最近見た映画

二十四の瞳

二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]

二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]

全員のエピソードがあるわけではないので、瞳の数は24も必要じゃない。
最後まで生徒の名前を覚えることが出来なかった。また、号泣姿を長く見せるのは好きじゃない。
小説は違うんじゃないかな?

晩春

晩春 [DVD] COS-021

晩春 [DVD] COS-021

娘を結婚にやろうとする父親。行きたくない、このままでいい、という娘。親子なんだか夫婦なんだか分からない。後のオズ作品より、娘の駄々っ子ぶりを強く感じた。

青い山脈

青い山脈 [DVD]

青い山脈 [DVD]

小説の映画化。テーマ曲は未だに歌われている。吉永小百合浜田光夫のコンビ。
封建的な形が残っている田舎の女学校に、都会の共学校を異性問題で辞めた学生が転向してきた。
古い時代に、新しい女性像が放り込まれて持ち上がる騒動。

悪い奴ほどよく眠る

悪い奴ほどよく眠る<普及版> [DVD]

悪い奴ほどよく眠る<普及版> [DVD]

汚職にまみれた役人のひんまがった根性を描いた黒澤映画。
不思議な音楽の使い方と、ラストの「振り返る」展開に、個性が発揮。ラストシーンの姿形はとても印象に残る。
今もあんな感じなのかな・・・!?少なくとも、イメージはたいして変わっていないように思う。

見た映画

麦秋

麦秋 [DVD] COS-022

麦秋 [DVD] COS-022

鎌倉に住み、東京で仕事をする娘は、婚期を逃した28歳。「お嫁に行けないんじゃありません、行く気がないんです」といい、友人グループでは独身仲間と組んで既婚者とやりあっている。だが、両親も兄もずいぶん心配しており、お見合い話を持ち込んでくる。


兄が母親に怒り、子供を怒鳴りつけ、友人宅で囲碁を気もそぞろに打つ場面。父が踏切を忘れて物思いにふける場面。女子二人が海岸を歩く場面。「今が一番いいときかもしれないな」そして、「こうしてみんな離れていく、そんなもんだよ」というセリフ。また、怒鳴られた子が弟を連れて海へ行き、バカヤローッ!と叫ぶ後ろで、弟は立ち小便をしている場面や、妹に結婚の気があるのかどうかを尋ねる場面、さらにケーキや、友人の母が登場する全ての場面などでのユーモア。
小津映画の核となるのは家族を互いに思いやる気持ちであり、そのための手段としてこの時代には対話があった。


彼岸花

彼岸花 [DVD]

彼岸花 [DVD]

娘が勝手に決めた縁談に、「封建的のかたまり」な父親が反発する。


進め方と順番が思ったとおりでないために、頑固なお父さんは素直に祝福することが出来ない。盛大に祝ってやろうと考えていたのに、娘のことがもちろん大事なのに、全てがスムーズに出来なくなってしまった。娘は幸せなんだろうけど、何となく割り切れない。そういう気持ち。古い時代と新しい時代の合間の、昭和33年の映画。
詩吟の場面は難しい。夫に従いつつ、芯の強さを持った、お母さん(田中絹代)の演技が素晴らしかった。

さん喬→喬太郎

4/10放送、BS11、「柳家喬太郎の粋ダネ!」より。
ゲストは、番組ホスト・柳家喬太郎の師匠、柳家さん喬


Q. 師匠から見た喬太郎さんは、どんな噺家さんですか?

喬太郎という噺家は、20年に一度出るか出ないかの芸人であることは確かなんですね。で、それは才能・・・であることは確かなんです。
ただ、私から見ると・・・才能に・・・おぼれそうなときが、多々あるんですね。


古典落語が、彼は好きなんです。とっても好きなんです。新作落語より古典落語の方が好きなことは分かってるんです。
でも、ニーズに応えちゃったがために新作落語をやらざるを得なくなって、それでまた、それで自分は今、スター・・・というと彼は嫌がるでしょうけど、スターダムにのしあがったわけですね。

でも、新作がなかったら、おそらく古典だけだったら、彼はないです。正直言って、ないです。他にもっと上手いのはいくらでもいますから、古典落語には。


ただ、彼は今、新作で自分が世の中に出たことを武器にして、新しいものに取り組める、その位置にいるんですね。ですから、この位置を絶対逃さないで、それも古典落語に活かしてもらえれば、と思います。

発想することが大変に得意な男ですから、古典落語を演じるんでも、すごい発想力があるから・・・ 


あと、まあ、本音を言ったらあれですけど・・・とにかく、彼は僕のライバルですから。本当に、ライバルですよ。(喬太郎、恐縮しきり)

「こいつに負けたくないな」と思うときと、「あ、こいつに勝ったな」と思うことが多々あるんですね。これは本音、テレビで本音なんか言っちゃいけないのかもしれないけど、それは事実です。
だから、彼が挫折するのが嫌なんです。ライバルだから。


喬太郎、コメントを求められるが、しばし絶句。その後「・・・挫折は、しそうですね、わからないけど」)

あのね、挫折はすると思いますよ、誰でも。まあ、魚住さん(司会アナ)もいろんなお仕事の上で、挫折感は、お考えになったことがあると思いますが・・・*1でも、挫折を乗り越えさせてくれるのは、仕事や人ですよね。


ですから、彼にもそういう挫折を乗り越えることのできるような・・・もし挫折を感じた時にね、いい仲間といい仕事があれば、絶対乗り越えられると思うんですよね。

挫折を一人だけでしょいこんだら、それは挫折で終わっちゃうんですよね。


転んだときは、やっぱり立たなきゃいけない。


「ライバルだから挫折して欲しくない」という言い回しで、弟子の成長を願う気持ちを語った師匠・さん喬。質問されたこと全てに真面目に答えており、その人柄がひしひしと伝わってきた。弟子が多いのも頷けるというものだ。

*1:番組の最後には魚住アナに向かって「ご無礼なことを言って申し訳ないです」と頭を下げていた。

マリオ・バルガス=リョサ「フリアとシナリオライター」

Mario Vargas Llosa (1977) "La tia Julia y el escribidor" (Aunt Julia and the Scriptwriter, 1982)

1950年代の南米、ペルー。僕は18歳の大学生で法律を学んでいるが、小説家になりたくて、ラジオ局でのアルバイトの合間に短編小説を書いている。その頃ほぼ時を同じくして、ボリビアから2人の人間がやってきた。離婚して帰国した13歳年上のフリア叔母さん。一緒に映画に出かけるうちに、一番後ろの席でキスを交わすようになる。スキャンダル好きな親族たちの目を避けながら、将来のことは決して語らず、関係を深めていく・・・。もう一人は、シナリオライターのペドロ・カマーチョだ。人生全てを創作に捧げる「本物の作家」であり、彼が書くラジオドラマはペルー全土に熱狂的に迎えられた。一日のうち十時間を執筆にあてて十本のドラマを書き分け、七時間はスタジオにこもって演出家や声優もこなしていたが、無理がたたって次第に・・・。


フリアとシナリオライター (文学の冒険シリーズ)

フリアとシナリオライター (文学の冒険シリーズ)


「僕は書く。僕は書く、と僕は書く。頭の中で、僕には、自分が僕は書く、と書くところが見え、自分が書くのを見ている僕を見ることもできる(以下延々と続くが略)」を巻頭に据えたメタな小説。
ペドロ・カマーチョのキャラクターと彼が書きわけるシナリオのハイテンション、「僕」とフリア叔母さんの恋愛描写の細やかさ(かわいらしさ)、そして感動的なエピローグまで、充実の作品。

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最近見た映画

太陽を盗んだ男

太陽を盗んだ男 [DVD]

太陽を盗んだ男 [DVD]

プルトニウムを盗んで原爆を作った化学教師が、警察に突きつけた要求は・・・「野球放送を最後まで見せろ」「ローリング・ストーンズを日本に呼べ」。
沢田研二菅原文太のリアルファイト。なぜ、どうして、といった理屈の判断は客に任せて、どんどんテンポよく進んでいく。なんだか分からない不条理さと、細かいところに気を付けた緻密な描写を、同じ階層に並べた怪作。真面目にふざけた映画。


東京物語

東京物語 [DVD] COS-024

東京物語 [DVD] COS-024

両親が、子どもたちが暮らしている東京に遊びに来た。はじめは歓迎されたが、みんな仕事が忙しいそうで、戦死した息子の嫁に世話を押し付ける。「いつまでいるんだろうねえ」と囁き合い、ほんの数日ですっかり迷惑そう。ただ一人、嫁だけが親切に尽くす。観光に連れて行き、家に招き、心尽くしのもてなしをする。本当の子供じゃない嫁が、一番親切だ。

世代間に流れる時間が違っていることが、よーーーく分かる。人は成長すると親から離れ、自分の世界を作り、そこを中心として生きていく。思ったとおりにはいかないけれど、「まあ、幸せな方だろうなぁ」と満足する両親。この妥協した満足に至るためには失敗を多く目撃(経験)しなければならず、年輪が必要だ。小津安二郎の代表作。


秋刀魚の味

秋刀魚の味 [VHS]

秋刀魚の味 [VHS]

妻に先立たれ、長男は独立し、娘が家を切り盛りしている主人公一家。同窓会で出会った当時の先生は、娘を嫁にやりそびれてしまい、「わしは失敗した」と嘆きに嘆く。同級生は若い妻をもらって闊達である。誰彼から「おまえも先生みたいになるぞ」といわれ、娘の婿探しを始めるが・・・。

先生の嘆きは重いが、大人たちは深入りはせず、自分の生活に反映させる。これは「やれば必ず出来る」高度成長期時代の日本の姿かと思う。岩下志麻、娘時代の作品。岸田今日子もバーでの名シーンを演出。東野英治郎はむかしっからお爺さんだ。


お早う

お早よう [DVD]

お早よう [DVD]

父親から「男の子のくせにうるさいぞ」と怒られた長男は、「大人だって無駄なことばっかり言ってるじゃないか!おはようございます、いい天気ですね、そうですね、って!」と反対に怒って、ストライキを決行する。弟を道連れにして、もう二度と、絶対に誰ともしゃべらないことに決めた。

長男の幼い反抗期と、次男の素朴な表情が笑わせるホームコメディ。「無駄が大事。無駄があるから世の中はうまく流れていく」


スラムドッグ$ミリオネア

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

町のパワーバランスは時として動く。強い方に上手くついていく兄と、ひとつの方向だけを向いた弟。シンプルな目的のためのシンプルな行動は、いつの時代も力強いメッセージになる。この映画では変わりゆくインドが背景で生き生きと映えている。それが表現されているのは、電車から蹴落とされても、すぐに乗り込むというシーン。ルールと常識にしばられた大人の間をすり抜けて自由に生きる子供たち。最下層のスラム街の生活だが、子どもたちは強い。日本でも原爆投下数日後には、子どもたちは瓦礫で遊んでいたそうだし、この生命力が未来を作る。
トレインスポッティング」を思い出さずには入られない、音楽と逃走。アクション映画ばりの細かな編集、原色の街・インド。テレビ番組を下敷きにしたストーリーは日本で放送されていないことが多く困ることもままあるが、この「ミリオネア」は日本人でも大丈夫。なにしろwikipediaによれば100カ国以上で放送されていたそうだ。


かあちゃん

かあちゃん [DVD]

かあちゃん [DVD]

冒頭のシーンは古典落語の「出来心」。また食べるための泥棒が起居を許され、そこの娘さんと・・・な展開は同じく古典の「甲府い」。市川崑らしい怪しげな照明は、サスペンスフルでしかなく、穏やかな人情噺には不向きだと思う。


そのほか、
アイ、ロボット


ハンコック

映画「Mr&Mrsスミス」と似た印象。


20世紀少年第2章

20世紀少年(第2章) 最後の希望 通常版 [DVD]

20世紀少年(第2章) 最後の希望 通常版 [DVD]


アンフェア the movie

アンフェア the movie [DVD]

アンフェア the movie [DVD]

しかし、腕を撃たれて足を引きずるって。

ラッタウット・ラープチャルーンサップ「観光」

Rattawut Lapcharoensap (2004) "Sightseeing"

タイ人作者による短編集(+中編1)。社会的不公平にあふれるタイの生活を切り出してみせ、高く評価されたという25〜26歳時のデビュー作。ガーディアン、LAタイムズ、ワシントン・ポストなどの書評欄で取り上げられ、全米図書協会は作者ラープチャルーンサップを「注目すべき若手作家」に選出したという。
この短編集で繰り返し描かれるのは様々な形の「比較」と、異文化や異環境への適応である。全体を通して感じたのは「どうにもならない感」だが、しかし、簡単に諦める奴はいない。


観光 (ハヤカワepiブック・プラネット)

観光 (ハヤカワepiブック・プラネット)

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翻訳

ドイツ語論文を英訳することになったのでメモ。


Google製の多言語OCRエンジンを搭載した「Softi FreeOCR」:教えて君.net ママ。ただ、今はSofti社の版権ではなく、新しいダウンロード先はコチラ

  1. 多言語対応のFreeOCRをダウンロード・インストール。http://www.paperfile.net/
  2. GoogleのTesseractエンジンを使っているそうなので、下記サイトからドイツ語パッケージ(German language data for Tesseract (2.00 and up))をダウンロード。 http://code.google.com/p/tesseract-ocr/downloads/list
  3. ダウンロードファイルを展開するとtessdataフォルダの中に8ファイルが出来るので、それを全部コピー。
  4. インストールしたFreeOCRを開いて、メニューのSettings-Open language folderをクリック。
  5. 開いたフォルダ(defaultではWindows->tessdata)に、コピーしたファイルをペースト。
  6. FreeOCRを一度終了して再度開く。右上の言語ボックスに「deu」が入っていればOK。deuを選択して、あとは通常通りにScan、OCR・・・。
  7. ドイツ語から英語への翻訳にはGoogle翻訳を使った。 http://translate.google.co.jp/


英語と似ているなー。ドイツ語と日本語を勉強した外国人によればドイツ語は難しい、でも日本語の方がもっと難しいそうで。