法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

菅直人首相をIAEAに告発しようという運動が始まっている

実行力はないだろうし取り合ってももらえないだろうと思うので、あまり心配はしていないが。
完成しました。【実際に】菅直人首相をIAEAに告発したいと思う。 #MPJ #aikoku #genpatsu | FreeJapan
実際、「告発状」には下記のような文面が存在している。

スリーマイル島原発事故でこんなエピソードがあった。当時のアメリカ大統領ジミーカーターがスリーマイル原発を視察した。するとその頃を境に原発事故の状況は好転し始めた。世間はこれを「カーターマジック」と呼んだ。
実際にはカーターの視察に関係なく、現場の技術者の努力で事態は好転しつつあった。そのタイミングを狙ってカーター大統領は視察を行いマジックを演出したのだ、とささやかれた。”
今回の菅総理は理系であり、技術系の知識があったと考える。ベント開放による圧力低下の説明を受けた際、作業による事態好転を理解することができたと推察する。そのため、自身の視察まで圧力逃し弁の開放を遅らせた可能性がある。シナリオとしては、視察後に圧力逃し弁の開放、これにより炉心内の圧力低下。事態の好転を受けて菅マジック!というシナリオを狙った可能性がある。ところが結果は炉心の爆発という最悪の事態になった。
菅総理はカーターマジックを狙った?

現在のアメリカはオバマ大統領に見られるように、一応は民主党政権と見ていい。来期は共和党が逆転する可能性が高いかもしれない。
しかし現状で、今なお民主党の重鎮として精力的に活動しているカーターを引き合いに出して、その相似形として自国の首相を批判することが対外的にどう見られるか、少しは想像してもいいのではないかと思う。
いや、信念に従って政治的に逆効果と自覚した上で言及したなら、止めはしないが。

消費電力を抑制できないことが「現実的」だというならば、まさしく今すぐ原発を全て止めるべき

どちらかといえば字義通りの意味で。
『原発は明日全部止めよ』発言について - Togetter
夏に冷房を使えなければ体力の落ちた人間にとって命にもかかわるという意見がある。そして電力消費自体も夏にピークを迎える。現状では夏の電力消費ピークを補うために原子力発電所が必要。
同時に、大震災と重なっている事情もあるとはいえ、福島原発一箇所だけで事故の収拾に多大なリソースが注ぎ込まれている。あえて政治用語として「現実的」な見方をすれば、現状維持できているといっておこう。しかし大きな余震や津波で別の原子力発電所が大事故を起こせば、しばらく収拾のめどは立つまい*1
……それならば論理の帰結として、夏が来るまで他の原発を止めておくべきとなるのではないか。確かに大震災の影響で火力発電所も多くが損傷を受けているし、計画停電の範囲がさらに広がるだろう。だから火力発電所を稼動させるまでは原子力発電所を動かすべきかもしれない。しかし諸外国の支援も考慮に入れても、現状の日本社会では原発事故を現状維持できるのは一箇所までではないか。一般論として、予測されるリスクは手に負える範囲に抑えておくべき。



もちろん夏までに福島原発事故は全力で収拾すること。それができて初めて夏の消費電力ピークに他の原発を再稼動できるだろう。ただし政治用語として「空想的」な想定を導入させてもらうが、もし夏までに福島原発事故が収拾できなければ、そもそも日本社会に原発を稼動させる能力はなかったということ。
故障の起きない機械はない。失敗しない人間はいない。もちろん多くの機械や人間の中には故障や失敗のない例もあるだろうが、全体的に見て故障や失敗の可能性はくみこんでいかなければならない。ごくごく当然の一般論にすぎないが、もちろん原発にも当てはまる話だろう。
逆に未来の話をするならば。大都市の各所に分散して無数の原発を作り、いつもどこかで事故が起きているが小型原発*2なので原理的に「ただちに健康に影響が出るものではない」問題にとどまる。そういう選択ができるのならば原発を作ってもいいと思うよ。少なくとも現状よりは不正義ではない。

*1:高速増殖炉もんじゅが詰んでいるという報道は東日本大震災の前から知っているが、それは延々と現状維持のためだけに運用するしかないという問題であって、ハイリスクマイナスリターンであっても事態収拾自体はできていると見なしたい。個人的な希望だ。

*2:単純に建築物として小さいという話ではなく、小規模低出力の代わりに核燃料や核廃棄物も少量ですむという設定。しかし水蒸気を用いてタービンを回す現在の原子力発電方法では、大規模でないと効率が悪くなる。