アフガン拉致:高まる自己責任論

身代金23億円を支払ってようやく解放された人質に対して、韓国国内で批判噴出の模様。

そういえば、韓国メディアはイラク日本人人質事件で日本の自己責任論を批判してなかったっけ?




アフガニスタンの旧支配勢力タリバンに拉致された韓国人19人が2日帰国し、韓国の多く市民は「ペ・ヒョンギュ牧師とシム・ソンミンさんが殺害されたことは残念だが、残る19人が無事帰国できて良かった」という反応を見せた。しかし、彼らが政府の警告を無視してアフガニスタンでボランティア活動をしようとし、拉致されるという結果を招いたことについては、批判的に見ている人も少なくない。市民らの間では彼らに対する自己責任論も高まっている。一部の市民は「今回の拉致事件によって多くの韓国国民がストレスを感じ、また人質の解放のために国民の税金が使われるなど、国民が受けた被害や国力の浪費も大きいものがあった。今後再び似たような事件が起こるのを防ぐためにも、きちんと責任を問う必要がある」と苦言を呈した。


◆「被害者は韓国国民だ」


ソウル市の会社員キム・ホンソンさん(29)は、「人質たちが無事に帰ってきたことは歓迎するが、韓国政府がタリバンと直接交渉するという悪しき前例を作ってしまった。今後もカネ目当ての韓国人拉致が続発しないか心配だ。今回の事件で最も得したのはタリバンであり、最も被害を被ったのは韓国国民だ」と話した。


また、韓国外国語大アラブ語科の洪淳男(ホン・スンナム)教授は「韓国政府が人質解放のためにタリバンの要求を飲んだことで、韓国人は国際テロ組織の格好の標的になってしまった。今後、タリバンが外国人を拉致する事件が発生するたびに、“韓国のせいで”という国際的な非難が湧き上がるかもしれない」と懸念を示した。


◆「求償権の行使は当然」


一方、解放され帰国した被害者らに「求償権(他人のために財産上の利益を与えた者が、その他人に対して持つ返還請求権)」を行使するべきだという声も高まっている。大学院生のイ・ジョングさん(28)は「求償権の行使は当然だ。被害者が国に与えた被害は計り知れない」と話した。また、京畿道烏山市のキム・ヨンホさん(43)も「生きて帰ってきたことは歓迎するが、政府が行くなと言っていた危険な国にあえて行ったことについては、それ相応の責任を取らねばならない」と語った。市民の間では被害者らに対する求償権の行使を政府に求める具体的な動きも出ている。


インターネットのポータルサイト「ダウム」の討論コーナーで先月28日から展開されている「アフガンの人質に対し、救出にかかった費用を請求しよう」という署名運動には、2日午後現在で3万人を超える署名が集まっている。また、一部のネットユーザーは「被害者らしい」という言葉を用いて被害者らを批判した。これは「一般の国民に迷惑をかけてまで助けてもらいながら、感謝の意を示さず当然のことのように思っているかのような行動だ」という意味だ。


◆「危険な地域でのボランティア活動は自制すべき」


今回の事件をきっかけに、海外の危険な地域における無理な宣教活動やボランティア活動を自制すべきだという指摘も多く出ている。宣教活動をする上で、拉致される可能性のある危険な地域は避けるべきだというわけだ。自由主義連帯の金慧筇(キム・ヘジュン)政策室長は「政府は今回の事件について綿密な分析を行い、再発を防ぎ被害を最小限に食い止めるための対策を講じるべきであり、またキリスト教関係者は文化的な多様性を尊重したボランティア活動を行うということを真剣に考えるべきだ」と指摘した。


ソース・朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/article/20070903000040


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23億円という巨額の身代金支払いについては、タリバンも韓国政府も「公式的には」認めていませんが、もはや誰もが知っている既成事実のようですね。

お金の問題より深刻なのは、人道上の問題があるにせよ「テロに屈した身勝手な国」という韓国の対外イメージの失墜と「味をしめた」テロ組織の拉致が頻発することへの懸念ではないかと思います。


で、自己責任論ですが、思い出しますねぇ〜あのイラク日本人人質事件を…


ここで忘れてしまったという方のためにちょっとだけ復習を。


2004年 日本政府の渡航自粛勧告とイラクからの退避勧告にもかかわらず、無視して渡航した日本人3人(ボランティアと称する女性、フリーカメラマンの男性、ジャーナリスト志望の未成年の少年)が武装勢力に拘束されイラクで展開していた自衛隊の撤退を要求された事件です。

この拉致事件の解決を目的とし、被害者家族らが自衛隊の撤退を要求し、それがメディアで大きく報道されたことから、被害者とその家族に対する「自己責任」という言葉をキーワードとした批判が噴出しました。(ネット上でも日本人人質3人と解放を要求する家族のあまりの「痛さ」にイラク3バ●」と批判されていました)


こういうことを日本人も経験しているので、韓国国内の自己責任論もしょうがないよなぁと思ったりするのですが(求償権の行使ってのはどうなんだろとは思うが)、このイラク日本人人質事件のときに韓国メディアはどう伝えていたのでしょうか?

この件について、enjoy koreaに興味深いスレッドがありましたので引用させてもらいます。

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◇韓国人は日本批判するときは無条件非難、自己を省みることは出来ない民族。

http://www.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=ttalk&page=2&nid=857911


東亜日報(2004年4月20日)

罪人のようにーーー釈放日本人たち、肩を落として帰国。

「手錠をしていないだけで、彼らの様子は極秘裏に海外から移送された犯罪人と変わりがなかった。イラク武装勢力の手によって拘束され、一週間後に釈放された日本人のことである。日本時間で18日夜、日本に帰国した様子をCNNで見ると、何かおかしいと感じたのは私だけではないはずだ。バグダッドのホテルで帰国の様子を私と一緒に見ていたイラク人は”彼らは英雄のように歓迎されることはあっても、あのように犯罪人のようにコソコソ帰るなんておかしいじゃないか”と興奮気味に私に訴えた。

殺害される危険と直面しながら無事に帰還できた喜びすら正直に表現できない国なんて民主主義ではないと言うのだ。イラク人は日本のことを好意的に感じているのだが、今回の日本人人質に対する日本政府やマスコミの扱いに対してはイラク人は非常に憤慨している。テレビで見ると、帰国した日本人人質たちは一様に沈痛な表情をしている。彼らの両親や家族なども再会の喜びを表現できずに、ただひたすら、”ご迷惑をおかけして申し訳ありません”と謝り通しだったという。

その後さらに釈放された二人の日本人の場合にも同じことが言える。そのうちの一人、ミスターヤスダは私と同じフリーランスのジャーナリストである。昨年三月にバグダッドで一緒に写真を撮って欲しいと言われて記念撮影したことを思い出す。まだ若く、達者な英語で私に語りかけてきた。私はベトナム戦争でも多くの日本人記者と出会っている。

イラクではゆっくりと話をする機会はなかったが、彼らの理想主義には脱帽する。その彼がまるで犯罪人のように頭を下げて日本に帰って行く。何かおかしくはないか。ミスター・ヤスダはヨルダンでの記者会見場でも”すみませんでした”と謝罪していたという。何に対して謝罪していたのだろうか?彼らは世論からバッシングを受けて、ただひたすら謝罪を繰り返していた。おかしな話である。

日本社会はイラク武装勢力に拉致されて釈放された彼らに対してどうしてあのような仕打ちをすることができるのだろうか。

その一つの理由は政府が旅行禁止区域として勧告したにもかかわらず、旅行を強行して今回のような事件に会ったことに対する非難である。それだけではないだろう。彼らは全員といってよいが、イラク戦争に反対しており、日本の自衛隊イラク派遣に反対する立場をとっていた人たちだ。政府の立場を支持したり、自衛隊派遣に賛成する立場の人は一人もいなかった。

もし彼らの一人でも自衛隊派遣に賛成であったり、日本政府のイラク戦争賛成の立場に同調する人が拉致されていたら、日本政府はどう反応しただろうか。帰国するときも今回のように”自己責任”でとは言わないだろう。

拉致事件直後、日本社会の一角では、”拉致された彼らは自衛隊撤退を促すための世論作りのための自作自演劇ではないか”と怪しむ声もあったという。そして彼らは釈放されるなり、”イラクに残って仕事を続けたい””こんな経験をしたけど、イラク人を嫌いにはなれない”と涙ながらに訴えていた。

彼らは当たり前のことを言ったにすぎない。

再発防止のために”危険地域旅行禁止法”を作るとか、人質にとられた人間から帰国のための航空運賃代を徴収するという発想も日本でしか考えられないだろう。

韓国を始め、フランス、中国、ロシアなど多くの国の人々が拉致されているが、日本のように人質に取られた本人が謝罪する国は日本だけしかないだろう。生還の喜びすら人質から奪ってしまった日本社会はやはり侵略戦争を国を挙げて支持した昔ながらの集団主義から脱却していない不気味さを感じた。





ハンギョレ新聞特派員レポート(2004年4月20日号)

人質事件の教訓を忘却する日本。

イラク抵抗勢力によって拉致された日本人5名が全員無事に釈放された。一度に。。をする日本でも再発防止のための教訓を学ぼうという動きが盛んだ。韓国でも徹底的なケーススタデイが必要な事柄である。

自衛隊撤退要求を拒否した日本政府は国民から相当な点数を稼いだ。そこへ人質の無事釈放が重なって少なからずの影響があった。自衛隊派遣に反対する野党や一部マスコミですら、テロに克服してはダメだと訴えるなど、日本ではこうした対応が正しかったという見かたが大勢をしめているようだ。

イラク抵抗勢力の外国人拉致や殺傷は米軍との衝突激化が招いた副産物である。米軍のファルージャ地域における正規軍でもなく抵抗勢力あるいは一般住民への無慈悲な殺傷事態とかけ離れて考えることはできない。前者がテロだとすると、後者は虐殺である。

テロと虐殺。戦争は一卵性双生児かもしれない。強力な軍事力をかかえた国家や集団は簡単に戦争を選択する。抵抗勢力はゲリラ戦争に訴えるか、あるいはそうした実力がなければ、テロに依存せざるをない。国際紛争を観察するときに必ず直面する事態でもある。

米国が国際社会の反対にもかかわらず、イラク侵攻と占領を強行し、多くの民間人を虐殺、犠牲にするという現実に対しては黙して語らず、テロに対しては激しく非難するというのは逆説的である。

この米軍の占領を間接的、直接的に支援する自衛隊イラクに派遣して”大きな暴力”を行使している日本政府が抵抗勢力の”小さな暴力”に対して断固として対応をするべきだというのはどう受け取るべきか。

危険地域に行くときにはそれなりに慎重でなければならず、自ら責任を負うべきだ。しかし災難に直面した人々を救うという行動は純粋な人道的支援にほかならない。アルバイトをしながらお金を稼ぎ、その金で戦争孤児を助けようとした高遠ナオコに対してバグダッドの子供たちは今でも、”早く戻ってきてくれ”と手を振っている。

一方で、人道支援だと強弁しえ、イラク人たちが望んでもいない軍服を着ている自衛隊を送り出し、そこへひっかかる人たちの手足をもぎ取ろうとすることは本末転倒ではなかろうか。

イラク侵攻の原罪を背負っている米国のコリンパウエル国務長官は日本のマスコミとのインタビューで、「(高遠ナオコ氏らと同じような)人々がいるおかげで、世の中が少しずつ改善されてくるのだ。」と日本政府の立場とは逆に彼女らの行動に声援を送っており、フランスのルモンド紙は”軽率だという批判があるかもしれないが、外国まで出かけて行き、人々を救おうとする行動する世代が日本にも存在したということを世界に示したことだけでも高く評価できる”と賞賛している。しかし日本はこうした立派な行動をとった高野氏ら日本人人質たちに対してあたかも何か罪を犯した罪人に対するような扱い方をして彼らの帰国を迎えた。」





朝鮮日報(2004年4月20日号)

釈放された日本人人質たちを”村八分”にする日本社会

「”自業自得だ、自己責任を負え”。イラクで拉致されたのちに釈放されて18日、帰国した日本人三名の人質とその家族たちは”村八分”にあっている。

日本政府が人質家族たちへ救出費用でかかった航空運賃や健康診断費用を請求すると伝えられてからの日本国民の一部やマスコミに見られる反応である。国内マスコミも彼らに対して非難する論調が多い。

拉致被害の当事者が逆に非難の標的になってしまったのは人質たちとその家族、そして反抗グループの三者自衛隊撤退に関して同じ意見をもち、日本政府を悩ましているからだ。

人質たちは釈放されたあとでも、”イラクへ残り、奉仕活動をしたい”と発言したことも、日本政府が感じている不愉快さに火に油を注ぐ結果となったようだ。

読売、産経といった主に右派の傾向を持った新聞などは”自己責任論”を主張しており、一部週刊誌などはこの家族たちの過去や前歴など私生活を暴いては人身攻撃を繰り返している。

人質のなかで一番若い今井紀明君の父親は自衛隊派遣を辛らつに反対する教員団体である日教組所属の教師。これに対して自分の子供の救出よりも自衛隊撤退が目的なのではないかといった反発を露骨に示すグループもあった。

さらに人質たちが自衛隊を撤退させるために犯行グループと手を結び、自作劇を演出したのではないかという疑いがあるから、真相を徹底的に調査するべきだといった主張まで出ている。

右派メデイアである産経新聞のある記者は”人質とその家族の言動をもっと知りたいという読者の反応が圧倒的だった。北朝鮮による拉致事件と違って、今回の人質家族たちは怒りを犯行グループにむけないで、政府のほうにむけたことが読者の反発を誘った決定的な要因ではないか”と分析する。

左派志向のある”週刊金曜日”など一部の媒体は”拉致自作劇説””自己責任論”などは日本政府が意図的に流している悪意あるデマゴギーであると反発しているが、この論争が一段落するまでには時間がかかるだろう」







3年後の今年の韓国人人質事件に関する韓国メディアの手の平を返したような記事が笑える。



(引用ここまで)


−y( ´Д`)。oO○ アホな奴らですな…


何でもかんでも無条件に日本が悪いという韓国人らしい批判が痛いわけですが、3年後に自分達にも同じ不幸が訪れたという皮肉と論理矛盾に気づいてるヤツはいるのだろうか?恐らくいないだろうな…





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