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森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

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2013-11-14 (木) 阿Q正伝 松枝茂夫訳 旺文社文庫版の特長

[]阿Q正伝 松枝茂夫訳 旺文社文庫版の特長 阿Q正伝 松枝茂夫訳 旺文社文庫版の特長を含むブックマーク 阿Q正伝 松枝茂夫訳 旺文社文庫版の特長のブックマークコメント

 少年少女のために訳された魯迅阿Q正伝』とはどんなもんだろうか、と好奇心に駆られて、少年少女向け版と一般向け翻訳を読み比べてみました。


  

■[名作文学]少年少女向け阿Q正伝

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20131101/p1


  

 一般向け翻訳は、松枝茂夫訳の旺文社文庫版を読んでみました。

   阿Q正伝 (旺文社文庫) 阿Q正伝 (旺文社文庫)  

 旺文社文庫は、解説が詳しくてページ毎に注釈があるので好きなんです。

 それでこの松枝訳版の特長というものをご紹介して、今後『阿Q正伝』を読まれる方の参考になればと思います


 松枝茂夫師は『紅楼夢』も訳されており、魯迅の弟・周作人とも親交があったようです。

    

  wikipedia:松枝茂夫


    

 巻末の「あとがき」で松枝師は書かれています


   

「ところで魯迅文章は決してやさしくはない。同時代中国作家文章とくらべてみても、魯迅のそれは最も難解な部類に属する。いかにも含みの多い、屈折に富んだ文体である。」


   

 官憲言論圧迫下で監視をくぐって書かれたので、分かる人にしかからないように書かれた、と説明されています

 そこでできるだけ詳しい注釈をつけたいと思ったが、力及ばずこの程度のものしかできなかった、

しかしこの程度の注釈でもまったくないよりはましではなかろうか。」


   

と書かれています

 そこで旺文社文庫の特色である注釈の出番です。注釈のないページもありますが、3つくらいついているページもあって、ざっと見た限り、1ページにつき1点くらいの割合注釈があるように思いますしかし一つ一つの注の長さはそう長くはなく、1〜2行程度のものが多い。

 ちくま文庫の詳注版シャーロック・ホームズ全集のように長目の注が付きまくっているわけではありません。(あれは特別ですが。)


  

 収録作品は、収録順に、

狂人日記   5

孔乙己   25

さな出来事   35

故郷   41

阿Q正伝   59

宮芝居   139

藤野先生   157

眉間尺   169

「眉間尺」の参考文献(捜神記・今昔物語集第九巻)   199

 解説   松枝茂夫   205

  魯迅の人と文学   205

  作品解説と鑑賞   216

  魯迅と私 高杉一郎   224

  代表作品解題   227

  参考文献   234

  年譜   236

  あとがき   243


         

狂人日記

 魯迅中学時代の旧友が大病を患い、魯迅が見舞いに行く。着いたところ、既に回復して某地で任官を待っている、ということで、兄が弟の書いた日記を見せてくれた。

 この日記を紹介するという体裁。

 非常にシュールで難解で読むのが辛い作品

 書き手は、周囲の人々が人食い人種で、自分も狙われている、という妄想を持っていて、色々と被害妄想的なことを脈絡なく書き連ねています

 これは、統合失調症の症状ではないでしょうか。


   

 訳者の解説によると、中国の古い社会封建制批判した小説ということです。

「礼教、つまり儒教的イデオロギーを「人食い」の道徳と断じ」

ということですが、なぜ儒教が「人食い」と例えられてるのでしょうか?

 苫米地英人先生なら解説して頂けるでしょうか?


    

 洗脳論語 洗脳論語 


        

 しかし、闘病日記を読むと、かなりひどい状態まで症状が進行し、最後まで回復のめどがたたずに終了しています

 お兄さんによると全快したということですが、本当に治ったのでしょうか?

 今より医学薬学も発達していない時代なのに。

 実はどこかに監禁されたとか、既に死亡したとか?

 患者のその後はどうなったのでしょうか?

(というより、全ては魯迅創作しょうが。それを言っちゃあおしまいよ。)


    

「孔乙己」

 孔乙己は零落していますが、私も他人事ではありません。私も孔乙己に通ずるところがあるような。

 孔乙己は学のあるところを見せつけるため、時々難しい本から覚えた難しい言い回しを使って、それが笑いを呼びます。一種の天然クンです。

 バラエティ番組なら、主役級にはなれないけど、隅っこに座って時々ボケたこと言うひな壇芸人となれば、意外といい役割を果たすかも。

 でも結末は哀しいものです。あの人はいま。芸人人生の結末も意外とこんなものかもしれません。


     

「小さな出来事

 その後、車夫はどうなったのでしょうか。

 このような場面の当事者になった時、どう行動するべきなのでしょうか。


   

藤野先生

 後に藤野先生魯迅の「藤野先生」を知り、改造社の「大魯迅全集」の月報に寄稿されたそうで、その一節が引用されています

 それによると、藤野先生若い頃、漢文に親しんだことがあったため、中国の人を大事にしようと思い、大学では中国人魯迅一人だったため、魯迅に親切にしたということです。


 wikipedia:藤野厳九郎


藤野厳九郎記念館

  http://www.city.awara.lg.jp/mokuteki/industry/kanko/kankoshisetsu/p000263.html

  http://www.jalan.net/kankou/spt_18362cc3290030244/


  

「眉間尺」

 伝奇アドベンチャー小説

 私が10代前半の頃に本書を読んだ際、他の作品はよく分からなかったのですが、この作品だけは面白いと思ったものです。

 原典となった古典が参考文献として掲載されていますが、漢字読み下し分なのでよく分かりません。こんな短い話を元にして再構成したわけですね。

 冒頭に、眉間尺がネズミと戯れるシーンが詳しく描かれていますが、これも深読みする意味が隠されているのでしょうか。

 結構有名な話のようで、検索すると色々なサイトが出てきて、ニコニコ大百科にも項目があります


  

ニコニコ大百科 眉間尺

  http://dic.nicovideo.jp/id/4176830


 wikipedia:干将・莫耶


  

魯迅の人と文学

 かなり詳しく魯迅の一生について記述されています

 本書に収録された「阿Q正伝」の挿絵は、豊子�圦(フォンツーカイ)師によるものという。かなり著名な方らしいです。


 f:id:nazegaku:20131116114229j:image

 f:id:nazegaku:20131116114303j:image

 f:id:nazegaku:20131116114338j:image


 子ども向け版の梁川剛一の挿絵は生々しくリアルで不気味でしたが、豊子�圦の挿絵はどことなくユーモラスですね。左下に飛び飛びに数字が打ってあって、最後が52です。50数枚の中から抜粋して収録した模様。


 

豊子�圦 とは - コトバンク

 http://kotobank.jp/word/%E8%B1%8A%E5%AD%90%E6%84%B7

北京 豊子�圦(丰子恺)の漫画 語文の教科書 北京勇気十足

  http://33665307.at.webry.info/201004/article_10.html

長楽村−漫画家豊子恺の故居

  http://blogs.yahoo.co.jp/bonchang_sh05/31971882.html

あじあんじゃんくしょん2 丰子恺(フォンツーカイ)の挿絵

  http://www.yunhai.jp/asian2/?p=3407

竹久夢二を愛した文人漫画家「豊子�圦」シンポジウム

  http://www.okayama-u.ac.jp/user/agora/events/event_id103.html


  

魯迅と私 高杉一郎

 高杉師が学生時代、同じクラス中国人留学生からエスペラント版「阿Q正伝」を貸してもらったが、よく分からなかった、といったような魯迅エスペラント等に関する思い出話。

 魯迅はエスぺランチストだったようですが、本書の解説にはそのことについて触れられていません。しかし、言語文字改革運動として、漢字ローマ字化を主張した、という記述があります魯迅エスペラントを学んだのも、その関連からでしょうか。「阿Q」「小D」といったローマ字混じりの人名も、その辺から来ているのでしょうか。

 あと、年賦には、ロシアのエスぺランチストのエロシェンコを招いて同居した、という記述があります


   

 wikipedia:エスペラント

 wikipedia:高杉一郎


  

……ということで、この松枝茂夫訳(旺文社文庫)版『阿Q正伝』は、非常に付加価値の高い優れた書かと思います特にエスペラントに関する記述があることが特筆されます

 各種出ている翻訳のどの版を読もうかと迷われておられる方は、上の記述を参考にしてみて下さい。絶版になっていますが、古本ではまだ出回っていると思われます

 なお、Kindle版が500円で出ています。例の豊子�圦師の挿絵が表紙として見られます

  阿Q正伝 阿Q正伝  

 この版、注釈や解説や挿絵など、文庫版の情報が全て盛り込まれているかどうかは不明です。


 wikipedia:阿Q正伝  


■[名作文学]『阿Q正伝』と『安倍Q凄伝』阿Q安倍Q竹Q山Q、QQQ……

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20131102/p1

■[名作文学]少年少女向け阿Q正伝

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20131101/p1


 阿Q正伝 (旺文社文庫) 阿Q正伝 (旺文社文庫)


  

tomokilog - うただひかるまだがすかる

魯迅 《阿Q正传》 《阿Q正傳》 『阿Q正伝』

The True Story of Ah Q by Lu Xun

  http://tomoki.tea-nifty.com/tomokilog/2005/10/post_7f44.html

松岡正剛の千夜千冊 阿Q正伝

  http://1000ya.isis.ne.jp/0716.html

プロメテウス 新時代の知の総合サイト 魯迅作品を読む2『阿Q正伝』

   http://www46.atpages.jp/mzprometheus/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e7%b4%b9%e4%bb%8b/1806

阿Q正伝とその時代背景としての辛亥革命農村を通しての反映という題名で5分〜10...

  http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1150544736


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