県は28日、知事と市町村長で構成する「県・市町村協働政策会議(仮称)」の主要テーマの一つに、自殺対策を緊急に追加することを決めた。来月13日に秋田市の県市町村会館で開く初会合では「県と市町村の機能合体」「少子化対策」や、県の新たな基本計画となる「ふるさと秋田元気創造戦略(仮称)」とともに議題の柱に掲げ、県と市町村が一体となって自殺対策に取り組む姿勢を示す。
 県市町村課などによると、ことしに入ってから県内自殺者が増加傾向にあることを受け、行政のトップが共通の危機感を持って対策に当たろうという狙い。初会合では本橋豊・秋田大医学部長を招き講演を開くほか、国の交付金を原資とした「地域自殺対策緊急強化基金」の活用策について広く意見を交わす。
 県はまた、市町村の自殺対策担当や民間団体、秋田大、商工団体、警察などをメンバーにした緊急対策会議を来月中に開く方針。県健康推進課は「自殺対策は待ったなしの状況にあるという認識を関係者が共有し、より実行性のある対策を講じたい」としている。
 県は2007年7月に市町村長を集めた「自殺予防トップセミナー」を初開催。自殺対策をテーマに全首長が一堂に会するのはそれ以来となる。政策会議の新設は佐竹敬久知事が知事選のマニフェストに掲げており、県と市町村の部局長級らでつくる幹事会や、課長級や有識者らによる委員会の設置も想定している。

同記事では,秋田県において設置が予定されている「県・市町村協働政策会議(仮称)」の主要テーマに,自殺対策が追加される方針を紹介.2009年4月16日付及び同年5月16日付で取り上げた同会議.2009年9月11日に開催された定例会のなかで,同県知事からは「第1回目の総会を10月13日に開催する」として,「当日の会議では,少子化政策に関する今後の取組等について協議するほか,観光分野などで県と市町村が事業の共同化を図る機能合体について,具体的な議論を進めてまいりたい」との説明.同記事のように同回において同議案が追加される模様.
同県の「自殺の現状」については,同県HPを参照*1.平成20年の同県の「自殺者数は409人」と「前年比11人の減少(減少率2.6%)」にはあるものの,「自殺率(人口10万人対)」については,「37.0(全国平均24.0)と平成7年からの全国ワースト1位が連続14年」の状況にある.同県では,その予防対策として「情報提供・啓発」「相談体制の充実」「うつ病対策」「予防事業の推進」「予防研究」の5つの「重点施策」*2のもとで各種事業に取り組まれている.これらの重点施策のうち「予防事業の推進」として,「モデル市町村予防対策事業」を実施されており,2001年から2004年迄の「モデル実施市町村の自殺率の推移」*3を拝見すると,「モデル町全体の自殺率は,事業開始時には県より高かったものの,年々減少し,平成15年を境に県より下がっている」との傾向が見られている.
同県の同予防対策については,「個人に着目したミクロな個別対応より集団を対象としたマクロな啓発活動・情報提供活動を重視」*4されたものであり,更には「市町村の自主的な取り組みを支援し,その成果を全県的に広げていこうとするものであった」(149頁)ともされきた.同認識からすれば,同県がいう「機能合体」的な運営を図りつつも,実態的には機能分担的な予防対策が進められてきたとも整理できそうか.同会議を通じて,いかなる意味で同予防対策が「機能合体」を図られるのかは,要観察.