今回は「イラツコ」について取り上げる。イラツコのつく名前の人物は少なく、古代を知る手がかりとする。次の流れで紹介していく。 ・菟道稚郎子・大郎子(おおいらつこ、稚渟毛二派皇子の子)・波多毗能大郎子(はたびのおおいらつこ)・嶋郎(しまのいらつこ、仁賢天皇)・朝日朗(あさけのいらつこ)■菟道稚郎子 父は第15代・応神天皇。第16代・仁徳天皇とは異母兄弟の弟とされる。 以下、過去記事より再掲する。 菟道稚郎子は播磨国風土記・揖保郡の条では宇治天皇(うぢのすめらみこと)と称されている。 宇治天皇の時代の出来事として風土記に次のエピソードがある(意訳あり)。 宇治天皇の世(みよ)に宇治連(うぢのむらじ)…