日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2018-02-24

[][][]古都

山口百恵主演の市川崑監督版。(1980年

市川監督の風景の中の人間のショットは美しいと思う。町家などの前に町家のアクセントとして佇む人の姿。町家の中でも住まいに高いポイントが置かれているように思うしその撮り方は魅力的。

山口百恵はとても美しく、境遇が違ってしまった双子の演じ分けが巧みにできている。京都弁も結構がんばっている。(時々は気になるけれど)

古都*1中村登監督バージョン、平成版(昭和版の主人公が母親になっている将来を描いたストーリー)*2とみてきたけれど、基本は同じでも力の入れ具合が違う。中村登監督のでは、宮口精二演じる父親の思い詰めっぷりが心に残っている。この映画では、そこもさらりと描かれつつも、それを冷ややかにみるいけずな常田富士夫演じる番頭とその配下の住み込みの小僧さん二人の姿が印象的。悪口を小僧に言わせておいてたしなめる高等テクニックまで駆使。この映画では父親役が實川延若氏。名前はきいていたけれど、はじめてお姿を確認したと思う。

市川監督の「おはん」(1984)*3でも思ったのだけど、タイアップ企画なのか、この映画では山口百恵歌うところの歌謡曲が、「おはん」では五木ひろしの歌が冒頭かかるのは好みにあわない。もう少し年代がたって、リアルの二人をよく知らない世代の人たちには資料映像としておもしろいかもしれないが。。音楽の使い方も時代のせいかちょっと安っぽい。

あと市川監督の映画をみると思わせぶりなカットというのが特徴のような・・ちょっとしたショットでも意味深だったり、なにかを予感させてドキッとしたり・・

ばらばらに育った双子に巡り合えての気持ちの深まりは幼くして孤児だった川端康成の乾きからきているのかな・・また中村登監督版で強く感じ、この映画にも少し描かれている父親の惑いも川端自身の気持ちを反映しているようにも思われる。

火災で改築する前のイノダコーヒが映っているのも貴重だと思う。

沖雅也さんも、映画での演技をしっかりみたのははじめてくらいかも。実務的で骨のある男性を好演。


古都 [Blu-ray]

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[]うつヌケ

うつになった人本人からの、なったとき、抜けた時の聞き取りで、そういう感じなんだという発見がある。そして今後のヒントもある。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

2018-02-21

[][][]マル秘女郎市場

1972年曽根中生監督作品。

これは・・ロマンポルノ版「道」だろうか?荒唐無稽な展開だけに「道」ファンに怒られてしまいそうだけど・・

マル秘女郎市場[ビデオ]

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[][]直撃!地獄拳

昭和49年 石井輝男監督作品。

「ドラゴン怒りの鉄拳」での日本人の立ち位置のようなものを、ここに出てくる西洋人たちに感じた。

白いスーツの千葉真一氏は「キーハンター」っぽい。善玉の象徴としてのあの衣装かな?(歌舞伎の白塗りのように)

千葉さんのアクションは格闘技ゲームのようなきまった足さばき。

津川雅彦氏がキザで、体は動かさず冷たいメガネの向こうで指令ばかりしている役だが、なかなかハマっている。

直撃!地獄拳 [VHS]

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[][][]スケッチ・オブ・Peking

19995年 「北京好日」*1のニン・イン監督作品。

北京の警官の日常を警官自身が演じる。演技のプロでない人たちによる演技というこういう手法のもの最近よくみて、役者さんでない不思議なリアリティがあるなあと思っているけれど、この当時から行われていたんだな。

北京の飼い犬制限とその取り締まりは「わが家の犬は世界一*2を思い出した。

地方から来たトランプ詐欺師の取り締まりが出てくるが、その出身地についてチャン・イーモウの「秋菊の物語」の舞台だな、あの物語みたいなことするのか?のような台詞がなかなか楽しい。こういう物語の中の物語みたいな設定好きで、先日みた「ブッチャー・ボーイ」*3でも、インディアン(といういいかたでいいのか知らないが・・ネィティブアメリカンだと感じが出ない)ごっこみたいなシーンとか、「逃亡者」というテレビの絡ませ方だとか好きだった。


2018-02-20

[][][]ブッチャー・ボーイ

1997年ニール・ジョーダン監督作品。出会えてよかった。

この作品と「スターダスト」のDVD化希望をされているtweetを拝見したのがみたきっかけ。「スターダスト」の方も好印象を持っているが、みたときの自分の記録*1をみてみると、

ストーリーにぐっと人を惹きつける力があるなあ。少々やさぐれていても自分の日々をちゃんと生きる人が出てきて。。驚きがあって。。高みの見物的ではなくて、寄り添うような視点。。

と書いていて、これ「ブッチャー・ボーイ」でも共通した感想。

主人公の悪ガキの、ひどい現実と乗り切り方、破滅と救済、すべてがテンポよく、あったかみとタイトさのブレンドの妙など音楽の使い方含めすごくひかれる。

2018-02-06

[][][][]濡れた欲情 ひらけ!チューリップ

間寛平のヒット曲「ひらけ!チューリップ」が流行ったころ、この神代作品とのつながりからか、子どもが歌っていいんかな?と思うようなどこか後ろめたい感じがしたような・・この映画は、パチプロ師と釘師の対峙する青春ものをロマンポルノの中で描いた感じ。

芹明香が、乾いた感じでなく優しいヒロインみたいな雰囲気で出てくる。(もちろんロマンポルノ風味。)この映画の芹明香をみていて、先日観た「濡れた欲情 特出し21人」*1でも、トレンチコートの似合う渋い女として出てきてたなと思い出す。(この映画でも最後旅立ちのところ、あたかも「カサブランカ」のようにキマっていた。。(←いいすぎ?)

右手だけでするパチンコの世界についていけなくなった古きパチプロ師オオサキ氏になっていた着流し風のご老人が気になって仕方ない。妙に俳優っぽさがなくて・・

パチプロ修業中の男と関係のある女のひとりが、ラーメン屋台を引っ張り、そこで男や男の別の女(芹)と組んずほぐれつ的になるシーンの力の入りようは、「もどり川」の藤真利子ショーケンの台車のシーンを思い出した。

大阪城がどなっているみたいな雰囲気の冒頭などすごくおもしろく、入り込んだし、通天閣を練り歩くブラスバンドと登場人物のからみなど良い感じだけど、しまいにちょっとダレたかな。。

こちらの記事に書いてある鈴木晄という人の編集のはなし興味深い。

濡れた欲情・ひらけ!チューリップ (<VHS>)

濡れた欲情・ひらけ!チューリップ ()

[][]なつかしい芸人たち

図書館で借りていて、一部読み切れないまま返却期限が来てしまったが、(なじみのない方の章を後回しにさせてもらった。)昭和の大衆史をトピックを選んで語っておられるような本。気になったのが「ヒゲの伊之助」の項。白髭をたくわえた式守伊之助、なぜか私の記憶にもある気がして。。しかし、ヒゲの伊之助は、私の生まれる前に引退しておられた・・

言葉の麻痺になられた春風亭柳朝さんのことを書かれた「明日天気になァれ」は、大切な人への思いがこもっていて、でもそれが野暮ったくなく、心に残る。矢野誠一さんや吉川潮さんのあとがきでもふれられていた。

川崎弘子さんの項、映画「大阪の宿」で、子供のための前借を拒否されて一瞬ちらっとみせる憎しみ(恨み)の表情。わたしも印象に残っている。

川崎弘子さんは、川崎大師の近くに住んでいたガラス工場の女工さんだったらしい。水戸光子が万平ホテルのウエイトレス、三浦光子が日劇ダンシングチーム、高峰三枝子筑前琵琶の娘、高杉早苗新橋ダンスホールダンサーというくらいは、子供の頃の色川さんもご存知だったとか。

今回飛ばしてしまった項ももうちょっとしてもっと古い映画などからの蓄積が頭の中で整理出来たらもっと深い理解ができそうな気がする本。

なつかしい芸人たち (新潮文庫)

なつかしい芸人たち (新潮文庫)

光琳社出版の「めんこグラフィティ」のめんこ(鷹家春文所蔵・編)を使ったおかしみのあるカバー装丁南伸坊氏によるもの

2018-02-05

[]ブンミおじさんの森

タイのアピチャッポン・ウィーラーセタクン監督のものをみるのは三作目だけど、いつもあの世とこの世が入り混じり、輪廻思想みたいなものも感じさせる。この作品は森の動物に出会った時も自分の前世として向かい合う僧侶の話が下敷きになっていて、言葉ではうまく説明できないけれど、流れに身を任せようというゆったりした気持ちになる。

ラオスからの出稼ぎ労働者の結婚の話とオーバーラップして出てくるお姫様となまずの物語の美しい事。

ブンミおじさんの森 スペシャル・エディション [DVD]

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