第14回世界バレエフェスティバル  <プログラムB>  8/9(日)

バレエフェスBプロの感想です。1週間経ってしまったので、またもテンション低めの感想。

■第 1 部

「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ
Aプロ最後のドンキで盛り上げた二人が、今度はトップバッターとして会場を温めた。  


「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ ウラジーミル・マラーホフ
小柄なサレンコでさえ「よいしょ」って感じのリフトであったマラーホフ…こういうのはもう年齢的にたいへんなのかなあ…。サレンコは美しく可愛らしく、シンデレラのキャラクターにぴったりだった。


「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"
振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ
イーゴリ・ゼレンスキー
背が高くて胸板が厚いので、スーツ姿がえらいこと似合う!!ただ切り取った部分だけでは面白味が伝わりにくく「世界バレエフェスティバル」でやるべき作品なのかは少し疑問。


ペール・ギュント
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
本編をまるっきり知らない作品ですが、全編見たくなった。相当暗そうで、精神的にダメージ受けそうではあるけれど。


「悲しみのエチュード」より 4つのダンス
振付マルセロ・ゴメス/音楽:フレデリック・ショパン
マルセロ・ゴメス
この日の朝にロンドンから日本に来て、そのまま昼公演とは…タフ!さすがに予定されていたヴィシニョーワとのデュエットは回避し、この日だけのソロ作品でした。1曲ごとに曲の本質をつかんだ表現というか、表情から指先、足先までコントロールされて、さすがだなあ…と感心した。


「ライモンダ」より 幻想のアダージオ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ
Aプロの白鳥と同じく、男性のコルスツェフが黒子に徹していた。こんなに存在感消してるのもちょっと気の毒に思えてくるほど…でもそれだけサポートが完璧ということか。



■第 2 部

「眠れる森の美女」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン
予定されていたパリオペラ座のミリアム・ウブド=ブラームが怪我のため、ウィーン国立バレエのリュドミラ・コノヴァロワがマチアスのパートナーになった。オーロラ姫というより女王もしくはリラという貫禄のある気品と美しさのコノヴァロワでした。マチアスは繊細でロマンチックな王子でしたわ…やはり彼の踊りは好きだ。

ノー・マンズ・ランド
振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
戦地へ行ってしまった男と、帰らない男を待つ女のPDD。決して交わらない二人の視線。女は男の幻と踊ってるんだよね…。Aプロでのラブラブ、キラキラのコジョカルとコボーがこれを踊ると、さらにつらく悲しく、ボロボロ泣いてしまった。

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ
二人ともテクニックも確かで、華もあるし、Aプロよりも魅力が伝わる作品だった。タチアナ・テレホワより贈られたというサラの衣装も美しかった。

ギリシャの踊り」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス
オスカー・シャコン
かっこいい!!アニミズム的振付と彼の容姿がぴったりで、すごくかっこよかった〜。

「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー
オーレリーの退団公演では叶わなかったエルヴェとのマノンが東京で見られる贅沢を存分に味わった。




■第 3 部
ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー
サレンコは演技力というところはまだまだなのかな…。マックレーはいつもの素晴らしいマックレーでした(Aプロと感想が同じ。不調というのがないのかな…と不思議なほど毎回クオリティーが高い演技)


「伝説」
振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル


「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ
なんだろう…これは…?椿姫ダンサーたちがほかにもたくさんいるのになぜこの二人が踊ったのだろう…?という残念な気持ち。タマラ本人も感じていたのか、カーテンコールではさっさと奥へ引っ込んでいった。1階の後方席だったが、踊ってるときレンドルフのハアハアという息切れがそこまで聞こえてきて、ああ…やはりアルマンの振付ってタフだよなあ…たいへんだ…という労いの気持ち少し。

「レ・ブルジョワ
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル
ダニール・シムキン
観客の心を掴むのがうまい。


「オールド・マン・アンド・ミー」
振付:ハンス・ファン・マーネン/音楽:J.J.ケイル、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ
Aプロと同じというのと、わたしにとっては退屈な作品なので、正直2回目はつらかった。



■第 4 部
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子
ウリヤーナ・ロパートキナ
人ではない存在感と踊りでした。すごかった。


「シルヴィア」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
時空を超えて再会した二人の、手が触れ合えば震えるほどの感情が伝わってきて、泣きに泣いた。


「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー
ダンサーふたりは完璧であったのに、ピアノにミスタッチが多く不安定で悪い意味でドキドキしてしまった…とても惜しい。それでもノイマイヤーの複雑なリフト技が流れるように語られるとやはり感動する。

「こうもり」よりパ・ド・ドゥ
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ 矢島まい[東京バレエ団]
この日はイザベル・ゲランにつきた!!とてもチャーミングだった!!もともと楽しい演目ではあるけれど、ガラで見て「続きが見たい!!!」と切望したのは初めて。ルグリも年齢を感じさせない!そして、これ!この品性と洒脱さだよーーこうもりに必要なものって!!と「正解」を見せつけられた感じ。盛り上がった!


ドン・キホーテ
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
とにかくサービス精神旺盛でチャーミングな二人!!昨年のボリショイ来日ドンキでは怪我から復活したばかりでシェネに回避したマーシャが32回転をキメてくれて…ああ全快したんだなあ…と嬉しくて泣けました。カーテンコールでおでこにキスされたラントラートフが「え〜おでこなの?」と少し不満そうな表情でキスされたおでこを触って、その手を自分の口に持っていった(マーシャのキスを自分で口にもっていったということ)のがとても可愛かった。


指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス  
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団