軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

恩讐の彼方に

大相撲は、大の里の初優勝で終わった。日本古来の「神技」である大相撲が、本来あすべき姿に戻りつつあるのを感じたのは私だけではななかったろう。見ているものに感動と力強さを与える大の里の姿に、大方の日本人は唸ったのではないか?

今までは土俵に「神が宿っていること」を忘れていたのである。大の里関、おめでとう!

今朝の新聞記事でもう一つ感動したことがある。

戦時中、我が国を爆撃しに来た「米軍のB29が撃墜され、副操縦士であった米軍中尉が落下傘降下したものの捉えられ、渋谷の捕虜収容所に週案中、皮肉なことに米軍の空襲で焼死したが、父の顔を知らない娘(ドナさん)が来訪して、父と再会?したというのである。

慰霊式で父親らの写真を見つめるドナさん(左)と井出さん(右)=富士宮市で© 東京新聞 提供

 記事には【太平洋戦争中の1945(昭和20)年1月、静岡県内上空で、米軍の爆撃機B29「ウェアウルフ」号が日本軍の戦闘機に撃墜された。搭乗員は富士宮市などに墜落して多くが死亡、捕虜となった人も4カ月後に東京の刑務所内で米軍の空襲を受け、計11人全員が死亡した。刑務所内で亡くなった搭乗員の1人の遺児が今月、初めて来日。顔を見ることもなく異国で亡くなった父親の足跡を、万感の思いでたどった

 来日したのは、米ニューヨーク郊外に住むドナ・ブロイヤーさん(79)。父親でウェアウルフ号の副操縦士だったユージーン・レディンジャー中尉は、撃墜時にパラシュートで脱出し一命を取り留めたが、捕虜として収容された東京・渋谷の陸軍刑務所で45年5月、米軍の空襲を受け死亡した。ドナさんは45年3月生まれで、父親の顔を知らない。

陸軍刑務所跡で感極まった表情を見せるドナさん(左)。空襲の犠牲となった捕虜たちのことを調べているバートン・ブルームさん(右)が付き添った=東京都渋谷区で© 東京新聞 提供

 渋谷駅近くに今、当時の陸軍刑務所の一部とされる赤いれんが造りの壁が残る。陸軍刑務所は二・二六事件に関与した陸軍将校らが処刑された場所で、そばに事件の犠牲者や処刑者を悼む慰霊像がある。

 24日、この場所に案内されたドナさんは、感極まった表情で天を仰いだ。空襲では、ドナさんの父親を含む米軍の62人は全員が焼死した。一方で日本人収容者約400人は救出された。ドナさんは多くを語らなかったが、「今の気持ちを言葉に表すのは難しい。でもここに来られて良かった」と涙をぬぐった。

 25日は、ウェアウルフ号の尾翼部分が落下したとされる富士宮市の城山公園を訪れた。井出徹也さん(70)ら市民約10人が迎え、慰霊平和塔前で慰霊式を行った。井出さんはインターネットを駆使して史実を掘り起こし、約30年にわたって電子メールなどで戦闘の詳細な状況などを伝えてきた。

 式で井出さんは「11名の皆さま安らかに眠ってください」と述べ、亡くなった搭乗員11人の名前を読み上げた。ドナさんは感無量の面持ちで献花し、父親らの写真を手でなぞり、父親の遺品の結婚指輪を指から外してそばに置いた。「ここに来たいという夢がついにかなった。撃墜された彼らを市民が痛めつけることはなかったと聞いている。感謝している」と静かに話した】とある。

少し長くなったが、東京新聞記者もいいことを書くじゃないか!

この出来事を「恩讐の彼方に」というが、同じ民族?の大陸は、台湾をどうしてもいじめたいらしいから、あの民族には「人間の心が伝わらない」らしい。

さて本題は我が国の選挙である。補欠選挙始め、東京都知事で選挙も近づいた。静岡知事選挙で、リニアに反対??する野党の鈴木氏が当選したので、自民党補欠選挙「全敗」となった。

有権者もなかなかやるね~と思うが、漏水事故が起きたというリニア建設だから、またひともめあるのじゃないか?

舞い上がっている今の「自民党」ではおそらく先は暗いが、それでも気が付かないようだから、次回総選挙は「自民」ならぬ「自滅?」になるのじゃないか?そして恐るべき「野党が社会をかき回して」、大方の国民が不幸になる~という線引きになりそうだ。

3・11の再現になるのじゃたまらないが、しかし「本人たちが気が付かない」のでは話になるまい。この際徹底的に懲らしめる、ということだろう。

 

今日の産経抄氏は「政治に金がかかるならかかると正直に言えばいいじゃないか。破綻の危機にあるこの国を再生するビジョンなき者は、議事堂から去ってもらいたい」と‟控えめ”に書いたが「先に与野党泥仕合は見たくない」と断ってある。

おそらく大半の有権者も同じ気持ちだろう。

問題は「国会議員の質をどう判定するか?」にあるのじゃないか?どこの“馬の骨”とも知らぬ「変人が、翼をつけて電話ボックス上で騒いで」いる様は見苦しい。これも一応「政党」らしい。

 

郵便受けに「政党って…ほんとにこのままでいいの?思想、信念もなく政策もそっちのけ=選挙直前のドタバタ劇、政党助成金(税金)目当ての員数合わせ…」と政党、選挙に関する提言を書いたチラシが入っていた。

産経抄の内容は良かったが、そのすぐ上に谷本真由美女史の「政治的な『多用性』の祭典」という、各国の外交を皮肉ったコラムが出ていて、最後に「お笑い芸人」の「裸芸に頼る以外、欧州に対し影響を及ぼすことが出来ない(日本の外交)というのは情けない限りだ」と結んでいる。

どこもかしこも「人間性の欠如」であり、「品性下劣」に陥っているのだろう。知的生命体に絞られそうだ!

 先述の「B29パイロット」の例と言い、4年に及ぶ大東亜戦争で戦没した我英霊方に、全く申し訳が立たない気がする。

届いた書籍のご紹介

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HANADA7月号

総力特集「国難に立ち向かえ!」

総力というから相当力をいれたのだろう!しかし、肝心な国民にはどのくらい「国難という意識があるだろうか」

経済的にこれほど”国難”が続けば、毎日が「国難だらけ」だということになるのじゃないか?

WILL7月号

こちらの「総力特集」は岸田政権の命運ということになろうか?私にはそれよりも「移民・難民おそるべし」の方が読ませる。しかも「中国崩壊」と来た!それでなくとも、しっかりと”ライン”は引いてあるというのに…

 

中国人民解放軍のアキレス腱

 

 中東で、イランのライシ大統領がヘリコプターの墜落事故で死亡した。米国は墜落の状況もほぼ同時につかんでいたらしく、世はまさに宇宙衛星の時代を迎えていて、しかも十分に機能している証拠だろう。

 外務省に出向していた時、SALT(米ソ間の戦略兵器制限交渉)を担当していた私は、主な米軍情報はほとんど衛星によって掴まれていて、今後の外交交渉がどのように流れていくのか?と関心を持っていたのだが、米ソの独占…というより、ほとんど米国独占に近かった。それを痛感したのは、三沢基地司令として三沢で建設中の米軍施設を(個人的に)視察した時である。日本は足元にも及ばないことを痛感した。

 

 他方その日本では、鳩山元首相が、【中国大使の日本国民に対する嫌味な発言】について理解を示す有様、ノー天気にもほどがある。

 他方、上川陽子外相が、静岡県知事選の応援演説のなかで、自民党推薦候補に向け「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と述べたらしいが、【出産したくても困難な状況にある人への配慮に欠ける】との指摘がA新聞から出されたという。

 演説を行った屋内の集会では、【100人を超える聴衆からは拍手が起こった」というが、この”反日”新聞社はきく耳を持ってはいまい。 上川氏は「うみの苦しみは本当にすごい。でもうまれてくる未来の静岡県、今の静岡県を考えると、私たちは手を緩めてはいけない」という趣旨で語ったようだが、今のご時世だから、取り消す騒ぎになった。こうして身勝手なメディアの横暴が、自分の首を絞めていくのである。

 

 さて、21日の産経新聞の「正論」欄に、村井友秀元防大教授が「共産党の私兵組織中国軍の弱み」といういい論文を書いていた。

 おそらくアジア、日本の歴史に疎い我社会では、よく理解できない人が多いだろうが、シナ事変など東アジアに関する資料を集めてきた私にはよく理解できる。

 おそらく当時国民党党首であった蒋介石が捕らえられた「西安事件」は知っていても、「第2次西安事件」についてはほとんどの方が知るまい。

 蒋介石一派の国民党幹部たちが、共産党に釈放された蒋介石から「多額の資金」を集めることに成功したまでは良かったが、金が届くや態度が一変して、金の奪い合いになり、届いた資金は雲散霧消してしまって、目的は達成できなかった事件である。

 その昔「甦れ美しい日本」という、友人が立ち上げていたブログに連載していたが、体調不良になり中断した「大東亜戦争の真実を求めて」という私の連載記事に書いたが、消滅してしまった。私はこの資料を読みながら、これが人民解放軍」の中に流れる弱みだと断定して物を見てきた

 村井教授は言う。【現在の中国軍の名称は「人民解放軍」であって中国軍ではない。人民解放軍が守っているのは人民、すなわち共産党支持者であり国民ではない。共産党に反対する中国人は人民の敵で打倒すべき対象である】

人民解放軍(紅軍)の成分は、遊民であり労働分子に取り換えるべきだがその方法がない」と毛沢東自身が嘆いていたもの」であり、台湾に逃げ込んできた「国民党軍も自分のことしか考えない、ゴロツキ集団である。指導者の興味はただ金、権力、そして地位だけだ。手に入るものにはなんでも頭を下げ自分は戦わないように心がける」という当時共産党軍を指導していたのスティルウェル将軍の回顧録に詳しい。

 村井教授は「人民解放軍の近代化は、共産党支配に深刻な矛盾をもたらすだろう」と予想しているが同感である。

 私は同じ物差しで世界の「軍隊の質」を比較しているのだが、あの強大な「ジャスティス」に支えられた米軍も、ここ数年の人種問題で、戦力が“減退”しているようで心もとない。

 

半島と東アジアの歴史

 「ぽつんと一軒家」は、私の好みのTV番組の一つだが、最近この種の番組が増えて、見るものが多くなった気がする。

 16日のテレビ東京の「なぜそこに日本人!」も面白かったが、登場人物が97歳の孤独老人で、現役の「かやぶき職人」だというので恐れ入った。しかもスマホを片手に「世界と繋がっている」と言い、炊事洗濯は元より自分でこなす。訪問してきたレポーターに、具だくさんの味噌汁を提供し、「野菜は毎日とることが大切」と説教する元気さである。

 私も‟おさんどん”は欠かさないが、これは現役時代に通算10年間も「単身赴任」した成果だと思うものの、今孤独老人を味わっている中で彼から「実験的成果報告」を聞かされた気がした。

 家内が開発?した「野菜スープ」は、毎朝欠かさないが、10種類を超える‟野菜屑”入りで、最近は家内を思い出して「トマトピューレ」を入れた野菜スープに進化し、トーストのパンは「森のバター」と言われる「アボカド」にハマっている。

 これで一日分の野菜を取った気がしていたのだが、97歳の彼には敵わない。上には上がいるものだ!と教えられ、その上未だに「彼が世界と繋がっている情報網?」に刺激された。

 そんな時、新聞の「片隅」に、懐かしい記事を見つけた。

 この記事には少し説明がいるだろう。

 

 私は退官後、収集していた記録などをもとに、何冊かの書籍を出版したのだが、これは2009年10月28日の講談社から上梓した金正日は日本人だった」という刺激的な本である。

 実は現役時代から「朝鮮戦争」について、可能な限り資料を集めていたのだが、当時は関心がある在野の“友人たち”も多く、そのきっかけとなったのは「日本海北朝鮮金策号」が出現した事にある。

 講演会の席上で、「不法行動をする船舶にはさっさと射撃して追い返せばいいのだ。どうだ、あれ以降、不審船は出てこなくなっただろう」と能登半島沖不審船事件について言い放った時、会場にいた「上空を監視飛行したP3Cの乗組員」から「いや先輩、その後も出たのです。しかもなかなか逃げないで、不思議なことに我々が近づくとまるで船体番号と船名をわざと我々に見えるように動くのです」というのだ。

 大方の者は偶然だろう、と一笑に付していたが、私は金策」という船名が気になった。そこで調査に入ったのだが、不審船の行動は意図的な行為だった、と思われてきた。

 そしてついに「金策」とは日本軍が半島に残した「残置蝶者」だということに行きついた。そして朝鮮戦争はもとより、日米韓の奇妙な連係に話がつながったのである。

 

 その後平成21年12月25日のある新聞に、評論家の宮崎正弘氏が「衝撃的なタイトルだ」という書き出しで評を書き、時代が時代だけに私の母校(修猷館)の玄洋社や関連人物が出て来るので、最後に宮崎氏は「さて、本書に書かれていることは真実なのか、真じるか信じないか。筆者はこの本を「小説」として楽しく読んだ」と書いてくれたから、これが契機となってその後「大東亜戦争は昭和50年4月30日に終結した(青林堂)」出版に結びついたのである。

 

 それにしてもこのころはいろいろな旧軍人、軍属らに仲間が多かったから、今考えるとさしづめ「消えさせられた?日本の戦中戦後の歴史」を“強制的に”学習させられていたような気がする。

 

 

 記事に出た朝鮮労働党重鎮・金己男氏は、金策の次男と言われ、金正日氏死去の時には葬儀にあたっていたし、彼の兄とされる金国泰氏は、もっぱら米国に滞在して、北朝鮮と米国間の政治的結合の役を果たしていて、オルブライト国務長官(当時)の訪朝につながった。

 隠された日朝韓の歴史を紐解けば、半島の歴史の謎が見えてくる。もちろん「統一教会」と当時の自民党首脳人、特に金丸信小沢一郎らとの間の交流も明らかになり、オウム事件の裏にも迫ることになったろうが、もうほとんどそれらに詳しい関係者たちは消滅してしまったようだ。

 拉致問題と小泉訪朝の大失策の問題も、パーティ券問題で揺れる今の軽い自民党じゃとても手に負えまい。

 こうして歴史は書き換えられていくのだろう。

 

 今一度落ち着いて当時の資料に目を通してみたいが、視力が落ちで、体力も落ちた身では、97歳の現役かやぶき職人にとても太刀打ちできない。

 しかし時間はある。そこそこに頑張ってみようか!

 

 

届いた書籍のご紹介

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「Let it be,(あるがままに)保江邦夫著・明窓出版¥1800+税」

友人の保江先生の新著である。世界でただ一人「無農薬リンゴ」を栽培する木村秋則さんの話から始まり、未知の世界に導いていく手法なさすがだ。

思わず引き込まれたのは、私もその昔、木村さんの話に家内ともども聞きほれて早速本を買って「恐るべき農薬の害」を知ったことによるが、UFOと戦闘機・鍾馗に結びつくとは思わなかった。非常になじみ易い文章だから、眼鏡をふきふき、ゆっくりと読破しようと思う。

 

島嶼研究ジャーナル・海事の専門書」

 

今月は「1940年に竹島で撮影された8ミリフィルムの検討」が有益だ。韓国に迄不法占拠されたままの島だが、国民の関心はあまり高くないのが不思議だ。こうして日本は「歴史上から消えていく?のか」

「戦わずして勝つ!合法的?国家侵略法」

孫子の兵法とは、「百戦して百勝するは、善の善なる者に非ざるなり、戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」、つまり「戦わずして勝つことが最善の策」だというのである。

 片田舎から世界情勢を見るともなく見ていると、それを「実行」しているのは独り「中華人民共和国」だと言えるだろう。勿論そのためには「武器を整備」してひけらかす必要があるから、3番目の「空母」なるものを浮かべてテストした。

 その成果は不明だが決して「失敗作」だったとは言うまい。何しろ彼が当面相手とするのは「後進国」だから、巨大な船体を浮かべているだけで効果はある。空母の運用に関する練度は二の次だ。

 しかし今は情報の世界である。やはりこの世界では「大きい方」が有利に見えるのだ。だから視覚効果は想像以上にあるとみてよい。

さらに効果的なのは、「電子線」であり「情報戦」である。

 今では「魚雷の本数」よりも、指一本で操作できる電子操作が効果的なのだ。日本では「災害時」に国民はみんな体験している。そう、インフラの損傷で、生活水準が劇的に劣化するし、国民の精神的抗堪性も失われる。普段有り余っている水もその例に漏れない。

 そのための準備を怠っていないのは中国であり、今問題になっているのは【日本、アメリカばかりではなく、欧州諸国までも「ハッカー攻撃」によって、普段からデーターが集積されているのだ】

 元より「軍事的作法」で使用するだけではなく、平時における「政治的操作」も頻繁に行われていて、例えば米国の大横領選挙では「フェイク攻撃」によって、血を流すことなく自由に自分の味方である候補者を当選させることが出来るのである。

 【英国のダウデン副首相が下院で演説し、「報道機関にリークされた議員と国選機関に対するサイバー攻撃の責任は中国にある。英国はこれらの行動が中国の敵意を示す明確かつ持続的な行動パターンを示していると判断する」と演説したという。つまり、2021年から翌年にかけて英国選挙管理委員会のシステムが中国系のサイバー組織によって「侵害された可能性が非常に高い」と結論づけたのである。更に「中国諜報機関によって、大規模なスパイ活動や、英国国内で反体制派や批評家とみなされた人々への脅迫などの目的で使用される可能性が非常に高い、およそ4000万人の英国有権者の名前

と住所が中国政府のハッカーの手に渡った」と当局は発表した】というから、昔ならば中・英戦争勃発か?というところだろう。

 【フランスもそうであり、オリビエ・カディック上院議員は、「フランス国民の選挙で選ばれた代表者に対するこのようなサイバー攻撃活動を放置することはできない」と批判している】(「宮崎正弘の国際情勢解題」5月12日号による)

 これに対して中国の大使館は【ロンドンの中国大使館は「これらは完全に捏造された悪意のある中傷である」とし、「英国における“反中政治的茶番劇”の終結」を求めたほどのふてぶてしさ】だったというから、英仏・中戦争はすでに始まっていると言ってもよかろう。

 それに対して「東洋の平和な島国」のメディアは、大谷選手の健康状態と那須の殺人事件を興味津々に伝えていて飽きることはない。

 わが国では海自の大型艦艇が、ドローンで詳細に撮影され、それが中国大陸で拡散されているらしいが、スパイ防止法さえない国だからさもありなんと思う。

 以前このブログにもそのことを書いたことがある。三菱重工のドックで建造中の「愛宕」が、建造開始直後から反対側に設置された定点カメラで、克明に撮影されていたことがあったのだが、その時は今度のドローンのような話題にさえならなかった。「何せ秘密保護法がないのですから取り締まれません…」で終わりだった。 

 

 さて、超限戦で、今私が注目しているのは米国の各地の大学で起きている反戦活動問題だろう。丁度ベトナム戦争時の東大紛争に酷似しているが、おそらく米国の大学にもそんな組織があるのじゃないか? 

 そのうえ、私が不思議に思うことは、こぞってメディアが非難する「イスラエル政府」は、ハマスの奇襲でイスラエル人1200人が殺害され、253人が人質となったいわば被害者である。

 後れを取ったイスラエルが、やがて強烈な反撃を加え始めたから、それで3万5000人以上のパレスチナ人が死亡して、ガザ地区の230万を超える住民が避難を余儀なくされたのではなかったか?。

 この戦争はウクライナに対するロシアと同様、ハマスが仕掛けたものだ。ハマスが攻撃されて当然ではないか?戦況が悪化したから、イスラエルを支援する米国内に進出して、国内で暴動を起こし、あわよくば支援の手を封じようとする、これもハマスによる超限戦に見えてくる。

 

 これじゃ何時までもストレスがたまるから、話題を変えよう。

 家内が植えたバラの花を整理しようとしたら、老人会の皆さんに見つかってしまい「奥さんが悲しむわよ」と‟怒られ”肥料を追加して手入れしたところ花が復活した!

 驚いたのは、福岡の旧部下夫人が家内に送ってくれた「黄色い蘭の花」も花をつけたことだ。貴重だから終わってもバルコニーの淵に鉢を置き、「はなさかじいさん」と称して水だけはかけていたのだが、先日花が3輪ついていたので驚いた!

 機会を見て鉢を替え、土を入れてやろうか?と思っている。それにしても草花は実に強い!弱い人間に過ぎない私も見習って「足腰の鍛錬」を目標に草花の手入れに努力して見ようかと思う。

衆院3補欠選挙の結果と今後の情勢

 衆議院の3補欠選挙は、自民党の全敗で幕を閉じたが、TV(特に朝日系)はしつこく解説番組を流している。

 しかし、腑に落ちないのは‟肝心”の自民党だ。次期総裁が気になるのは当然であっても、この事態に対する自覚のなさが“実に不思議”である。「だれも責任を取らない」と非難しているメディアもあったが、責任の取りようがないのではないか!

「裏金問題」でも、誰も責任は取らなかったのだから、至極当然だが、しかし、私が不思議に思うのは、責任問題よりも、事態に対する認識(判断力)の欠如だ。

「保守王国の島根」には首相以下の面々が入り込んで「かさ上げ?」を狙ったようだが、全く外れた。

 私にはこのような「状況認識に至る判断力」が欠落していて、「勝つと思い込んでいる様」が滑稽に見えるのである。

 

 世の中には「自画自賛」「思い込み」などという言葉があるが、私には「我田引水」「負けるはずがない」というような根拠の乏しい「思い上がり」が彼らに見えることである。ということは、口では言うが、普段から「国民の目線」で物事を見ていないのだから、「国民に寄り添う」などという言葉を使う彼らには虫唾が走る。

 彼ら「政治屋」には、与・野党を問わず彼らなりの仲間・社会があるのであって、一応「選挙」という民主的?手段を経ていることになっているが、民主的でもなんでもなく、彼ら独自の世界なのである。だから「投票率は半分以下」なのだ。

 もともと「補欠選挙」だから低いのは当然だとしても、今回はあまりにも低すぎる。つまり国民(有権者)は選挙(政治?)に無関心になっているのだ。それは今回の自民党の大チョンボに発した裏金問題であり、真面目に納税している者の目から見た当然の行動だったろう。

 なんで「人様の就職活動」に、貴重な時間を費やして投票所まで行く必要があるのだ!という事だろう。

 何度か書いたと思うが、こんな「好き者」のために貴重な時間を費やすことの無意味さを、有権者ははっきりと認識したのだ。

しかし元軍事に携わったものの目から見れば、このような事象に対してとる政治家らの「判断力」のなさに落胆を禁じ得ない。

 まるで「勝てないと分かっていながら戦端を開いた軍隊の指揮官そのものだ。尤も軍には「やむを得ない事情」が付きまとうから、全ての判断が事前に予測できるはずはない。

 しかし今回の補欠選挙は、ほとんどの有権者(選挙にかかわらない地方の住人を含めて)その意思はほぼ固まっていたことに気が付いていない。つまり彼ら(自民党関係者)には「自分に都合の良い情報」しか入らないらしい。自分で「フェイク情報」を信じているようなものだ。

 尤も彼らが過去の戦史に学ぶことはないだろうから知らないのだろうが、「選挙も戦」である。

 こんな指揮官(シビリアン)に指導されたのでは、勝てる戦にも勝てまい。兵士たちが「馬鹿な大将、敵より怖い」と昔から言ってきたようなものだ。

 マ、自分は「馬鹿じゃない」と思っている方ばかりだろうから、自分には適用しない、と思っているのだろうが。

 私は経済には疎いから、関係が分からないが、ひょっとすると、連日の為替の乱高下にもかかわっているのかしらん?(笑)

 だとすれば、こと軍事のみならず「経済面」でも、今の政治家は全く?役に立っていないということになる。

 昨日の新聞の見出しに「首相、衆院解散決断の時」とあったが、衆院補欠選挙ぐらいで解散して済むものじゃなかろうが、「有権者の関心(世論)は冷え切っているという証拠」だろう。

 天候気象を含めて、世界情勢は急変しつつある。一人わが国だけが新聞に「連休明け国会、野党攻勢」などと書かれているが、まっとうな後継者も見当たらない中、自信喪失政党と弱小野党が再び永田町でつまらない「談義にうつつを抜かす」としたら、この秋の世界の政治情勢の激変についていけないのじゃないか?

 皆さんは、国民の「生命と財産」を守る使命を負っているはずだから、せめて「己の財産と家族だけを守る政治」でないことに期待したい。

 

 

届いた書籍のご紹介

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Hanada 6月号

補欠選挙がらみでは冒頭の3本が興味深い。じみん党内の「安倍派」と「反安部派」の”政争”?であったこともうかがえる。末尾の「河野太郎」関連記事は興味深い。Yテューブなどではおなじみの内容だが、こういう連中のことを昔は「売国奴」と言った。ご一読あれ!

WILL 6月号

これも冒頭は「売国奴」のお話! 増税地獄‼も面白い。「働けど、働けど…」と昔は唄にあった。

コロナワクチンの記事は今頃か、という思いだが、しかし、公表されただけ、まともである。こんな連中が”ぼろい儲け”をしているのだから、国際陰謀説を信じたくなる!

WILLは毎号表紙のイラストが面白い!HANADAは写真だが写真より”味”がある・・・

この世の終わりか?

 今朝の産経抄に、良いことが書いてあった。

 特に秋田県で被害が大きい「クマと人間」の関係についてであるが、面白いのは20年ほど前の川柳で「熊が出た、熊からみれば、人が出た」だろう。

 当然のことながら万事「人間社会」が物事の前提にたって考えられている社会なのだから、全て人間が中心になるのはやむを得ないだろうが、他の動物から見ればこの通りだろう。「天下を取った人間」にはそう考える余裕さえあるまい。

 里山の荒廃を招いておいて「よく言うよ!」と熊は言いたいだろうが、この地球は、いつからか「人間中心」になっているのだから仕方あるまい。

 

 そう思ってTVを見ていたら、「京都の三年坂でサクラの木倒れる、下敷きの男性搬送」と報じられていた。今度は「クマ」ではなく、「桜の木」だ。 

 人間が住む街を「美化しよう」として、勝手気ままに造成した「祟り?」だろうか、   それで観光客は大いに喜んできたのは良いにしても、植えられた樹木にとっては「息苦しい毎日」だったのだろう。そしてついに力尽きたのである。

 誰でも知っていること?だが、枝ぶりのいい大きな樹木には、それにふさわしい「根」が必要なのだ。しかし人間の都合で土地が狭いから樹木に無理を強制して「不自由な生き方」にしてきた。

 

 私には地上派TVにはさしたるものがないので、よく外国系のものを見ているのだが、ナショナルジオグラフィック(通常ナショジオ)で動物ドクターの活躍がよく伝えられていて、感心している。

 例えば「ポール博士」や「女医・ミシェル」の活躍であり、各種の動物達と人間たちとのつながりである。もちろん「猛獣と人間」という関係ではなく、「家畜たちと酪農家たち」のかかわりなのだが、非常に考えさせられる。

 若いドクターたちと動物達との愛情がそこには感じられるからである。そして人間なのに「偉い!」と思わず声を出すこともある。

 産経抄にあるように、何時からこの世は「人間だけのもの」になったのだろうか?

 その上人間たちは「作っては壊し、壊しては金をかけて再び作る」を繰り返す。今のウクライナイスラエルの状況を見るがよい。

 これは「猛獣や動物たち」のせいではない。人間たちの行為なのだ。

 先日から、中国や中東で、豪雨が続いて大水害が起きているという。広西チワン地区では「この世の終わりか!」と住民たちが叫んでいたが、さもありなん、現場は地獄の様相だ。

 人間の人間たる存在について、機会をとらえて学習すべき時が来ているような気がしてならない。平和を掲げる?国際協力機関はどうしている?

 本当の「この世の終わり」になる前に、一度立ち止まって考えてみる必要があろう。

海自ヘリ墜落に哀悼の意を表する

「伊豆諸島の鳥島東方海上20日深夜に訓練中の海上自衛隊のSH60Kヘリコプター2機が墜落し、隊員1人が死亡、7人が行方不明となっている事故で、現場から回収した2機のフライトレコーダーを解析したところ、機体に異常があったことを示すデータは確認されなかった」とメディアは報じている。

 墜落の原因は不明だが、隊員7名はおそらく死亡していることだろう。おそらく深夜の訓練中に、編隊行動していたうちの2機が接触して墜落したものと思われるが、誠に残念なことである。

 私も以前松島基地司令時代に、所属している救難隊のV-107ヘリコプターに同乗して金華山沖の遥か洋上で「救出訓練」を視察したことがあったが、乗組員の練度は高く、意思疎通も敏速的確で、大いに感心したことを思い出す。

 

 暗黒の洋上を漂流しているもの(ディンギ=浮舟で代用)を、ある程度の高度から捜索して近づき、最後には洋上すれすれまで降下してサーチライトで捜索して、ディンギを見つけると救助隊員が、竿で引っ掛けて回収するのだが、救助員が機長にかける「ちょい右、ちょい左」という指示に合わせて機体を操縦するのは若い2等空尉だったが、実に見事だった。

 とにかく洋上には何の基点もないから、洋上で低空ホバリングするのは危険そのものであるので、事前に対象物を見つけると周囲に発煙筒を投下して、洋上に「輝点」を設置するのだが、驚いたことに金華山よりはるかに遠い洋上なのでもかかわらず、レジャーボートが集まってきて「燃える発煙筒」を持ち逃げするのだ。

 

 勿論予備の発煙筒を追加して投下するのだが、これは明らかに「訓練妨害行動」である。

 3点の輝点を参考にしてパイロットは機体を水平に保ちつつ洋上すれすれを移動するのだが、上空で回転する「回転翌」は一面に白く光った「天井」になっているから、奇妙な錯覚に陥りやすい。

 漸く一人(一体)を回収するのに30分ほどかかり、浮舟を回収すると態勢を整えて高度を取り基地に戻る。燃料にもさほど余裕はないのである。

 救難隊だから、浮舟を遭難者に見立てているのだが、聴くところによればこの浮舟を拾い持ち去ろうとしているのが、洋上で「訓練を妨害」している男らだという。

 勿論海産物の密漁が主なのだろうが、自衛隊機の訓練を見つけると集まってくるらしい。今ではこんなことはないと思うが、当時はこれが現実だった。

 

 今回は敵潜水艦が目標だから、それぞれがソナーを吊り下げて洋上でホバリングするのだから、さらに厳しかろう。

この図は‟昼間”である!夜はほとんど何も見えない!

 

国を守ることに賛同しない青年男女がはびこる中で、一心不乱に訓練をしているこのような青年たちもいることを、ぜひ識者や国民に知ってもらいたいと思う。

 

ご家族に心から哀悼の誠をささげたい。