文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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「櫻井よしこ研究」ー櫻井よしこと「富田メモ」と昭和天皇。

dokuhebiniki2015-05-13


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昭和天皇は、偉大なる政治家であり、軍人だった。戦前は大元帥であった。大東亜戦争の「開戦」も「終戦」も、そして「明治憲法改正」と「日本国憲法制定」も、天皇の名と責任において、行われた。


「象徴」に祭り上げられた戦後においても、昭和天皇は、何回か、大きな歴史的決断をしている。「旧日米安保条約」「米軍基地提供」「沖縄切り捨て」。いずれも、天皇主導で行われた可能性が高い。


私は、これらのことから、「天皇批判」をするつもりはない。むしろ、国家存亡の危機というギリギリの瀬戸際に立って、常に取り乱すこともなく、冷静な、合理的な政治決断を行ったと、その政治的リアリズムを、高く評価したいと思う。


さて、昭和天皇今上天皇(平成天皇)は、「護憲発言」を繰り返している。憲法改正論議の渦中にある現在、二代に渡る天皇の「護憲発言」は、大きな政治的決断である。安倍政権は、天皇の意向に逆らう形で、憲法改正に突き進もうとしている。天皇と安倍政権の「対立」。この「対立」は、何を意味するのか?


安倍政権の改憲志向の前に立ちはだかる壁は、護憲派でも憲法学者でもなく、天皇だということだ。安倍政権は、天皇の意向を無視して改憲へ突き進むのか?最近の新聞調査によると、護憲勢力改憲勢力を上回っているらしいが、それも天皇の護憲発言と無縁ではないだろう。


繰り返すが、櫻井よしこ等は、天皇の護憲発言や靖国参拝拒否の問題に対して、結果的に天皇発言を批判・罵倒しているように見える。例えば、昭和天皇が、「靖国参拝拒否はA級戦犯の合祀が理由だと語った」と記した「富田メモ」を、怪文書の類と見ているようだ。「富田メモ」は、怪文書なのか?


富田メモについては、昨年(20014/9)、「昭和天皇実録」が完成、公開され、そこに富田メモについての記述があり、富田メモの真実性が、学問的にもほぼ確定しつつあるようだ。櫻井よしこ等の周辺では、「昭和天皇の病気」や「勘違い」、極端な場合には捏造説まで飛び交っていたはずだが、その後は、どうなったのか? 例によって、知らんぷりか?それとも論点摺り替えか?


以下に、少し長いが、昨年、2014年09月09日の「毎日新聞」の記事を引用しておく。櫻井よしこ等の勇ましい発言と比較すると、面白いかもしれない。いつものことだが、櫻井よしこ等の言説の嘘とハッタリが見えてくるだろう。

昭和天皇実録:靖国神社不参拝の経緯…「富田メモ」を追認
毎日新聞 2014年09月09日 05時03分(最終更新 09月09日 08時09分)


宮内庁は9日、昭和天皇の87年の生涯を記録した「昭和天皇実録」を公開した。この中で、天皇靖国神社に参拝しないのは、A級戦犯の合祀(ごうし)が理由だと天皇自身が話したとする富田朝彦(ともひこ)宮内庁長官(当時、故人)のメモ(富田メモ)と符合する記述があったことが分かった。メモの中身には触れていないが、その存在と内容を報じた日本経済新聞の報道があったことをあえて記述した上、メモを出典として明示していることなどから実質的にメモの中身を追認したと受け止められる。


実録は、昭和天皇の日々の動静の公式記録で、同庁が1990年から24年余りかけて編さんした。作業には、非公開の内部文書や戦前に侍従長を務めた百武(ひゃくたけ)三郎の日記など約40件の新史料を含む3152件の史料が使われたが、歴史の通説を覆す記述はないとみられる。


体裁は和とじ本で計61冊、約1万2000ページ。黒塗りはなく全文公表され、8月21日に天皇、皇后両陛下に奉呈(提出)されていた。


焦点となったのは88(昭和63)年4月28日の記述。同日午前、皇居・吹上御所で富田長官と面会したことが記され、「靖国神社におけるいわゆるA級戦犯の合祀、御参拝について述べられる」とある。内容の詳細は書かれていないが、続けて「なお、平成18年には、富田長官のメモとされる資料について『日本経済新聞』が報道する」と記載されていた。


この報道は、2006年7月20日付同紙朝刊が「富田長官が残したメモから、昭和天皇A級戦犯を合祀した靖国神社に強い不快感を示し、『だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ』と長官に語っていたことが判明」と報じたもの。実際、天皇は1978年のA級戦犯合祀以降は参拝をしていない。


新聞報道を記載したことに対して、同庁は実録の説明の中で「社会的な反響、影響が大きかったことから報道があったという事実を掲載した」と述べ、「メモの解釈はさまざまで、A級戦犯合祀と昭和天皇靖国神社不参拝をとらえた富田メモや報道内容を是認したわけではない」としている。


しかし一方で、質疑の中では「(天皇と富田長官との面会と報道は)全く無関係というわけではない」ともしている。


また、実録は天皇の動静を記述する依拠史料として、富田メモを約180回にわたり引用。87年は65回、88年も51回と多用しており、史料としての価値を認めている。


http://mainichi.jp/feature/koushitsu/news/20140909k0000m040143000c.html


これに対して、櫻井よしこは、「富田メモ」は怪しい、天皇がそういう発言をするはずがない、と激しく批判していたにもかかわらず、「富田メモ」の真実性が高まると、今度は、「富田メモ」を議論すること自体が「政治利用」だ、と論点をずらして、批判している。哀れとしか言いようがない。(続く)



◼️読者からの「コメント」より。

◼️(読者A)


山崎先生のHPを毎日楽しみに拝見しています。
櫻井よしこ女史のこともずばり本質をご指摘されていて納得いたしました。自分の意見はほとんど書かずに他人の意見を掲載してコラムとしているのが桜井女史です。その証拠をHPから見つけました。面白いのでご覧ください。

http://yoshiko-sakurai.jp/2007/04/05/576

http://yoshiko-sakurai.jp/2009/04/09/1036

地球温暖化に関する週刊新潮に掲載された記事だと思います。どうどうと、恥じらいもなく真逆の意見を載せているところがおかしいです。きっと、他人の意見を紹介したという考えなのでしょうが、時流に乗った軽薄ものです。せめて、考えを変えたならそれについてコメントすべきでしょう。


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◼️中国を批判・罵倒し、靖国参拝を繰り返せば「保守」なのか。最近の軽薄な「インチキ保守」を徹底批判した
保守論壇亡国論』!
保守論壇亡国論』の第2章に「櫻井よしこ論」はあります。
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