親指のやけど5 まとめ

さらば消毒とガーゼ 「うるおい治療」が傷を治す

さらば消毒とガーゼ 「うるおい治療」が傷を治す

ありがとう!痛くなかった。
改めて「うるおい療法湿潤療法夏井睦さんに感謝したい

全く痛みを感じないでこんな深い傷を直せた事。
今まで傷の治療は痛みが伴って当たり前だと思っていたのを考え直させてくれた事。
ヒトは多くの生命とともに生きているのだと言う事を証明してもらえた事。




2010/11/12夜何時くらいかなあ。

たっぷりと麻酔効かせて(ビール沢山飲んで)思いっきりやけどした。
この時点では「うるおい療法」を知らなかった。



2010/11/25出張中にかなりヤバそうな感じになって来た。
2010/11/20に湿潤療法を知り、破れた時の為に持って来たキズパワーパッドを貼ってうるおい療法を始める。




2010/11/27 14日目 キズパワーパッド二日目
みごとに、かさぶた部分がはがれ、新しい皮膚が下から生まれ始めている。
全く痛くないのが不思議。





2010/11/30 17日目  キズパワーパッド5日目


ガーゼだったら痛くてはがせないだろう。オキシフルをジャンジャンかけながら剥がすんだろうなあ。

水ぶくれの外側の皮膚が溶けながらキズパワーパッドにくっついている。
こんなひどく見えるけど全く痛くない。

この後で貼り直したのだけど、上から触っても何も痛くない。



2010/12/1 18日目  キズパワーパッド6日目
ここまで来れば一安心。
真ん中の方がヒリヒリするけど、新しい皮膚が出来て来ているのが分る。



2010/12/4
キズパワーパッドをしても白くならないのでもう普通のキズバンで良いかなと思う。



若い頃、桑原武夫さんの本を読んでいて「ヒトは皮膚の内側から外に出れない」と言う言葉を読んだ。
ヴィトゲンシュタインは一次的な感覚は他人に伝える事は出来ないと言った。
いずれも他者とのコミュニケーションは絶望的だと語っている。



医学はヒトを外界から切り離す所から始まっている。
それは、神様が「ヒト」を作ったと言う考え方に源を発しているのかもしれない。

僕は傲慢である考え方だと思う。

熱帯雨林が無くなるとかエコロジーの議論は分りやすいが、これらの議論には「神に作られたヒト」に通じる傲慢さが感じられる。

僕らの皮膚や腸の中にいる猛烈な数の細菌とともに生きている事を忘れてはならない。



夏井睦さんは、「生命は他の多くの生命とともに生きる事でしか存在出来ないヒトも例外ではない。』と語っている。

皮膚の表面で僕らの体を守っている多くの細菌を殺すのが消毒であり、同時に消毒は僕らの体を殺していくと言う事を教えてくれる。

今の医学会の消毒至上主義は「パスツールの亡霊」に踊らせれているのだ。

僕も同感である。

確かに、消毒は重要だろう。
治療して、何か患者に問題が起こった時に「消毒」していなかったら裁判でも負けるかもしれない。
簡単に世間の雰囲気(パラダイム)を変える事は出来ないだろう。



夏井さんは著書の中で「盲腸」の例を出している。
かつて死に至る病だった「盲腸」は治る病になって、盲腸専門医がいたし盲腸学会があった。
今ではそんな物は何も無くなって、盲腸自身が消えてしまう勢いである(笑)。



「迷惑な進化」と言う本を読んでから「病」と僕らが呼んでいる現象が何なのかと言う事を考える事が多い。


僕は糖尿病である。

糖尿病と言う病気は胃で消化した栄養を十二指腸から吸収して肝臓で分解貯蔵して、皮膚の内側の80兆個の細胞にデリバリする仕組みに不具合が生じている状態である。

糖尿病と言うのは血糖値が高い状態を呼ぶのではなく、80兆の細胞のスクラムが崩れているのだ。

ヒトの体は大きな共同住宅であって沢山の生命がその共同住宅には住んでいると考えると「治療」と言う物も見方が変わって来る。

80兆のうちの幾つかの細胞が欠乏を感じた時に意思にどうやって「食べたい物」として伝えるのだろうか。

ビタミンCを細胞が望むと、ヒトはレモンを食べる。
驚異的だが、生き物にとっては普通の事だ。

「心」はどこに宿るのか、多くの哲学者が議論している。
僕は『心の存在』以上に細胞の集合体が共に協力して生きていく奇跡を感じる。



夏井睦さんの「傷は絶対消毒するな」「さらば消毒とガーゼ」を読んでみましょう。