた銘柄、底値もみ合いを離脱してきた銘柄などをマークしていきます。

 動くと軽いモーニングスター(4765)を始め、テクマトリックス(3762)、ビットアイル(3811)、アストマックス(8734)、レイコフ(8941)など動き出す前にコツコツと狙う一方で、パシフィックマネジメント(8902)、イントランス(3237)、フージャースコーポレーション(8907)など売られ続けてきた不動産株の反発にも期待していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+415円の16,569円と大幅続伸。昨晩の米NY株式市場は高安マチマチとなりましたが、為替の円高一服や寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き220万株の買い越し観測となったことから買い優勢の展開で取引を開始いたしました。
 日経平均株価は+117円の16,270円と小高く始まり、その後もダレることなく上げ幅を拡大。後場に入ると売り方の買戻しも手伝い先物主導で更に上昇、+415円の16,569円と今年3番目の上げ幅を記録し8月最終日を終えました。

 中期基調は上向き。短期基調は下向きから上向きに転換。日経平均株価のサイコロは●●○○●○●○●●○○で「6勝6敗」。25日移動平均線は16,525円と下向き継続。日足は窓を空け幅のある陽線を形成。25日移動平均線を抜いてきました。

 昨日に「このまま上昇し直近高値の16,504円を上抜いてくると前日安値15,830円が8月17日安値の15,262円に対しての2番底だったとなります」と書かせて頂きましたが、本日はっきりと直近高値の16,504円を上抜いてきました。
 本日大幅続伸し16,504円を抜いてきたことから来週は下げ幅の半値戻しとなる16,765円前後までの上昇が期待されます。