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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

中国サブカル、その青春期〜いま、中国のサブカル(SF、ミステリー、漫画、ゲーム、ラノベ…)はどうなってるのか、手探りで見る

さいきん、7月というのはアニメーションが交代する時期らしい。
うん、最近の作品は1、2クール(13話、26話)で終わる例が多いだよね。つまり3カ月とか半年で終わる。さすがにもう覚えてる。
で、7月から始まる作品に、中国製のアニメーションがあると。

縁結びの妖狐ちゃん(テレビアニメ) - あにぽた #anime #akiba https://akiba-souken.com/anime/19880/
開始時期:2017年夏放送日:2017年7月1日〜
制作会社:絵梦 ジャンル:恋愛
声優: 羽多野渉阿澄佳奈金元寿子米澤円桐井大介
スタッフ: 監督:王虵、キャラクターデザイン:金荣范/申起茢、音響監督:伍婷、日本語版音響監督:伊藤巧、色彩設定:金钟旻/崔顺伊、美術監督:李允浩/金?财、撮影監督:黄智焕、編集:肥田文、音響制作:Woo Sound Studio、日本語版音響制作:ハーフエイチ・ピースタジオ、音楽:辅乐工作室、プロデューサー:唐云康、アニメーションプロデューサー:韩诚洁、キービジュアル制作:fiodo、タイトルロゴデザイン制作:木緒なち閉じる
妖怪と人間が共存し、愛し合える世界。 人の寿命には限りがある。愛する人間が死んでも妖怪は命尽きることなく生き続けていた。 人は輪廻転生し、生まれ変わることができても、前世の記憶は失われてしまう。 そんな背景の中、妖怪の間では、ある「サービス」が普及していた。 生まれ変わった人間に、かつての恋人の記憶を蘇らせることのできる「妖狐仲人」。 愛する人が死んでもなおその人を愛し続ける妖怪は、「妖狐仲人」が販売する「サービス」を買い、転生したかつての恋人と…(後略)



個人的には、申し訳ないがテーマ的にはちょっと興味のあるジャンルではない…だが、間違いなく言えるのは絵柄や設定の説明の段階で、他の日本作品の中に混じって完璧に、「違和感がない」ことだ。興味があるないは別にして、これ設定と絵だけ見せて、他の日本作品と並べて「どれが中国発のコンテンツか当てろ」と言われても無理だよ。な?


なんかもう、その道に詳しい人はご存知の常識らしいンだが「テンセント作品」というのがあると。
こういうyoutubeの宣伝チャンネルがあるようだ。
絵梦株式会社
https://www.youtube.com/channel/UCMPCYuApPY36eAQhxxMkh5w


中国発アニメ「銀の墓守り」プロデューサーインタビュー - アキバ総研 https://akiba-souken.com/article/30427/

近年、その数を増やしつつある中国発アニメ。
とはいえ、一見すると日本のアニメと見分けがつかない作品も少なくはない。4月に放送をスタートし、ネットゲームの世界を舞台に主人公たちがバトルを繰り広げるというストーリーの「銀の墓守り(ガーディアン)」は、その最たるものだろう。
それもそのはず。監督に大倉雅彦さん、シリーズ構成にきむらひでふみさんといったメインスタッフの…(略)
(略)

「日本で制作し、放送すること」がアニメのブランド力になる

――中国テンセントさんのWebコミック銀の墓守り」を原作に、日本のスタッフがアニメを制作するという試みは斬新ですが、本企画が始まった経緯を教えていただけますか?


唐 最初は中国国内で制作する予定でしたが、もっと高いクオリティを目指して最初は韓国のスタッフに打診しました。その後、やはり日本はアニメ表現の技術が一番素晴らしい国だということで、日本での制作が決まったんです。以前から、チャンスがあればぜひ日本でアニメ制作をしたいという気持ちもありましたね。

――中国でもアニメ制作が最近盛んだそうですが、現在は3DCGが主流で、手描きの2Dアニメ技術の蓄積がまだまだだそうですね。そういう事情もあって、「銀の墓守り」は2Dアニメになったのでしょうか?

唐 そうですね。中国の2Dアニメは日本と比べるとまだこれからで、すでに何十年もの経験がある日本は素晴らしいと思います。

――「銀の墓守り」は日本と中国、ほぼ同時に放送されています。そこには、どのような戦略的意図があったのでしょう?

唐 弊社で扱うアニメの中でも、中国で先に展開してから日本に持っていく作品もあるし、日中同時に展開する作品もあります。日中で同時に展開する狙いは、番組を宣伝するうえで「日本でもこのアニメが放送されている」という事実が、中国国内のファンが観るモチベーションを上げる…(後略)

ネットゲームの世界が異世界と繋がり…みたいな設定は、むしろ世界中のどこでも「ああ、アレか」と通用する設定なんだね。

――テンセントのWebコミック・原作もいろいろありますが、その中で本作(※銀の墓守り)を選んだ理由は、国境を超えた人気のある「ネットゲーム」をテーマにしているからですか?

唐 おっしゃるとおりです。原作のコンテンツを選ぶに際して、やはりゲームであれば日本と中国の人達が両方とも理解できる。おそらく全世界の皆さんにとってもわかりやすい原作ということで選ばれました。

――日本でもネットゲームものアニメの人気は高いですし、その状況もかんがみてということですね。

唐 あとテンセントさんはもともと世界最大のゲーム会社ですから(アプリの収益は世界一で、Unreal Engineで知られる米Epic Gamesの親会社)、その力がありますね。

――原作は全世界累計40億回以上も閲覧された超人気作品だそうですね。

唐 テンセントさんはまず漫画をWebに連載して、その中で人気が出たものをアニメ化する流れですね。すでに10タイトル以上をアニメ化してます(中国国内配信のみも含まれる)。基本的には人気が出た作品を優先してますね。

――原作も日本の漫画やアニメの絵柄に近くて、日本の視聴者にもなじみやすいですよね。

唐 たぶん、中国で漫画を描かれる皆さんも、小さい頃から日本の漫画を読みながら成長していますね。だから自分で描かれる絵柄も、日本風に近い人が多いと思います。ただ、日本と中国の一番大きな違いは、中国ではカラー漫画のほうが多いことです。スタイルはだいたい似ていると思いますが、色がついてるんですね。

これもまー、違和感があるようで、ない話なんですよね。
昔は、家電とか電子製品って、おそらく先進国と途上国の間にすごい隔絶があった。
コンピュータも、当たり前だが持てる層、接する層が富裕層だったのは、そりゃ日本だってそうだったわけだから。80、90年代もそうだろう。
しかし、21世紀もだいぶたちテン年代後半に突入したいま、モバイルと言う形でネット環境に繋がる地域や国は多いし、その便利さゆえに最優先の生活必需品になっている。ネット環境だって、それなりになってる。ネットゲームができる層はすでに世界中に散らばっているし、そもそもネット環境もろくにないまま、ここで語る「サブカル」の世界に入る人は今考えられないから、肇から観測範囲に入れる必要がないし(笑)。


ネットゲームが異世界に…というのが、中国とかも含めて一種の「世界共通設定」に近くなってる、という話はこの前も知って驚いたんだっけ。

中国で既にライトノベルが「軽小説」とまんま訳され「テンプレも共有」してるという…サブカルの世界連帯はあるのか? http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160117/p1

から孫引くけど

http://ddnavi.com/anime-bu/277732/

「トリップ」や「俺TUEEEE」はネット小説における日中共通のお約束

 最後に、日本のネット小説と中国のネット小説の内容で共通する「テンプレ的な要素」に関して紹介させていただこうかと思います。

 中国のネット小説だろうと日本のネット小説だろうと、「よくある話」「テンプレ的な展開」というのがイロイロとあるかと思いますが、中でも「トリップ」(中国語では「穿越」)系の作品は、日中どちらでもよくある話です。

 トリップ(穿越)系の作品は中国のネット小説でも一大ジャンルとなっていて、異世界や過去にトリップしたり転生したりして、やはりその際にはチートな能力を得たり現代の知識やアイテムを持ち込んで大活躍、無双するというのもお約束となっています(そしてそんな「俺TUEEEE」な主人公やその活躍を指す「龍傲天」という言葉も存在します)

 もちろんトリップの方法や、チート能力を得る展開などに違いもあるようですが、大まかな流れとしては似たようなものに見えるのも確か・・・

すごいね。


さて、それでは中国の「ミステリー」「推理もの」の現状は?そんなことを紹介する文章があった。

これは

「ミステリーの国際連帯」はあるのか・・・怪盗と名探偵は、国境を越えたか? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121014/p3

をはじめとして何度も描いているけど、他国、とくにのサブカル事情の時に推理小説が気になるのは2つ理由がある。


1:推理小説の核となる「斬新なトリック」を考案する才能は、なんとなく環境でなく天賦の才能のような気がする(根拠はない)。ならば、世界中に独創的なトリック考案能力を持つ作家が生まれ、そもそもそういう上位ランクは国に関係なく上位水準なのではないか。それが知られてないだけではないか?

2:同時に「中国で有名・人気の日本キャラクターのベスト5には『名探偵コナン』が入るだろう」という情報があった。コナンが輸入され親しまれてるなら、それで育った世代からも雨後のタケノコのごとく才能が出ているはずだ(根拠はない)【※参考:中国人はなぜ「名探偵コナン」が大好きなのか https://zuuonline.com/archives/132275  】※


という見立てからだ。
ただ、「中国の推理小説事情」なんてぼーっとしてても情報は入ってこない。あなた「いま中国で一番人気のミステリー作家は誰?」と聞かれてわかりますか。
わからんでしょ。

ところが、ここで偶然知ったのだった。

陸秋槎 @luqiucha
https://twitter.com/luqiucha
というかたを。

陸秋槎
@luqiucha
中国ミステリ作家。金沢在住。第二回華文推理大奨賽「最優秀新人賞」を取った。著作に長編本格ミステリ「元年春之祭」がある。

この方のトークショーを紹介するブログ記事がありました。

http://yominuku.blog.shinobi.jp/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA/%E9%99%B8%E7%A7%8B%E6%A7%8E%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%82%99%E5%BF%98%E9%8C%B2
015年4月14日から16日にかけて、日本在住の中国ミステリ小説家・陸秋槎と著名な中国ミステリ小説家・呼延雲のトークショーが北京で開かれました。この模様はおそらく今後、新星出版社や雲莱塢などから公式の文字起こしデータがアップされるでしょう。ここでは3日連続で出た私が備忘録としてその時の内容を書き起こします。

(略)

中国では民間翻訳(ファンが勝手に作品を翻訳し掲示板やSNSサイトにアップする)が依然として盛んです。

…中国の新本格ミステリを簡単に紹介。


陸秋槎『当且僅当雪是白的』
胡正欣『悪意的平方』
騰騰馬『烏鴉社』
陸秋槎『超能力偵探事務所』
時晨『罪之断章』、『黒曜館事件』、『鏡獄島事件』
呼延雲『嬗変』



日本の新本格同様、これらの作品もキャラクターや世界観が現実離れしている、動機がおかしい、トリックのためだけに存在するギミックがあり…

いかがですか
中国でも「新本格」があり、「いやキャラクターや世界観が現実離れしている、動機がおかしい、トリックのためだけに存在」という批判があり・・・・・


推理ファンは東西問わずめんどくさいですね!!


そして、これ重要。

…自身ももともとミステリマニアだった陸秋槎は『票友』(京劇用語。京劇を見るだけだったが、趣味が講じて道楽で京劇を演じるようになった素人役者を指す言葉。愛好家という意味)がプロ作家になり、少年少女を主人公として学校生活を舞台にする青春ミステリを書くようになったと説明。日本の新本格作家と同じような生まれ方をした中国の新本格作家ですが、日本の新本格作家が探偵を捨ててストーリー性の高い現実的な作品を書くようになったのと同様の事態が中国でも起きます。

例えば、時晨のように青春ミステリから脱却し大人の探偵が出る作品を書く作家や、呼延雲のように強力な力を持つ非現実的な少年少女探偵が出る一方で市場を考えた内容の作品を書き、青春要素と商業要素のせめぎあいをしている作家が中国でも登場します

うわー、どこも同じだ!

いや、あたりきしゃりきでネット社会のいま、文化は受容しようと思えば時差ゼロで届くのですよ。特にこういうエンタメ・サブカルの趣向なんてのは「おもしろいな、俺たちもやってみっか」なんてのがソッコー可能になる。手塚や藤子、石ノ森らが、ハリウッドの映画や英米のSFの趣向を自分の作品にパク・・・・・・いやリスペクトしてオマージュした時代なら10年20年の時差は当然だったろう。今は「時差10日」ぐらいが当たり前なのだ。
逆にいうと、中国のサブカル状況をいま手探りでさぐっている日本…というと主語が大きいな、わたし個人がアンテナが低いにすぎぬ。


で、見てみてください。
おそらく中国で、中国語で(当たり前だ)出版されているであろう陸秋槎@luqiucha 氏の新刊の表紙は、こういう作風ですよ!絵が!



一発で青春ミステリとわかる(よね?)


しかし、こういうものが出ているから、もう中国ミステリーは普通に日本と同じように成熟し、確立しているかと言うとそうでもないみたい。


おやおや、


まさに中国ミステリーに必要なのは「新人賞」で、それをつくれば水滸伝張りに全国に散らばる108の才能の総取り、綺羅星のごとき作家が排出されると思うのだが・・・・・目ざとく抜け目もないやり手ぞろいに見える中国サブカルの経営者側は、そうは考えないのかな。
まあ、時間の問題で、そういうのも間もなく出てくるでしょう。


【追記】この記事が陸先生に読まれて、感想をいただきました
冒頭だけ埋め込み、あとはコピーします。


 
 

毛沢東らがもたらした「時差」の関係で、やはりまだ『青春』らしい、中国サブカル。タイムマシンで過去を覗くように、その光景に感動する。

しかし「まともなミステリーの新人賞があれば…」
新本格って面白いけど、やっぱりリアリティがないなあ」
「青春ミステリーかいてみた」
「非現実的なチートの少年少女探偵出してみた」
とか、こういう話でにぎわっているのは、ちょっとうらやましい。


中国のサブカルチャーは、かなりざっくりといって、毛沢東の「文化大革命」が終わるまでは、あれこれの制約があり…その後も表現上の制約は続き…エンタメ方面の「野放し」面が増えたのは、だいぶ遅れてから。
だからこそ、スタートが遅く、そして「成長期はこれから」なのである。そこにインターネットによる情報環境の激変が加わった…




5月28日、NHKでドキュメンタリー「世界のいま」が放送された。



この「中国のトキワ荘」には、ベテランの日本編集者が来ていたのだが、トキワ荘がもし中国で再現されるとしたら……
こういうサブカル黎明期、「何かおもしろいことが、始まりそうだ!」というワクワク感は、ジャンルが始まるときの特有のものであり、遅いところがこれから始まる分、活発で、すでに始まったところが落ち着いて爛熟する−のは自然の流れ。他国でいま、漫画やアニメ、ゲームなどについて、そういう雰囲気が再現されているとしたら、それはタイムマシンで「トキワ荘」や「アオイホノオ」の時代をみるような趣きがある。


http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20071022/p3
に残した、以前の夏目房之介氏のはなし。

584 名前:夏目房之介投稿日:2000/11/10(金) 23:56
>583さん 昔は「少女マンガの文法はやはり特殊過ぎて、外国の人が理解しにくい僕も昔そう思っていました。実際、昔の欧米コミックに、ああした効果やコマ構成はなかったように思います。
個人的感想ではここ5年以内に欧米でも似たコマ構成を見る気がします。
ただ、それが本当に少女マンガの影響なのかどうかは不明です。
また、国内でも少女マンガ手法は80年代に普遍化してますから、直接の影響が商業的に出るのは、韓国と台湾ぐらいかもしれません。
この2国ではむしろ少女マンガのほうが市場としても強いようです。
ただ少女マンガ系には特殊な影響力があって、オタクレベルのマニア層でやおい的な波及をする、いわばコアな影響は欧米、東アジアともに見られます。
 
 
585 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/11/11(土) 00:36
私は、とんがった(?)連中が、情報のないところで
もがいたり試行錯誤しながら文化ジャンルをつくってく、って話がなんかすきなんですね。SF黎明期の星新一や野田昌弘の回想録とか、「モスクワ愚連隊」的東欧のロックバンドの話とか、辞書と首っ引きでRPG「ウィザードリー」をやりこんだ初期ゲーマーとか、岡田斗司夫のゼネプロ話とか……タイや台湾のやおい少女も、ひょっとしたらそういう黎明期の開拓者として悪戦苦闘しているのかも。
 

 
586 名前:夏目房之介投稿日:2000/11/11(土) 01:46
>585さん。
いいね、いいね、そういうのね。
60年代末の劇画もそうだったし、
今、多分うざったく思う人もいるだろうマンガ批評ってぇと出てくる団塊や僕らの世代の人も、初期SFみたいな時期あったような気がする。
だから主張が違っても、けっこう仲いいんだよね。
今、外国でマンガ好きな人と会ってて楽しいのは、そういう雰囲気もってるせいもあるのかもなぁ。

中国のアニメや漫画は、日本作品を凌駕するかしないかとかより「フォーマットが日本風」であることが重要。そうでなくなる可能性もあるんじゃないか

もうこの話、何度も書いているから過去記事に任せるけど

「アニメ絵、世界を制す」…のか?この不思議な文明圏の拡大を「君の名は。」海外ヒットで観察する - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20161218/p1

「かわいい」の科学−−あるいは日本漫画の不思議な進化について http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080821/p5

日本漫画・アニメの可能性と限界。いわゆる「アニメ絵」が受け入れられる文化圏の拡大について http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091002/p5

日本漫画における「美人・ハンサム」の描き方が、今のようになった経緯の仮説(日曜民俗学) -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131013/p6

この例も出したことがあるけど、格闘技の世界で「グレイシー柔術」が表舞台に登場し、無敵を誇っていた時「将来的には研究されてグレイシーも敗れるのでは?」と問われたとき
グレイシーが試合で勝ち続ければ、それはもちろんグレイシーの勝利。だが、相手がグレイシーの技術を学び、それで我々を上回ったとしたら、それもグレイシーの勝利なのだ」
と語った。
日本アニメや日本漫画の水準を、中国や台湾や韓国の作品が凌駕したとしても、それはかなりの点で、上のグレイシーの話に似ていると思うのだ。


ただ、それげ定着するのかねえ?という一抹の疑念はあるのです。これも何度も描いたがディズニーやピクサー的なキャラクターの描き方、絵柄もある。「劇画」もある。アメコミもある。
日本風の、いわゆる「アニメ絵」的な絵柄やキャラクターが中国のアニメ作品で主流になる保証はどこにもないんじゃないですかね。



だって、そもそも最初のインタビューをごらんよ。

――中国でもアニメ制作が最近盛んだそうですが、現在は3DCGが主流で、手描きの2Dアニメ技術の蓄積がまだまだだそうですね。そういう事情もあって、「銀の墓守り」は2Dアニメになったのでしょうか?

唐 そうですね。中国の2Dアニメは日本と比べるとまだこれからで、すでに何十年もの経験がある日本は素晴らしいと思います。


だったらピクサー・ディズニー的なアニメのほうが主流になるんじゃないかねえ(笑)。
ここでふんばって、中国の大手が「”日本っぽい”2Dアニメをつくろうかな」「日本の制作陣を招いて作ろう」と思うのは、これまでの日本サブカルの総力の結果である。(どこまで主流かはわからん)
そこからどういうふうになるのか。サブカルの進化論として実に興味深いでしょう。


そもそも、「池上遼一的画風」がアジアを席巻していたのはそんな昔の話ではない。

あ、池上遼一の絵をアニメにするのは無理か。
いや、無理じゃないな・・・・・・・・・

なんか誤解があるかもしれんが
気にしない!!

そして「この道をやってみたいなー」と思う人が、そこに勧める環境があるか?、も問題

この前、学校の課題で凝りに凝った木箱を作った人が、その後工芸の道に進んだ…というちょっとした記事に、自分はこうコメントをつけた

これ、SF小説もミステリーも漫画もゲームもしかり。と思うわ



しかし在野には、こういう中国のサブカルに詳しい人はたくさんいる。



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https://www36.atwiki.jp/asianmystery/

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こういうところが、いろいろ探していけばあるのだから、それらを丁寧に読んでいけばこのブログ記事を読むより有益だろう。
(じゃあ、最後に紹介すんな!)