(206)ドイツメディアから考える今7・・原発ロビーの逆襲(3)・NHKは国家放送になるのか(検証)

急遽予定を変更したことにはわけがある。
何故なら先週NHKオンデマンドでNHKスペシャル『エネルギーの奔流 第1回 膨張する欲望 資源は足りるのか(5月24日放送)第2回 欲望の代償 破局は避けられるか(5月25日放送)』を見て、余りの酷さに驚くと共に、原発路線へのプロパガンダを確信したからである。

まさにそれは、福島原発事故後息を潜めていた日本における原発ロビーの逆襲である。
番組の紹介では「開発によって翻弄される地球環境の実態や対策の最前線に迫り、私たちはエネルギーとどう向き会えばよいのかを考える。・・・人類存続のために何を選択すべきなのか2回シリーズで考える」と公共放送の使命が打ち出されていた。

しかし実際に見ると、結論を引き出す第2回の後半33分40秒の「石炭や石油からはCO2、原発からは放射線廃棄物、どちらも厄介だ。ならば残る選択肢は、そう再生可能エネルギー、ごく僅かしか使われていないが、これから最も伸びると期待されているよナァ。これで問題は解決と行きたいところだ。だが再生可能エネルギーを増やしても、逆にCO2や核のゴミを増やしてしまう。そんな奇妙なことが起きると言うんだ。グリーンパラドックスだ」からラスト直前まで、事実が明らかに偏向されており、プロパガンダと言っても過言でない。
下にその部分を私のカメラで撮影したので、見てもらって解説したい(後でもかまわないのだが)。

「グリーンパラドックス」は、ドイツの経済学者ハンスベルナー・ジンが再生可能エネルギー政策を批判して2008年に世に出した480ページもの著書題名であり、当初ドイツ社会の一世を風靡したことも事実である。
一方でドイツを代表する「南ドイツ新聞」は2008年10月14日の「気候策略に陥る感情的グリーン」タイトル記事で(注1)、「環境政策はドイツのよくなることを望んでいるが、悪くしている、と経済学者ハンス・ヴェルナージンは主張する。それゆえ彼は市場と原発に賭けるべきであると、緑の敵対者を挑発する」と書き出し、「ハンスベルナー・ジンは再生可能エネルギー源から製造される電力を失敗と考えている。雇用が創出されるという議論は彼にとって全くのたわごとである。CO2を地下に貯蔵するリスクは原発最終処分場より巨大だと思っている。それ故全く単純に、ドイツはむしろ原子力エネルギーを継続すべきと考えている。何故なら放射線は実際には危険を呼び起こさないからだ。ジンは気候問題を解決するためにどの方法も激しい言葉で解体するが、彼の提言は一般的に決して実用的なものでなく、実際のエネルギー問題にいかなる見通しも提供していない」と批判的に結んでいた。
また他方でドイツを代表する新聞「フランクフルタ・アルゲマイネ・ツァイトゥング」は、この『グリンパラドックス』を「幽霊(本線を逆走する)ドライバー」と言うタイトルで2009年5月1日に紹介し(注2)、本線を逆走するドイツの環境政策を明晰に分析していると褒めたたえていた。(本線とは世界経済を主導する米国や日本など新自由主義国の経済成長最優先の道であり、米国は京都議定書から離脱し、日本は1990年比でCO2排出量を凡そ10パーセント増加させ、逆走するドイツは既に20パーセント以上減少させていた)

しかし2010年にドイツ政府の原発運転期間28年延長政策に反対する世論が高まると、「南ドイツ新聞」の批判が支配的となり(それ故再度同じ記事を2010年5月に掲載している)、脱原発を求めるドイツ市民が作るデータバンク原発WiKi(Atomkraftwerke Plag)がジンの原発ロビイスト集会での講演や原発推進活動を明らかにしたこともあって(注3)、ジンの「グリーンパラドックス」は現在では既に死語と言っても過言でない。

そのようなグリンパラドックスが恰も現在のドイツで問題視されているかのように描くことは、偏向しているというよりプロパガンダと言えよう。

実際現在のドイツ企業はZDFフィルム『電気料金のトリック・・誰が支払うのか』を見ればわかるように、アルミや鉄の精錬産業や食肉産業などの電力使用の多い企業は電力強化企業として再生可能エネルギー法の賦課金を免除されるだけでなく、安い褐炭自家発電容認や安い移民労働者雇用の例外措置で大きな利益を上げており、そのような特別配慮される企業が2014年現在2400社を超えており、専門家だけでなく担当局長さえも公正でないと断言するほどである。
すなわち2000年頃のEU拡大当時は、ドイツの世界一高い賃金と労働者権利の高さからシーメンスやルフトハンザさえ国外移転を計画したほど国外移転が大きな問題となっていたが、現在はほとんど問題になっていない。
3パーセントの国外移転はドイツを逃げ出すのではなく、ほとんどが経済進出と言えるからだ。
また番組ではドイツの電気料金が再生可能エネルギーへの転換でここ10年で2倍に値上がったと紹介されていたが、間違っている。
ドイツの電気料金は1998年の電力自由化で最初30パーセントほど安くなったが、巨大電力企業の独占支配が進むに連れて高騰し始め、ZDFフィルム『大いなるこけおどし・・原発政策の間違い』に登場した専門家は市場操作であると述べ(実際巨大電力企業は少なくとも脱原発宣言まで莫大な利益を上げてきた)、メルケル首相の環境政策顧問オラーフ教授さえ原発運転期間が延長されても安くならないと断言している。
そしてドイツの再生可能エネルギーのエネルギー転換の現状は、信用あるハィンリッヒ・ベル財団が2012年に報告しているように(注4)、2004年の2020年エネルギー転換目標が再生可能エネルギーの割合を全電力の20%にすることであったにもかかわらず、2011年末には27%に達し、2020年には40%を超えることも確実視されると伝えている。
したがってこの報告から、ドイツが掲げる2050年の目標である再生可能エネルギー80%、CO2排出量80%削減実現が確実に見えて来ている。
実際ドイツのエネルギー転換はシナリオ以上に加速しており、大きな問題となっているのは再生可能エネルギー法の賦課金増大である。
すなわち余りにも多くの企業が賦課金を免除されるため、電気料金に加算される市民の賦課金がここ数年値上がり続けていることである。
しかしそれでもドイツ国民の大部分が再生可能エネルギーのエネルギー転換を支持しており、ドイツの信頼ある世論調査機関TNS Emnidの2013年9月調査でも93%が重要であると答えている(注5)。
そうした事実も取材することもなく、一部に新自由主義信奉の経済学者で原発推進論者と言われるハンスベルナー・ジンの考えだけを採用して、ドイツのエネルギー転換が失敗、もしくは悪影響を与えているかのように描くのはプロパガンダ以外の何者でもない。

しかも、「一つの国で取り組んでも意味がなく、世界が一致して取り組んでいかなくてはならない」というジンの主張後に、それに呼応するかのようにヨーロッパを代表するパリ大学の経済学者という紹介でジャンマリー・シュヴァリヱ教授が、「・・、一つになって立ち向かうしかないのです。そうしなくては地球規模の問題は解決しません。今最も必要なのはイノベーションです。・・・」と強調するのは、余りにも出来過ぎている。
確かにジャンマリー・シュヴァリヱ教授が1975年から1991年パリ大学トフィース校の経済教授であったことは事実であるが、その後エルフ(フランス大手石油会社)や世界銀行エコノミストで活躍し、国際エネルギー機関(IAE)の政策に関与している経済専門家である。
しかしその名声はウィキペディアでもフランスだけに限られ、ヨーロッパを代表する経済学者という表現は事実ではなく、作為的である。
そしてシュヴァリヱ教授は、イノベーションとは技術革新だけでなく、組織の在り方、国家の運営など様々な分野の革新であると述べる(まさに新自由主義イノベーションである)。
その後でNHKフィルムは、技術革新最先端のCCT技術(CO2を地中に貯蔵する技術)と核変換技術を紹介する。
すなわちCCT技術によって石炭火力発電の継続を可能とし、核変換技術で数万年放射線照射する放射線廃棄物を数百年にすることで、原発継続も可能となるのだ。
しかしCCT技術は(前回ZDFフロンタール21フィルムで見るように)ドイツ経済研究所のエネルギー学者ヒルシュハウゼンが詳しく調べた末、コストやリスクの問題だけでなくフィクションと断定しており、核変換技術も早くて2050年に実用化目途が立つなど絵空事であり、膨大な原発廃棄物を変換することなどファンタージ以外の何者でもない。
すなわち提示されているCCT技術と核変換技術は、IAEの石炭維持路線と原発推進路線を確立するためのフィクションと言っても過言でない。

しかもEUさえも、原発ロビーによってIAE路線に切り崩されようとしている。
だからこそ彼らは声を大にして、「世界が一致して(IAE路線で)取り組んでいかなくてはならない」と叫ぶのである。
そしてNHKフィルムは最後にプロパガンダでないことを装うかのように、環境教育者としても知られているリチャード・ハインバーク氏を登場させ、世界は既に成長の限界に達しており、欲望の抑制が必要であると語り、遊牧民女性の古来から伝わる言葉「根まで食べると草ははえてこない」で暗喩的に終わる。
しかしフィルム終わりでの文言は全く選択肢が提示されておらず、人間の欲望が成長の限界を超えてしまったことは、1972年のローマクラブの宣言以来、1992年のリオ宣言、1997年の京都議定書など度々唱えられてきた文言であり、制作表現の中立性として全く機能していない。
そして私がプロパガンダと確信するフィルムが公共放送NHKで制作された理由は、ラストの制作に関与した人たちのクレジットタイトルを見れば一目瞭然であり(すなわち原発推進者による恐るべき原発ロビー浸食・・注6)、「時の政府に諂う国家放送になるのか」と叫ばないではいられない。

尚NHKスペシャ『エネルギーの奔流 第1回 膨張する欲望 資源は足りるのか第2回 欲望の代償 破局は避けられるか』の完全版はデイリーモーションで見られる。

(注1)http://archive.today/7hMm(下に翻訳して掲載)

2010年5月再掲載 http://www.sueddeutsche.de/kultur/umweltpolitik-gefuehlsgruen-in-der-klimafalle-1.533963

(注2)http://www.faz.net/aktuell/feuilleton/wirtschaft/wie-ein-geisterfahrer-1759887.html

(注3)http://de.atomkraftwerkeplag.wikia.com/wiki/Sinn,_Hans-Werner(下に翻訳して掲載)

(注4)「明らかになっている事実」 http://energytransition.de/2013/03/jp/

(注5)エネルギー転換に対する世論調査

非常に重要66%重要27%余り重要でない、もしくは重要でない6%わからない1%
http://www.unendlich-viel-energie.de/themen/akzeptanz2/akzeptanz-umfrage/umfrage-2013-buerger-befuerworten-energiewende-und-sind-bereit-die-kosten-dafuer-zu-tragen

(注6)
田中伸男(前のIEA事務局長、日本エネルギー研特別顧問)
日本経済新聞』2011年8月26日のインタビュー記事で、「日本の首相が脱原発を選ぶとは思わなかった。日本が撤退すればライバル国は大喜びだ。他国が日本に協力を申し出るのは福島原発の情報が貴重だからだ。日本は未曽有の大事故を自分の力で克服し,安全な原発のための解を拾い上げる義務を負っている」と述べている。

石井彰(エネルギー・環境問題研究所所長)
レポート「脱化石燃料の時代到来は困難」

注2南ドイツ新聞翻訳

17. Mai 2010 21:35 Umweltpolitik Gefühlsgrün in der Klimafalle「気候策略に陥る感情的グリーン」

Die deutsche Umweltpolitik ist gut gemeint und schlecht gemacht, sagt Ökonom Hans-Werner Sinn. Deshalb setzt er auf den Markt und auf Atomenergie - so provoziert er seine grünen Gegner.
ドイツの環境政策はよくなることを望んでいるが、悪くしている、と経済学者ハンス・ヴェルナージンは主張する。それゆえ彼は市場と原発に賭ける。そのように彼は緑の敵対者を挑発する。
Mit diesem Buch möchte Hans-Werner Sinn wohl gern Furore machen. Sicher wird der Ökonom demnächst ein gern gesehener Gast in Talkshows sein. Oder ein begehrter Teilnehmer an öffentlichen Diskussionen, wo er sich mit grünen Politikern wie Jürgen Trittin oder Renate Künast, dem Journalisten Franz Alt oder vielleicht dem SPD-Politiker Hermann Scheer, Träger des Alternativen Nobelpreises, erhitzen wird.
ジンはこの本で世間の注目を浴びようとした。確かにこの後経済学者ジンはトークショーでよく見られるゲストになり、ユルゲン・トリッティン(元緑の党連邦環境大臣)、レナーテ・キュナスト(前緑の党女性共同代表)、ジャーナリストのフランツ・アルト、あるいはもう一つ別のノーベル賞受賞者社会民主党の政治家でもあるヘルマン・シェアーとの白熱する公開議論の参加者となった。

Braunkohlekraftwerk in Jänschwalde: "Auch Hans-Werner Sinn räumt ein, dass "das Klimaproblem real und nicht eingebildet ist."
(Foto: Foto: ddp)
イェンシュバルデの褐炭発電所「ハンス・ヴェルナージンも気候変動問題が現実化しており、錯覚ではないことを認めている。
In jedem Fall ist Zoff angesagt. Sinn hat schon etliche Bücher geschrieben, er weiß, wie er provozieren kann. Der Autor von "Ist Deutschland noch zu retten?" und "Die Basar-Ökonomie" spitzt auch in diesem neuen Buch seine Thesen so zu, dass garantiert Streit ausbrechen wird.
どの場合も論争が予告されている。ジンは既に何冊かの本を書いており、どのように挑発できるかを知っている。『ドイツはまだ救えるか』と『市場経済』の著者は、この新しい本の彼のテーゼで確実に論争が引き起こされるように先鋭化している。
Das ist zweifellos ein Erfolgsmodell für ein Sachbuch, das als schroffe Abrechnung mit "den Grünen" gemeint ist. Womit der Volkswirt nicht nur die Partei meint. Sinns Methode ist es, "den Adrenalinspiegel beim Leser und bei mir selbst zu halten", wie er im Epilog zugibt. Das ist ihm gut gelungen. "Wie viele meiner Landsleute denke und fühle ich grün", behauptet Sinn.
『グリンパラドックス』が、環境に関する厳しい決算書を意図した専門書の成功モデルであることは間違いない。そこでは国民経済だけでなく緑の党も対象としている。ジンのやり方はエピログで述べているように、読者そして私自身にも血中のアドレナリンを保持することである。それは見事に成功し、ジンは「如何に多くのドイツ国民がグリンの環境を考え感じたことか」と述べている。
Zunächst schreibt er, was viele Landsleute längst wissen: "Das Klimaproblem ist real und nicht eingebildet" und dass "die Menschheit handeln muss, um den Klimawandel zu stoppen oder zu verlangsamen". Dies sind weder neue noch originelle Einsichten, sie dienen mehr als rhetorischer Einstieg.
次に多くの人がゆっくり認識するもの、「気候変動問題は現実的であり、錯覚ではなく、人類は気候変動を止めるか、或は減速するために行動しなければならない」と書いている。それらは新しいものでもオリジナルな分別でもないが、修辞的アプローチ以上に貢献している。
"Überlegenes Organisationssystem"熟慮された構造システム
Der gefühlsgrüne Bürger Sinn gerät sogleich mit dem streng wirtschaftlich denkenden Ökonomen Sinn aneinander. Die Gesetze der Marktwirtschaft mit Angebot und Nachfrage und dem daraus entstehenden Preis würden hemmungslos der "grünen Ideologie" geopfert, die überall eingedrungen sei, beklagt er.
環境グリーンに感ずる市民ジンは、思慮深く強靭な経済学者の両方で成功している。グリーンのイデオロギーが傍若無人に至る所に侵入し、供給と需要、そこから生じる価格の規則を生贄にしている、とジンは訴える。
Sogar Bundeskanzlerin Angela Merkel verdächtig Sinn, aus "taktischer Absicht" mitzumachen. Doch die Politik, so rät der Leiter des Münchner Ifo-Instituts, soll nicht vorgaukeln, dass die Förderung regenerativer Energien wie Strom aus Windkraft oder aus Solarzellen den CO2-Ausstoß weltweit verringert oder gar den Klimawandel verlangsamt.
ミュンヘンの情報経済研究所の所長ジンは首相メルケルが戦術的目論見として協力することを非難しているが、政治は風力、太陽光発電のような再生エネルギー支援がCO2排出量を世界的減少させ、気候変動を減速させるとことを言葉巧みに信じてはないと勧告している。
Was Deutschland einspart, werde bloß anderswo zusätzlich ausgestoßen, meint Sinn: "Das ganze Land steckt in der Klimafalle." Aus dieser kommt Deutschland nur heraus, indem das Land die Zukunft dem Markt anvertraut, weil dieser eben ein "überlegenes Organisationssystem" sei.
ドイツが削減したものは、単に何処か他で全体として排出されており、ジンは「ドイツ全体が気候変動の策略にはまっており、ここからドイツは出て、未来を市場に委ねなくてはならない。何故なら市場はまさに熟慮された構造システムであるからだ」と思っている。
Von der Spannung zwischen Ökonomie und Ökologie lebt das Buch. Einerseits. Doch Sinn löst sie nicht auf. Er beschreibt sorgfältig und begründet faktenreich die gefahrvollen Abläufe globaler Prozesse. Dann beklagt er andererseits: "Mittlerweile ist grüne Politik zur Staatsdoktrin avanciert." Deutschland sei heute eine grüne Republik, und das sei gut so, spottet Sinn - und stellt doch selbst keine Alternativen vor.
経済とエコロジーの間の亀裂によってこの本は生きている。しかしながら一方でジンは、解決を与えていない。ジンは入念に、多くの事実に根拠づけられたグローバルな過程の危険極まりない進展を記述している。それから他方で「グリン政策がドイツの教義になってしまったことを、訴えている。ドイツは今日グリーン共和国となり素晴らしいと揶揄しているが、自ら対案は全く提言していない。
Auch der Buchautor muss eingestehen, dass sich die deutsche Wirtschaft angesichts ambitionierter Klimaziele wandeln muss, aber er missachtet und verwirft alle bisher gewählten Wege. Bis auf den Handel mit Emissionszertifikaten, den er als marktwirtschaftlich "sauberes Instrument" durchgehen lässt.
同様に著者は、ドイツ経済が野心的な気候目標を鑑みて変えていくことに責任を持たなければならないが、これまで採ってきた道をあなどり退けている。排出量取引でも、彼はそれを市場経済的に汚れていない道具として破棄させる。
Sinn beschreibt, dass ökologische Technologien und politische Anreize die deutsche Wirtschaft so verändert haben "wie es auf der Welt seinesgleichen nicht findet".
Gleichwohl lehnt er radikal alles ab, was in Deutschland bisher eingeführt wurde: von der Ökosteuer über das Erneuerbare-Energien-Gesetz, das ein trickreiches Konstrukt für fragwürdige staatliche Subventionen sei, bis zum Kraft-Wärme-Kopplungsgesetz.
ジンは、エコロジー技術と政治的動機がドイツ経済を世界に適合を見出さないように変えていると記述している。それにもかかわらず、彼はこれまでドイツにおいて導入されたもの、ラジカルなすべてを拒否する。すなわち再生可能エネルギー法の環境税、不可解な助成金の策略的構造から熱併給発電法に至るまで。
Das alles, meint Sinn, seien systemwidrige Eingriffe in das Marktgeschehen. Die ökologischen Interventionen, wie er die vernünftigen und gut greifenden Förderprogramme nennt, seien grenzenlos und unüberschaubar. So entsetzlich findet er Zuschüsse und Quoten für Wind- und Sonnenenergie, dass er sogar einen Vergleich mit dem Zentralplanungssystem der DDR zieht.
全ては市場におけるシステム的に不都合な介入と、ジンは考える。彼が健全でうまく作動する支援計画は際限がなく、見通しが効かない。だから彼は途方もなく風力発電エネルギーや太陽光発電エネルギーに、彼が東ドイツの中央計画との比較で示す助成金や割り当て金見出す。
Aus regenerativen Quellen erzeugten Strom hält der Ökonom für einen Flop. Das Argument, es seien Arbeitsplätze geschaffen wurden, ist für ihn "blanker Humbug, sonst nichts". Die Risiken, CO2 unterirdisch zu bunkern, hält er für gigantisch viel größer als die der atomaren Endlagerung. Und darum, ganz einfach, sollte Deutschland lieber bei der Atomenergie bleiben, denn deren Strahlung rufe "keine akute Gefährdung" hervor. Mit wohl gewählten Worten zerlegt Sinn jegliche Ansätze, um Klimaprobleme zu lösen. Hans-Werner Sinns Vorschläge allerdings sind kaum praktikabel, für die aktuellen Energieprobleme bieten sie keine Perspektive.
ハンスベルナー・ジンは再生可能エネルギー源から製造される電力を失敗と考えている。雇用が創出されるという議論は彼にとって全くのたわごとである。CO2を地下に貯蔵するリスクは原発最終処分場より巨大だと思っている。それ故全く単純に、ドイツはむしろ原子力エネルギーを継続すべきであり、何故ならその放射線は実際の危険を呼び起こさない。ジンは気候問題を解決するためのどの方法も激しい言葉で解体するが、彼の提言は一般的に決して実用的なものでなく、実際のエネルギー問題にいかなる見通しも提供していない。

注3原発WiKi翻訳

Die Lobbyisten > Sinn, Hans-Werner
ロビイスト >ハンスベルナー・ジン
Hans-Werner Sinn wird meist als Ökonom wahrgenommen, der sich in den Medien öffentlichkeitswirksam zu wirtschaftspolitischen Themen äußert und hierfür schon einmal als "Boulevardprofessor" bezeichnet wurde.[1]
ジンはメディアで公に影響をおよぼす政治経済のテーマについて述べる経済学者として認識されており、ここでは既に歩行者天国の教授と指摘されている。
Dass er darüber hinaus ein überzeugter Anhänger der Atomkraft ist, ist weniger bekannt. Er propagiert zwar eine liberale Marktwirtschaft, wenn es aber um Atomkraft geht, ignoriert er, dass diese seit Jahrzehnten mit Milliarden subventioniert wird. Er benutzt die gleichen Gemeinplätze wie andere Lobbyisten, zeigt sich aber wortgewandter. Auffällig ist, dass seine Propagierung der Atomkraft zeitlich mit den öffentlichen Kampagnen der Atomwirtschaft zur Bundestagswahl 2009 und zur Laufzeitverlängerung 2010 zusammenfällt.
彼がそれにまさって原発の信念ある信奉者であることは余り世に知られていない。彼は新自由主義経済を確かに宣伝するが、原発に関与する件ではここ十数年莫大なの助成金が支払われていることを無視している。彼は同時に他のロビイスト同様に常套句を用い、能弁である。彼の原発宣伝活動は一時的な2009年連邦選挙と2010年原発運転期間延長での原発産業の公開キャンペーンと重なっている。

2008
Im Juli 2008, als die Bundestagswahl 2009 näher rückte, schaltete er sich in die energiepolitische Diskussion mit einem Artikel ein, indem er den Atomkurs europäischer Nachbarländer lobte und Deutschland wegen seines Atomausstiegs als "Geisterfahrer" bezeichnete. Der "grüne Starrsinn" sei nicht kostengerecht, überall herrschten "Illusionen und Pragmatismus", Windräder würden die Landschaft verschandeln. Der Atomstrom sei wesentlich günstiger.[2] Ähnlich äußerte er sich in seinem Im November 2008 veröffentlichten Buch "Das grüne Paradoxon - Plädoyer für eine illusionsfreie Klimapolitik". In einem Artikel zum Buch arbeitet das "Deutschlandradio" Widersprüche in seiner Argumentation heraus. So verschweigt er beispielsweise Terrorgefahren oder die Milliardensubventionen für Atomkraftwerke. "Hans-Werner Sinn treibt populistische Stimmungsmache."[3]
2008年7月連邦選挙が近づく頃、彼はヨーロッパ隣国の原発路線を称賛し、脱原発のドイツを幽霊ドライバーと指摘する論文でエネルギー政策議論にスイッチを入れた。グリーンの頑固さはコスト的に正しくなく、ドイツ全土を幻想とプラグマティズムが支配しており、風力発電基はドイツの景観を害している。原発電力は本質的により好都合であると、彼の2008年世に出した『グリンパラドックス・・幻想自由な気候変動政策に対する論告』でも述べている。本の項目ではドイツラジオが議論を通して矛盾を浮き彫りにしている。だから彼は例えば原発テロの危険性や原発のための莫大な助成金に沈黙している。

2009
Im Februar 2009 hielt Sinn eine Rede auf der Wintertagung des Deutschen Atomforums, der wichtigsten deutschen Atomlobbyorganisation, in der er längere Laufzeiten für unverzichtbar, das EEG für wirkungslos bezeichnete.[4]
2009年2月ジンは、最も重要なドイツ原発ロビー組織ドイツアトムフォーラムで講演を行い、原発長期稼働が不可欠であり、再生可能エネルギー法は効力がないことを指摘した。
2010
Als die Diskussion um die Laufzeitverlängerung im Sommer 2010 sich ihrem Höhepunkt näherte, unterstützte Sinn nicht nur die Position der Atomwirtschaft in dieser Frage, sondern forderte den Bau neuer Atomkraftwerke und benutzte einen Gemeinplatz, der mittlerweile längst widerlegt ist: "Die Kernenergie sei "eine konkurrenzlos billige Form der Stromerzeugung"." Außerdem sei Atomkraft "grüne Technologie", da sie keinen CO2-Ausstoß verursache.[5]
2010年夏原発運転期間延長の議論が頂点に達した頃、ジンはこの問題で原発産業の立場を支持するだけでなく、新しい原発建設を要請し、徐々に論破される常套句「核エネルギーは電力製造で無敵に安い」、「とりわけ原発は、CO2排出のないグリーン技術である」を利用した。