辺野古新基地 沖縄県敗訴 福岡高裁支部判決 知事の対応「違法」 - 東京新聞(2016年9月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016091702000137.html
http://megalodon.jp/2016-0917-1223-53/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016091702000137.html


米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設に伴う新基地建設を巡り、翁長雄志(おながたけし)知事が埋め立て承認の取り消し撤回に応じないのは違法だと国が訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部は十六日、知事の対応を「違法」と判断し、国側全面勝訴の判決を言い渡した。多見谷寿郎(たみやとしろう)裁判長は「普天間の危険を除去するには辺野古以外ない」と指摘。判決後、知事は上告する方針を表明した。
一九九六年の返還合意から二十年がたつ普天間問題で初の司法判断となり、今後の議論に影響するのは必至。翁長知事は記者会見で「県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも偏った判断だ。失望している」と述べた。菅義偉官房長官は「国の主張が認められたことを歓迎したい」とした。
訴訟は、早ければ年度内にも言い渡される最高裁判決で決着する見通し。双方は確定判決に従うことを確認しているが、知事は徹底抗戦を続ける構えで、別の対抗策の検討を始めた。
判決は、翁長知事の取り消し処分の前提になる仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事の埋め立て承認に違法性があるかを審理対象とした。
埋め立ての必要性について「普天間飛行場の危険は深刻な状況で、閉鎖して改善するしかない」と言及し、駐留する米海兵隊の運用面や世界情勢から「県外移転はできない」とする国の判断は尊重すべきだとした。辺野古移設によって「全体としては沖縄の負担が軽減される」とも述べた。
さらに埋め立て承認時の環境保全の審査も十分とし「前知事の承認に裁量権の逸脱はなく、取り消した翁長知事の処分は違法だ」と結論付けた。
翁長知事が国の是正指示に従わなかったことについても違法とした。
国は三月、翁長知事に処分を撤回するよう是正指示をしたが、知事が従わなかったため七月に提訴。地方自治法の規定で迅速な審理が求められており、一審は高裁が担った。

辺野古で国勝訴 解決には対話しかない - 毎日新聞(2016年9月17日)

http://mainichi.jp/articles/20160917/ddm/005/070/024000c
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沖縄県・米軍普天間飛行場辺野古移設をめぐる国と県の対立は、最終的に裁判で決着させるのは難しく、話し合いで解決するしかない。
翁長雄志(おながたけし)知事が辺野古の埋め立て承認を取り消した処分を撤回しないのは違法だとして、国が知事を訴えた違法確認訴訟で、福岡高裁那覇支部は、国の主張を全面的に認める判決を言い渡した。
判決は「普天間の被害を除去するには辺野古以外にない」と断定した。「県外移設はできない」という国の判断について「戦後70年の経過や現在の世界、地域情勢から合理性があり尊重すべきだ」とした。
沖縄県は上告する方針だ。翁長氏は判決について「地方自治制度を軽視し、県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも国に偏った判断」と批判し、あらゆる手段を使って辺野古移設を阻止する考えを示した。
この先、最高裁がどういう判断をするかは見通せない。ただ、最高裁で国の勝訴が確定したとしても、知事の権限は大きく、翁長氏にはいくつかの対抗手段がある。
例えば、埋め立て承認の「取り消し」ではなく、改めて承認を「撤回」する可能性が指摘されている。
取り消しが、承認時の手続き上の瑕疵(かし)を理由にした処分なのに対し、撤回は承認後の状況の変化を理由にした処分だ。
また、移設計画の変更が必要になった場合、国は改めて知事の承認を得る必要がある。知事が承認しなければ計画は進まなくなる。
福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長は、以前の国と県との代執行訴訟でも裁判長を務めた。その時の和解勧告は、国が勝っても「延々と法廷闘争が続く可能性がある」として、国と県が話し合って最善の解決策を見いだすのが本来あるべき姿だと指摘していた。
今回の判決文でも、国と県の対立について「互譲の精神により解決策を合意することが対等・協力の関係という地方自治法の精神から望ましい」としている。そのうえで「その糸口すら見いだせない」と話し合い解決の可能性に否定的な見方を示し、判決を出したのだと説明した。
自民党二階俊博幹事長は先日、翁長氏と会談した際、戦後日本の安全保障を支えた沖縄の歴史に触れたという。翁長氏は「そういう言葉から始まることが首相官邸ではなかった。大きな壁をつくりながら話をするのか、耳を傾けて話をするのか全然違う」と、沖縄に冷淡な官邸の姿勢を批判した。
政府は沖縄と形だけの協議はしても、真剣に議論しようという態度に欠けていたのではないか。対話による解決にもっと努力すべきだ。

<辺野古訴訟>沖縄県敗訴 問題解決の制度にもろさ - 毎日新聞(2016年9月16日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160916-00000124-mai-soci
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地方分権、民主主義の流れに逆行する判決だ」。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を巡る初の司法判断は、福岡高裁那覇支部が県側の主張を全面的に退けた。
1999年の地方自治法改正で国と地方が対等の関係になって以降、国の指示に地方が従わないことの適否を審査する初の司法判断として注目されたが、判決は、埋め立て承認を取り消した処分に対する国の是正指示に従わない知事の不作為を違法と結論付けた。
判決が重視したのは、行政が出した処分に対する信頼は法的に保護されるべきだという「行政の信頼保護」の原則だ。処分が簡単に変更されれば、維持されることを前提に活動する側の不利益が大きいため、変更は制限されると解釈される。判決でも、前知事の埋め立て承認の判断に法的欠陥がない以上、知事の取り消し処分は違法で国の是正措置に従うべきだと判断した。
一方、今回の紛争を通じて明らかになったのは、国と地方の主張が決定的に衝突した場合に問題解決を図る制度の脆弱(ぜいじゃく)さだ。総務省に新設された第三者機関「国地方係争処理委員会」が、知事に対する国の是正指示の適法性について判断を避けたのもその一例といえる。今回の判決が確定しても、知事は埋め立て承認の「撤回」など別の知事権限を行使し、再び法廷闘争になることも予想される。
判決は「互譲の精神で双方で解決策を合意することが地方自治法の精神から望ましいが、その糸口すら見いだせない。中立で公平な判断をすべき裁判所がその責務を果たすしかない」と苦渋の判断だったことを示した。国が判決を「錦の御旗(みはた)」として移設を強行すれば、禍根を残すことは明らかだ。今後も沖縄県との真摯(しんし)な対話を続ける姿勢が不可欠だろう。【吉住遊】

違法確認訴訟インタビュー 日本司法は行政従属 当然県が勝つべきだ - 琉球新報(2016年9月16日)

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-358127.html
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辺野古を巡る不作為の違法確認訴訟の判決が16日、福岡高裁那覇支部で言い渡される。代理署名訴訟時の知事である大田昌秀氏(91)と県側弁護団長を務めた中野清光氏(82)に判決の見通しなどを聞いた。

辺野古訴訟、共に譲らず 国と沖縄県の主張まとめ - 沖縄タイムス(2016年9月16日)


http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62376
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名護市辺野古の新基地建設を巡り、翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しは違法として国土交通相が提起した違法確認訴訟の判決が16日、言い渡される。国は是正指示と前知事の埋め立て承認、県は翁長知事の承認取り消しを適法だと主張する。司法判断に注目が集まる。双方の主な主張をまとめた。
<不作為の違法性>国・県は是正や提訴もせず/県・国に強く協議申し入れ
国は、翁長雄志知事に名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを撤回するよう是正を指示したが、知事は従わない上、不服があれば提訴できるのにしなかった「不作為の違法がある」と訴えている。
「是正指示は地方自治法の規定に適合していない」として国地方係争処理委員会(係争委)に審査を申し出たのは県であり、適否を判断しなかった審査結果に不服があれば県は是正指示の取り消し訴訟を起こせたと指摘。それにもかかわらず、特段の事情もないのに審査通知から30日を過ぎても取れる手段を講じなかったとしている。
一方、県は係争委が決定で「国と県が真摯(しんし)に協議することが問題解決に向けた最善の道」と指摘したことを受け、首相らに書面で協議を申し入れたと強調。「問題解決のために積極的な措置を講じており、不作為の違法に当たらない」と反論した。翁長知事は「まともな協議もできない状態で是正指示に従わないことが、違法とされるいわれはない」とする陳述書を提出した。
また、国と県が真摯に協議し相互理解が得られるのに十分な期間が経過していないとして、是正指示から「相当期間」が経過したとはいえないと訴えた。
<取り消しの適法性>國・辺野古が適切で現実的/県・過重負担の固定化明白
国は、仲井真弘多前知事の埋め立て承認に法的瑕疵(かし)はないという立場だ。
普天間飛行場の危険性除去や抑止力維持の必要性、さらに日米間の信頼関係維持という国防、外交上の公益性を強調。辺野古沿岸は滑走路を含め必要な地積が確保でき、既存の米軍キャンプ・シュワブを活用できることなどから「最も適切で現実性のある場所」だと主張。公有水面埋め立て法が求める「国土利用上、適切かつ合理的」という要件を満たすと結論づけた。また環境保全にも十分配慮しており、翁長知事の承認取り消しは違法だと訴える。
一方、県は、翁長知事が「埋め立て承認は法の要件を満たしていない」とした判断に裁量の逸脱や乱用は認められないと主張している。
過去に例がないほど大規模な辺野古の埋め立て事業は、世界でも有数の代替性がない自然環境を有する海を消失させる上、恒久的施設が造られることで基地の過重負担が将来にわたり固定化されると主張。翁長知事は慎重な検討を経て、具体的な根拠を持ち「埋め立て承認に必要な要件を欠いている」と判断したもので、承認取り消しに不合理な点はないとしている。
<是正指示の適否>国・対米関係に亀裂の恐れ/県・国交相関与は権限逸脱
国は、翁長知事の承認取り消しは法令の規定に違反しており、是正指示は適法だと主張する。その理由として、埋め立て承認に瑕疵(かし)がないのに取り消したこと、仮に何らかの瑕疵があったとしても、取り消しで生じる不利益は承認を維持することで生じる不利益を上回るため取り消しが制限されることを挙げた。
承認を取り消せば普天間飛行場の危険性除去ができなくなり、日米関係に亀裂が入るなど外務、防衛上著しい不利益が生じる。一方、承認を維持しても辺野古周辺の騒音や環境への影響は軽微で、不利益は極めて小さい-と主張している。
これに対し県は、防衛や外交政策の実現を目的に国交相が知事に指示をすることは権限の逸脱だと主張。是正指示は違法な関与で認められないと反論した。
公有水面埋め立て承認などの法定受託事務は、地方公共団体の行政執行権の問題で国交相が上級庁という立場ではないと指摘。それにもかかわらず国が関与できるなら、国と地方は対等な関係とはいえず「地方自治の本旨に反する」と訴えた。翁長知事は意見陳述で「すべてが国の意向で決められるようになれば地方自治は死に、日本の未来に禍根を残す」と述べた。
<取り消し制限法理>国・著しい不利益には制限/県・瑕疵は取り消しが原則
行政処分のうち、国民に権利や利益を与える授益的処分の取り消しは制限される場合がある。国は「埋め立て承認が授益的処分であることは明か」と指摘。承認判断に瑕疵(かし)があったとしても、それを放置した場合に生じる不利益は承認を取り消した場合に生じる不利益より小さく、「取り消しは許されない」と主張している。
具体的には、承認を取り消せば普天間飛行場の危険性除去ができなくなる上、外交、防衛上に著しい不利益が生じるほか、これまで支払われた埋め立て工事の契約金約577億円が無駄になるなど「膨大な不利益が生じる」と強調する。
一方、県は「瑕疵がある行政行為は原則として取り消されるべきだ」と主張。取り消し制限は行政に依存せざるを得ない私人の信頼利益保護のための法理で、国が行政行為に関与する根拠にならないと反論した。
国が主張する国際的信頼関係の低下や普天間飛行の危険性除去が振り出しに戻ることは、もともと瑕疵がない行政処分(埋め立て不承認)がされれば甘受しなければならない不利益であり、瑕疵がある行政処分によって得られた権利や利益ではないと指摘。「取り消しを制限するべき事情は存在しない」と主張した。

<辺野古違法確認訴訟>翁長知事、上告の方針「判決は政府の主張追認」 - 沖縄タイムス(2016年9月17日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62551
http://megalodon.jp/2016-0917-1221-05/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62551

翁長雄志知事は16日、違法確認訴訟の高裁敗訴を受けて県庁で記者会見し「あぜんとした。裁判所は政府の追認機関であることが明らかになった」と述べ、判決内容を強く批判した。
知事は判決に「地方自治、民主主義、三権分立という意味でも相当な禍根を残す」と指摘。「県民の間に、より大きい反発と結束がこれから出てくると思う」と述べ、判決への批判的世論が高まるとの認識を示した。
知事は判決文が「(名護市辺野古の)新施設の建設をやめるには、普天間飛行場による被害を継続するしかない」として、辺野古移設が唯一の選択肢とする政府の主張を追認していると批判。「地方自治制度を軽視し、県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも国に偏った判断だ」と述べ、政府と司法が一体化しているとの考えを強調した。
最高裁の判断を「推測は控えたい」としつつ、確定判決に従う考えを示した。敗訴が確定した場合、承認の取り消しと異なる手段の「撤回」に踏み切る可能性について「今日まで私どもが検討してきたこと。十分にあり得ると思っている」と述べた。

「辺野古ありき」判決 違法確認訴訟 基地問題の本質無視 - 沖縄タイムス(2016年9月17日)


http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62536
http://megalodon.jp/2016-0917-1220-37/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62536

名護市辺野古の新基地建設を巡る訴訟で、福岡高裁那覇支部は国側の主張を踏襲し、米海兵隊が沖縄に駐留する地理的優位性や抑止力などを認めた。地方自治法の改正で国と地方が「対等・協力」関係になったにもかかわらず、判決から透けて見えるのは、地方は国の判断に従うべきとの旧態依然とした“従属関係”。裁判所自ら和解で求めた協議による解決の可能性を閉ざすなど「辺野古ありき」とも言える判決内容だった。主な争点の判断をまとめた。

<安保関連法成立1年 みんしゅしゅぎって> (中)日常会話に政治の話を:神奈川 - 東京新聞(2016年9月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201609/CK2016091702000136.html
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異郷の地で救護尽くす 日中戦争元従軍看護婦が証言:群馬 - 東京新聞(2016年9月17日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201609/CK2016091702000153.html
http://megalodon.jp/2016-0917-1219-48/www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201609/CK2016091702000153.html

(筆洗)自分のなかの子どもを、大切に大切にし続けた人 - 東京新聞(2016年9月17日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016091702000138.html
http://megalodon.jp/2016-0917-1219-19/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016091702000138.html

英国で生まれ育ったオフィーリアさん(52)は十歳の時、お父さんから車の運転を教えられたという。はじめは果樹園を乗り回していたが、そのうち父の昼寝時を見はからっては外の道路に乗り出すようになった。
ある日、お菓子を買いに村まで行ったら、車が故障してしまった。家に電話すると、父は「ばかだね」とだけ言い、駆け付けると叱りもせずにさっと修理してくれた。
だが、彼女には父が言わんとしていることが分かった。「いいか、車で出掛けるのなら、最低限の簡単な修理ぐらい覚えておくもんだ」
この豪放磊落(らいらく)なお父さんの名は、ロアルド・ダール。この十三日に生誕百年が祝われた作家だ。戦時中は英空軍で戦闘機を操り、米国での情報活動にも奔走した。パイロットにスパイ…冒険劇の主人公のような青年時代を送った彼にとって育児とは、子どもと一緒に宝物を探す冒険だったに違いない。
ベッドでわが子に話す物語から、没後四半世紀余たっても魔法のような力を放つ『チョコレート工場の秘密』『オ・ヤサシ巨人BFG』などの名作が生まれた。
評伝『ダールさんってどんな人?』によると、「どうすれば八歳の子どもの心をそれほど完璧にまで理解できるのか」と尋ねられた作家は、こう答えたそうだ。「わたしは八歳だからだ」。自分のなかの子どもを、大切に大切にし続けた人だったのだろう。

虐待死の子ども、0歳が6割超 背景に「望まない妊娠」 - 朝日新聞(2016年9月17日)

http://www.asahi.com/articles/ASJ9J4RPDJ9JUTFK00D.html
http://megalodon.jp/2016-0917-0751-44/www.asahi.com/articles/ASJ9J4RPDJ9JUTFK00D.html

2014年度中に虐待で亡くなったと確認された18歳未満の子どもは71人で、無理心中を除けば前年度より8人多い44人に上った。そのうち0歳児は27人で初めて6割を超え、15人は生後24時間以内に死亡していた。厚生労働省が16日、児童虐待による死亡事例の検証結果を公表した。
公表は05年から行われ、今回で12回目。14年度中に発生や発覚した子どもの虐待による死亡事例について、自治体からの報告をもとに検証した。
無理心中以外では39人が3歳までに亡くなり、9割近くを占めた。主な加害者は実母が28人と最も多く、次いで実父が3人だった。
亡くなった44人の子どもの実母が抱えていた問題を複数回答で聞くと、「望まない妊娠」が最多の24人で54・5%を占め、過去11回の検証の平均割合(21・7%)を大きく上回った。そのうち19人は0歳児の親だった。妊婦健診を受けていない実母も18人いた。
虐待をした動機を複数回答で聞くと、「子どもの存在の拒否・否定」(14人)、「保護を怠った」(5人)、「しつけのつもり」(4人)などが挙がった。

今、憲法を考える(読者から) 不断の努力かみしめて - 東京新聞(2016年9月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016091702000167.html
http://megalodon.jp/2016-0917-0933-41/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016091702000167.html

貴重なご意見をたくさんいただき、心から感謝します。
「危惧している」こととして、金沢市の女性は「集団的自衛権の名のもとでの国際平和活動(戦争)への参加、国家緊急権の乱用による独裁への道などが憲法改正によって現実のものとなるかもしれない」と書きます。
改憲が既定路線になってはいないか、それに対する恐れです。匿名の人は「本当に憲法を改正したいのであれば国民に正面から訴え、何をどのように改正するのか丁寧に説明すべきだ」としたうえで、「そもそも憲法改正論議が国民の側からはとくに出てきていない」点から疑問を呈しています。
改憲の切実な事情があるのか不明だからです。埼玉県新座市の男性からは「私たちの周りにも改憲論者はいます。それは(憲法施行から)長すぎるから、一度変えてみれば」といった意見が多いと教えてもらいました。でも、憲法公布から七十年。人権宣言は二百年以上も尊重されています。
戦争放棄を定めた九条の改正には不安視する声が多く寄せられました。ある女性は「私の父はフィリピン・ルソン島で戦死。二度と戦争を起こしてはならないと、苦労を重ねた母は私たちに言い残して、九十四歳の命を閉じました」。ある男性からは「戦争は人の心を鬼にします。多くの戦友が戦病死。無事帰れた私は運の良い男です。二度と戦はしない、九条を守る、私の務めです」。戦争を知る人こその意見でしょう。
それに対し、名古屋市昭和区の男性(62)は北朝鮮のミサイル報道に接し、「自前の国産の憲法を制定する必要を感じた」と言います。石川県加賀市の男性(80)も「平和憲法などと金科玉条のようにありがたがっているが、日本の周囲に存在する『困った隣人たち』がそんな崇高な理想を忖度(そんたく)してくれるかどうか」と疑問を投げかけます。それも理解できます。
九条は理想で現状にそぐわないという批判がありますが、東京都昭島市の男性はこう考えます。「理想と現実は絶えず乖離(かいり)する。現実に理想をなじませるのではなく、少しでも理想に現実を近づけるよう努力すべきだ」
他にも「改憲ありきの議論に乗せられるな」「国民の無関心こそなくせ」−。戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます。読者のみなさんの声を大切にし、改憲論の行方を注視していきます。

JASRACへの排除措置命令が確定 - NHK(2016年9月14日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160914/k10010686131000.html
http://megalodon.jp/2016-0914-2022-23/www3.nhk.or.jp/news/html/20160914/k10010686131000.html

音楽の著作権を管理するJASRAC日本音楽著作権協会は、放送局と結んでいる契約方法がほかの事業者の新規参入を妨げているとして、公正取引委員会が7年前に出した排除措置命令を取り消すよう審判で求めていましたが、14日までに請求を取り下げ、命令が確定しました。
JASRACは、著作権を管理している音楽の利用料金について、テレビ局やラジオ局との間で放送回数にかかわらず一定の金額で何回でも放送を認める契約を結んでいます。
公正取引委員会は、平成21年に、こうした包括的な契約方法は同じような事業者の新規参入を阻むものだとして排除措置命令を出しましたが、JASRACが不服として審判を請求していました。
この審判でいったん命令は取り消されましたが、別の事業者が起こした裁判で、最高裁判所が去年、「ほかの事業者の参入を著しく困難にしている」とする判決を出したため、審判がやり直されていました。
これについて、JASRACは14日までに請求を取り下げ、7年前の排除措置命令が確定しました。
命令では、JASRACの契約方法は、放送局側が追加の負担金を伴うほかの事業者との契約に慎重になることから、改善するよう求めています。
公正取引委員会は14日の会見で、「JASRACは7年間に改善策を行ったとしているが、それで十分か今後、確認していく」と述べました。
請求取り下げの理由は
請求を取り下げたことについて、JASRACは「状況の変化を考慮した結果、命令の取り消しを求めて争い続けるのではなく、請求を取り下げて本来業務に全力を尽くすことが有益と判断した」と説明しています。
テレビ局やラジオ局が番組で楽曲を使う場合、作詞家や作曲家に対して、原則として著作権の使用料を支払う必要がありますが、著作権者に対して個別に使用料を払おうとすると膨大な手続きになるため、JASRACとの間に「包括契約」を結んで支払いの手続きを簡単にしています。
音楽の著作権管理については平成13年に新たな法律が施行され、新規に事業者が参入できるようになりましたが、事業者の数は少なく、公正取引委員会の審判では、JASRACがほかの事業者の参入を妨げているかどうかが争われてきました。
JASRACによりますと、公正取引委員会から排除措置命令を受けたときは、放送局が使った楽曲のすべてを報告していませんでしたが、その後、ほとんどの放送局が報告するようになったため、著作権を管理している事業者ごとの楽曲の割合が計算できるようになったということです。
これを受けて、使用料の算出方法について事業者などの間で合意が成立したことなどから、JASRACは「状況が変化した」として審判請求を取り下げたということです。
JASRACは「排除措置命令の取り消しを求めて争い続けるのではなく、請求を取り下げて本来業務に全力を尽くすことが音楽著作権の管理事業分野全体にとって有益と判断した」と説明しています。
新規参入業者「懸念が解消」
音楽の著作権管理に新規参入し、一連の審判や裁判でJASRACの契約方法は不当だと主張してきた東京の「NexTone」は、公正取引委員会の排除措置命令が確定したことについて「長年にわたる著作権管理事業に関連した大きな懸念点が解消されたことについて、私たちも大変喜ばしく感じております」とコメントしています。