「当事者研究」@浦河べてるの家:患者による斬新な精神健康メソッド
知人に奨められ、『べてるの家の「当事者研究」』(医学書院:初版2005年)を読んでみました。ここに言う「べてるの家」は北海道浦河町にある社会福祉法人。就労サポートセンターべてる、就労継続支援B型事業所ニューべてるなど、主に精神障害者の支援、作り出された物品の販売などをしている諸施設の連合体と言ってよいでしょうか。
この組織で特にユニークなのは、「精神疾患を抱えた者が、精神科医の断定的な症状把握では改善されない、「本人の」病状を他の患者も交えて「研究」する」という実践活動です。それで「当事者研究」と言われるのです。
たとえば摂食障害を持つ人へのアプローチとして、その障害を持つWさんが中心になり「摂食障害研究班」というのが組織され、「どうしたら摂食障害が治るか」ではなく、「どうしたら摂食障害になれるのか」という視点で研究されています。(本12P)意表を突いた視点です。
最も典型的な例を挙げれば、Kさん:統合失調症で、煮つまると「爆発」するという性癖をどうしたら良いのか他の研究者たち(爆発救援隊)と共同であぶりだしています。爆発の4段階
「第一段階」爆発の準備行動 親相手に爆発のチャンスを探る
「第二段階」爆発! 親が大切にしている物を壊す
「第三段階」 後悔と反省 ひきこもる
「第四段階」 被害妄想、不安感、あせり そして「第一段階」へ
(本195P−196Pより要約・構成)
悪い循環だと思います。
Kさんはこの「爆発の研究」の成果を以下のように総括しています。
1)ぼくは爆発に依存していた
2)爆発のきっかけをつくるために、親がいちばん腹を立てるであろうこと――たとえば寿司を買わせてひとりで食べる――を無意識のうちにやっていた
3)爆発を「止める」というよりも、「活かす」発想で取り組む必要がある
4)弱さの循環に着目する必要がある
5)この爆発の悪循環には、認知の壁――いわゆる今回取り上げる<お客さん>の関与がある
聞きなれない用語がちらほら出てきますが、おおむね論旨は分かると思います。これらの省察は、Kさん個人で生み出したのではなく、Kさんがもちろんそうである「当事者たち」の合議があっての成果なのです。 (198P)
ここで私はある有名な言葉を連想します。「人民の、人民による、人民のための政治」(リンカーン)です。この言葉を精神障害者に適用してみたらどうでしょうか。この言葉における「の」はof、「よる」はby、「ための」はfor。この3つの前置詞の意味をかみ締めれば、現在の精神医療の欠陥が炙りだされるでしょう。もっとも分かり易いのは、患者を実験動物であるかのように、不適合な薬を処方する精神科医。この人種には、by を患者の手に取り戻そうとする「当事者研究」の存在を知らしめるべきなのだと思います。
今日のひと言:ただ、「当事者研究」と言っても、素人ばかりでは、「船頭多くして舟山に登る」というデフォルトが起きることもあるでしょう。べてるの家の場合も、スーパーバイザーとして、浦河赤十字病院の川村敏明さん、べてるの家の向谷地生良(むかいやち・いくよし)さん(ソーシャルワーカー)などがいます。ただ川村さんが言うには「べてるの家」にできることは高がしれている、あまり期待をもたないように、と発言しています。
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今日の一品
@カルビ肉とピーマンの炒め物
弟作。カルビ肉(エバラ焼肉のタレに漬けて)、ピーマンの順に投入して炒め、フライドオニオンと天かすを入れて胡椒を掛け、完成。
(2018.03.21)
弟作。この魚はベトナムから来たナマズの一種。白身で味はいいです。まあ、淡水魚なのでよくレンジで加熱しましたが。それにしても、マクドナルドが乱獲した白身魚のメルルーサは絶滅したのでしょうか?
(2018.03.21)
@モツとニラのレンジ焼き
通常はフライパンで加熱して食べる豚のモツを、ニラも加えてレンジで調理しました。あとでフライパンを掃除するのが大変なので。
(2018.03.22)
弟作。私は食べた記憶がありませんでしたが、美味しかったです。茹でた鶏ムネ肉を細長く切り、キュウリも細長く切り、キュウリを肉で敷き、ゴマ主体のタレを掛けます。キュウリの爽やかな食感が嬉しい。
(2018.03.23)
@カラスノエンドウの卵炒め
野草のカラスノエンドウを庭で生やし、摘んで卵炒めにしました。軽く洗ったカラスノエンドウを油を敷いたフライパンで炒め、塩を適量振って炒めた後、溶き玉子を入れて火が通るまで炒めます。なかなか美味なのです。花が咲くころには硬くなるので、その前に採取します。
(2018.03.25)
今日の詩
@詩歌の神
どの世界にでも 神はいる。
中国では
――ならば 日本なら
芭蕉 俳聖、
蕪村 俳仙、
一茶 俳仏。
中国の詩人のニックネームは上述のとおりですが、日本の場合、芭蕉以外は私がニックネームをつけました。:絵師でもある蕪村は、仙人が遊ぶような句を書きます、絵とおなじように。一茶は小さな動物たちに限りない慈悲で接します。例えば「痩せガエル 負けるな一茶 これにあり」とか。
(2018.03.23)
今日の四句
まだ咲かず
ツボミふくらむ
サクラの樹
(2018.03.23)
雲雀(ひばり)鳴く
この田園を
見おろして
(2018.03.24)
残酷な
花ぞ我が家に
咲きにける
この花(水仙)は有毒(ヒガンバナ科)で、美しいわりに危険です。ニラと間違って葉を食べるとか。
(2018.03.24)
胡桃(くるみ)の芽
秋の堅果(けんか:硬い実)を
約束し
(2018.03.25)
今日の大ニュース 自動運転時中に死亡事故!!
現地時間、2018年3月18日深夜、アメリカ・アリゾナ州で、自動走行実験中だったUber社の自動車が、道路を横断中だった女性をはね、死亡させたという、ある意味「起こるべくして起きた」事故が起きました。自動車の中には、補助員として人が乗っていましたが、横断歩道ではなく道を横切ろうとしていた女性を認識できずに事故に至ったらしいです。これからの自動運転車の実施に対して、冷や水をぶっ掛ける事例になったと思います。
http://karapaia.com/archives/52255539.html
(2018.03.22)