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2017-08-18

「三島由紀夫を語る」に出演します

下記イベントに出演することになりました。2月にラジオでご一緒させていただきましたハコちゃんこと岩下尚史さんと三島由紀夫についてトークいたします。よろしければ是非お運び下さい。

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TBSラジオpresents 三島由紀夫を語る〜私たちの告白〜

【日時】9/3(日) open 17:00/start 18:00

【場所】eplus LIVING ROOM CAFE&DINING(渋谷区道玄坂2-29-5 渋谷プライム5F)

【出演】岩下尚史、山中剛史、小島英人

【チケット一般発売】

e+(イープラス) 8/2(火)10:00〜全席指定 ¥3,800(税込、飲食代別途)

チケットはこちらから!

※未就学児童入場不可

※お席は相席となる場合がございます

※別途1FOOD、1DRINKのオーダー必須

2017-08-11

夏の窓展

窓展初日。曇り、予報では今日は雨。お盆前の暑い盛りではあるのだが、ムシムシしているくらいでそこまで暑くないような感じもある。今日は山の日で祝日。山の日なんて祝日そもそもあったかしら。海の日は知っているけれども、いつのまにやらそれに合わせて制定されたのであろう。しかし祝日であったので電車も混んでおらず。9時40分前くらいに古書会館に到着してみるとちょうど入口のガラス自動ドアのところまで列んでいた。

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荷物はまだ預かっておらず階下入口のだまりに人を入れていないとのことで、これ荷物預けだまり解放したらそれほどでもないのではないか、祝日だから混むかと思っていたのだがそこまでではないかなあという感じであった。ちょうど荷物を預けたら、だまりの最後尾あたり。5分くらい早めに開場。

あきつ書店、みはる書房、けやき書店、かわほり堂を見て行く。しかし今回特筆すべきはやはりかわほり堂であろう。前にもあったが、今回はまた久々のフィーバー状態で、凾欠だったりちょっと痛んでいるものが300〜500円くらいでドッサリと出ていた。例えば谷崎の「鮫人」は凾付並本が5冊くらい列んでいたし、荷風吾妻橋」あたりも同様であった。あれこれと漁りながら、古書仲間と行き交うとああでもないこうでもないしゃべりながら本を抜き出し吟味するのが、楽しい。

しかし窓展は、買い物カゴがないのが玉に瑕でドサリと抱えて見て回るのはなかなか大変であった。古書仲間と昼食に抜けて、お茶して一服、14時くらいい再度リバース分などあるか見て回り、15時前には会計したか。注文していた芥川龍之介羅生門再版凾欠9000円が外れたこともあって、かなり買ってしまう。購入したのは以下の通り。

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与謝野鉄幹「鉄幹子」(矢島誠進堂書店)明治34年3月15日初版挿絵欠500円

徳冨蘆花不如帰」(民友社)明治38年10月25日60版300円

谷崎潤一郎「アヹ・マリア」(新潮社)大正12年3月15日初800円

泉鏡花「通夜物語」(春陽堂)大正13年10発25日改版30版凾500円

「鉄幹子」は付箋があちこちにあって、つまり挿入されている挿画が全て切り取られているという印であった。まあ絵自体は国会のデジタルで見られるしこの安さなのだからと買ったもの。「不如帰」も2冊持っているが、これは所持本よりコンディションが良いため。

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坪内逍遙「役の行者」(玄文社)大正6年5月5日初凾欠300円

宙外・抱月・青々園「風雲集」(春陽堂明治33年4月28日500円

散文・詩集「噫東京」(交蘭社)大正12年12月12日5版落丁1000円

「風雲集」は今まで背革でなはく紙装の(改装なのか不明)しか持っていなかったので、革の状態の良いこれが500円は喜んで抱えた。「役の行者」(えんのぎょうじゃ)は、これも安く欲しかったもので、本来は凾が付いている。この表紙絵や題字など装幀をやったのは誰だろう。中の舞台図なども同じ人と思う(追記:ツイッタで鈴木三重三であると教えて頂きました)。「続日本紀」を題材にした作品だが。日本古代のものとオリエンタルなものとが混ざったような独特な世界を指し示しているような装幀。「噫東京」は、竹久夢二蕗谷虹児らの口絵も入り、吉屋信子らの詩やエッセイなどが収録されている関東大震災の鎮魂本ともいうべきもの。これも状態がよく安いが、残念なことに中身のごく一部に落丁。まあだから安いのだが。

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谷崎潤一郎「潤一郎喜劇集」(春秋社)大正15年9月15日初版凾500円

秦豊吉「独逸文芸生活」(聚英閣)昭和3年1月15日初版凾400円

「潤一郎喜劇集」は、持っていなかったので嬉しい。春秋社のものだが、凾装幀改造社の「痴人の愛」にそっくり。装幀者が同じなのか模倣なのか。

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前田晁明治大正の文学人」(砂子屋書房)昭和17年4月15日凾500円

柳瀬正夢画集」(真理社)昭和23年10月30日900円

「文章世界」鴻雁号現代文章之研究(明治44年10月)口絵欠500円

明治大正の文学人」は知らなかった本だが、「文章世界」編集のことやら花袋のことやらなかなか興味深い回想が入っていて面白そうである。「柳瀬正夢画集」は、以前元版を持っていたが売却してしまったので、まあ仙花紙の後版だがと。

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吉野作造「閑談の閑談」(書物展望社)昭和8年6月20日限定260部記番凾欠500円

室生犀星「蜜のあはれ」(新潮社昭和34年10月5日初凾300円

「閑談の閑談」は、背角革装、天金、限定260部の特装版。平は仙台平を使っている。文学エッセイも収録されており、これで500円ならば持っておきたい造本だと購入。

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越智治雄近代文学成立期の研究」(岩波書店)凾美200円

鈴村和成「テロ文学史」(太田出版)カバ帯500円

三田文学」(昭和36年1月)100円

平山蘆江「蘆江怪談集」(ウェッジ文庫)カバ帯200円

湯浅泰雄「日本人の宗教意識」(講談社学術文庫)カバ400円

バルザック「ゴプセック/毬打つ猫の店」(岩波文庫)カバ200円

越智治雄は200円なら。ウェッジ文庫はそろそろ見かけなくなってきたので確保。

いやしかし、買いも買ったりだ。帰り、トートバッグが重くて仕方が無い。

実は昨日、東急渋谷店の古本市初日で、夕方向かって見てきたのであるが、わざわざそのためだけに渋谷に行ったのにただの一冊も買うものがなく、些か購買欲がたまっていたというのもある。買うものはなかったけれども、今年も中村書店の棚はすごくて、「孔雀船」やら「黒衣聖母」2冊やら鏡花からなにから、数万円の本がゾロゾロ普通に棚にあって、あんな高価なものを棚に刺して万引きとかされたらえらい損ではないかとかいらぬ心配をしたり。

ここのところ貧乏暇無しで、これという買い物もしていなかったが、といってもちょっと買いすぎでまずかったかなとも思う。

そういえば、今回の窓展、帳場で会計して包んで貰った紙袋が、1985年のものであった。32年前のデッドストックというわけだ。

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2017-07-22

梅雨明け趣味展

もうとっくに梅雨あけているだろうという陽気続きのなかで、ようよう梅雨明け宣言がなされて本日、趣味展である。案の定ドロドロの寝不足で、しかもうっかり電車内でウトウトして寝過ごしてしまい、古書会館には9時50分の到着。既に列は古書会館入口のガラスドアのところまで伸びていた。しかも後から続続と来る。今日はどうもいつもの趣味展よりも混んでいるという話であった。

で、開場。一番奥の扶桑書房の棚へ行く。今日は扶桑さんの話によると引き取った文学堂在庫のラストであるそうで、雑誌がメインだが全部放出とのこと。確かに雑誌がすごい。「志がらみ草紙」やら「めさまし草」「都の花」「国民之友」「早稲田文学」あたりの創刊号からの合本が千円〜2千円くらいでゴロゴロ、しかも複数ある。うわあこれはと幾つか抱えたものの、懐具合と置き場所を考えてそれらは戻してしまった。「スバル」の初期の号とか1冊くらい参考用に買えば良かったか。単行本もちょろちょろとあったが、戻してしまった。注文品が当たったというのである。一気に金欠。ということで、注文品含めて以下を購入。

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後藤末雄訳「古都情話」(春陽堂:現代文芸叢書34)大正3年2月18日初版1000円

志水松太郎「売れて行く本の話」(峯文荘)昭和11年9月20日カバ400円

正力松太郎「悪戦苦闘」(早川書房昭和27年11月10日初版帯200円

「大衆文学研究」(1967.1)特集・挿絵史の問題点200円

谷崎潤一郎アルバム」(角川書店)300円

川合澄男「新聞小説の周辺で」(学芸通信社)カバ帯300円

藤原マキ「私の絵日記」(学研M文庫)カバ帯200円

泉鏡花集成2」(ちくま文庫)カバ200円

泉鏡花集成3」(ちくま文庫)カバ200円

四季」昭和10年7月号800円

鬱金帳」4号6500円

古都情話」はいつかはと思っていたが、まあ今回いってみるかと。ズラリと現代文芸叢書が列んでいたので。「売れて行く本の話」は、著者の前著「出版事業とその仕事の仕方」の姉妹篇ということだが、実際読んでみるとその前著をどうやって、どんな手順で刊行したかを細かく追ったドキュメントのような本。当時の煩瑣な手続きやら広告の出稿やらが具体的に記されていて興味深い。いつもであれば夕方のリバースも狙うのであるが、今日は午後用事があって13時過ぎに退散。

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中尾達郎「すい・つう・いき」(三弥井書店)カバ200円のみ、会場を離れた後田村の外ワゴンで買った物で、あとは今秋新刊書店で購入したものである。

漱石全集物語 (岩波現代文庫)

漱石全集物語 (岩波現代文庫)

夏子の冒険 (角川文庫)

夏子の冒険 (角川文庫)

「夏子の冒険」はフェア限定カバーなので。それから轟氏の入門は期待していた一冊。早速読み込む。

2017-07-14

梅雨まだ明けぬ我楽多展

金曜日である。しかし暑いなあとダラダラしていたら、家を出るのが遅くなってしまい、駅まで行ってみると、今から赴こうとしていた五反田遊古会古書展は閉場に間に合わなさそうであった。では行き先変更と、本部古書会館の我楽多展に目的変更。17時半には新御茶ノ水に着くかと向かう。

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17時40分頃、古書会館に到着。我楽多展ってどんなんだったか…実はほとんど期待していなかった。五反田ならば何か面白い拾いものがあるだろうけれども、我楽多展ではなあといった具合。が、そんなことはなかった。というか、ワタクシが無知なだけであったが、おどりば文庫やけやき書店なんかも参加していたのかと後から気がつき。しかしまあそれでも金欠時ではあり、厳選して雑誌を3冊のみ。

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「文芸倶楽部」第9編(明治28年9月20日発行)口絵欠500円

「性」(大正10年10月)300円

月刊文章編輯部編「明治文学」500円

しかし「文芸倶楽部」は嬉しい。樋口一葉にごりえ」の初出。口絵欠だがコンディションもよく、この値段ならば大満足である。「明治文学」は今で言えばムックみたいなものか。「性」は安かったので参考資料にと買ってみたものだが、表紙下部になにやら蔵書票が貼付してある。「……禁書/……蔵」と部分的にはわかる。なんと書いてあるのかわからなかったが、後からネットで詳しい人に聞いてみると、「是風禁書/長尾桃郎蔵」となるであろうことが判明。

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長尾桃郎……ということは、おそらく大阪府立大学に入っている「長尾文庫」と同一のコレクションなのであろう。左翼労働運動関係が大学に、その他のジャンルのものは市場に出たのかどうか。ともあれそのなかの発禁本コレクションの一冊らしいのである。ということは、この「性」4巻4号変態性欲号は、発禁雑誌だということになる。最初“桃郎”という名前からすっかり大倉桃郎と取り違え、「琵琶歌」の作者は後年コレクターになったのかしらんと訝しんだことであった。

(追記7月15日)長尾桃郎の発禁本コレクションは売却され、「浪速書林目録」10号(1980)発禁本特集のベースになったという、この「性」もその目録に掲載されている由。

ついでにいえば、上記の「文芸倶楽部」、古書会館を出て一通り古書店を見てからさて一服と入った喫茶店でパラパラ見ていたら、短歌の投稿欄に鳳晶子(与謝野晶子)の投稿を見つけた。

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前の所有者も知っていたのであろう、赤鉛筆でチェックが入っている。

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最近この他に買った古書など。

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太田静子「斜陽日記」(石狩書房)昭和23年10月15日初1000円

稲垣足穂「僕の“ユリーカ”」(南北社)昭和43年6月25日初凾背焼帯欠500円

斜陽日記」はネットオークションで思わず入札してしまったもの。状態がよい。足穂のは、マケプレで安かったので。これは単行本で欲しかった。装幀は山本美智代、意匠高橋睦郎。それから以下のは新刊購入。

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柏倉康夫訳「新訳ステファヌ・マラルメ詩集」(私家版)限定100部記番

ここで注文して購入した。頒価2000円。先に雑誌発表したものを電子書籍として発売し、そしてこの和紙刷私家版をという流れのようである。