Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

西洋絵画と東京の不動産投資

以前、銀座で勤め人をしていた時、あまりにも忙しく銀座をぶらぶらと歩くことはありませんでした。

何時も前だけを見て早足で歩いていました。全くもって全てに余裕のない日々でした。

先日、その銀座を正にぶらぶらと歩いていると絹谷幸二の絵が飾ってある画廊の前を通りました。

 

「おっ!」と思わず入店しました。

画廊の方から色々とお話しを伺っていると、奥の商談部屋に「どうぞ」と通して頂きました。

そこには、なんと「ルオー」と「シャガール」の絵が掛けてありました。

 

画廊の方曰く 「インフレ対策では絵画がいいですよ。有事の際は持ち運べますし」と。更には「西洋名画が世界的に換金制も高いので特に人気です」と。

 

なるほどインフレ時代には「名画」も「金」や「暗号資産」と同様にある一定の需要があるのだろう。

 

また近年、中国系の方がよく買っていくと言う。そして、東京都心に購入したマンションに置いて置くのだそうだ。

「空調を24時間、365日付けっぱなしにして温度を一定に保つ必要があるのですが?」とお聞きすると、油絵は、簡単には劣化しづらいので常温で大丈夫だそうです。

都心のマンションと有名絵画、興味深い組み合わせです。

 

台湾や香港の方々筆頭に中国大陸の富裕層は、自国の将来に当然ながら不安を感じていることでしょう。

その結果として、自国の資産を海外へ分散(脱出)させています。もちろん日本だけでなく米国やオーストラリア、カナダやヨーロッパへ。

 

現在、日本への投資は為替においても有利であり、何よりも距離的に近く、地政学的にも遥かに安全だ。

絵を置いておくにしても、不動産屋を投資するにしてもアジアでの安全度はナンバーワンではないだろうか。

 

最近、リアルビジネスの現場においても、台湾の方が東京の事務所ビルを買ったと言う話をよく耳にする。

 

地政学リスクだけでなく、自国との距離、換金性、完璧な不動産登記制度、税制の安定性、人口の集積度等々、(アジアにおいては)総合的に見て東京が最良の投資先なのだろう。

 

「不動産何でも相談会社」

 長谷川不動産経済社

 

 

チャイナマネーの国外脱出と日本投資

 1997年に香港が英国より中華人民共和国へ返還される前から、香港脱出を夢見る若者は少なくなかった。

 香港映画界の有名監督ウォン・カーウァイが香港返還前に撮った名作には「恋する惑星」や「欲望の翼」がある。これら映画の中で香港を脱出し米国へ移住を試みる人物が複数登場する。

 おそらく当時から香港の将来に希望がもてない者が大勢いたのだろう。自分達の生活が将来の中国への返還でどうなるのか、それはまさしく大問題であったはずだ。

 

 さて現代の香港はどうなっただろうか。

 中国と英国との約束では少なくとも2047年まで一国二制度を維持し社会主義政策を実施しないことになっていたが、現在香港における言論や政治活動の自由は失われようとしている。

 このような状況下である程度資産をもつものはどういった行動を取るだろうか。

 やはり可能でれば自国からの脱出を試みるだろう。自らが脱出できなければ、先ずは子供を海外の大学へ留学させ、卒業後もその国で働かせてグリーンカードを取得させるのだ。最終的には自分達を呼び寄せてもらおうと。

 香港だけではく中国本土においても同じことを考える国民が大勢いる。

 現代、米国とメキシコの国境を越えてやって来る中国人不法移民が急増していると言う。中国国内で経済的に困窮した者が「自由」と「生活の安定」を求めて国境を越えて行く。

 

 自分や家族が自国を脱出すると同時に(又は別の選択肢として)もう一つやるべきことがあることがある。それは自国の資産を海外へ逃がすことだ。

 十年程前から東京都心部のマンション等にチャイナマネーが大量に流入している現状がある。

 ある司法書士によると、都心部のある大型分譲マンションの約20%が中国系の名称の名義だったことがあると。20%という割合は決して少なくない。

 

 彼らによる不動産の購入の特徴は、一つに投資目的であり自分たちが住むわけではない。よって価格は値上がり、または現状維持している分には保有を続けるだろう。しかし、一転不動産が下落基調となれば、迷わず売り一色となるだろう。

 自らが住む為に実需として購入している日本人は、多少価格が落ちても、すぐに売るという選択を取りづらい。

 しかし中国人投資家の考えはおそらくこうだろう「もうこれ以上自国に資産ももつことは不安である。自分が逃げ出すことができないならばせめても命の次に大事な資産を外国へ逃がそう」と。

 日本の不動産が上昇基調の時はよいかもしれないが、しかし、一旦下落基調になった場合、彼らの売り圧力は、躊躇のない強いものとなり、日本の不動産マーケットに大きな影響を与えるだろう。

 

 *上記コラムは2月23日発行の日刊ゲンダイ掲載されたものの元原稿です。

日刊ゲンダイ2月23日発売号

 

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お呼ばれ講演(動画) 「新型コロナで日本の不動産はどう変わったのか? 」

先日、お呼ばれ講演を収録して参りました。
それを下記の日程で誰でも無料で視聴できるようです。

10月7日(土曜日)14時~15時
「新型コロナで日本の不動産はどう変わったのか?」
~今後の市場予測と知っておきたい
法律・税制の基礎知識~

https://www.nomu.com/seminar/inner/dm20231007.html

主催は野村ソリューションズさんです。

私の持ち時間が約50分であった為、コロナ禍を経た不動産マーケットの現状と将来を十分に解説し切れたかどうか。
本当はお時間3倍ほど欲しかったです(笑)ですが、どうにか短くまとめました。
一方、不動産投資家が知っておいた方が良いだろうと思われる法律や税制の基礎にも言及しております。

ご興味のある方はどうぞ。

 

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Can You Defend Your Real Estate Assets in the Age of Inflation? 2

(Continued from the other day)
Inflation has a very different impact on each asset class, depending on the level of inflation. If inflation is at today's level, the impact on real estate and stocks is not that great, as is evident from the current situation in Japan.

However, if inflation were to go a bit higher, to the level of the current U.S. inflation rate, real estate would be greatly affected.

This is because interest rates will rise along with inflation.

How long will it take for this inflation in Japan to subside?

In a sense, no one can predict, but it is possible to prepare for the future.

If we assume that something of the level of hyperinflation that occurred in Germany after World War I were to occur, the results would be horrific.

At that time, the value of the mark fell by up to one trillionth.

Farmers would not share their crops even if they had a mountain of mark bills, and it is said that they traded one ground piano for a bag of potatoes.

As a result, there was a food crisis among the general public, and many people went bankrupt financially.

At this point, owning real estate is no longer useful in terms of earning a living.

There is still a case of a foreign student from the U.S. who bought a house in a prime location in Berlin with the dollars he brought from his home country.

In addition, the stock prices of the leading German companies at the same time, such as Porsche and Mercedes, fell to one-twentieth or one-thirtieth of their current prices.

This is a natural consequence of the collapse of the domestic economy.

The German example may indeed be an extreme case.

However, if inflation continues to rise in the future, holding currency, stocks, and real estate only in one's own country is undoubtedly risky.

It certainly seems important to diversify one's assets within and outside the country. Even if you build a portfolio of assets, it is necessary to diversify not only by type, but also by region and by country.

I myself would like to prepare for the worst of the worst and somehow secure my farmland.

The following photos show harvesting on a farm owned by a classmate of mine from high school.

Today, I would like to have some farmland, even if it is only a few hundred square meters, in preparation for a black swan.

 

 

 

Takashi Hasegawa

President of Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

 

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インフレ時代に不動産資産を防衛できますか?その2

(昨日の続き)

 

さてインフレと申しても、その程度により各資産対策に及ぼす影響は大きく異なります。

 

今現代のレベルのインフレであれば、不動産や株式に対する影響は、今の日本の現状を見れば明らかなようにそれほど大きいとは言えません。

しかし、もう少し進んで現在の米国並みのインフレ率になった場合、不動産においては大きく影響を受けます。それはインフレに伴い金利水準が上昇していくからです。

この日本のインフレがどの程度で収束するのか?それは、ある意味誰も予想が付かないのですが、将来に備えることは可能です。

 

仮に第一世界大戦後のドイツで起こったハイパーインフレレベルのことが起こった場合を想定しますと、恐ろしい結果となります。当時マルクなる通過は最大1兆分の1まで下落しました。

こうなりますと、国内経済は当然ながら破綻し、山ほどのマルク紙幣をもっていっても農家は農作物を分けてくれなくなり、グラウンドピアノ一台とジャガイモ一袋を交換したという話しも伝わっています。

結果、一般市民の間で食料危機が起こり、経済的にも破産する者が後を絶たたなかったようです。

ここまで来ますともう不動産をもっていてもそこから収益(生活の糧)を得るといった意味では役に立たなくなります。

当時のベルリンでは米国から来た留学生が持参した「ドル」で一等地の家を買ったという事例も残っています。

また、ポルシェやメルセデスといった同時もドイツを代表する企業の株価も20分の1、30分の1に下落しました。国内経済が破綻したのですから当然の結果だと言えます。

 

この時代のドイツの状況は確かに極端な例かもしれません。

しかしながら、今後も日本のインフレが進むのであれば、自国だけの通貨、株式、不動産を保有することはリスクの高いことであるのは間違いありません。

 

ある程度、資産を国の内外へ分散させることが重要なのは確かなようです。

 

資産のポートフォリオを組むにしても種類だけではなく、地域の分散、国別の分散も必要です。

少なくとも、「円」という現金だけを保有することは、インフレ時代のリスク管理という意味においては0点と言ってよいと思います。

 

私自身、最悪の最悪に備えて農地をどうにか確保したいと思っています。

(あまりにも極端でしょうか?)

以下の写真は、高校時代からの同級生が所有する農地での収穫の風景です。

ブラックスワンに備えて、数百坪でもよいので農地が欲しい今日この頃です。

 

 

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Can You Defend Your Real Estate Assets in the Age of Inflation?

Can You Defend Your Real Estate Assets in the Age of Inflation?

I recently gave a lecture titled "Japan's Real Estate Market Conditions and Asset Defense Techniques in the Age of Inflation.

The key point of this seminar is not to double your assets, but to "defend" your assets.

In other words, how do you prevent your assets from decreasing?

The first goal of those who have exceeded a certain amount of assets is to "not reduce" rather than "increase" their assets on a daily basis.

Since this seminar was hosted by a real estate company, it was natural that most of the participants had a lot of assets, mainly real estate.

 

By the way, first of all, I talked about the risks of holding only the "yen" currency in this day and age.

The CPI for Japan released the other day was about 3.5%, but the "core" index, which excludes energy prices that were lowered by subsidies and other policy measures, was about 4.5%.

It came close to the 4.9% of the U.S. CPI announced at the same time.

It is said that the U.S. CPI may have already peaked this time. However, there are voices coming in from overseas that the CPI is expected to rise again from this fall. A friend of mine, a rare investor living in Australia, also mentions the same risk.

The most important thing is that workers' salaries, which are one of the causes of inflation, have not hit the ceiling.

 

To return to the topic of Japan, a 4.5% increase in the price of goods and services in one year means that the value of the yen has fallen by 4.5% in the same year.

 

What about real estate? The world has been reporting on the rise in the price of condominiums in central Tokyo.

But what determines the value of real estate? Generally, it is determined from the revenue obtained from it.

Therefore, if rents can be increased in line with the rise in consumer prices, it should theoretically be possible to prevent a decline in prices. However, unlike real estate in New York, Japanese real estate cannot be raised on its own by the lender alone for reasons of the landlord's own convenience or rising prices, due to Japan's unique house rental laws.

This is a problem unique to Japanese real estate.

So what should we do? I will talk about that in the next issue.

 

Takashi Hasegawa

President of Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

 

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 長谷川不動産経済社

 

インフレ時代に不動産資産を防衛できますか?

先日、「インフレ時代の不動産市況と資産防衛術」と称して講演をさせて頂きました。

このセミナーの肝は、資産倍増ではなく、資産の「防衛」です。

つまり減らさないようにするにはどうするのか?

資産がある一定量を超えた方々にとっては常日頃から「増やす」より「減らさない」といことがそもそも第一目的になるのですが。

今回、不動産会社主催のセミナーですので、当然ながら不動産を中心とした資産を多くおもちの参加者が殆どだったと思います。

 

ところで、先ずは今の時代「円」という通貨だけをもつことのリスクをお話ししました。

先日発表された日本のCPI消費者物価指数は約3.5%でしたが、補助金等で政策的に下げられたエネルギー価格を除いた「コア」と言われる指数は、約4.5%でした。

同じ時期に発表された米国のCPIの4.9 %に近づいて来ました。

今回、米国のCPIは既にピークを打ったのでは?言われていますが、この秋から再度上昇していくという声が海外から入って来ます。私の友人であるオーストラリア在住の稀代の投資家も同じリスクに言及しています。

何より、インフレの原因の一つである労働者の給与が天井を打っていないわけですから。

 

日本へ話題に戻しますと、単純は表現をすれば、商品やサービスの価格が1年で4.5%上昇したとうことは円の価値が年間で4.5%も下落したことも意味します。

 

さて不動産はどうなのでしょうか?世間では東京都心部のマンション価格の上昇が記事になっています。

不動産の価値とは何で決まりのでしょうか?一般的にはそこから得られる収益から決定されます。

よって、得られる賃料を消費者物価上昇に合わせて上昇させることができれば、理論上は値下がりを防げるはずですが、日本の不動産はNYの不動産と異なり借地借家法により、大家さんの自己都合や物価上昇を理由で、貸し手だけで勝手に値上げすることはできません。

そこが日本の不動産固有の問題だと思います。

ではどうするのか?それはまた次回にお話しさせて頂きます。

 

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