歌舞伎舞踊の大曲「京鹿子娘道成寺」の俗称。
安珍清姫の伝説に基づいて作られた、能の『道成寺』が原作。 道行から、問答、乱拍子、急の舞、中啓の舞、手踊、花笠踊、クドキ、山づくし、手踊、鈴太鼓、鐘入りと、桜が咲き誇る背景の前で正味一時間にわたり、一人の女形が、女の恋のさまざまな姿を余すところなく表現する。俗に女型の卒業論文とも評される。 伴奏の長唄も名曲で、歌舞伎舞踊の中では一番の人気を誇る。
歌舞伎座夜の部を観劇。国立の芝居は観ても、やはり歌舞伎座で初芝居を観ない内には年は明けない。祝樽が積まれ、いかにもお正月の雰囲気も良い。筆者が観劇した日は満席に近い入りであった。元旦から大変な事になってしまった令和六年。新国立劇場に募金箱があったので筆者もささやか乍らご協力させて頂いたが、これ以上犠牲が広がらず、被災地の一日でも早い復興を願うばかりである。 幕開きは『鶴亀』。謡曲を元にした歌舞伎舞踊で、天下泰平と五穀豊穣を祈念する踊り。『三番叟』などと並び、新年に相応しい狂言である。配役は福助の女帝、幸四郎の鶴、松緑の亀、染五郎・左近の従者。新年早々福助の元気な姿が見れたのは、喜ばしい限り。や…
晴天で暖かい日狙いで、行ってきました「道成寺」 四国霊場に空目してしまう雰囲気です。 徳島暮らしでのウォーキング休憩場所は5番札所♪ 何でも無い日に行くと、参拝者もおらず静かです。 ハイテク線香w 煙が出ないし香りも少ない。燃え尽きた灰にメッセージが(^_^;) 「あーたーりー」んなこたぁ~ないw 燃え尽きるのを待つのも何ですので、境内で道成寺絵巻を。 娘道成寺の演者さんの写真が所狭しと・・・・ここ、写真館? 天気が良くて、ポカポカ暖かくて気持ち良かったです(^o^)∩ 今度は、ウォーキングがてら立ち寄りたいですね。 *************** 道成寺 和歌山県日高郡日高川町鐘巻1738 …
時間の都合で幕見席で2幕のみ見た。事前予約制になってからは初めて行ったが、スマートフォンでアクセスしたとき、最初に表示される座席表のどこをタップしても次の画面では左端から表示されることに気づかず、思っていたのとはちょっと違う席を予約してしまった。高校や大学の頃に壁沿いの段の上に上がって立ち見で見ていたことを考えると、かなり異質なものに変貌している。建て替え後の歌舞伎座は4階でも舞台がちゃんと見え、予約して着席もできるとなると、座席がちょっと狭く膝がつっかえることをのぞいたらこれで十分なのではないかと思ってしまう。 三世雀右衛門追悼の「傾城道成寺」。道成寺物というのは、「あの歌詞知ってる」が別の…
今月の昼の部の二つ目の演目は、四世中村雀右衛門十三回忌追善狂言として「傾城道成寺」がかかりました。 四世中村雀右衛門(1920~2012)は、昭和2(1927)年に初舞台を踏んでから立ち役を中心に活躍していました。昭和15(1940)年に兵役につき、南方戦線をまわり、スマトラ島で終戦を迎え、昭和21(1946)年帰国。翌年から舞台に復帰しましたが女方に転向。その理由に戦争体験があるのかはわかりませんが。 雀右衛門は、関西で様々な人の相手役をすることで芸域を広げたそう。 そんな雀右衛門が大切にしたのが「道成寺物」。「道成寺」は『京鹿子娘道成寺』が有名ですがそのほかにもたくさんの道成寺ものがありま…
毎年、1月は歌舞伎を観に行く回数が増える。東京の場合、1月は歌舞伎座と国立劇場に加え、新橋演舞場や浅草公会堂と歌舞伎を上演する劇場が増えるからである。今年も例年通り複数の劇場で歌舞伎を観た。以下、備忘録として。 1月2日 歌舞伎座 夜の部 「鶴亀」 「寿曽我対面」 弥十郎の朝比奈がいい。彼の声は、朝比奈の役柄に合っていると思う。 「息子」 白鸚、幸四郎、染五郎の年齢が演目の内容に合うのが良かった。台詞に赤羽橋、片門前と芝近辺の地名が出てくるので舞台になっている番屋もそのあたりにある設定なのだろうか。 「京鹿子娘道成寺」 白拍子花子は壱太郎で、彼の美意識が貫かれた丁寧な踊りだった。これだけ良けれ…
●あきない世傳 金と銀10 合流篇 高田郁 力造が考案した新たな染物で浴衣を作ることに。白子の誠二が江戸にやってきて、賢輔が花火の図柄を考案する。五鈴屋隣の三嶋屋を菊栄が買取り、後にそれを五鈴屋に売る。川開きの日、船に乗った湯屋仲間が揃いの浴衣を着てお披露目。それが話題となり、新たな浴衣は売れに売れる。念願の仕事を終えた梅松はお梅と結婚をすることに。 以下の11章からなる。 1章 秘すれば花 1757年 新たな木綿反物の藍染めの試作品を力造が完成させる 菊次郎に新たな浴衣の件で、秘すれば花という言葉を教わる 2章 初瓜 幸 元御物師志乃から武家の女性の夏の装束、茶屋染めがあることを教わる 隣の…
災害に始まった新年 新春浅草歌舞伎【浅草公会堂】 初春歌舞伎公演【新・国立劇場】 初春大歌舞伎【歌舞伎座】 能楽堂ショーケース 晴れやかに新年が明けたと思ったら、元旦からの悲惨なニュースに心が痛みました。 災害に始まった新年 そして早ひと月。能登半島地震で被災された地域ではまだ電気ガス水道といったインフラが行き届かないところも多いということで、我が家の防災の基本も見直さなければいけないかなと感じさせられました。電気ガス水道は2,3日で復活すると言われてそれに基づいて用意していましたから…。 歌舞伎では、募金活動が活発に行われて、色々と協力でき、少しでも被災地へのお役に立てたことはよかったかなと…
朝から歌舞伎座へ。北千住で千代田線と日比谷線を結ぶ通路にどでかい團十郎。 幕開きの「當辰歳歌舞伎賑(あたるたつどしかぶきのにぎわい)」は、新年の始まりを寿ぐとともに舞台を清める意味もある三番叟を5人の若手(福之助、鷹之資、歌之助、玉太郎、虎之介)が踊る「五人三番叟」と、雀右衛門の芸者、鴈治郎と又五郎の鳶頭による「英(はなぶさ)獅子」の踊り二題。華やか。 続く「荒川十太夫」は、神田松鯉さんの講談をもとに一昨年10月に初演されたもので、主演の松緑をはじめ配役のほとんどが初演時と同じなのに、猿之助不在のため堀部安兵衛役を中車。単に私が苦手だからなのかもしれないけれど、やっぱりねぇ、声も容姿も違いすぎ…
◆行った所: 多良間島(平成3年(1991年))<O020>◆ ▲「多良間の八月踊り」は「国指定重要無形民俗文化財」・多良間島は、宮古島と石垣島の中間に位置する小さな島ですが、旧暦の八月、三日間にわたり開催される「多良間の八月踊り」は、島人の手による見事な組踊り(くみおどり)が演じられる事もあり、「国指定重要無形民俗文化財」に指定されております。 ◎勇壮な獅子舞、「多良間の八月踊り」の始まりです。 ▲「多良間の八月踊り」は、三日間開催・「多良間の八月踊り」の一日目は、仲筋の土原(ンタバル)御願所で行われ、二日目は塩川のビトマタ御願所で行われます。この二日間は、お互いをお客様として客席に招待しま…
お正月の歌舞伎座は格別です。紅白の繭玉飾りや鏡餅で歌舞伎座1階ロビー大広間は華やかに飾り立てられ、新年初日の1月5日には、同大広間で年頭恒例の「木遣り始め」が催されました。江戸町火消「す組」の芸を継承した鳶たちが威勢よく纏い振りを披露し、木遣り唄で盛り上げます。新年最初のこの伝統行事、一度、見てみたいものです。鎌倉時代、父を殺された兄弟(曽我十郎、五郎)が亡父の仇討ちを果たすという実話を元に作られたお芝居が『寿曽我対面』です。仇は、鎌倉殿こと源頼朝に重用された工藤祐経(梅玉)です。顔見世や初春歌舞伎で頻繁に『寿曽我対面』が演じられるのは、仇討ちが実現するめでたいお話だからです。仇の工藤祐経を前…
ただいま歌舞伎座で上演されている壽 初春大歌舞伎! 2024年の幕開けとなるおめでたい公演です。観光がてら遠方より歌舞伎座へお出かけになる方も多いのではないかと思います。歌舞伎らしい華やかな演目も多いので、初めての方にはおすすめの公演です。 夜の部で上演されている「京鹿子娘道成寺」は、数ある歌舞伎舞踊の中でも名作中の名作として有名で、女形の最高峰といえる演目です。あらゆる恋模様が次から次から展開していき、めくるめくような美しさをひたすら堪能するという演目であります。内容をまじめに考えるというよりは、うっとりと陶酔できるような時間です。 今回は、前半日程を壱太郎さん、後半日程を尾上右近さんがお勤…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 「いくっ、ああ、いきますっ」――美少年は全裸にされ、麻縄で縛られた。三人の醜い者たちに陵辱され、悶える美少年は妖しいほど美しい――。澄み切った黒い瞳、柔らかな鼻の線、花びらのような唇……気品と妖気のようなものさえ感じられる美男子の菊雄に、同性にもかかわらず、私はひきつけられていった。ある夜、私の下宿に泊まった菊雄に、堪えきれなくなった。熱っぽく息づく菊雄に欲情し、やがて唇と唇を重ね合わせ、そのまま……。官能小説の巨匠による精液と愛液にまみれた短編集。 団鬼六(1931-2011)は、滋賀県で映画館を営む父親の元に生まれました。この「金城館」は…
お仕事や学校がはじまったところかと思いますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。昨日は成人の日でしたね。新成人のみなさまおめでとうございます。 このすえひろの成人式の思い出といえば、黒い振袖に、弁天小僧のような丸いつまみ細工のかんざしを付けたことです。和彫りの肌襦袢も仕込んでおいたらよかったでしょうか。 さて、先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして壽 初春大歌舞伎の夜の部を拝見してまいりました。備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。 壱太郎さんの白拍子花子 壽 初春大歌舞伎の夜の部は「鶴亀」「寿曽我対面」「息子」「京鹿子娘道成寺」という狂言立てです。先日拝見した昼の部と比…
【初観劇】さて、今年初観劇となりました。本当は翌週に予定していた『新春浅草歌舞伎』が今年の初観劇となる予定でしたが、我慢できなくてお切符取っちゃった。この日のお目当ては『寿曽我対面』でした。今まで何度か見たことがあって、時代物のなかでは一番好きな演目です。様式美がかっちりしていて、祝祭感があって好き。花形俳優でしか見たことがなかったので、ベテラン俳優陣の『対面』がどんな感じなのか、楽しみにしていました。 【鶴亀】女帝/福助鶴/松緑従者/左近従者/染五郎亀/幸四郎 おめでたい雰囲気でよかったです。福助さんの視線がやさしげなのが印象的でした。SNSでも、みんなの活動を積極的に発信していて、本当にや…
昨日の元日は、能登の地震の報道に接するまでは「Amazon Prime Video」で、お正月らしく『初春狸御殿』という古い映画を観ていたのだけれども、地震でそういう映画を観る気分も吹っ飛び、ずっとそんな能登の地震の報道を見ていた。 昨日の報道ではまだまだ被害の全貌をつかむことも出来はしないと思っていたのだけれども、それでも崩壊した家屋の惨状、輪島の商店街の大火の様子などを見て「大災害」だという認識が強くなった。 一夜明けてこの日もテレビは能登の現状を伝える報道が多いし、逆にそれ以外の「お正月らしい」バラエティ番組は見る気もしない。 この日はテレビ報道も被害に遭った地域にカメラが下りて行っての…
昨日の能登大地震で小中学の同窓生の間ではSMSで金沢市在住の同窓生の安否気遣ふやりとりが続き、心配もわかるが輪島や珠洲ならまだしも金沢市内だから皆で騒ぐことではないし、中には「被災地域から戻った友人の話」として中国人による略奪行為まで言及もあつて何だかそれに気持ちが滅入る。本日癸卯年十一月廿一日。気温▲0.9/9.5度。曇。朝は珍しく七時過ぎまで寝てゐて能登の地震のニュース見るのにテレビをつけたら朝8時から大学駅伝(往路)ださうで雑煮を食べてから結局、箱根芦ノ湖のゴールまでずっとテレビをつけたまゝ。その間、時間があるときにやらうと思つてゐた『水戸大観』(茨城民放社、昭29)に掲載されてゐた水戸…