税効果会計は、税金等調整前当期純利益から差し引かれる税金を税務当局に対して支払う費用と見なして、発生主義で計算していく考え方。 具体的には、税金等調整前当期純利益に対して、過去将来含め支払う時期に関係なく、最終的に支払うことになる理論上の税金の額を発生主義に基づいて計算し、これを税金等調整前当期純利益から差し引いて当期純利益を計算する。そして、税金を支払うタイミングの差の部分については、税金の前払い(資産)あるいは未払い(負債)と考えて、将来の予想税率を適用して貸借対照表に計上する。
防衛特別法人税が創設される予定ですね。 ASBJから2025年2月20日に以下の文書が公表されています。 補足文書「2025年3月期決算における令和7年度税制改正において創設される予定の防衛特別法人税の税効果会計の取扱いについて」の公表|企業会計基準委員会 この文書で、実効税率の計算方法がはっきりしました。(定額控除の500万円は実効税率に含まず、税率差異になるようです) 実効税率の算定方法が分かったので、法改正により実効税率が変更される場合に連結決算では何をするべきなの?ということを考えてみます。 実効税率が変わった場合の会計処理(原則) 実効税率が変わったらどの繰延税金資産・負債を再計算す…
こんにちは。 前回、令和7年税制改正で防衛特別法人税(仮称)が導入されたら実効税率をいつ変更すべきか、というブログを書きました。 mochiinmonaka.hatenablog.com この記事で、なんとも適当に実効税率を算定してしまったので、もう少し真剣に算定してみました。税制改正大綱を見てざっと試算した段階なので、参考程度にご覧ください! 現在の実効税率の式はこちらです。 実効税率(現在) 特別法人税率は法人税の4%なので、地方法人税率と同じかっこの中に入れます。損金算入はできないと仮定して、分母には追加しません。法人税額から500万円控除する決まりは無視します。 できた式がこちらです。…
この記事のポイント 令和7年度税制改正で創設される防衛特別法人税(仮称)の影響で実効税率が変更される見込みです。2025年3月以降の決算(中間・四半期含む)では繰延税金資産・負債の計算に利用する実効税率に注意が必要です。分類1の会社もですよ!大変! この記事は個人の見解を記載しています。情報を実務に適用される際は、参考に留めていただき、ご自身でソース元等を確認して利用してください。 令和7年度の税制改正大綱が公表されましたね。経済成長と豊かさが実感できる税制へ令和7年度与党税制改正大綱を決定 | 政策 | ニュース | 自由民主党 防衛特別法人税(仮称)が創設されることになりました。ざっくりと…
税率差異の原因となる項目としては何があるでしょうか? 以下に、主な要因を列挙してみます。 (税率差異の要因) ◾永久差異 ・交際費損金不算入 ・寄附金損金不算入 ・受取配当益金不算入 ◾評価制引当金 ◾住民税均等割 ・・・ では実際に、税率差異の分析を行ってみましょう! 例) ・A社の税引前当期純利益:5,000 ・受取配当益金不算入額:200 ・法定実効税率:30% ・上記以外の事項は考慮外とする。 (計算) 1.課税所得に加減算された金額 受取配当益金不算入額:△200 2.法人税負担率の影響額 △200 × 30% = △60 3.法人税負担率への影響率 △60 ÷ 5,000 = △1…
税効果会計を適用した場合に注記することが求められる項目として税率差異があります。 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第八条の十二 前条の規定により税効果会計を適用したときは、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。 ・・・ 二 当該事業年度に係る法人税等の計算に用いられた税率(以下この条において「法定実効税率」という。)と法人税等を控除する前の当期純利益に対する法人税等(税効果会計の適用により計上される法人税等の調整額を含む。)の比率(以下この条において「税効果会計適用後の法人税等の負担率」という。)との間に差異があるときは、当該差異の原因となつた主な項目別の内訳 つまり、…
圧縮記帳の方法としては直接減額方式と準備金積立方式があります。ここでは、準備金積立方式で圧縮積立金を積み立てた場合の税効果会計の適用について解説します。 まずは、ルールを確認しましょう。 企業会計基準適用指針第 28 号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」 第15項 15. 圧縮積立金、特別償却準備金、その他租税特別措置法上の諸準備金等・・・の積立額(又は取崩額)に係る将来加算一時差異については、・・・繰延税金負債を計上する(又は取り崩す)。当該繰延税金負債については、法人税等調整額を相手勘定として計上する(又は取り崩す)。諸準備金等の積立額(又は取崩額)は、当該繰延税金負債の計上額(又は取…
資産除去債務について、有形固定資産の取得価額に加算された除去費用に関する減価償却費は、損金としては認められません。また、利息費用に関しても同様です。どちらとも、税務上、調整されることになります。 (仕訳イメージ) 計上時 有形固定資産 ×× / 対価 ×× 資産除去債務 ×× 期末時 減価償却費 ×× / 減価償却累計額 ×× 利息費用 ×× / 資産除去債務 ×× 例えば、有形固定資産の帳簿価額が10,000、耐用年数が10年、除去費用相当が1,000、割引率を3%とするとします。 (仕訳) 計上時 有形固定資産 11,000 / 対価 10,000 資産除去債務 1,000 期末時 減価償…
ストック・オプションは税制適格ストック・オプションと税制非適格ストック・オプションに分けることが出来ます。それぞれの場合で税効果会計の適用は異なります。 1.税制適格ストック・オプション 租税特別措置法第29条の2第1項に定める、いわゆるストック・オプション税制について、税制適格ストック・オプションを付与された個人は付与時、権利行使時に課税されず、株式譲渡時に譲渡所得として課税されることになります。法人税法上、税制適格ストック・オプションを付与した会社側では、ストック・オプションに関する費用は永久差異となるので、税効果会計の適用外です。 2.税制非適格ストック・オプション 権利行使時の株価と行…
こんばんは。 今週にヤフオクで薄型PS2が届いたのでその動作チェックと、故障した古いPS2の中に取り残されているパラッパラッパーのディスクの救出をしていました。 電源が入らないので、ディスクトレイが出てこないんですね。PCとかの光学ドライブだと、近くに緊急取り出し用にピンを刺すところがありますが、それもない様子。そのため、PS2分解する動画を見ながら作業して、取り出しに成功しました。救出出来てよかった。 薄型PS2も正常動作を確認。これで家にあるPS2ソフトが無駄にならずに済みます。とはいえ、少し前はFPを、現在は簿記をやっていますし、ゲームの時間はあまりないですが。持ってるソフトはシミュレー…
繰延税金負債(くりのべぜいきんふさい) 「税効果会計」のひとつ。企業会計上の「資産」または「負債」と、税法上の「資産」または「負債」との差額を調整するための勘定科目で、支払いを猶予してもらっている税金をいずれ払わなければならないという想定のもと、未払いの税金相当額を貸借対照表の負債の部に計上する。ただ、事業休止等で企業が清算するまで、将来の課税所得が発生しないことが合理的に認められる場合には、繰延税金負債の計上は認められない。たとえば、近い将来に売却が予定されている資産について、現在の時価から簿価を差し引いた損益がプラスとなり、会計上あらかじめ税金を払ったことにした場合(みなし税金)、「繰延税…