今時オフラインのオーディオプレイヤーとかさぁ
ストレージにぜんぶ収めて聴く時代でもない。もう、スマホに配信の時代じゃろ?
・・・とは思うのだが、何しろ僕はCDをあらかたWAVに抽出してそれを再生しているので、CD音源を入れて再生するハードは必要なのである。
つうか、DR-07Xをオーディオプレイヤーとして使おうとするのは僕ぐらいかな。
SDメモリなどから読み出すタイプの旧いPCMレコーダーは、2バイト文字が化けたり、MP3のID3タグを読みだす機能がないものも多かった。
再生機として期待されていないのだから、そりゃそうである。
DR-07Xは普通に、「オーディオプレイヤー的」に使えます。

僕の場合、オーディオプレイヤーで再生するファイルとしては、foobarでCDからWAVリッピングしたものを使用しており、アルバムごとにリップ時に自動作成されたフォルダに格納されている。WAVファイルごとにfoobar仕様のトラック情報(インデックス)が付けられている。
結論から言えば、PCをDR-07XとUSBケーブルでつなぎ、ストレージとしてマウントされたら、\MUSICの下にフォルダごとぶち込んでおけばよい。サブフォルダを作ってもOK。
- 停止中またはファイル再生中に、「MENUボタン」→「ファイル/フォルダー」でフォルダやファイルを選択可能だ。
- 2バイトのファイルは問題ないし、2バイト文字のサブフォルダ*1も問題なく読みだし、ファイル選択・再生時に表示してくれる。
- WAVに付いたfoobarのインデックスはさすがに読みだしてくれなかったけれど、ファイル名が適切にソートされていて、読み出せれば実用上問題ない。
- MP3再生時には、ID3タグを適当に読みだし、画面をスクロールしながら表示してくれる。
再生機として、肝心の音質どう?
DR-07XをWAVを再生して、オーディオテクニカのATH-SX1aをつないで聞いていますが、「え、やるじゃん?」ってぐらい、結構いいです。バランスの取れていてクセのない、プロオーディオ機器メーカーTASCAMの正調なサウンド(というかTEACサウンド)です。
- 低電圧単電源駆動で、ハードウェアにモリモリとコストをかけてるでもないポータブルオーディオとしては、十分合格レベルじゃないかな。高級オーディオ機器のヘッドフォン出力のような音の抜け、解像度やトランジェント感を期待しちゃいけませんけど。*2
- 音の抜けや左右の分離感も結構いい。味付けない分、ソースに応じて音質良いものは良く、イマイチやダメな録音はその通りに再生されている。
- おそらくは、高級な素子は使っていないけど、ハード内の引き回しが短く信号が無駄な素子をあれこれ通していないから、音の純度が高いんだと思う。
- なお再生音のトーンが気に食わない人向けに、グライコではないが、再生中にプリセット(QUICKボタン→再生音質)を選べる。「高域+」とかを選ぶとハイが抜け痛快な音に惹かれるのだが、ドンシャリになってしまう。
- あれこれ変えてみると元の音が一番素直な音であることに気づかされる。デフォルト設定に戻すとバランスの良さにホッとする。
- 悪ノリでMP3の再生もやってみたのだが、MP3の再生音けっこういける。デコーダーの性能も昔からすりゃ上がったのだろう。
とりあえず、ポータブルオーディオ「合格」判定。
リッピングしたファイルを再生するポータブルオーディオとして、コスパを考えれば総合点で「合格」です。カジュアルに持ち歩くハードとしては。*3
- 電源を選ばず(単3なりUSB給電なりで)駆動できて、操作性・表示が適切で、ストレージ替え放題、Apple的な著作権云々しがらみもない。音もまあまあ行ける。致命的な欠陥がなく、文句ない。
- ポータブル機としてはサイズがでかいのは致し方ないが、それは仕様だ。
僕はDR-07Xを買って数日後、128GBのマイクロSDカードを買って、聴きそうな曲をありったけぶっこみました。
これで小澤征爾さんがSKOを指揮したマーラー交響曲第2番「復活」を、お外で聴き放題だ。
(つづく)