龍宝寺の清涼寺式釈迦如来立像
今日はおシャカ様の誕生日とされる日(花祭り)。幸いにも今日のご開帳を思い出し、1時半で閉まると聞いて急ぎ雨の中、龍宝寺(仙台市青葉区)に出かける。
境内は紅白の梅等が満開で花祭りに相応しい。同寺はもと大崎八幡宮の別当寺であった。
釈迦堂の前の白い象の上に小さな釈迦像があり、甘茶をかけて祈る人々が続いていた。撮影禁止なので写真はここまで。鎌倉時代初めの像とされ、胸や両腿の同心円状の衣文は清涼寺(京都)の釈迦像(985年)を模したもので極めて貴重。堂内は暗いので下記の「宮城県の文化財」の写真が鮮明。
http://www.pref.miyagi.jp/bunkazai/siteibunkazai/miyagi-no-bunkazai/03Tyoukoku/kuni/01syakanyorai.htm
清涼寺式釈迦像は東大寺僧ちょう然(ちょうねん938-1016年)が宋に渡り、インド伝来の像を模刻し、後に嵯峨・清涼寺に安置されたもので、その模刻が平安時代末から鎌倉時代にかけて盛んに作られ、生身の釈迦像として信仰を集めた。この像はその分布の北限にあたり、もと栗原郡金成の福王寺にあり、炭焼き藤太の息子の金売り吉治が京より勧請したという伝説が興味深い。160.3cm、ヒノキの寄木造りで頭部の内側に大永三年(1523)の修理銘がある。仙台藩4代伊達綱村が元禄9年(1696)に龍宝寺に安置したとされる。龍宝寺は伊達家の祈祷所であり、一門格として藩内屈指の名刹であった。なお、清涼寺の原仏は162.6cm、中国産桜材でインド・ガンダーラ風である。
清涼寺式釈迦像
http://homepage1.nifty.com/sawarabi/ninnsyou/butuzou-data/butuzou-data.htm
釈迦と仏教の今(雑感)
ブッダ(仏陀) 姓ゴータマ 名シッタールダ(前463-383の他諸説)
2400年も前の人なのでその教えの根本さえも論争がある。例えば無我説が一般的だが、非我説をとる最近の宮元啓一氏の説。また、その前提となる輪廻観を否定する並川孝儀氏の説や輪廻観は当然の前提であるという宮元氏の説がある。
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シャカの教えは現代に生きるか
スマナサーラ氏は聴いたり読んだりしての感想だが、まるでシャカの十大弟子のうち智慧第一のシャーリプトラ(舎利弗)のような人で、現代世界の主流の考え(競争原理など)と全く違う思想を展開する。しかし、その思想体系はかってみないほど体系的本質的であり、軽はずみな反論は不可能な明晰さを持っている。氏の『死後はどうなるの?』にみられる「転生・神々観」はにわかに理解できないものの、
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いずれにしてもテロや環境問題で行き詰まってしまった荒廃の現代文明に対する釈迦の思想的現代性をつかみ出し、類書にはない読みやすさや理解しやすさをも工夫する力は見事である。なお、石飛道子氏は祖先のDNAを受け継いで今日の私たちが作られたのはある意味で輪廻といえるとする。ただし、シャカの考えの根本は主体(自己)を立てると輪廻を脱することができないので、常住論と断滅論を排した中道による輪廻からの解脱とする。
http://homepage1.nifty.com/manikana/essay/reincarnation.html
もっとも、「身体」を重視しないスマナサーラ氏の考えでは高岡英夫氏の身体意識論などの最新の身体論が入り込む余地は見いだし難いし、生命科学の最先端が描く世界との整合性がとりにくいような気がする。例えば清水博氏の生命システム科学からみるとスリランカ上座仏教の思想だけでは現代世界を包括し切れないのではないか。また、現代社会で生きる思想としては、清水氏の「場の思想」、そして遍在的生命(純粋生命)論(大乗仏教や空海の思想にもリンクできるかもしれない)でくるむことができないだろうか?と考えている。
補足
スマナサーラ氏は『無常の見方』の中で真の無常は「振動している(ネットワーク)」という素晴らしい表現をされている。あるいはこの理解は「五大に響きあり」との空海の思想にリンクし、事実上、大乗の思想(シャカの教えを発展させたものとして)に通じているのではないか? 中村雄二郎氏の空海は「六大に響きあり」との認識にたっしていたとの理解もある。中村氏の「哲学が究極にめざすべきは「生命のリズム」「宇宙のリズム」に一体化すべし」との思想は「哲学」を「人間」に置き換えると空海の思想と通じ、それが現代にリフレッシュした空海のエッセンスかも知れない。シャカの教えそのものではないにしても。
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今、気になっているのはプロセス指向心理学のミンデルがヴィバッサナー瞑想法により「宇宙はひとつ」を認識したという天外伺朗氏の指摘である。
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