はて☆すたを使い始めてから素敵な詩や写真のエントリを見かけるようになりましたっ!

id:essa先生の言いたいことは非常にわかるのですが、いかんせん最初の引用の出典が茂木健一郎ということでそこが残念っ!僕は「脳みそ科学」というものがはっきり言って嫌いなもので…(引用されてる『「脳」整理法 (ちくま新書)』は買っちゃったことあるけどさっ!もう適当に読んで古本屋に売ってやったよ!ぷんぷんっ)。
とりあえず茂木先生には早く斎藤環せんせいに往復書簡の返信をしてほしいですね。
TV出演とかで忙しいのは判りますが→書籍出版 双風舎:【連載】「脳は心を記述できるのか」
(参考:Freezing Point - クオリア問題

おおっとタイトルと関係ない私的な茂木氏への怒りを発露してしまったぜ…ごめんね茂木先生


■というわけではてなスター」の話ですが、たしかにessa先生の仰るように、はてなブックマークに比べてはてなスターには「セレンディピティ」と呼ばれるものがあるように感じられます。
まぁおそらくある程度以上、一定以上使わないとわからない感覚だと思いますが。essa先生は相当に使いこなされてる様子なのでその感覚をつかんでいるのでしょう。
僕のページ()も見てもらえばわかるように相当なヘビーユーザーになってしまってるわけですがw僕がはてなスターの機能で感じたのは「ブログの多様性」というもののような気がします。
例えば僕は、アンテナとブックマークだけでは発見できなかったような「詩」や「写真」「小説」、あるいはしょうもない画像やダジャレwなどのエントリが書かれたブログを見かけるようになりました。これは以前まで「はてな」を使ってては起きなかったことです。


■「はてな」の情報検索機能の歴史を「はてなブックマーク」から振り返ることで考えてみます。


■「はてなブックマーク」はこの「まるでゴミのように」たくさんあるネット上のサイトから、多くの人にとって有益なサイト=「お宝情報」を見つけ出すのに効率のよい機能=「複雑性の縮減装置」として多くの人に役立っています。

しかし、マイノリティ(少数派)にとって有益な情報(例えば「学問ネタ」や「内輪ネタ」)がマジョリティ(多数派)のブックマークによって埋もれてしまうことがありました。いわゆるGIGAZINE」問題や衆愚問題です。


■「ブックマークのお気に入り」機能はそれを解決するのに役立ちます。自分と興味関心が似ている人をお気に入りに入れることで、少数派コミュニティにとって有益な情報を効率よく共有することができるようになりました。「お気に入り」機能はいわばマジョリティ(多数派)によって生まれる「複雑性」をさらに「縮減」させるわけです。

しかし、縮減され過ぎてしまったために毎回同じネタ*1が反復されるために「ノイズ」が良くも悪くも少なくなり、コミュニティ内で自家中毒のようなものを起こすことがありました。ネガティブコメント問題やネットイナゴ問題などはその象徴です。id:naoya氏やid:umedamochio氏、id:jkondo氏が悩んだのはそこでしょう。


■そこで「はてなスター」なわけですが、「はてなスター」はいわば「ブックマーク」や「お気に入り」機能によっても埋もれたままでいてしまう「一般のブログ」あるいは「新参のブログ」を発掘させる機能を果たしていると思います。例えば僕が上でもあげた詩や写真、小説などもそうです。

これらは不思議とブックマークがされにくく*2、多くの人に見られる機会も少ない。それらが僕のようなはてなユーザーでも見かけることが多くなったということはそういう機能が「はてなスター」には備わってるのだろうと考えられます。


■「はてなブックマーク」が出来てから、良くも悪くも「注目エントリー狙い」のエントリーを書かれることが、とりわけ「はてな」のユーザーで増えた気がします。ある程度のメソッドを備えれば、それは簡単に可能です。良く見れば、それらのメソッド共有されたことにより、はてなのブロガーのある種のリテラシー、わかりやすく伝わる言葉で書くレベルを上げたことも確かです。
しかし、その弊害として多くの人が似通ったようなエントリーを書くようになってしまったことも事実です。ぶっちゃけて言えば「はてなブログがつまらなくなりました」。僕自身もそれに加担していた事を認めます。

いわばブログの多様性」が損なわれてしまった気がするのです。とりわけ「はてな」では。

元々ブログなんて何書いたっていいんですよ。誰に何言われようが関係ない。勝手に書け!


■その「はてな」のクリエイターたちの苦渋の思いの中から生まれたはてなスター」を僕は全面的に肯定します。まぁ僕が擁護したところで何か変わるわけじゃありませんが、共感してくれる人がいることを祈ってます。
ブログの多様性」を擁護するために。


最後に結城浩さん(id:hyuki)のid:naoyaさんのエントリに寄せた言葉を引用させて頂きます。

  • 原則:どんなに技術が変化していっても「技術によって人の行為は増幅されることはあるかもしれないが、人の行為が本質的に良くなったり悪くなったりすることはない」と思っています。一言で言えば、ネットで人が聖くなるわけではないのです。
  • トレードオフ:驚くほど人を感動させる可能性を持つメディアは、驚くほど人を失望させる危険性をはらむ。一言で言えば、裏切りが制度的に不可能な世界では愛もあり得ない(少なくともこの世では)。
  • だからといって、改善の努力が無駄なわけではない。
はてなブックマークのコミュニティについて - www.textfile.org


(偶然にも濱野さんがこの件を考える上でヒントになりそうなエントリーを書いてます。参考までに)

*1:これはひどいとか非モテとか非コミュとかオタクとか

*2:これについても考える必要がありますが今は保留します