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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

またもアジアの挑戦を拒んだ”高き山嶺”。ジョン・チャンソン敗れる

★UFC163:メインイベント・ジョゼ・アルド vs. ジョン・チャンソン - 格闘技徒然草
http://d.hatena.ne.jp/lutalivre/20130804/1375589397

4R。プレッシャーを掛けるチャンソン。アルド待ちのスタイル。ちょっと疲れもあるか。左右のフックを振り回すチャンソン。アルドは足を止めて待ち。アルド動いた。左ハイ三連発。今度はタックル。テイクダウン。バックからパウンド。亀のチャンソンに連打。ハーブ・ディーン止めた。どうやらチャンソンが肩を脱臼?タップした模様。

パンチが交錯した瞬間に右肩が外れたか。アルドはそれがわかってその後の左ハイ3連打につなげたのかもしれない

パンチが交錯した際の脱臼は偶然の不運か、これもアルドの凄さか・・・というとまあ前者よりなんだろうけど、それにしても独特の間合いのキープから打ち出す打撃はやはり見事な絶対王者ぶりだった。
アクシデントか実力か、でいえば、こういう形で「世界一痛いローキック」と言われるアルドのローはこれで封印されたのだから行って来いなのかもしれない。

http://sadironman.seesaa.net/article/371139077.html
「試合が始まり僕が最初にしたのはローキックだったが、彼は膝で防御してきた。その時に足を骨折したかどうかは分からないけど、とても腫れてしまった」

逆にこういう形でひとつの勝ちパターンが封印されたことで「ほかの勝ち方もできる」との証明になったのだから、やはりアルドは別格というべきか。

でも、ジョン・チャンソンはその別格と4ラウンドまで戦い、テイクダウン攻勢に耐えるなどの見せ場も作った。敗れてもなお上位にはとどまれるだろうから、挽回を見せてほしいところ。
今回は韓国で無料ネット放送もあったそうだ。反響やいかに。

案外、次のアジアからの挑戦は

フィリピンファイターかもしれない。或いはONE FCのフェザー級青木真也が戴冠し、無敵な存在になったら、テコ入れのチャンピオンvsチャンピオンとしてアルドvs青木が組まれるかもしれない。

コーチ・勝村周一朗の秀逸な所英男論。「好きなことをやらせないのが重要。なぜなら…」

最新ゴン格より

ここで所英男と、トレーナー2人の鼎談記事がある。
VTJで勝った所英男だが、セコンドの勝村周一朗は「まさかの内ヒール」「あれが極まると思ってなかった」とか。
で、国内人気ナンバーワンの選手で、いまやベテランの所だが今は海外挑戦を目指す。つまり最先端の”北米MMA”を視野に入れねばならないのだ。実際今回は・・・なんとかって海外選手を倒した(笑)。
そんな所をどう、修斗諸葛孔明勝村周一朗が改造するかというと・・・本文どおりではないが要約。

好きなことをやらせすぎないこと、それでいて型にハメないこと。この2つ。
英男は好きにやっていいよというと好きなことしかやらないし、作戦を100%徹底させようとすると持ち味が出ず何でもない試合になってしまう。
英男のよさは本流のMMAと違うところにいて、こっちが予想しないような動きをすること。
「今のMMAを意識して、それをやるように」と言ってMMAをやる意識を持たせるとちょうどいい。自然と(最先端のMMAの戦い方から)はみ出て行っちゃうから。
でもこっちも、予想外のことをやってほしいと思っている。彼が勝つ試合は作戦を実行しつつ、どこかでそれがずれている試合なんだ

「英男は”今のMMA”を意識して戦え。それでも所の戦い方ははみ出してくけど、それでちょうどいい」って話・・・ これ「機動警察パトレイバー」で仕事を一緒にした、ゆうきまさみ押井守評と同じなんだ(笑)。

「押井さんは、皆で羽交い絞めにする。
それでもにじにじ〜〜と押井カラーは滲んでくる。
その、滲むぐらいの押井カラーがちょうどいい」

と(笑)。具体的には、パトレイバーの映画1で、押井氏は「そうだ!!ラストで戸籍とかを調べていった結果『帆場は存在しなかった』ということにしよう!」と言い出し、ヘッドギアが総出で「羽交い絞め」にしたんだとか(笑)。


でも実際の話、個性というのはそういうものなんかもしれないぜ。安倍政権2も、アメリカや世論、(野党は?)が”羽交い絞め”にして、それでもにじにじ・・・がいいバランスかもしれないし。

んで、次エントリにつづく。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130805/p3

「パトレイバー」実写映画企画、目撃証言多数。「パトレイバー生みの親」たちの対立も、また才能の証か。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130805/p2
からちょっと続く。
 
どれがオリジナルかもうわからんけど、とにかく横浜に「実物大パトレイバー」が登場し、それが写真を撮られまくり、投稿が相次いだ。それをまとめたものが多数ある。
http://togetter.com/li/543538
http://matome.naver.jp/odai/2137346739293738201
http://patlabor-nextgeneration.com/


おまけで
http://togetter.com/li/190448
実写版公式サイトとされるもの。
http://patlabor-nextgeneration.com/


んで。

http://newskenm.blog.fc2.com/blog-entry-5482.html

@Ito_Kazunori『パトレイバー』実写版の件。いろいろといろいろアレだけど、おいらは無関係なのだった。
うむ。刮目して待て!(何を?)
https://twitter.com/Ito_Kazunori/status/315113493684682752

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1209/18/news093.html

ゆうきまさみ氏は、「実写化の話は知りません。ああいう政治的な動きはやめてほしい」ときっぱり否定。アニメ・実写ともに現在映像化の話は動いていないはずで、「少なくとも僕は何も聞いていません」とツイートしている。

うん、実は「パトレイバー」に関しては、その後ゆうきまさみ出渕裕 vs押井守 を中心に「俺のやりたいことが出来なかった。大体あの設定は・・」とか「そっちの世界観こそひとりよがりで訳分からん」的な不満がもれ伝わってきた。
ただし、どっちも真正面から論争するというより、時々思い出したように散発的にこの話題を語っていて、しかも他の作品づくりがそれへのアンサーだったりする・・・ような気がする。

ちょっと自分は能力的にその任にたえないが、だれか「パトレイバーに関係したヘッドギア内部の相互言及・論争史」の年表を作ったら面白いかもしれないです。

断片的にいうなら、
ここでhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121204/p3
いちど紹介した、日経ビジネスサイトでの、押井守の自作回顧サイトが非常に参考になるでしょう。計2本ぐらいになるんだっけ。

押井守監督の「勝つために見る映画」〜自作「機動警察パトレイバー2」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121130/240347/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121130/240348/

ここでいきなり喧嘩売っててね(笑)

女の子のファンとか泣いちゃったけどね(笑)。遊馬はちっとも出てこないし、野明は全然かわいくない。キャラクターまで変えちゃった・・・(略)
最初から(レイバーを動かす)その気はなかったから。戦車とかヘリコプターを動かすほうが絶対大事だから。・・・(略)ほとんど全エネルギーを注ぎ込んだからね(笑)。レイバーはほとんど動いてない。最後だけはいちおう動かしてみせたけど、極端に言うと使用前と使用後しか見せてない・・・(略)あのロボットにはそれしかテーマがない

ただその一方でね、こんな対談も。

ラーゼフォン 多元変奏曲 初回限定版 ブックレット 出渕裕×押井守対談(抜粋)
http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/report/20030925.html
 
ラーゼフォン 多元変奏曲 初回限定版のブックレットには出渕裕×押井守対談が掲載されているのだが、それを押井氏と出渕氏の関係を中心にちょっと紹介してみよう。

押井 僕のエッセイで、ぶっちゃんって人間についてコラムとかエッセイとか、さんざん書いて、まわりの人間はみんな悪口だと思ってるよね(笑)。でも、そうじゃないんだよ。評価してるから書いたんだ。
 僕の「出渕裕論」を締めて言えば、「ぶっちゃんは、メカニックをキャラクターにした男だ」ということ。というか、アニメーションのメカニック、ロボットはみんなキャラクターだったんです。そのことを無意識のうちに極限まで追求した……そういう意味で言うと、日本のアニメーションを代表する男……永遠にファンの側にいられる男…ロボットは彼らおよび彼女らにとってキャラクターだった。そういうことを体現している…唯一の男。

 メカニックというのは、本来は自立した瞬間から別世界…僕は、はっきりギミックにしようと思ってたの。ところがぶっちゃんのデザインに足引っ張られて(笑)、そうならなかった。
出渕 でも、あれ押井さんのいう、ギミックにしてたら今の『パトレイバー』はなかったでしょう。それと、今の押井さんも(笑)。
押井 ないない。それはまさに思うわけ。あの98式っていうのが、ファンの好むキャラクターになってなければ、最初のビデオ6本でこの仕事は終わってた…そこらへんが僕のアンビバレンツ(二律背反)な部分だけどね。

押井 …ぶっちゃん個人に対しては、『パト2』のときに大喧嘩やらかして、「お前なんかといっしょに仕事したくない、顔も見たくない」って。
出渕 それは、要するにあの電話口の話でしょ。デザイン上がらないんで、怒った押井さんが「お前やゆうきまさみは要するにレイバーが宇宙でドンパチやるよーなものをやりたいんだろ!」って、それでこっちがキレちゃった。アレ(笑)。

日本のアニメーションが持つ非常に不可解で特殊な領域と、緑を切ろう緑を切ろうと思いつつ、どうしても抜けきらず…「家」みたいなもんで、家を飛び出しても結局は家の問題は解決しない。 だからこそ、出渕裕っていう男に代表されているような、そういう絵柄の世界、アニメーションの世界、デザインの世界を、多分僕がいちばん正確に語れる位置にいる

あー・・・これを読んで、なんとなく対立点が部分的ながら、すっと分かってきたぞ。
ロボットを単なる「メカ」として扱って歴史や社会を描きたい、そんな流れと、ロボットはメカ以上の存在であるという流れ・・・前者がガンダムで歴史を変えたのは事実だけど、「本当に100%メカ扱いはできない」という制限もある。その中での世界観の違いか・・・


まあ、才能があるからこそのぶつかり合いであって、ぶつかるほどの才能もない側からは計り知れないところもある。ものづくり、世界づくりの一端をのぞかせていただいたようなものだからな。


それにこういう喧嘩はたまたま歴史の神にテイクノートされるか、歴史の神がそれを永遠に秘密にするか、の違いだったかもしれない。
トキワ荘レジェンドたちが楽しく会社をつくり、一時は数十人単位の社員を抱えながらも、解散したときは「さしひきゼロ」だったというスタジオ・ゼロ。あの中だってずっと和気藹々なはずもなく、激しく言い合ったりしたこともあったと思うんだな。

ただ、こういう対立はまたあと十年経てば
パトレイバーを作った男たち(※女性もいます)」
ヘッドギア物語
というコンテンツにもなると思うのだ。そういう点では、逆に存在したことがファンにとってはありがたかった、押井守ゆうきまさみ出渕裕の対立だった。

この前、円谷プロの伝説たちの相互の対立および押井守宮崎駿庵野秀明富野由悠季の愛憎をまとめたり

■特撮大物の人物相関・アニメ大物の人物相関(おまけつき)
http://togetter.com/li/540198

手塚治虫石ノ森章太郎の「嫉妬と尊敬のドラマ」をまとめたりして、

■「手塚治虫×石ノ森章太郎展」開催で、二人の関係を描いた作品などを振り返る。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130630/p1

余計に……そう思うのだ。

追記
この記事の直接の続報記事あり

パトレイバー」映画化進行中。23年前、他のメンバーが押井守を語ったあれこれ(COMIC BOX) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131218/p5

自分の昔のパトレイバーゆうきまさみ関連記事抜粋

ぜんぶじゃないですけど。・・・でも、たくさん書いたなあ。
基本的に漫画版びいき。
関連リンク集
m-dojo.hatenadiary.com

機動警察パトレイバー」TV版、ファミリー劇場で始まる
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080804/p3
パトレイバー論・延長戦
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080805/p3
何度目かのゆうきまさみ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081231/p5
ゆうきまさみの風景」第一章〜メジャー以前、そして「あ〜る」。(「コンティニュー」を読んで)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090116/p4
「はみ出しもの」「組織の異端者」「内部でも持て余すワル」「裏組織」が、非常時に強さを買われて登場・・・・というパターン大好き。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091212/p2
ゆうきまさみは「SF的状況の中での国家(軍隊・官僚組織)」を描くのがうまいなぁ(鉄腕バーディー
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090504/p5
プラネテスロックスミス問題について。過剰な「わがまま」は力に通ず http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090817/p5
渋谷で開催中「ゆうきまさみ展」から。漫画家仲間が寄せたお祝いコメントとイラスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101219/p4
ゆうきまさみが「内海課長」について語った言葉(昔、どこかの掲示板で)。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101201/p7
ゆうきまさみデビュー30年の年に、あらためて「内海課長」を考える。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101202/p2
小松左京逝く。薄い読者の、ごく一般的な思い出
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110729/p3
押井守が自作「パトレイバー2」を語る/スタジオジブリ評がすごい(ヒドい) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121204/p3
漫画の話題補遺。ブラックラグーンブラックジャック創作秘話、くーねるまるたパトレイバー・・・
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121219/p5
ゆうきまさみの新作漫画は、社会的偏見により正体を隠さざるを得ない表現者の悲劇を描く(笑…だよね?)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130503/p4
パトレイバー」実写映画企画、目撃証言多数。「パトレイバー生みの親」たちの対立も、また才能の証か。(この記事)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130805/p3

(以下「究極超人あ〜る」関連)
■本日発売のスピリッツで「ヒーローズ・カムバック」スタート。そして…「究極超人あ〜る」復活も正式決定!!
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121022/p3
■来週いよいよ「究極超人あ〜る」復活・・・「自然体」な予告がすばらしい。細野不二彦ギャラリーフェイク」復活篇もいい出来。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121031/p3
■いよいよ本日、復活「究極超人あ〜る」スピリッツに登場!で総まとめ的回想
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121105/p4
究極超人あ〜る、復活のその後。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121106/p4
■日曜民俗学。日本において「中指ポーズ」はいつごろ、どう普及したか? 外国での意味の変化は?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100107/p3