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双子の赤字

(一般)
ふたごのあかじ

レーガンは、「税収は増加し、一時的に財政は悪化しても後に健全化するだろう」というケインズのE・Gドーマーの法則を論拠に「財政拡大路線」を貫いていった。もっとも、当時は冷戦下にあったためその支出の大部分はソ連脅威に対抗するための「防衛費」に使われた。この一時的な膨大な支出の財源は、当然国債でまかなわれることになる。しかし、「裕福層」という限定的な減税は国債の購入を大きく刺激するには至らず、業を煮やして何とか国債をさばこうとする米国は国際金利を最高で14%までに引き上げた。この結果、米国にはようやく「高利回り」を期待しする各国資本が集まり始め、ドル高になっていった。このドル高は米国企業の輸出力を弱め、経常赤字の長大化を引き起こしてしまう。「財政赤字」と「経常赤字」。これらの赤字は俗に「双子の赤字」と呼ばれている。これは大きな問題だったが、この赤字は「世界で米国唯一が持つ基軸通貨=ドル」の強健発動の「政治的外圧」によって、対米追従各国からの資本流入でまかなわれていった。日本も例に漏れず、この誘いに乗ってしまい、その結果世界最大のドル建て資産保有国家となってしまったわけだ。それでも、ケインズ政策によって生じた「双子の赤字」は米国経済学界の中に「古傷」として残っている。市場原理へ財政が介入するような政策案が出てくると、米国新古典派経済学者たちは苦虫を噛み潰したような顔を決まってする。
現在では、市場への強制的な政府介入及び政府圧力を国間協議時に示唆すると決まって例に出される文句である。

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