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2017-05-19

ぺんぺん草

ぺんぺん草も生えない、という言い方をするが、今日の趣味展はぺんぺん草くらいはあったかなという感じ。

いつもは欠かさずに朝イチに向かう趣味展だが、ここ数日の寝不足やら疲労やら?でくったくた、寝坊してしまい、朝イチに行けないならば意味ないやと起きだしてからゆっくりとして神保町に向かう。古書会館に到着したのは17時過ぎ。

まずは扶桑書房の棚をじっくり見て行く。既に棚の下の平置きスペースは無い。棚もスカスカが目立ってかなり売れたのだろうなあと思われた。それでも細かく見て行くと、ちょっとこれは欲しいかなというのと、もう3回くらい前から見かけているが、値下げしたようなのがあったりして、数冊抱える。それから会場全体を見て回って閉場時間。買ったのは以下。

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福地桜痴「浮世見物」明治27年2月24日初版口絵欠300円

田山花袋「草みち」(宝文館)大正15年5月10日初版凾欠400円

佐久間政一「表現派の芸術」(日本美術学院)大正11年9月20日再版裸500円

「浮世見物」はストーリーに載せながら、当時の金持ちやらあれこれの業界やらをめぐりつつ皮肉に批評するていのもので、興味深い。本来は水野年方の木版口絵が入っている。「草みち」は宝文館から出た短篇集だが、少女小説っぽい感じ。夢二装幀だと思う。

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徳田秋声講述「日本文章史」(松陽堂)大正14年11月20日3版裸300円

新潮社創立四十周年鏡像除幕式並に記念祝賀会の記」冊子(新潮社出版部)昭和11年12月15日400円

遠藤周作フランスの大学生」(早川書房昭和28年7月15日初版カバ帯500円

円地文子女形一代」(中央公論社)初版凾帯200円

フランスの大学生」が安いのは帯が背と裏表紙面が欠のため。新潮社の社長銅像除幕式の冊子はちょっと面白かった。社長の佐藤義亮の銅像って、今でも本館のロビーにあるアレであろうか。作家代表が徳田秋声で、中には徳田秋声の他に菊池寛やら当日のパーティーでのスピーチ活字化されて掲載されている。

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2017-04-22

桜も散った古書

先週は、散歩展には行けず本部会館でやっていたフリーダム展をチラと覗いただけ。しかもフリーダム展を知らずにぐろりや会と勘違いしており、思わず帳場の人に封筒を渡してしまったのであるが、あれは困っただろうな。

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関山和夫仏教と民間芸能」(白水叢書)カバ300円

佐藤弘夫神国日本」(ちくま新書)カバ200円

岡倉覚三「日本の目覚め」(岩波文庫)カバ100円

林富士馬編「伊東静雄詩集」(旺文社文庫)カバ献呈署名200円

三島由紀夫ラディゲの死」(新潮文庫)カバ帯改版初版200円

永井聖剛「自然主義レトリック」(双文社)カバ帯2700円

西田毅編「近代日本のアポリア」(晃洋書房)カバ300円

金曜と土曜とフリーダム展では文庫本を買い、田村書店では花袋の研究書を買い、そして帰りに古書モールに立ち寄ってまた文庫を。そして合間に東京堂に立ち寄り新刊書である橋本陽介「物語論」(講談社選書メチエ)を購入したのであった。

物語論 基礎と応用 (講談社選書メチエ)

物語論 基礎と応用 (講談社選書メチエ)

お次は、ネットオークション落札品が届く。

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大阪放送劇団関西実験劇場第4回公演プログラム700円

劇団青俳公演「快速船」プログラム半券付250円

大阪円形劇場・月光会公演プログラム350円

まずは演劇プログラム大阪放送劇団のやつは三島由紀夫の「燈台」上演が含まれている。かなり初期の大阪のもので珍しい。こういうものがポンと出るのが面白いが、三島由紀夫と書いていなければ表紙写真見ただけでは三島のだと気がつく人はいないだろうなあ。「快速船」は御存知安部公房戯曲で、これは初演のもの。大阪円形劇場・月光会は、大阪の劇団で、これは第13回公演として東京で堂本正樹作「甲賀三郎」と、木下順二の「夕鶴」を武智鉄二が脚色したものを上演した時のもの。1950年代の詩劇運動の流れの一環として、この辺の資料は興味を持って探索している。

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谷崎潤一郎「倚松庵随筆」(創元社)昭和7年4月15日初版凾付500円

横光利一「機械」(創元社)昭和10年3月15日初版カバ1460円

これらもネットオークション落札品。「倚松庵随筆」は凾欠しか持っていなかったのでようやく。そして横光の「機械」は後版だが、この後版こそ欲しかった。重版はカバーのロゴデザインが変わるのだが、それはまあよいとして、創元社の廉価版シリーズについてはそのうちキチンと書いて発表したい。

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これは「倚松庵随筆」。凾の木版刷り、本体表紙のエンボス的な加工、見返しの松葉の木版刷り、本文子持ち罫に欄外に注記というレイアウトなどなど。最近、和物装幀とでもいうべき装幀古書が軒並み人気凋落木版画の入ってないものは安くなっているが、この本などは細部に凝りに懲りまくっている。当時新興出版社であった創元社が谷崎の本を出したいと、まず出したのがこの本で、これで及第した創元社は後に「春琴抄」を出版することとなる。

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ところで、現在、東京古書会館2階で開催中の「寺山修司中城ふみ子中井英夫〜現代短歌の起点」展にも立ち寄ってきた。4月18日〜5月1日まで。基本的にこの三者の肉筆資料ほかの展示だが、「短歌」編集長であった中井がメインといってもよいのだろうか。一緒に「虚無への供物」出版記念会時の芳名帳も展示してあったが、三島由紀夫塚本邦雄の名前が無く、当時記名しなかったのかなどと思ったことであった。寺山修司ネフローゼで入院中に中井英夫へ送った手紙の「兄貴」という呼びかけなど、ここら辺も興味深い。

そういえば、木曜日深夜に帰宅してみると扶桑書房目録が届いていた。今回はこれはというブツが正にお安くゾロゾロ出ていたが、すべて手遅れであった。

2017-04-09

まど展

金曜日、まど展初日。いつもならば朝イチに列ぶのであるが、夜に予定があったりして殆ど寝ずに寝不足な感じでいくと体力的にもきつそうだということで、朝イチは諦めゆっくり寝て、午後2時過ぎに会場へ行ってみた。

それでもやっぱり窓展は面白い。あきつ書店というよりも、いま窓展で面白いのは(あきまでワタクシの収集範囲でのことだが)、かわほり堂、みはる書店、けやき書店、魚山堂書店がそれぞれ伯仲するような感じである。とりわけかわほり堂は、今回の棚の半分は目録掲載品などそれなりのものを列べていたが、あと半分というのが、コンディションがあまりよろしくないようなものがザッと列べてあって、これがまあ掘り出し天国的に面白いし安い棚、ワタクシが行った時は既にスカスカの箇所もあって、相当売れたのかとも思われた。で、今回はそんなかわほり堂の棚で買ったものがメイン。

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鈴木三重吉「櫛」(三重吉全作集10)大正5年3月20日凾欠毛筆署名入300円

室生犀星「蒼白き巣窟」(新潮社)大正10年1月25日3版凾欠800円

谷崎潤一郎「私」(全国書房)昭和22年5月25日凾500円

高橋俊夫「永井荷風四畳半襖の下張」惣ざらえ」(大空社)凾500円

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「国民之友」第1集(明治20年11月)

催眠術明治37年4月第3号300円

「大衆文学研究」昭和42年1月400円

岡本綺堂「三浦老人昔話」(春陽堂日本小説文庫)昭和7年5月15日初版100円

今回は、なんといっても「青白き巣窟」重版凾欠を安く入手できたのが嬉しい。冬樹社から出ている伏せ字埋め版で存在を知って当時のものが欲しかったのである。しかし伏せ字になっていることもあり、初版のみかと思ったが3版も出ていたのだな。雑誌「催眠術」はなにやらあやしげだが、大学館が発行所であるならまあ不思議では無いか。「大衆文学研究」は「挿絵史の問題点」特集。

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先日おこなわれた「黛敏郎メモリアルコンサート」@豊洲文化センターに行って来た。というのは、三島が作詞で黛が作曲した「理髪師の衒学的欲望フットボールの食慾の相関関係世界初演があるからである。初出誌面には楽譜も掲載されているのだが、これがちょっと特殊な当時のもので、具体的はどういう音楽になっているかなど、「再現的演奏」でよくわかった。演奏といってもシンセ1台?のようなBGMのような音楽であった。

2017-03-28

名古屋で古書を買う

土曜の深夜に高速バスで出発し、名古屋に行って来た。25日の日曜日に当地で開催された「谷崎潤一郎研究会」が今回を最後に終わるというので、普段は関東以外は腰が重いのだが今回はと参加したのである。でまあ日曜日にそれは終わって、日曜深夜の高速バスとんぼ返りも出来たのだが、せっかく名古屋まで足を伸ばしたのだしということもあって、帰りは月曜夕方の便にして月曜昼間は古書店をまわることにしたのであった。名古屋は小学校低学年くらいの時に家族旅行で名古屋城に行ったくらいで、まあ初めてといってしまってもいい。

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知人の名古屋出身の人に、名古屋はそこかしこに変なメニューの喫茶店があるわけではないことや、皆が皆みゃーみゃー言ってるわけではないと聞いていたが、普通に大都会である。名古屋と言えばCBC古本屋くらいに思っていたのだが、他の名古屋の方に聞いてみるとイマジンスペース真理がなくなってしまい面白くなくなった由。それでも大学堂もあるしということで、月曜日、まずは鶴舞駅を降りて山星書店、大学堂書店に行く。

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大学堂、むかし日本の古本屋経由で何度か古書を買ったことがあるくらいであるが、店内も広いし値付けも全体的に安めで良かった。思わず4冊購入。それが下記。

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土方巽「病める舞姫」(白水社)初版凾1000円

東雅夫編「芥川龍之介妖怪文学館」(学研M文庫)カバ帯400円

大塚英介「右翼青年は何を考えるか」(エール出版社)初カバ400円

前田哲男自衛隊の歴史」(ちくま学芸文庫)カバ250円

「病める舞姫」は白水uブックス版を所持しているが、元版と中身が異なると聞いていたので元版も持っておきたかった。吉岡実のこの装幀造本もいい。

山星書店、大学堂書店のあとは、そのまま道をまっすぐ上前津まで、飯島書店、つたや書店は閉まっていたが、海星堂書店、三松堂などをまわる。

朝、JR名古屋駅ホームの立ち食いできしめんを食べてきたが、快晴だのに風が強くて寒いうえに買った本で荷物も重く、腹も減ったのでこれで名古屋古本屋めぐりはお開き。スガキヤラーメン食べて、帰途に就いたのであった。

写真に一緒に写っている

宇野浩二「文芸夜話」(金星堂)大正11年6月15日初版凾欠500円

は、ネットオークション落札したもの。今日届いた。