kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安達正勝『物語 フランス革命』(中公新書)のあとがきに著者曰く「国民主権の原理が社会に浸透するのに三世代かかる。今(2008年)の学生諸君の子供が成人に達する頃には、日本は今よりもずっとまともな国になっているのではないか」

 読書・音楽ブログに下記記事を公開した。

 

kj-books-and-music.hatenablog.com

 

 記事の最後に、安達正勝著『物語 フランス革命』(中公新書, 2008=下記リンク)に言及し、

この本のあとがきに書かれた文章が結構印象的だったが、それはこちらのブログよりもメインブログに適していると思うので、そちらに書くことにする。

と書いた。

 それについて書く。

 

www.chuko.co.jp

 

 フランス文学者にして歴史家という著者の安達正勝氏(1944-)は本書のあとがきに下記のように書いた。以下に引用する。

 

 私は日本人なので、フランス革命について調べたり、書いたりするとき、いつも日本のことを思い浮かべる。封建社会から今のような社会に切り替わろうとするときに、フランス革命明治維新が起こるわけだが、その近代革命の様相は国によってさまざまである。徳川幕府時代には「百姓は生かさぬように、殺さぬように」と言われていた。日本も明治維新によって近代社会に移行し、戦後は「国民主権」の国に生まれ変わったはずであったが、政府や高級官僚諸君のやっていることを見ていると、今の日本で国民本位の政治が行われているとはとうてい思えない。国家権力に比べて国民の力(民力)がなお相対的に弱いわけだが、その理由の一端は近代化のあり方にあったのではないだろうか。

 

 たとえば「国民主権」にしても、私の見るところ、新しい原理が社会に浸透するのに三世代かかるようである。日本で「国民主権」の原則が打ち出されたのは戦後のことだから、今社会を担っている大人の方々は第一世代であり、若い人たちは第二世代にあたる。今の学生諸君の子供が成人に達する頃には、日本は今よりもずっとまともな国になっているのではないか、などと私は考えている。

 

安達正勝『物語 フランス革命』(中公新書, 2008)331頁))

 

 著者が上記の文章を書いた2008年から16年が経った。その間、2009年には政権交代があったが、政権与党になった民主党内の権力闘争が人々の大きな失望を招くなどして、2012年には自民党の政権復帰と9年間にも及ぶ「安倍菅」政権というどうしようもない反動の時代が続いた。しかし翌年の安倍晋三の射殺をきっかけに、再び時代が前に動き始めたのが現在ではないかと私は考えている。

 著者は、2040年頃の日本は2008年当時より「ずっとまともな国になっている」との見立てだったわけだが、実際には2012年からの安倍が射殺されるまでの10年間には、公文書の保存どころか隠蔽と改竄と捏造が進むなど(特に2018年以降がひどかった)、大いなる時代の逆行が起きた。しかしそうした反動が大きかった分だけ、それへのさらなる反作用も大きくなる。それが現在の日本における急速な時代の流れではないかと思う次第。

 それに再びストップをかけて反動の流れを取り戻そうとしているのが自公や小池百合子らであろう。むろん、どうやら都知事選には候補を立てなさそうな維新や日本保守党の同罪である。彼らが候補を立てないのは、それをやると先々月の衆院東京15区補選と同様に蓮舫を助けてしまうからである。つまり、維新や日本保守等も紛れもなく反動側にいる。

 

 

 申し訳ないけどこれはちょっと微妙かな。

 15区補選は右が分裂してくれたのに加え、小池百合子が立てた候補が乙武洋匡で、公明表のかなりの部分が寝てくれたので助かった。

 今回は公明がバリバリ動くし、このままだと維新や日本保守党の票はほとんどすべて小池に乗っかることになると思う。15区補選を見る限り、酒井菜摘か金沢結衣かで迷った有権者などほとんどいなかった。維新や日本保守党は、候補を立ててくれた方が助かるというのが私の意見だ。それが望めない都知事選は、やはり15区補選とは比べものにならないくらいほど厳しい。

 しかも、蓮舫上田令子を表敬訪問したようだけれども、上田令子一派で都知事選と同日に行われる都議補選に立候補を予定している三戸安弥は、都知事選ではどうやら石丸伸二を支持するようだ。

 

 

 さすがに上記Xには批判がかなりあったようだが、三戸は開き直っている。

 

 

 やはり三戸も新自由主義志向の人間であり、反動側に属する人士と見た方が良い。このXの調子だと、上田一派は石丸伸二に乗っかって反小池票をある程度削ってしまいそうだ。

 ただ、15区補選では小池百合子の電話がけ(実態は録音テープだろうが)や自らウグイスを務めるなどの「情に訴える」作戦が通用しなかったことも事実だ。また「小池=自民党」のネガティブなイメージをどれくらい有権者が持つかもわからない。

 だから都知事選の結果はまだまだわからないのだが、間違っても楽観できる情勢ではないとは思う。

 なお小池百合子自身の出馬は間違いない。ここまでお膳立てされて出ないということは考えられない。

眞鍋かをりといえば城内実。2人とも「極右」の代名詞

 昨日は忙しかったし仕事の山(といっても小山くらいだが)だったのでブログは更新しなかった。ここ数年は、歳をとって体力が衰えつつあるのに反比例して仕事の負担が年々増えている。たまったものではない。

 だから、テレビのワイドショーで眞鍋かをりなる右傾芸人が蓮舫をdisったらしい件に関して、眞鍋といえば城内実だろうという、半ば暇ネタの記事を書こうと思っていたがなかなか書けなかった。

 そのうち、やはり覚えている人がXにポストしていたことを知ったので、これを取り上げる。

 

 

 上記Xを知ったのは、私が立民支持層中間派(泉健太支持系)人士のサンプルとしてヲチしているnaoko氏の下記X経由だった。

 

 

 naoko氏が「最右翼、極右ですよ」という対象は誰かと思ってスレをたどってみたら、それが城内実だったので腹を抱えて笑った次第。もっともこんな感慨を持つのは、2006〜09年に政権交代に向けて盛り上がっていったネットの政治関係一部界隈をよく知る人に限られるだろう。

 当時、「『右』も『左』もない。オレは『下』や」をスローガンに掲げた「喜八」という反自公にしてオザシン(小沢一郎信者)系のブロガーがいた。今もXその他にポストしている。彼は一時本名を前面に出し、『喜八ログ』なる彼のブログを閉鎖するなどしていたが、最近再びXなどで「喜八」を名乗るようになった(https://x.com/kihachin)。

 これは良いことだ。というのは、こちらとしては彼の本名で彼をdisる気にはどうしてもなれないからだ。つまり私のターゲットは彼本人ではなく「喜八」名義で彼がやらかした事ども(=私から見れば悪行の数々)にある。

 その「喜八」がネットで大々的に応援の旗を振ったのが、2005年の郵政総選挙で小泉純一郎に排除されて自民党の公認が受けられずに落選した城内実だった。

 城内は小泉に自民党を(一時)追われたとはいえ、その直前まで安倍晋三の腹心だった極右人士なので、私は城内を批判した。一方「喜八」は城内の師匠格だった平沼赳夫も熱烈に応援し始めたので、「喜八」と私の対立はますます激化した。そのうち私は彼らの界隈からパージされた。それが政権交代選挙の少し前の2009年6月頃だった。それらの経緯に加えて、翌2010年6月の民主党代表選で小沢一郎が「社民党にも理解される人を」推したいと言った舌の根も乾かないうちに過激な新自由主義者である樽床伸二を担いだことで、私は小沢一郎や彼の支持者や「信者」に対して決定的な不信を持つに至った。それと同時に、樽床伸二のような人間や、樽床の応援や支持ができる民主党支持系右派もはっきり嫌うようになった。後者のカテゴリに属する人たちが先の衆院東京15区補選で酒井菜摘をdisり倒していたことを、私は補選の投開票日の翌日にようやく知った。現在彼らが神経質になっているのは、都知事選に蓮舫が負けた場合、蓮舫衆院選で東京26区から出てくることで、この選挙区からは少し前に立民を離党した右派の(それも極右に近い*1松原仁が出馬する意向だ。というより、松原は立民都連に東京3区にとどまるように要請されたのに対し、新たに設けられたこの26区から出たいと言って立民を離党したのだった。だから彼らは「安全な場所からケンタ下ろしの政局を仕掛ける蓮舫は大嫌いだが、清水の舞台から飛び降りる蓮舫は熱烈応援する。でも都知事選に負けて東京26区から出てくる蓮舫は大嫌いだ」などと言っている。

 「喜八」の話に戻ると、彼らの口癖ならぬ書き癖の一つに「城内実(or 平沼赳夫)さんを極右という人がいます」というのがあった。片山さつきへのリベンジの選挙戦を戦おうとしている城内さんにそんなことを言う奴は怪しからん、「隠れ自公」だろうとでも言いたかったのだろう。

 しかし、現在では立民支持層中間派のnaoko氏がごく普通に「最右翼、極右ですよ」と書くに至っている。歴史の審判は既に下され、「喜八」の負けが確定しているのである。

 眞鍋と城内に関するXの紹介に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 ここまでの経緯はよく覚えている。当時の私は徹底的な反城内実だったので、一方的に城内を叩く論陣を張ったが、最初にリンクした「奈良リベ丸」さんのXに貼られたポスターの画像に「弁士」と銘打たれていた眞鍋にも若干の疑念を持ったのも確かだ。このことを書くのは今回が初めてかもしれないが。

 以後は後日譚。ここから先は全然知らないか、全然覚えていなかったかのいずれかだ。

 

 

 

 

 

 つまり2014年初め頃には眞鍋は極右の世界にどっぷりはまり込んでいたわけだ。

 眞鍋がブログを始めて「ブログの女王」などともてはやされたのは2004〜05年だったが、その時期に小泉郵政総選挙があり、そのあとに大きな反作用として政権交代があった。眞鍋は自ら「保守的」な人間であると認めているようだが*2、そんな眞鍋にとっては「右」でありながら自公に挑む城内を推すことは「保守的」であることと「時流に乗ること」を両立できそうな気がしたのかもしれない。少なくとも話を持ちかけられた時点で眞鍋本人が乗り気でなければポスターに「弁士」と印刷されたりはしなかったのではないだろうか。

 

 

 上記Xに返答したnaoko氏が城内を「最右翼、極右」と適切に論評したのだった。

 

 

 上記の論評も実に適切だ。

 

 

 これには目が点になった。「自民党で数少ない善意と考えられていた城内実さん」なんてことがあってはならない。城内の極右の正体は広く知られなければならない。

 

 

 私は眞鍋の名前もすっかり忘れていたが、これを機に眞鍋の正体も知られるべきだろう。

 

 

 

 そりゃダメに決まってますよ。城内実眞鍋かをりも。

*1:松原仁城内実ともども、晩年に極右化していた故すぎやまこういちに応援歌を作ってもらったことがある。

*2:https://www.sona-mira.co.jp/articles/life-design/2023/02/ikikatahen-manabekaori01.html

都知事選と同じ日に行われる都議選江東区補選でも、山崎家対木村家の自民党系同士が遺恨の延長戦をやるらしい(呆)

 東京都知事選の巨大なポスター掲示板と都議補選の小さな同掲示板が設置された。

 江東区の都議補選は、主要候補4人のうち上田令子一派の三戸安弥を含む3人が右系で、残り2人は山崎家と木村家の遺恨の争いが繰り返される旧弊ぶりのようだ。

 

 

 

 

 そう、2021年の都議選に高橋恵海は落選したんだよね。あの選挙前にこの人のチラシを見ると、当然のように父親のことが書かれていたので、こんな人を当選させたくないけどどうせ当選してしまうんだろうなあと思っていた。しかし思いがけず落選したので、都ファの大善戦によって気分の悪かったあの選挙では数少ない救いだと思った。当時は山崎孝明が区長だったのでドラ息子の一輝がこの3期目だかの都議選には楽勝したが、自民党の2議席目を狙った高橋は負けた。しかも同じ年の秋には木村弥生衆院選京都3区で泉健太から相手にもされず、比例復活もできずに落選したから、木村家はすっかり落日の様相を呈していたようだ。それが山崎孝明を目の敵にしていた柿沢未途衆院選で落選した木村弥生に目をつけるきっかけになった。

 木村弥生の妹である高橋恵海はまだ50代初めなのにすっかり気落ちしたのか、昨年秋にぎっくり腰をやって下記Xを発信していた。

 

 

 その高橋が息子の下記Xをリポストしていた。

 

 

 この人はまだ25歳らしいが、早々と世襲を決めたようだ。

 

 

 まあ補選では落選するだろうが、来年の都議選本選に向けてのアピールだろうな。

 なお諸般の事情からこの人が自民党公認を得られるはずもないが、山崎一輝が出る以上それに我慢ならない木村家がこの人の出馬を決めたのであろうことは想像に難くない。

 山崎にとっては強敵・三戸安弥に加えてこんな人にまで出てこられては都議補選の勝算など立つはずもないのではないかと思うが、昔から江東区に住む人たちがどんな判断をするかは他所からやってきた私にはわからない。

 私としてはこの補選では共産党候補(来年の本選では現職が引退してこの人が後継候補になると推測される)に投票するしかない。弊ブログの某コメンテーターは三戸を応援しそうだが、どうせ江東区民でもあるまいからどうでも良い。とはいえ、今回の補選は三戸が本命なのではないか。

小池百合子を応援した港区長は落選したのに、小池は支援してもいない清家愛次期区長にすり寄った(呆)

 まだ都知事選出馬表明をしていない小池百合子が港区長選を制した清家愛氏にすり寄って失笑を買っている。

 

 

 

 事実関係は清家氏が「朝、知事から都庁に来てほしいと急に電話があった」と語った」とある通りだ。小池自ら清家氏にすり寄ったのだ。

 

 

 

 

 小池百合子の「勝ち馬」オーラか。

 それは2023年12月のやり直し江東区長選の頃にはまだあった。

 あの選挙に最初に手を挙げたのは「おっさん東大生」猪野隆だっただろうか。次いで立民の江東区議、酒井菜摘が手を挙げた。弊ブログの過去記事を見ると、酒井は区長選出馬のために立民を離党したという。先の衆院東京15区補選では立民公認だったが、そこは地方選と国政選挙の違いだ。小池百合子も毎回無所属で立っているから、産経新聞やテレビの無責任コメンテーターたちの蓮舫批判はおかしい。

 2024年4月の衆院東京15区補選の時点では「オーラ」は完全に失せていた。わずか4か月前に勝ちを確信して余裕で大久保朋果の応援演説をしたばかりの小池は、自らが有権者の情に訴えれば劣勢をはね返せるとでも思ったか、自ら吹き込んだ乙武洋匡応援応援メッセージの録音を区内の固定電話に片っ端からかけさせた。私自身も小池の音声を聞いて、小池の執念に背筋が凍りついた。党開票日前日に四つ目通りを歩いていたらは、その聞き覚えのある音声が乙武選挙カーから聞こえてきた。明らかに小池自身がウグイスを務めていた。しかし選挙結果は超極右の飯山陽の後塵まで拝しての5位という大大大惨敗だった。乙武洋匡という小池が打った駒が悪かったのは確かだが、ここまで自らの神通力が失せていようとは小池自身にも計算外だったのではないか。

 たった4か月でこんなに変わってしまう。

 今、下記の本を読んでいる。

 

www.chuko.co.jp

 

 フランス革命時の流れの変化の激しさはすさまじかった。革命初期の1790年7月には皆が「国民、国王、国法!」叫んでいたのに、それから2年半後にはルイ16世は断頭台の露と消えた。それを思えば、わずか4か月で小池の「勝ち馬オーラ」が失せようが驚くことはない。

 ただ現時点で都知事選の投票が行われるなら、まだ小池が若干有利とみられる。テレビ(のワイドショー)も、大阪で維新が受けているような全面的支援を今のところ小池に向けて懸命に送っている。

 問題は、小池が都知事選に出てしまうと、任期を終えた時には75歳になるから国政への復帰はほぼ不可能になることだ。勝った場合でもそうだが、仮に蓮舫に負けるような事態になればその瞬間に小池の政治生命は事実上断たれる。

 

 

 私は別に立民の支持者ではないので、小池が出馬を諦めてくれた方が精神衛生上良い。なにぶんガチガチの反小池なもので、小池が勝つかもしれないと思うだけでぞっとする。でも都知事選に出ない場合には衆院選への出馬もあり得る。もんくま氏は東京9区に出てこられたら山岸一生衆院議員でも勝てないと言っていたが、15区に出てこられたら酒井菜摘衆院議員はもっと勝てない。自民党の江東総支部は強烈な反小池らしい一方、江東区には小池の腹心たる大久保朋果区長がいる。まあもんくま氏が書いた通り、かつて刺客として小林興起を完膚なきまでに叩きのめした東京10区が一番ありそうだ。でもその場合、小池は自民党公認で出ることになる。果たしてそんなことを小池がするだろうか。

 

 

 小池は都知事選にも衆院選にもテレビにも出ないで、故郷の芦屋にでも帰って隠居してくれるのが一番良い。小池は子ども時代に兵庫県芦屋市東北部の阪急沿線に住んでいたとの情報がある。

 

mnemosyneoforion.blog.ss-blog.jp

 

 以下引用する。ブログ主は会津出身で東京在住の方のようだ。

 

しかしなあ・・・

YouTubeで多数のチャンネル登録者を抱える「一月万冊」で、主とそのお知り合いのジャーナリスト(?)氏が小池百合子さんの生家を兵庫県芦屋市に訪ねるというビデオを上げていた。

「芦屋のお嬢様」となれば、関西圏ではとんでもないステータスらしく、東京だと「田園調布のお嬢様」や「成城のお嬢様」という感じだろうか(芦屋は大阪市や神戸市の中心街ではない、六甲の丘陵地に在るから、東京都心部の「番町のお嬢様」や「麻布・白金のお嬢様」ではないだろう)。

小池さんはその「芦屋のお嬢様」であることも、「カイロ大首席卒業」と同じほどに自ら喧伝してきたらしいのだ。

ところがその生家は、芦屋のいわゆる「六麓荘の大邸宅群」と遠く離れてはいないが、阪急電車の、家を揺るがしかねないほどの甚だしい通過音に悩まされること必定と言える位置にある、大きくもない敷地に在ったことが報告されるのだ。

この出自こそが成り上がりたいという彼女の欲求の源泉だ、という論調だった。

いやはや。

 

(中略)

 

実にくだらない。

そしてもっとくだらないのは、そういう構図の中、自分が下だったことに僻みを感じ、それを克服することを超え、同じ構図で頂点に立つことを人生の目標とする精神だ。

 

URL: https://mnemosyneoforion.blog.ss-blog.jp/2024-05-28

 

 いや本当。小池百合子というのは実にくだらない人生を生きてきた人だと思う。

立民党内政局で野田佳彦Gの存在感が急速に強まっている

 まだ告示まで半月ある東京都知事選はすっかり「蓮舫・小池政局」みたいになっているが、宮武嶺さんの下記ブログ記事に気になる文章があった。

 

blog.goo.ne.jp

 

 それは下記のくだり。

 

ところで、『多少の難点には目をつぶって、もっともっと「蓮舫頑張れ」と応援』を、と言ったばかりなんですが。

蓮舫氏の鮮やかな出馬表明の仕掛人について、kojitakenの日記さんの古寺さんが感嘆されているのですが、どうも古寺さんがお嫌いな立民都連幹事長の手塚仁雄衆院議員しか名前が出てこないようです。。。。

そうだとすると、蓮舫氏が東京都知事選で勝った後に、それを錦の御旗にして、蓮舫氏と手塚氏が師匠筋の野田佳彦元首相を立民の代表に、再び総理にと言い出すことだけはわたくし心配です。。。

まあ、維新や泉執行部への批判の態度が蓮舫氏と野田氏では雲泥の差なので、大丈夫だろうと思ってはいるのですが。

 

URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/1ff7566c6bd0a5385362ba8b5f7fe3c1

 

 蓮舫担ぎ出しもそうですが、その発端になったのではないかと私が勝手に思っている昨年12月の江東区長選への酒井菜摘区議(当時)の担ぎ出しにも、蓮舫の直属、つまり野田Gの高野勇斗区議が一役買った、というよりどうやら中心的な人物だったような気配が濃厚なんですよね。

 こうして考えると、野田佳彦蓮舫、高野勇斗というはっきりしたラインがあります。そして立民の東京都連を牛耳っているのが、最近「天皇」と呼ばれているらしい手塚仁雄です。手塚は2021年衆院選での「東京8区騒動」の首謀者で、手塚自身は選挙に必ずしも強くないこともあって、自らの保身のために東京8区を山本太郎に売ろうとしたのではないかと私は見ています。

 また先の井戸まさえ氏の民民への流出も、そのきっかけとなった、井戸氏を総支部長に再任しなかった件についてはは立民が苦手としていた東京15区を維新に譲ろうとした泉健太の思惑があったのではないかと考えていますが(井戸氏の国替えの際に総支部長再任の口約束があったのにそれが反故にされた以上、執行部が代わった影響とみるしかありません)、井戸氏にXで総支部長再任されずの件を騒ぎ立てられて頭にきた手塚が井戸氏からの度重なる要望をひたすら無視したのではないかと推測しています。これらの経緯があるため、私は手塚を敵認定しています。

 しかし現在の立民内政局をリードしているのが野田Gであることは疑いありません。

 この点が私も憂鬱なんですよね。

 最近つくづく思うのは、同じ立民右派でも泉健太は党内の権力工作には巧みだけれども他党との合従連衡が大の苦手で、自民や維新に近づいては失敗を重ねてきたのに対し、野田佳彦はその逆で、2005〜06年の民主党前原誠司代表時代に偽メール事件で孤立したことからも明らかな通り、党内政局は得意ではないけれども、維新にいい顔をしながら実際には野田佳彦自身が共産党と同じ演台に乗るなど、他党との合従連衡に強みを見せています。つまり両者の得意/不得意はまさに対照的で、こういう激変の時代には野田の方が泉よりも合っているとはいえます。泉は2021年衆院選での立民惜敗に対して立民党外から強まった「立憲共産党」批判に対応するために選ばれた代表であって、明らかに現在の政局にマッチしていません。最近の立民支持層はほとんど蓮舫応援一色ですが、立民党内で誰よりも泉を強く批判してきたのは蓮舫でした。

 ですから、今後の立民の政局において、野田佳彦の再登場を望む声が強まる局面は、決してあり得ない話ではないと私も思います。

 これを私も大いに懸念しています。

東京・港区長選 清家氏が初当選 自公推薦の現職敗れる (NHK)

 港区長選で多選の自公推薦の現職が負けた。自公(や維新)が特に強いはずの都心3区でも自公が負けるのかと少し驚いたが、さすがは港区だけあって結構な接戦だったらしい。

 以下NHKニュースより。

 

www3.nhk.or.jp

 

東京・港区長選 清家氏が初当選 自公推薦の現職敗れる

06月03日 00時46分

 

任期満了に伴う東京・港区の区長選挙は、新人の清家愛氏が
自民党公明党が推薦した現職を破って初めての当選を果たしました。
港区では初の女性区長となります。

港区長選挙の開票結果です。
清家愛、無所属・新、当選、2万9651票
武井雅昭、無所属・現、2万8123票
菊地正彦、無所属・新、3070票
無所属で新人の清家氏が、自民党公明党が推薦し、6期目を目指した武井氏をおよそ1500票差で破り、初めての当選を果たしました。
港区では初の女性区長となります。
清家氏は49歳。新聞記者を経て港区議会議員を務め、今回、港区長選挙に初めて立候補しました。
選挙戦では、区議会議員を4期務めた実績のほか、子育て支援
介護サービスの拡充、マンションの防災対策などを訴えました。
港区選挙管理委員会によりますと、投票率は30.62%で、
前回4年前の選挙を0.58ポイント上回りました。

 

NHKニュースより)

 

URL: https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240603/1000105160.html

 

 この区長選はあまり、というよりほとんど注目されていないようだが、さとうしゅういちさんの『広島瀬戸内新聞ニュース』には取り上げられていた。

 

hiroseto.exblog.jp

 

 以下引用する。

 

これは、びっくりする結果です。特別区の現職区長は昔から鉄板だったのですが。自公に逆風の時期でも相乗りで乗り切ってきた方が今回は落選。もちろん、多選批判はあるでしょうけど、それでも特別区長選挙はそれなりに現職が落選することも起きる地方の知事や市町村長の選挙と比べても存外保守的な結果が多いのです。

 

URL: https://hiroseto.exblog.jp/31881065/

 

 そうなんだよね。私も江東区に来て初めて知ったのだが、区長選ほどつまらない選挙はなかった。現職の山崎孝明が鉄板で、毎回死に票を投じていた。それが昨年春に現職区長が急死して保守分裂の選挙になったが、私が投票した社共支持の候補は「おっさん東大生」猪野隆にも負けて得票率12.7%だった。

 例の「小池百合子3連敗」にしても、目黒区長選はもとは民主党系で当選した多選区長に、小池一派、立民、自公の三者が挑んですべて負けた。これも「現職区長は鉄板」の一例だった。

 それが特別区の中でももっとも保守的な「都心3区」の一つである港区からこんな結果が出てきた。

 当選した候補は港区の区議選で3期連続トップ当選した元産経新聞記者とのことで、それだけでも保守系の人だろうと思うが、「左派だ」と言う人もいる。

 

 

 上記Xに貼り付けられた画像を見ると、蓮舫が何やら候補者と一緒に港区を練り歩いていたらしいことと、「港区日本共産党後援会ニュース」に「清家あいさんで港区政を変えましょう」と書かれていたことがわかる。ポストした人は「立憲共産党の候補だ」と言いたいわけだ。

 しかし実際には、両党とも組織として動いたわけではないようだ。共産党の印刷物には「自主支援」と書かれているし、立民も動かなかったと学生党員さんがポストしている。

 

 

 明らかに都知事選での3選を目指しているであろう小池百合子が未だ出馬表明をしていないのは、自民党との距離を測りかねているからだろう。

 昨年12月のやり直し江東区長選では自らの腹心が出馬した候補に自公が乗っかっても全然問題なく圧勝できた。それが、都ファから出た2人の候補のうち一人が野党の支援を受けた今年1月の八王子市長選では自公の候補を支援して逆転勝利をもたらしたものの接戦になった。そして前述の4月の目黒区長選で現職の多選区長に元民進党野田Gの候補(同じ選挙に落選して都議補選で返り咲いた西崎翔都議の先輩に当たる)を立てて負け、その翌週に、もっとも力を入れていたはずの衆院東京15区補選に立てた乙武洋匡が5位で惨敗した。さらに、5月に入って都議選目黒区補選で支援した自民党候補*1を支援したものの定数2なのに負けた。

 どうも自民党に乗っかったり乗っかられたりすると、昨年末にはまだ楽勝だったし1月にも辛勝できたけれども、ここにきてデメリットの方が大きくなってきたらしい。そう考えて自民党との関係をどうするかを決めかねているといったところではないだろうか。

 上記の経緯を見ると、小池と自公の選挙協力江東区、八王子市、目黒区の3つの地域に限られていたことがわかる。江東区と目黒区では二度の選挙があって、江東区では1勝1敗だったが目黒区では2連敗した。

 しかし、本当の発端はどうやら八王子市長選だったのではないか。萩生田光一の地元で野党が応援する元都ファの候補に押されて困っている、助けてくれないかとの要望が萩生田から小池にあり、小池がそれに乗っかったという経緯だ。そのついでにかどうか、江東区長選でも内部調査をやったら木村弥生にも勝てなかった山崎一輝には勝ち目がなさそうだが、公募候補でも酒井菜摘に負けてしまうのではないかとのSOSがあったかもしれない。前にも書いたが、江東区長選での酒井の出馬はそのくらい鮮やかなクリーンヒットだった。あれで維新の機先を制したことが大きかった。結局候補者の公募に追い込まれた維新は供託金没収の大大大惨敗を喫した。あの区長選で自民が当初の予定通り公募候補を立てていたら、今頃酒井菜摘が江東区長をやっていたかも知れなかった*2。つまりその頃から今回の港区長選のような結果が出る下地はあったといえる。

 小池百合子萩生田光一の誘いに乗って、自民党の延命に一役買った形だ。だがそれが自らの選挙にのしかかる重荷になりつつある。

 思い返せば衆院15区補選でも、自民党との距離感で乙武洋匡は大失敗した。乙武自民党を突き放すような発言をしてしまったから、自民党支持層の票は須藤元気、金沢結衣、飯山陽らに乗ってしまって5位に沈んだ。

 ただここにきて(残念ながら)小池にはプラス材料がある。日本保守党が都知事選に候補を出さないと百田尚樹が明言したらしいのだ。以下東京スポーツより。

 

www.tokyo-sports.co.jp

 

百田尚樹氏 日本保守党の都知事選見送りで批判続出…「見損なった」「カネ使えに」の声に回答

2024年6月2日 19:45

 

 作家で日本保守党の百田尚樹代表が2日、自身のユーチューブチャンネルでライブ配信し、都知事選(20日告示、7月7日投開票)に候補者擁立を見送ったことで、批判の声が渦巻いていることにアンサーした。

 

 百田氏は前日、都知事選対応について、小池百合子都知事相手に勝算がないことや惨敗した場合は党のイメージダウンにつながるとして、見送りを表明していた。すると「7割が非難コメント」(百田氏)とコメント欄が荒れたことで、改めてその真意の説明となった。

 

 百田氏は「日本保守党は見損なった」「もう応援しません」「お金を使うべき」などのコメントを読み上げながら、呆れたり、キレかかる場面もあったが「損得考えずにやれることとやれないことがある」「知名度アップは別の方法で頑張る」「結局はカネというが、カネなしで選挙に出てください」などと一つひとつに答えた。
 

 途中から参加した有本香事務総長も「どなたかに出馬をお願いするケース、あるいは私自身が出るケースも含めていろんな形で考えを巡らせたが、今のウチの体力では本当に消耗するだけ。そこまで都知事を取りに行きたかったのか」とあくまで本丸は国政政党を目指す上での来年の参院選衆院選として、理解を求めた。

 

 百田氏は「都知事選はまだ流動的なところはある。選挙は相手あってのこと」と、小池氏の不出馬や橋下徹氏の立候補があった場合には、対応を変える可能性があるとした。

 

東スポWEBより)

 

URL: https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/304575

 

 さらに、ここにきて立民の政党支持率も下がり気味だ。以下TBSより。

 

newsdig.tbs.co.jp

 

【速報】岸田内閣の支持率25.1% 先月から4.7ポイント下落 6月JNN世論調査

2024年6月2日(日) 22:54

 

岸田内閣の支持率が先月の調査から4.7ポイント下落し、25.1%だったことが最新のJNN世論調査でわかりました。

 

不支持率は先月の調査から3.7ポイント上昇し、71.6%でした。

 

また政党支持率では▼自民党の支持が前回の調査から0.4ポイント上昇し、23.8%、▼立憲民主党は2.9ポイント下落し7.3%、▼日本維新の会は0.3ポイント下落し、4.3%でした。

 

一方、いま衆議院選挙が行われた場合の投票先を聞いたところ、結果は次の通り。▼自民党24.2%、▼立憲民主党16.9%、▼日本維新の会10.3%、▼公明党5.4%、▼共産党5.5%、▼国民民主党5.1%、▼教育無償化を実現する会0.8%、▼れいわ新選組4.0%、▼社民党0.8%、▼参政党1.7%、▼それ以外の政党0.7%。

 

【調査方法】

JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。

 

6月1日(土)、2日(日)に全国18歳以上の男女2231人〔固定890人、携帯1341人〕に調査を行い、そのうち45.2%にあたる1008人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話503人、携帯505人でした。

 

インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。

 

(TBS NEWS DIGより)

 

URL: https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1206486?display=1

 

 軍畑先輩のXより。

 

 

 パーティーだけではなく、泉健太が「富士山登山客」で極右の野口健に乗っかる右翼排外主義的なXを発信して支持層に「踏み絵」を踏ませようとした件、それに井戸まさえ氏を民民に流出させた件などもあった。

 つい半年前には「ホップ、ステップ。5年後の政権交代を目指す」などと言っていた泉健太の党内ガバナンスはガバガバだというほかない。泉は権力工作のスキルには相当に長けていそうだが、大局観を決定的に欠いている。

 だから、東京都知事選がどうなるかは全く楽観を許さない。いつものように、また「都知事選で自公有利の風向きに変わる」事態にもなりかねない。

*1:この人は弊ブログにいただいたコメントによると2005年の「郵政総選挙」に当選して一期衆院議員を務めた京都の「小泉チルドレン」だったが、その後何をしていたかも不明な怪しげな候補だったらしい。

*2:三戸安弥は都ファから大久保朋果が立ってほぼ鉄板と見られたから、それに我慢ならなかった上田令子が告示直前に立てた候補と思われる。だから、大久保が出なければ三戸も出馬しなかったであろうとみられる。

維新は「外に対しては何をしても構わないが、身内の秩序を乱す事は絶対許さない、ヤンキー体質の異形の党」 (米山隆一衆院議員のXより)

 立民の米山隆一衆院議員のXより。私はこの人を支持していないが、結構まともなXをポストすることも少なくない。

 

 

 「身内の秩序を乱すことは絶対許さない」。

 この言葉から何かを思い出さないか。

 そう、日本維新の会もまた「分派狩り」にかまける性向が非常に強い政党だということだ。

 政党対所属議員という権力の行使/被行使の関係において、権力側が強すぎるという全政党が共通して抱える問題点が、維新という政党においては、共産党元号新選組とともに、特に深刻であるように思われる。