市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

学会初日。


  • 午前、前半 - 22aWG 領域11(統計力学、物性基礎論、応用数学、力学、流体物理分野) 渦と粒子の運動


    • 「鉛直管内を沈降する2粒子の運動」 岐阜高専,篠原勝


      • ずっとやられている仕事。今回は二体問題の実験の話。 気になるのは現実の流れにおける Stokes 近似の破れだが、 やはり今の場合壁が強く誘発しているようだ。 では free-boundary の limit は?に関しては、 篠原さんも石井さんも内部(Stokes)と外部(Oseenか?)のマッチングが難しい 事を強調していた。私は現実が聞きたかったのだけど。 浮上する事は絶対無いはずで、その齟齬はどうけりをつけるべきか、という辺り。

    • 「流体中の微粒子群の運動」 都立大理,冨山泰伸


      • に質問して頂いた方。 formalism は Stokesian Dynamics の低次と同じ。 periodic motion は、Caflish らのもの(4粒子)とちょっと違って 3粒子。 もしかしたら面白いかも。

    • 「結合コンパクトスキームを使った物体周りの流れ」 名古屋大工 石井克哉,養祖隆,北条哲平


      • 結合コンパクト差分-微係数を高次の微係数の差分もつかうもの。 「精度」と「解像度」の違いが分からなかったが、 移流のある問題で止まってものを見る時に 普通に展開するとまずくて、 奇数次を多くとるとよい、と理解した。

  • 午前、後半 - 22aWD 領域11 確率過程・確率モデル


    • ガウス型1/fαノイズの振幅切断」 都立大理 崔東学,渕上信子


      • 簡単なモデルで 1/f を作る事で、広く観測される 1/f の不変性を 理解しようと言う文脈。 Gaussian に limitter を入れると出るらしい。

    • 「相関のあるTruncated Levy flightのマルチスケーリング則」 理研 中尾裕也


      • 為替の挙動をマネしたい。 打ち切り Levy で行けるところと行けないところ、 相関がないことから乗的ノイズを使って見る(と、どうだったのかな?)

    • 「古典メソ時間領域における液体の粒子拡散の法則」 新潟大自然 合田正毅, 坂○和宏, 山田弘明


      • 拡散の時間スケール変化の話。 ミクロな(弾動的?)挙動と、 マクロな拡散的挙動の間は素直に継っていなくて、 …

  • 22aWH 領域11 生態系モデル・その他


    • 「検定のある多次元尺度構成法の提案」 中大理工,イリノイ大物理A 田口善弘,大野克嗣 A


      • 満員の為聞けず。

  • 午後、前半 - 22pWG 領域11 熱流体・複雑流体


    • 順番を勝手に変えて, 11, 2 - 6, 休憩, 1, 7-10, 12 としたが、 間だけ聞きたい人などは困るだろうに…

    • 「密度最大点を含む流体層における2重拡散対流の発生条件」 鳥取大工 加藤由紀,橋場誠,藤村薫


      • Antar(?)の仕事(Ra>0)をRa<0に拡張。 密度場、温度場に関する線形安定性。

    • 縲鍬orenz system におけるリミットサイクルのセパラトリックスループによる分岐」 宇部高専制御情報 三宅常時,勝田祐司


      • Lorenz model の話。

    • 「大域分岐を利用した水滴落下系カオスの制御」 都立大院理 清野健,渕上信子


      • カオスを周期外力で制御。 バネ、ちぎれモデル。時間を離散化し map を作る。 周期外力があるので 2D になる。 引き込みを仮定し周期外力の整数倍を考察。

    • 縲卦wo-Dimensional Viscous Flow past a Slightly Deformed Circular Cavity in a Porous Media」 農工大工 G.P. RajaSekhar,佐野理


      • 浸透の理論の話。 丸い穴を元に変形の効果も計算。 対称変形では流率は無変形を越えないが、 非対称変形では越え得る。

    • 「マイクロバブルの電気泳動特性」 資源環境技術総合研究所,徳山工業高等専門学校 A, 高橋正好,大成博文A,山本佳孝,長島和茂


      • 液体中の気泡はマイナスに帯電しているらしい。 (メカニズムは不明とのこと。) 電場をかけて振って見る。 Stokes に対して定量的にどうなのか?

  • 22pWD 領域11 粉体・流体・摩擦


    • 「乱流散逸系におけるエントロピー増加:乱流の最大輸送特性の一般化の試み」 地球変動研, 防災科研A 小澤久,下川信也 A,佐久間弘文


      • entropy production に関する既存の色々な条件が 等価なものであると主張してたのか?

    • 「渦度-密度方程式による2次元粉体流動層の解析」 鳥取大学 大信田丈志


      • 7/28/2000以降、 プレッシャー(これが私の仕事)のかけ方が弱かったのか、 結局またオチがつかなかった。 計算の初期条件として、やっぱり濃度差(静止しててもいいから気泡)が どう動くかを見るのが最初ではないかな? (逆に vortex が気泡を生成するとは、私は考えにくいのだが…経験則)

    • 「鉛直に加振した粒状体薄層上の準周期的パターン 」 農工大工  鵜川亜希子,鈴木勝博,佐野理


      • 振動層の表面パターンの実験の話。 分類を層高 h を使ってしていたが、 分類が work する h の range が狭いと言ってた気もするけど、 どうなのか?

  • 午後、後半 - 22pWG 領域11 熱流体・複雑流体


    • 縲軍ayleigh-Taylor Instability Analysis by Means of Viscous Potential Flow Theory」 沼津高AミネソタB 舟田敏雄 A,D.D. ジョセフB


      • Viscous Potential Flow に対する説明が無く、 定式化の説明も無く、全然分からなかった。

  • 22pWD 領域11 粉体・流体・摩擦


    • 液状化による噴砂パターン形成」 防災科研,地調A 納口恭明,兼子尚知 A,宮地良典A


      • 「えっきー」は特許の方向にいってしまうのか… あんまり「特許」に良い印象が無いのは偏見か? 材料をもらわねば!

    • 「非保存可換砂山モデルと磁場中q=0ポッツモデル」 中大理工 香取眞理


      • Bak らのモデルに、一様散逸と周期境界を入れる事で、 無限系への漸近挙動と off-critical をみるって話(かな?)

    • 「砂山における圧力分布の理論解析」 京大人環 早川尚男


      • やっぱり、楕円型が棄却される reasoning が納得できず… 双曲型がとられた場合ってどんな弾性体なのか? 「履歴依存」

    • 「介在物のある滑り摩擦の計算機実験II」 阪大院理  松川宏


      • 6/7/2000の話。 coupling を強くして行くと摩擦係数が単調増加せずに あるところから減少に転じる計算結果は、現実に期待しているそうだ (それで「特許」だそうだ…納口さんの話の後だけに冗談か、それとも本気?) 「無理数」は「簡単な整数比ではない」程度。

    • 「摩擦不定問題の現象論的アプローチ」 東大総合 石原秀至,金子邦彦


      • 不定問題と、彼の解析の関連が理解できず。 ここでも「履歴依存」。 履歴依存を履歴依存ととらえないほうが良いのではないだろうか? この解析にミクロな摩擦モデルとしての sato model は、どの程度 本質的なのか? 不定問題って静止摩擦ってだけではないのか?

    • 「弾性接触摩擦の原子論的な単純化したモデルIV」 金沢工大 AMS R&D センター 前田聡史,田口明史,林啓治


      • MD で micro な動摩擦の計算。

    • 「ゴムのガラス転移と塑性変形」 京大総人,京大基研A 宮本嘉久,深尾浩次,関本謙 A


      • いつだか関本さんの問題にしていた話(セミナーで聞いたのか テキストを読んだのか、忘れたが。) 引っ張って冷やすのと、冷やして引っ張る過程の違い。 低温ではバナナで釘が打てたり薔薇がバラバラになりそうなので、 ゴムは切れると思ったが、ちょっとだけ温めて伸ばすのか… それで設定した問題の条件は満たされているのか?

    • 「ゴムのガラス転移にみる 緩和時間のダイナミクス」 京大基研, 京大総合人間A 関本謙,宮本嘉久 A


      • 線形粘弾性の理論--この辺をきちんと理解したい--と、 相分離(熱力学)の結合。 手堅い緻密な議論に圧倒されるが、follow できず。 やっぱり統計物理の話は相分離と絡まると面白そうに見えるのは、 歴史があるからなのか?他では勉強が足りんということか?

最終日前夜の宿泊、結局とれた。フロントは大概バイトくんで、 裏に仕切っている社員がいるもの。フロント君が融通のきかない no-man (って言葉はないか)だと全然話しは進まないけど、ベテランバイト君だと 結構融通はきくもの。 (それとも、初日が終って皆早めに帰る事にしたのか?)