カーター氏、ハマス政治部門指導者と会談

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081215-00000002-cnn-int

(CNN) カーター元米大統領は14日、シリアの首都ダマスカスで、パレスチナイスラム原理主義組織ハマスの政治部門指導者ハレド・メシャル氏と会談した。ハマス関係者が明らかにした。

亡命生活を送っているメシャル氏とカーター氏は5時間にわたり、ハマスが2006年6月に拉致したイスラエル兵ギラド・シャリットさんの問題などについて協議した。

カーター氏は今年4月にもメシャル氏と会談。メシャル氏は、シャリットさんが両親にメッセージを送ることを容認するとカーター氏に約束した。カーター氏はシャリットさん解放をメシャル氏に促したものの、この要請は受け入れられなかった。ハマスが米国とイスラエルでテロ組織に指定されているため、この時の会談は両国政府の非難を招いた

ハマスは今回の会談について、近く声明を発表するとしている。オバマ次期米政権の反応は今のところない。カーター氏はこのほかシリア滞在期間中、アサド大統領とともにダマスカス北方にある聖タクラ修道院を訪れた。

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批判たしかに受けてましたね。
カーター氏、ハマス幹部と会談重ねる 批判に反論
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200804180001.html

カイロ(AP) 中東歴訪中のカーター米元大統領は17日、当地のホテルで、イスラム原理主義組織ハマスの幹部らと会談した。同氏がハマスとの直接対話の場を設けたのは、16日のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸に続き2日目。イスラエル、米当局からの批判に対し、「一部の当事者を抜きにして合意は達成できない」と主張した。

カーター氏は自らを「個人的な平和使節」と位置付け、中東を訪問している。13日にイスラエルに到着した後、ヨルダン川西岸を経てエジプト入り。ムバラク大統領との会談に続き、ハマス代表団と1時間にわたって会談した。

カーター氏は会談の中で、ハマスイスラエル南部へのロケット弾攻撃を中止するよう求めたという。同氏は一方で、ハマスが実効支配する自治区ガザをイスラエルが封鎖している措置を、「残虐行為だ」と強い言葉で非難。「イスラエル滞在中には実際にロケット弾攻撃を目撃し、犠牲者の遺族にも会った。一方でガザの住民から見れば、イスラエル側に1人死者が出る間に、パレスチナ人30−40人が亡くなっているのだ」とも語った。

カーター氏のハマス会談をめぐっては、米当局からも、「テロ組織に指定しているハマスの存在を認めることになる」との強い批判が出ている。同氏はこれに対し、「すべての当事者を含んだ和平合意を達成しようとするなら、ハマスも何らかの形で関与させる必要がある」と強調した。

カーター氏はさらに18日、シリアでアサド大統領や亡命中のハマス政治部門指導者メシャール氏と会談。サウジアラビア、ヨルダンを訪問後、20日夜にはイスラエルに戻る予定だ。

この訪問の成果というと
イスラエルハマスが柔軟姿勢…最高幹部が示す
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080422-OYT1T00400.htm

 【カイロ=加藤賢治】パレスチナイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部ハレド・メシャル氏は21日、シリアの首都ダマスカスで記者会見し、ヨルダン川西岸とガザ地区を領土とするパレスチナ国家を受け入れると明言した。

 また、イスラエル国家については「承認しない」とする一方、第3次中東戦争(1967年)以前のラインにイスラエルが撤退すれば、「承認と引き換えに、10年間休戦する」と述べるなど、柔軟な姿勢を見せた。

 ただ、メシャル氏は、ユダヤ人入植地の撤去やパレスチナ難民の帰還権も求めており、イスラエルが応じる可能性は低い。

 メシャル氏らハマス指導部は18、19の両日、中東訪問中のカーター元米大統領とダマスカスで会談後、対イスラエル方針などについて協議していた。
(2008年4月22日12時34分 読売新聞)

まぁこのハマスの微妙な表現が、この後のハマスイスラエル生存権を認めると発言したか、しなかったかの応酬になったんだと思います。

これを調べる間に見つけたんですが、
イスラエルグリーンラインを地図に載せるか否か 2006/12/31
http://www.news.janjan.jp/world/0612/0612307364/1.php
エルサレムIPS=ピーター・ヒルシュバーグ、12月18日】

グリーンライン
 イスラエルの教育相が、新しい教科書にイスラエルヨルダン川西岸を分離する1967年のグリーンラインが入った地図を採用するように命じ、右派政治家や宗教指導者から抗議の嵐を受けている。大臣の決断は最近の教科書にグリーンラインが消えていることを指摘する学術的研究を受けて行われた。

 ヨルダン川西岸のユダヤ人の入植に強硬に反対し、パレスチナの独立を支援する「ピース・ナウ」の創設者の1人、タミル教育相は、「子供に歴史を理解させるためだ」という。教育相の決断はイスラエル社会の論争の中枢を刺激した。

 宗教的右派のイスラエル人、特に入植者は、ヨルダン川西岸は神がイスラエルに与えた土地だと信じ、1967年ラインの復活はイスラエルの安全を脅かすと考えている。

 一方、多くのパレスチナ人にとって1967年ラインは、ヨルダン川西岸とガザ地区に独立国家を要求する基盤となっているハマスはさらに強硬で、ユダヤ国家を廃絶し、すべてをパレスチナに帰すべきだとしている。パレスチナの教科書にはグリーンラインはないし、イスラエル自体が存在しない。

 グリーンラインという言葉は1949年の停戦協議の際に地図上に緑色で書かれたことから生まれた。1967年の戦争以来、グリーンラインイスラエルとその他の地域を分ける非公式の境界を意味して使われるようになった。昨年イスラエルガザ地区から完全に撤退したが、最終的な国際的に認められた国境は確定していない。

 ラビの団体は新しい教科書を使用しないよう宗教令を発し、「教育大臣はイスラエルの敵だ」という。エバ外務大臣は1967年ラインを「アウシュビッツライン」と呼び、境界がこのラインになればイスラエルは防衛不可能になるとしている

 領土問題の譲歩が平和協定の基礎になると考える左派議員はタミルを支持している。サリド前教育相は、「イスラエルの子供はイスラエルの東と北の国境が確定しておらず、交渉によって定まると理解すべきだ」という。タミル大臣は「今も議論されている境界がかつてあった事実は否定できない」という。学校での国境の指導をめぐるイスラエルでの論争について報告する。(原文へ)

翻訳/サマリー=加藤律子(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩

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(IPSJapan)

まあイスラエルの本やら、WEB上の文章やら色々読みましたが、イスラエル人ってグリーンラインについてどう思ってるの?と思いましたが、教えてないんですね。

ちなみに読んだ本は

パレスチナ新版 (岩波新書)

パレスチナ新版 (岩波新書)

この本は、イスラエル悪しという目線で書かれているので、複雑な事情を俯瞰するにはいいと思います。

パレスチナ紛争史 (集英社新書)

パレスチナ紛争史 (集英社新書)

この本は、ルポ中心でパレスチナ寄りになりがちな報道が多い中、パレスチナ寄りの本にならないように注意して書きたいという分、複雑で分かりにくくはなっています。

ちなみにグリーンラインを地図に載せるかどうかについての結論は見つけることが出来ませんでした(と言う事は今も載ってないんだろうと思ってはいますが)。