集団的自衛権:攻撃意思表明なしで行使可能 首相見解 - 毎日新聞(2015年7月28日)

http://mainichi.jp/select/news/20150729k0000m010135000c.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0946-23/mainichi.jp/select/news/20150729k0000m010135000c.html

安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会は28日、安倍晋三首相が出席し総括的質疑を行い、実質審議入りした。首相は集団的自衛権行使の判断について「(行使が可能となる)新3要件に該当するか否かは、攻撃国の意思や対応、推移などを総合的に判断するが、意思については形式上、日本を攻撃する意図はないと隠していることもある」と述べ、対象国が攻撃の意思を表明していない段階でも行使は可能との見解を示した。
首相は関連法案について「憲法との関わり、国際情勢についてなかなか複雑に絡み合い、まだまだご理解を十分にいただいていない」と指摘。「乱暴なことをしていいとは全く思っていない。国民の理解が得られるよう更に謙虚に努力を続けたい」と理解を求めた。
民主党福山哲郎氏は集団的自衛権の限定行使を、歴代法制局長官が過去の国会答弁で「否定している」と追及。1981年の衆院法務委員会で、当時の角田礼次郎内閣法制局長官が、外国への武力攻撃が日本の安全に間接的な影響がある場合の集団的自衛権も「行使できない」と答弁したことなどを紹介し、「戦後70年の(憲法の)法的安定性を崩す。憲法を改正して国民に堂々と国際環境の変化を訴えるべきだ」と主張した。
首相は「閣議決定以前はフルスペック(全部)の集団的自衛権のみについて答弁している」と述べ、政府が限定容認を否定したことはないとの認識を示した。
礒崎陽輔首相補佐官が関連法案に関し「法的安定性は関係ない」と発言したことについては、首相は「法的安定性を確保することは当然であり、そこに疑念を持たれるような発言は厳に慎まなければならない」と苦言を呈した。【飼手勇介、小田中大】

「安保法案」参院審議 「反対」広がり多彩 - 東京新聞(2015年7月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015072902000106.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0940-33/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015072902000106.html

安全保障関連法案に対する草の根の抗議は、参院で審議が始まった後も広がりをみせている。学生、非政府組織(NGO)関係者、弁護士、学者−。さまざまな立場の市民が「廃案に追い込もう」と声を強めている。 (辻渕智之、鷲野史彦、森川清志)

小林節教授の心配は杞憂に 1カ月半で大化けした「SEALDs」 -日刊ゲンダイ (2015年7月29日)

(1/2)http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162172
(2/2)http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162172/2
(1/2)http://megalodon.jp/2015-0729-1437-17/www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162172
(2/2)http://megalodon.jp/2015-0729-1438-01/www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162172/2

「安保法制に反対すると、『憲法守って国が滅んでどうするのか』と必ず言われます。(日本は)70年間、憲法9条専守防衛。これでいける。世界の警察などをやってしまったら経済的に滅びるし、世界中を敵に回します」
「もう一つ、『今はそんな議論をしている時じゃない』とも必ず言われます。だけど、憲法を政治家が無視する習慣がついてしまうと、民主主義国家ではなく独裁国家になってしまう。だからここは許さないで欲しいと思う」
「私は66歳。君たち世代のために良きものを残さなければと闘っていますが、君たちも連綿と続く民族の中で、さらに次の世代に責任があります。次の世代に責任を取るとの思いで闘って欲しい」
あれから1カ月半。シールズの集会参加者は回を重ねるごとに増えている。小林氏の心配は杞憂に終わり、大化けしたのである。24日の日比谷野音での集会ではシールズの中心的メンバーの紅子さん(24)が「安倍は辞めろ!」「憲法を守れ!」のコールで締めた。引き続き開かれた国会前集会と官邸周辺での抗議集会には計7万人が参加したとされる。

【#本当に止める】6分でわかる安保法制

「戦争法案を廃案に」 日比谷で1万5000人が反安保デモ - 東京新聞(2015年7月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015072902000120.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0944-09/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015072902000120.html

安全保障関連法案に反対する集会が28日夜、東京の日比谷野外音楽堂で開かれ、参加者約1万5000人(主催者発表)が「違憲の戦争法案を廃案に」と訴えた。夜に入っても気温が30度を超える暑さの中、参加者は「安倍政権の暴走を止めよう」と声を上げ、国会へデモ行進した。

新国立だけでなく「安保法案も見直せ」 野党議員からヤジ - 東京新聞(2015年7月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015072902000109.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0954-03/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015072902000109.html

自民党議員も多くの質問時間を確保した安保法案に関する二十八日の参院特別委員会。内閣支持率が急落するだけに、身内からは新国立競技場の建設計画見直しで「大英断だ」と安倍首相を持ち上げる場面もあったが、野党からは「安保法案も見直せ」のヤジが飛んだ。
自民党愛知治郎氏は質問時間の最後に、太平洋戦争について「敗戦濃厚だったときに、大変優秀な国を憂う若者たちに特攻を命じたり、玉砕を命じたりしてしまった。しっかりと見直すべきときは見直さなくちゃいけない」と指摘。安保法案の質疑の最中だっただけに、野党議員からは一時は「その通りだ」「いいぞ」と拍手も鳴った。
だが愛知氏が続いて「新国立競技場の見直しは大変な大英断だった」と首相を持ち上げると、野党議員は口々に「安保法案も見直すべきだ」などと批判した。 (西田義洋)

安保法案審議 首相、補佐官更迭を拒否 - 東京新聞(2015年7月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015072902000110.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0945-22/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015072902000110.html

安倍晋三首相は二十八日の安全保障関連法案に関する参院特別委員会で、礒崎陽輔(いそざきようすけ)首相補佐官が法的安定性を軽視するような発言をした問題に関し、野党の更迭要求を拒んだ。憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を認めても法的安定性は維持されており、安保法案の合憲性に「完全に自信を持っている」と述べた。野党は安倍政権が憲法を軽視していると追及を強めた。
安保法案はこの日、特別委で実質審議入りした。礒崎氏の発言については民主党福山哲郎氏が「法的安定性を放棄して集団的自衛権をやると政府内の人間が認めている。こんな補佐官は更迭すべきだ」と迫った。
これに対し、首相は「法的安定性を確保することは当然だ。疑念を持たれる発言は厳に慎まないといけない」と問題を認める一方、菅義偉(すがよしひで)官房長官が口頭で注意したとして処分には言及しなかった。福山氏は礒崎氏の特別委出席を求めた。
首相は、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について、自国を守る個別的自衛権の行使だけが認められるとしてきた従来の政府見解と論理的に整合していると主張。国際情勢の変化で必然的に「自衛の措置」の範囲が広がったとの説明を繰り返した。
福山氏は、日本近海で同盟国が攻撃された場合など、安倍政権が挙げる限定的な集団的自衛権行使の事例も含めて、歴代政権は否定してきた経緯を指摘。その上で「一内閣が憲法解釈を変え、法的安定性を崩している」と批判した。
審議に先立つ理事会では、自民党が礒崎氏から陳謝があったことを野党に報告。礒崎氏は党の聴取に「私の発言で国会、委員会運営に迷惑をかけ、心から反省し、おわびを申し上げたい」と述べたという。

(私説・論説室から)ボーダーラインを割るか - 東京新聞(2015年7月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015072902000128.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0954-59/www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015072902000128.html

ボーダーラインが寿命を左右する−。
病気の検査結果には、治療を始めるかどうかのボーダーラインが存在する。ボーダーより少しでも悪いと治療が始まり、逆に良ければ治療は見送られる。検査の数値が悪かった方が結果的に延命する場合がある。検査数値と病状といった本来連続的な関係に政策的に介入し、その効果を分析する手法を経済学で「非連続回帰デザイン」と呼ぶそうだ。
安倍政権の内閣支持率が急落した。反転上昇に躍起だが、それも一種の非連続回帰デザインだろう。支持率は30%台後半で、30%を割ると「危険水域」といわれるから、もうすぐである。首相は「国民の理解が進んでいないのは確か」と言いながら、その安保関連法案を衆院強行採決した。その報いである。
国民は十二分に理解しているのだ。限りなく違憲な戦争法案であり、隣家の火事を消すのとは訳が違い地球の裏側にまで自衛隊が戦争しに行かされることであり、子ども連れのママが炎天下の渋谷に結集して「だれの子どもも、ころさせない」と訴えずにいられない緊急事態で、戦争体験のあるお年寄りや学者や文化人や普通に平和に暮らしたいと願う市民に学生たちも加わり、もう本当に止めないと取り返しがつかなくなるということを−。
さらに政権が米国に忠誠を誓えば安泰でいられると信じていることも。だが、国民の意志は「延命許すまじ」である。 (久原穏)

安保転換を問う 首相補佐官発言 - 毎日新聞(2015年7月29日)

http://mainichi.jp/opinion/news/20150729k0000m070180000c.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0937-02/mainichi.jp/opinion/news/20150729k0000m070180000c.html

◇これが政権の本音では
安全保障法制を担当する礒崎(いそざき)陽輔首相補佐官から「法的安定性は関係ない」という、あきれた発言が飛び出した。憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法案は憲法違反との批判が高まっているのに、法秩序の安定性など関係ないと言っているかのようだ。
この問題は法案の本質に関わる。見過ごすことはできない。
礒崎氏は、5人いる首相補佐官の1人で、政府内で安保関連法案の作成に中心的に関わってきた。参院での審議入り前日の26日の講演で、集団的自衛権について「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない」と述べた。
そもそも政府による憲法解釈の変更はどこまで許されるのだろうか。
全く変更してはいけないわけではないが、それには限界がある。従来の憲法解釈との論理的整合性と法的安定性が保たれている必要がある。政府が便宜的、意図的に憲法解釈を変更すれば、国民が憲法を信頼しなくなるからだ。
だからこそ、安倍政権は今回の憲法解釈変更について、1972年の政府見解などを根拠に「これまでの政府の憲法解釈との論理的整合性、法的安定性は保たれている」という理屈を立て、合憲性を主張してきたはずだ。礒崎氏の発言はそういう政権の見解とも矛盾している。
参院審議では、引き続き憲法と安保関連法案との整合性が中心的な課題になる。それなのに審議が始まろうという時、首相の周辺から憲法を頂点とする法秩序をないがしろにするような発言が飛び出した。
礒崎氏は法案の成立について「9月中旬までに終わらせたい」とも語った。参院審議をも軽視している。
この問題が深刻なのは、発言が、安倍政権の本音ではないかと疑われることだ。
憲法学者が法案は違憲と指摘した際、自民党幹部から「学者の言う通りにしていたら、自衛隊日米安保条約もない。平和と安全が保たれていたか疑わしい」と反発が出た。安保政策は憲法に優先すべきで、法秩序が犠牲になっても構わないとでも言いたいのだろう。今回の発言はこれに通じるものがある。
安倍晋三首相はきのう、礒崎氏の発言について「憲法とともに安保環境の変化を踏まえる必要があるとの認識を示した発言だ」とかばい、民主党からの更迭要求を拒んだ。
礒崎氏は発言を撤回すべきだが、仮に撤回したとしても、この政権が憲法を軽んじているという疑念は消えない。

新国立競技場を転換できるなら、安保法制も見直すべき(保坂展人さん) - HuffPostJapan(2015年07月21日)

http://www.huffingtonpost.jp/nobuto-hosaka/new-natioal-stadium_b_7838320.html

5月から衆議院で審議が始まった「安保関連法制」は、戦後で最も重い法案です。7月半ばに、安倍首相自身が「国民の理解は広がっていない」と言いながら衆議院採決を強行しました。始まったばかりの参議院では、「憲法違反」の指摘に対する徹底的な議論を期待したいと思います。

さらに、8月上旬に「戦後70年安倍談話」と「川内原発再稼働」を同時に行うのではないかという観測が流れています。「新国立劇場」以外は、どんなに国民の反対が強くても異論と危惧を排除して突き進む原発再稼働に、安倍首相の歴史認識にもとづく「安倍談話」の発表、そして「鎮魂の夏」を切り裂いて進む「安保関連法制」の審議、まさに「安倍政治の総決算」とも言うべき政治状況が迫っています。

岩手いじめ自殺 子の痛みにさとくあれ - 東京新聞(2015年7月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015072902000127.html
http://megalodon.jp/2015-0729-0924-11/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015072902000127.html

学校は子どもの痛みに鈍感になっていないか。岩手県矢巾(やはば)町の中学二年村松亮君(13)の自殺はいじめが一因とした学校の調査結果はそんな不安を募らせる。いじめ克服を掲げても機能しないでは。
村松君が列車に飛び込み、自ら命を絶ってから二十日余り。自殺といじめの関わりを調べた学校の報告書では、現場の危機意識の欠如があらわになっている。
「づっと暴力、づっとずっとずっと悪口」「ボクはついにげんかいになりました」「もう市(死)ぬ場所はきまってるんですけどね」
担任の先生とやりとりしていた生活記録ノートには、追い詰められていく様子や自殺をほのめかす文言が多く残されていた。事実上の遺書となってしまい残念だ。
調査では、担任は「死」の文字を四月に初めて目にしてから常に気遣っていたという。しかし、問題を一人で抱え込み、校内で情報を共有して対処することを怠った。家庭との連携も欠いていた。
一年から二年にかけて、バスケットボール部で強いパスを出されたり、机に頭を押さえつけられたりした六件のいじめがあった。驚かされるのは、先生たちがいずれも、からかいやちょっかい、けんかと捉えていたことだ。
表面上はそう見えても、いじめを否定する根拠にはならない。子どもが心身の苦痛を感じれば、全ていじめ行為である。先生たちの認識がはなから間違っていたとすれば、致命的と言うほかない。
大津市の中学二年男子の自殺をきっかけに、いじめ防止対策推進法が定められたのは二年前だ。
学校は基本方針を立て、福祉や心理の専門家を加えた対策組織を設けねばならない。早期発見のための調査を定期的にしたり、自治体にいじめ情報を知らせたりする義務が課せられている。
矢巾町の中学校も態勢を整えていたのに機能不全に陥っていた。なぜ担任任せになったのか。なぜ組織的に動けなかったのか。学校の調査は踏み込み不足で、問題の核心が見えない。
先生たちが忙しすぎ、子どもとの関係がなおざりになっていないか。評価を気にし、いじめから目を背ける風土はないか。町教育委員会が置く第三者委員会は現場の意識や体質にまで立ち入って調べ、教訓をしっかりと引き出してほしい。
いじめはこの学校だけの問題ではない。どこでも起こる。子どものSOSに即応できるか。全ての学校で再点検せねばならない。