「隣人祭り」で仲間をつくろう!

一条真也です。
わたしは、NIKKEI STYLE「一条真也の人生の修め方」というコラムを連載しています。第34回目となるコラムが本日アップされました。


「『隣人祭り』で仲間をつくろう!」



今回のタイトルは、「『隣人祭り』で仲間をつくろう!」です。
隣人祭り」をご存知ですか? 地域の高齢者を中心とした食事会です。 
6月は、欧米をはじめとする世界各国で「隣人祭り」が最も多く開催される時期です。日本では6月11日に大規模な「隣人祭り」が北九州市八幡西区にあるサンレーグランドホテルで開催され、わたしも同ホテルを訪れました。午前11時にスタートでし、会場には200人以上の人々が集まりました。



隣人祭り」は、今やヨーロッパを中心に世界30カ国以上、1000万人もの人々が参加するイベントです。その発祥の地はフランスで、パリ17区の助役アタナーズ・ペリファン氏が提唱者です。きっかけはパリのアパートで一人暮らしの女性が孤独死し、1カ月後に発見されたことでした。第1回目の「隣人祭り」は、悲劇の起こったアパートに住む青年が中庭でパーティーを開催し、多くの住民が参加し、語り合いました。最初の年は約1万人がフランス各地の「隣人祭り」に参加しましたが、2003年にはヨーロッパ全域に広がり、08年には約800万人が参加するまでに発展しました。



この年の5月にはついに日本にも上陸。4日間、東京の新宿御苑で開催され、200人以上が集まったそうです。その後、わたしが経営する冠婚葬祭互助会のサンレーでは10月15日に北九州市で開催された「隣人祭り」のサポートをさせていただきました。同ホテルの恒例行事である「秋の観月会」とタイアップして行われたのですが、これが九州では最初の「隣人祭り」となりました。現在では、毎年700回以上の「隣人祭り」を中心とした隣人交流イベントのお世話をさせていただいています。



隣人祭り」では、「いま」「ここに」居合わせた人が“となりびと”だという実感が強く湧いてきます。「いま」「ここに」居合わせるだけで、大いなる「縁」を感じることができるのです。そして、それこそが「無縁社会」を乗り越える第一歩となるはずです。「隣人祭り」が日本中で開かれれば、一人暮らしの高齢者にも仲間が増え、孤独死は激減するでしょう。




次回も、どうぞお楽しみに!



なお、第35回目のアップは7月5日(火)。タイトルは「豊かな人間関係こそ最高の宝物」です。米大リーグ・マーリンズイチロー外野手は、6月15日(日本時間16日)、サンディエゴで行われたパドレス戦で2安打をマークし、ピート・ローズが持つメジャー記録の4256安打を日米通算で上回りました。わたしは、偉業達成後の記者会見で彼が語った言葉にとても感銘を受けました。彼は、「アメリカに来て16年。これまでチームメイトとの間にしんどいことも多かったけど、今は最高のチームメイトに恵まれて感謝している」という発言でした。イチロー選手は、お金も名声もすべて手に入れてきました。夢もすべて実現してきました。しかし、彼が最も欲しかった宝物とは「最高の仲間」でした。次回は、そんな話を書きます。どうぞ、お楽しみに!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年6月21日 一条真也

プロフェッサー

一条真也です。
ブログ「青木新門氏にお会いしました」で紹介したように、『納棺夫日記』を書かれた青木新門氏にお会いして葬儀について意見交換させていただきましたが、20日も素晴らしい「葬儀のプロ」にお会いしました。
「プロ」とは「プロフェッショナル」ではなく、「プロフェッサー」の略です。


伊藤茂教授



伊藤茂という方で、中国にある「長沙民政学院」の遺体管理学の教授です。
東京都監察医務院に10年間勤務され、数多くの検案・行政解剖業務に従事。医療機関および研究所を経て東京都衛生局(健康福祉局)、東京都監察医務院勤務。警視庁・鉄道公安(現警視庁)・皇宮警察海上保安庁自衛隊警務部・法務省矯正施設管区内で発生した変死体および海外で死亡した変死体の検案業務および行政解剖業務に従事されました。


エンバーミングの第一人者です



その後、伊藤教授は国内各地のエンバーミング施設で困難遺体を主にエンバーミング処置を担当されました。政府機関、国内司法・行政機関等の要請による問題の多い20か国以上の外国人遺体に対してエンバーミングを行い、本国送還を担当する傍ら、海外で死亡した日本人遺体の修復や阪神淡路大震災および東日本大震災時の現地遺体処置責任者、スマトラ島沖地震日本人被災遺体の帰国に際しての遺体処置を担当されました。
まさに、「きわめびと」と呼ぶべき方であります。


守禮之邦の「おくりびと」と



さらに伊藤教授は、遺体処置に関する教育、講演、執筆活動を経て、科学的根拠に基づいた適切な遺体処置の研究を目的に「SLR遺体の科学研究所」を設立されました。2005年より、中国民政部(厚生省)系大学に招聘され、長沙民政職業技術学院殯葬学部教授(遺体管理学)、湖南省錫周国際防腐研究所副所長を兼務。中国民政部殯葬協会技術総監、中国政府資格(遺体処置・遺体国際搬送)担当、教務教授も務めておられます。


ご遺体の変化と管理―“死後の処置”に活かす

ご遺体の変化と管理―“死後の処置”に活かす

ご著書には『ご遺体の変化と管理』(照林社)、『遺体管理の知識と技術』(中央法規出版)などがあります。驚いたのは、伊藤教授のお父上は晩年を沖縄の石垣島で過ごされたそうで、お葬儀を八重山紫雲閣でお世話させていただいたそうです。そんな御縁があったとは初めて知りましたが、この世が有縁社会であることを再確認しました。


伊藤教授を囲んだ黒木・青木・市原トリオ



伊藤教授は、「遺体管理学」という公式HPをお持ちです。
サンレー紫雲閣グループの黒木昭一部長、青木博総支配人、市原泰人課長らが伊藤教授のHPを愛読しているとのことで、ご本人と対面して感激していました。わたしも、「プロフェッサー」という呼び名にふさわしい伊藤教授の知性、豊かな人間性に魅了されました。何よりも、遺体管理を通して「人間尊重」に努めておられる生き様に感銘を受けました。
日本に葬儀大学を設立するという高邁な志も抱いておられます。わたしも、出来る限りの協力をさせていただきたいです。


これからも、よろしくお願いいたします!



ブログ「葬祭責任者会議」で紹介したように、伊藤教授には20日夜の懇親会に参加していただき、大いに意見交換をさせていただきました。伊藤教授が日本の葬祭業界の内情に明るいことには驚きました。謎の人物の正体なども教えていただき、収穫は大きかったです。


遺体管理についてレクチャーする伊藤教授



また、21日の10時からは責任者会議で紫雲閣グループのメンバーを前に貴重なお話をしていただきました。みんな熱心に聴講し、「大変勉強になった」と感想を述べていました。おかげさまで有意義な時間となったようです。伊藤教授、これからも御指導よろしくお願いいたします。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年6月21日 一条真也