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pithecanthropus collectus(蒐集原人) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-01-15

レコードを若返らせる

USENやラジオなど放送局から流れてきたレコードは、管理を容易にするためジャケットにシールがべったり貼られていることが多い。これらは貼られてからそれほど間があいてなければ、剥がすのもそう難しいことではない。しかし、10年、20年と時間が経ってしまうと経年劣化でシールの糊が硬化して、容易には剥がれなくなってしまう。

美品でコレクションすることを重視している人は、そもそもこんな放送局落ちのレコードは買わないかもしれない。だけど、状態にこだわらない人や、再生に影響なければいいというDJのような人は、シール付きレコードも買ってしまうだろう。ぼくもちょいちょい買っている。今日、新宿アルタのHMVで買ってきたラフィン・ノーズの『SIXTEEN』もシールレコードだった。

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ラフィンがこのメンバーになったときはすでにCD時代なので、基本的に音源はアナログでは残っていない。ところが、そうしたアナログからCDへ切り替わったばかりの時期というのは、ラジオ局へのプロモーション用にわざわざアナログ盤を作ることがあった。DJにかけてもらうためで、コレクターはこうしたものを「プロモオンリー」「DJコピー」などと呼ぶ。

この曲は1990年に発表されたもので、それはジャケットに貼られたシールを見ても明らかだ。ということは、このシールは26年前から貼られっぱなし。そらもう糊なんかカッチカチになっていて、ちょっとやそっとじゃ剥がせやしない。特殊なテクを駆使すれば剥がせるのだが、うちには同じような状態のレコが山のようにあるので、いちいち剥がしていたら面倒くさくてしゃーない。

でも、この『SIXTEEN』はラフィンの中でもとくに好きな曲で、それが公式には存在しないアナログ7インチで手に入ったのだから、ちょっとこの見苦しいシールもなんとかしたい。きれいに剥がしてあげて、レコードをよりよい状態に復元してあげたい。よーし、いっちょうやったるか。

ひとつめのポイントは、まちがってもシンナーを使うな、ということ。シンナーを使えば糊を溶かせるかもしれないが、同時にジャケのインクも溶かしてしまう。ここで使うべきはジッポーオイル。このオイルが、ブックオフの値札を剥がすのに最適であることは、このブログではクドいほど語ってきた。

今回相手にするのは20年以上経って硬化した糊だ。そんな奴に対しても、ジッポーオイルは頼もしい。ジッポーオイルはすぐに揮発するので、少しばかりたらしたところで意味がない。火気に注意して、貼り付けられたシールにたっぷり染み込ませる。

これによって、硬化していた糊もほんの少しだけ軟化する。とはいえ、それを爪で剥がせるほど世の中は甘くない。ここで登場するのが、先日の公開チラシ飲みトークでも紹介した八戸駅吉田屋「小唄寿司」についていた三味線バチである。ぼくはこれを紙やすりで研いで、値札のシール剥がしに活用している。

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このバチを、ジッポーオイルでゆるくなりかけたシールの下に差し込み、絶妙な力加減で剥がしていくのだ。無理に、一回で剥がしきろうとしてはいけない。糊なんて残っていい、印刷に傷がつかなければ。値札なんて破れてもいい、ジャケットさえ破れなければ。

ゆっくりゆっくり時間をかけ、とりあえず値札だけを除去する。あとには削りそこなった硬い糊が残るだろう。これにまたオイルをかけ、指でゆっくりこすって、やわらくなった表面部分だけを、バチでこそぎ取る。ジャケットに傷をつけないよう、細心の注意を払って。

そうしてまたオイルをかけ、指でこすって糊を柔らかくする。延々とそれを繰り返す。最終的には、ジャケの表面に糊の痕跡がかすかに残るだけになるだろう。そうしたら、丸めたティッシュにオイルを染み込ませて、最後の拭き取りをする。これで、26年間こびりついていた垢が完璧に除去され、レコードは16歳に若返った。

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2016-12-29

発表!アーカイブック2016

2016年も終わりだねえ。今年もたくさんの著名人が亡くなりまして、とくに自分に限って言えば、憧れのスターはもちろん、友人や知人も何人かあの世に行ってしまった。悲しいことだけれど、齢を重ねるということは、そうした別れの機会が加速するということだ。「2016年はもう終わりかよ!」って文句が言えるのは自分が生きている証拠だから、まあ、いま生きていることを喜ぼう。

さて、前回提唱したアーカイブックという言葉。これは「何らかのコレクションをまとめた書物」、あるいは「何らかの蒐集家がコレクションについて書いた書物」のことで、そういうもんばかり買ったり読んだりしてるぼくが、それらの年間ベストを毎年発表していくという活動(ただの趣味だけど)で、いよいよ2016年度ベスト・オブ・アーカイブックの発表です。

……と、その前にここで自分がこれまでに書いてきた本をちょっと並べてみる。

底抜け!大リーグカードの世界―「珍プレイ&超絶プレイ」コレクション
人喰い映画祭 【満腹版】 ~腹八分目じゃ物足りない人のためのモンスター映画ガイド~
人生のサバイバルを生き抜く映画の言葉
無限の本棚

見事にアーカイブックばかりなのねん。つまり、ぼくは自分自身がアーカイブックな人生を歩んでいるということ。これが何かを意味しているかといえば、とくに何も意味はない。このベスト・オブ・アーカイブックは、ただ自分が楽しいからやっている。それでいいのだ。

というわけで10位から発表!

■10位『中国遊園地大図鑑 北部編』

出版をやめたら死ぬ靴を履いた男・ハマザキカクがプロデュースする過剰な図鑑は、2016年も恐ろしい勢いで出版点数を重ねていった。なかでも話題を呼んだのが、この『中国遊園地大図鑑 北部編』。かの国の著作権意識がヤバイのは皆知っていたが、まさかここまでとは。

■9位『デスメタル インドネシア』

これもまたハマザキカクの手による過剰図鑑の1冊(正しくは「世界過激音楽シリーズ」という)。昨年はアフリカにもデスメタルがあることを知らしめたが、今度はインドネシアである。しかもアフリカを大幅に上回る350ページ超という重厚さ。大統領までもがデスメタラーってどういうことなのか。

■8位『珍盤亭娯楽師匠のレコード大喜利』

全国各地のDJ現場はもちろん、今年はTBSラジオ伊集院光とらじおと「アレコード」コーナーでも大活躍した娯楽師匠の珍レコアーカイブック。見たこともないレコに驚かされたり、自分の秘蔵盤が載っていてニンマリしたり、ああこれでまたこのレコの相場が上がる…と焦らされたり、いろいろ忙しい本である。

■7位『東京レコ屋ヒストリー』

東京レコ屋ヒストリー

東京レコ屋ヒストリー

レコード屋の誕生からその盛衰と衰退までを、歯切れのいい文章で謡い上げている壮大なレコ屋絵巻。「レコードを買うという行為はじぶんの意思を買うのといっしょだ」という著者の言葉に深く頷く。

■6位『共産テクノ(ソ連編)』

意外なところに意外な音楽。こういう本を見ながら気になるアーティスト名をYoutubeで検索して、すぐに聴くことができる。いい時代になった。ちなみに、共産圏+テクノとして忘れてはならないのは『テトリス』だ。あれこそ究極の共産テクノ。

■5位『モダンガールのすスゝメ』

モダンガールのスヽメ

モダンガールのスヽメ

大正百五年(2016年)発行の本書もめでたくランクイン。ご本人はコレクションのつもりはないと思うが、生き方を丸ごと大正時代にゆだねるカヨさんの姿には圧倒される。

■4位『タイポさんぽ(改)』

タイポさんぽ改: 路上の文字観察

タイポさんぽ改: 路上の文字観察

味わい深きタイポグラフィを求めて町の看板を渉猟する。そんな趣味をもつ者は多いが、本書の著者は現役のグラフィックデザイナーでもあり、そのデザインの分析は的確で、視点も確か。続刊の『タイポさんぽ 台湾をゆく』もまたよし。

■3位『痴女の誕生』

痴女の誕生

痴女の誕生

イヤラシイことをしてくれるおねえさんの歴史を詳細に綴った貴重な資料。アダルトビデオの登場以降に話を絞ってあるので、とてもわかりやすい。安田氏の次作は「巨乳史」を追ったものだそうで、これまた読むのが楽しみだ。

■2位『東京レコード散歩』

名うてのレコードアーカイヴァー鈴木啓之が、昭和歌謡を切り口に東京の街々を45回転で歩きまわったお散歩ガイド。出版後、本書をベースにしたコンピレーションCDも3枚同時発売され、その素晴らしすぎる展開は、自分のことのように嬉しかった。

■1位『ブラック アンド ブルー』

ブラックアンドブルー ([テキスト])

ブラックアンドブルー ([テキスト])

2016年度ベスト・オブ・アーカイブックの第1位に輝いたのは、特殊漫画大統領・根本敬先生が古今東西の名盤ジャケットを独自の解釈でリメイクした作品集『ブラック アンド ブルー』。レコジャケ原寸での収録も圧倒的なのだが、ここに掲載されている作品は描いたそばから展示会で売りさばかれているので、本人の手元にほとんど残されていないという事実。「チンポが乾く暇もない」という諺があるが、根本先生の「乾いた絵の具に興味はない」と言わんばかりの前のめりな姿勢に大きな拍手を送りたい。

アーカイブックという分野を振り返ってみると、昨年は本の雑誌社が活躍した年で、今年はパブリブ──すなわちハマザキカク氏が踊り続けた年だったな、という印象がある。タモリ倶楽部にもDOMMUNEにも出てたしな。さて、来年はどんなアーカイブックが出てくるだろうか。そしてぼくが準備中の本(これもアーカイブック的な側面がある)は来年中の発売に間に合うのだろうか……!

2016-12-18

アーカイブック2016発表……の前に!

「アーカイブック」という言葉を提唱しようと思う。どういう意味かというと、「何らかのコレクションをまとめた書物」、あるいは「何らかの蒐集家がコレクションについて書いた書物」のことだ。アーカイブ+ブックでアーカイブック。

フリースタイル』という雑誌がある。ほぼ季刊くらいのペースで発行されているこの雑誌に「One, Two, Three!」というコーナーがあって、数人のライター、作家、編集者らが気になるポップカルチャー(小説、漫画、映画、演劇、音楽などなんでもよい)を3つ選んで紹介するというものだ。

その執筆陣にぼくも加えてもらっているのだが、ぼくはそこへさらに自分なりの縛りを設けてセレクトしている。それが「アーカイブ物かどうか?」ということだ。ま、例外はあるが、できる限り何かを集めた作品を取り上げるよう務めている。なぜそんな面倒臭いことをしているのかといえば、そりゃぼくがコレクター大好き! だからだ。

これは拙著『無限の本棚』のあとがきでも書いたことだが、昔からコレクターが出版した本は手当たり次第に買ってきた。いまでも書店でその手の本を見かけるとつい手に取ってしまう。そして、そういうものが日々自分のデスク周りに積み上がっていく。ならば、この分野の年間ベストを決めるのも楽しそうだな、と思った。そんなことができるのは、ぼくくらいのものだろうとも。

無限の本棚

無限の本棚

さすがにそうしたアーカイブック、もしくはそれ的なものをすべて網羅するのはアンテナ的に限界があるし、経済的にも無理があるので、ぼくの目に止まって購入したものしかエントリーできない。でも、この企画は自分のためにやってることだからそれでいいのだ。「あの本が入ってねえ」とか言われても知らんがな。

というわけで、2016年のベスト・オブ・アーカイブックを発表……する前に、ここで去年(2015年)のアーカイブックを振り返ってみたい。本当はこの企画は去年からスタートしようと思ってたんだよね。でも、いろいろ雑事に追われているうちに年を越しちゃったので、そのまま放ったらかしにしていた。それで、ようやくいまになって重い腰を上げたというわけだ。

もったいぶらずにスパーンと発表する。ベスト・オブ・アーカイブック2015!

  1. 1979年の歌謡曲(スージー鈴木/彩流社/10月20日発売)
  2. 痴女の誕生(安田理央/太田出版/4月1日発売)
  3. 神戸、書いてどうなるのか(安田謙一/ぴあ/12月1日発売)
  4. ニッポン大音頭時代(大石始/河出書房新社/7月24日発売)
  5. デスメタル アフリカ(ハマザキカク/パブリブ/10月1日発売)
  6. 暇なマンガ家が「マンガの描き方本」を読んで考えた「俺がベストセラーを出せない理由」(上野顕太郎/扶桑社/7月31日発売)
  7. ワンコイン古着(中嶋大介/本の雑誌社/11月24日発売)
  8. 古本屋ツアー・イン・首都圏沿線(小山力也/本の雑誌社/10月22日発売)
  9. ヘンな本大全(風来堂、他/洋泉社/3月4日発売)
  10. 本で床は抜けるのか(西牟田靖/本の雑誌社/3月10日発売)

※うっかり『痴女の誕生』を入れちゃったけど、これ2016年でしたね。

1979年の歌謡曲 (フィギュール彩)

1979年の歌謡曲 (フィギュール彩)

音楽に限らず様々なカルチャーはだいたい10年区切りで論じることが多いが、本書では歌謡曲を1979年という年代の変わり目に焦点を当てて切り取ったところが新しい。その企画性に負けることなく、読めば幾つもの発見が得られる。スージー氏の音楽論は、ブログを読んでいても常にハッとさせられ、まったくもって目のウロコ泥棒である。

神戸、書いてどうなるのか

神戸、書いてどうなるのか

ロック漫筆家・安田謙一氏が神戸にまつわる108篇の思いつきを集めた本。5年前に神戸で初めて会ったとき一緒に食べたカレーそばの話から始まり、ラストはぼくとの出会いのエピソードで終わる。つまり、これはぼくにとって特別な本なのだ。


4位以下にも素晴らしいアーカイブックが集まった。『デスメタル アフリカ』が話題を集めたのはまだ記憶に新しい。“古ツアさん”こと古本屋ツアー・イン・ジャパンの小山力也氏の快進撃もあって、とくにコレクター向け書籍を専門にしているわけでもない本の雑誌社の本が3冊もランクインしたのはおもしろい結果だった。

というわけで、「ベスト・オブ・アーカイブック2016」の発表は、12月29日となる予定。

2016-12-17

12/20(火)は千駄木で本年最後のCRAZY GROOVE DONUTS!

今年の1月から千駄木のロックバー「Bar Isshee」でスタートしたCRAZY GROOVE DONUTS(毎月第3火曜の夜8時からやってるDJパーティー)も、いよいよ12回目を迎えます。毎月1回だからカウントしやすい! 12月は今年最後ということで、ゲストDJをお招きしてさらに盛り上げてもらいます。

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一人目は、2月にゲストで出てくれた珍盤コレクター仲間の森成之さん、二人目は8月にゲストで出てくれたvvvxxxさん、そして三人目は古本トリオでもおなじみ安田理央さん。三者三様のDJプレイを見せてくれると思います!

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今回はBar Issheeに新兵器の卓上コンロが導入されたということで、年末だし肉でも焼いて食おうじゃないかと「ブロック(肉)パーティー」ということになりました。でかい肉を焼きながら、愉快な音楽に浸ろうという寸法。それから、新宿御苑のバー「浮かぶ」ママ、シブメグちゃんのフード販売もあります!

パーティーの最後は、無謀な試みとして「BtoB百人組手」をやろうかと思っています。ゲストがかけた曲にちなんだテーマ(タイトル、ジャンル、作曲家など)に関連する曲をとみさわが次々つないでいくというもの。ゲストのお三方以外に、レコード持ち込みの飛び入りも歓迎します。どんな曲でも受けて立つ! 

■会場:
  Bar Isshee(千駄木)
  東京都文京区千駄木3-36-11 千駄木センチュリー21 地下1階
 
■料金:
  Charge:500円 + 1ドリンク以上のご注文をお願いします。

■フード:
 ・特製ナポリタン、ブロッコリー&新生姜タルタルソース添え(有料)
 ・ブロック肉バーベキュー(こちらはフリー)

■タイムテーブル:
 19:00 - 19:40 とみさわ(和ものイロイロ)
 19:40 - 20:20 森茂之(珍歌謡)
 20:20 - 21:00 vvvxxx(歌謡曲)
 21:00 - 21:40 安田理央(和ニューウェーブ)
 21:40 - 22:20 とみさわ(テクノ歌謡〜漫画ジョッキー)
 22:20 - 23:00 BtoB百人組手

というわけで、ご来場をお待ちしてまーす。

2016-08-15

大阪・なんば、味仙の担仔麺

今年の5月に大阪へ行ってきた。千日前にある味園ビル内「紅鶴」でトークライブに呼んでいただいたからだ。まあ、その話は別の機会にするとして、せっかく大阪まで行ったのだから、仕事のついでにその土地ならではのラーメンを食べておきたい。ぼくの脳と胃袋は、常にそう考えるようになってしまっている。

名古屋には、味仙(みせん)という中華料理屋があって、そこの店主が発明したという台湾ラーメンが気絶するほどうまい(自分好み)という話は以前書いた。それ以来、台湾ラーメンのトリコになったぼくは、日本各地で「台湾ラーメン」を名乗っているものを食べ歩いたりしているのだが、最初に食べたアレに敵うものは一杯も見当たらない。やはり名古屋の味仙じゃなきゃダメなんだ! と、やはり別件で大阪へ出かけたときに、わざわざ帰京の新幹線を名古屋で途中下車したほどだ。

ところが、そこでぼくは失望した。そのときは名古屋の今池本店で台湾ラーメンを食べたのだが、最初に食べて感動したあの味とはまるで別物だったからだ。「味仙の台湾ラーメンは支店によって味が違うらしい」とは、きいていた。それでも、本店なら矢場店よりさらにおいしいに違いないだろうと、無意識に思い込んでいた。ところがそうではなかった。これ、わりと衝撃的でしたね。そうか、単に矢場店の味付けがぼくの好みにドンピシャリだっただけなのかー。

それ以来、ちょっと気持ちが冷めてしまって、台湾ラーメンを過剰に追求する気持ちはなくなってしまった。

で、ここで話は最初に戻る。5月に大阪へ行きまして、なんば周辺に何かうまい麺はないものか……とジタバタしていたところ、ぴあ関西のWさんから「味仙(あじせん)という店の担々麺がうまいですよ」と教えていただいたのだ。ぼくは基本的にうまいものの情報を他者から提供されても、それに素直に従うことはない。味覚なんて人それぞれで、誰かがうまいと思ったものでも、それをぼくが同じようにうまいと感じる保証はまったくないからだ。

それでも、そのときは気まぐれで行ってみようと思った。他に行きたい店もなかったし、読みは違うけど「味仙」という店名が大阪にもあるのがおもしろいじゃないか。すりゴマたっぷりの四川風担々麺はそんなに好きじゃないけど、Wさんが言うには、ここの担々麺は四川風ではなく、台湾ラーメンに近いそうだ。だったらそれは確認してみたいよね。

店は心斎橋にもあるが、なんばこめじるしのところにも「なんこめ店」という支店がある。泊まっているホテルからはそちらが近い。夕方6時の開店に合わせて店に行き、一番乗りの客として「担々麺」を頼んでみた。

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食べ終わってボーッとしてしまった。うますぎた。カンッッッペキに好みの味だった。スープは台湾風(?)のあっさりした味で、ラー油がピリリとした辛さを引き受けていて、ひき肉がコクを加える。スープの表面に散っているネギのようなものは、細かく刻んだセロリだ。これがシャクシャクした歯ごたえで、とてもいいアクセントになっている。ぼくは大阪へ行ったときはいつもなんばを拠点にするので、これはもう毎回ここで一食とることが決定だ。