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漁書日誌ver.β このページをアンテナに追加

2018-08-03

ギャップの我楽多展

所用を済ませて、16時過ぎくらいに古書会館到着。本日は我楽多展初日。注文品は無し。外は炎暑。名古屋では観測史上初の40度越えだという。東京はといえば、多少曇っていたのもあり、刺さるような日差しはなかったし、うっすらと風もあり。それでもゆうに30度は超えていたと思う。

これといったものもなく、いや金欠なので無くてよいのだが、しかしそれでも数点ピックアップして購入。

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須山計一「漫画100年」(鱒書房昭和31年4月25日初版カバ破300円

高見沢たか子「金箔の港」(筑摩書房)カバ帯300円

「八月十五夜の茶屋」パンフ200円

「狂つた一頁/十字路」岩波ホールパンフ200円

須山計一のは前に「日本漫画100年」という似たようなのを買ったが、当時欲しかった記事ドンピシャのがこちらの本に出ていた。今更だが。「金箔の港」は池長孟の伝記で、前々からケチケチ安く探していたもの。

以下は、昨日意を決して今夏読もうと渋谷ジュンク堂で定価新品購入した本。この3冊で約9000円。高い。高いがゆえに読まなければ元が取れない、というケチ根性に訴えてでも勉強しないと。ホントはインスタグラム写真論も欲しかったが、それは次回。古書ならばバンバン出すくせに、新刊本となるととんとケチになるのはビョーキかもしれない。

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写真の理論

写真の理論

最後の清水文雄のやつはマケプレで買ったもので、1000円。昨年の青展で笠間のワゴンですでに1500円で出ていたというが、今年の夏前くらいからそのくらいの値段で古書店で見かけるようになり、マケプレではようやく1000円に。ゾッキ的に古本屋へ流れたのかしら。

2018-07-29

煙草の造本

ちょっと面白い造本の本を地元の古本屋で見つけて買ったので、短いけれども投稿。

今日ちょっと地元繁華街にでたついでにいつもの古本屋をチラと覗いていってみると、ちょっと変わった本がある。安かったので買ってみたもの。

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中島河太郎編「ポケット・ミステリィ」(光書房)昭和34年7月25日初カバ帯500円

竹下彦一「萩香集」(自家版)昭和16年4月5日非売品限定100部記番500円

前者はともかく、後者の歌集。これ、なんてことないような豆本だが、表紙は布装の上製本で、表紙と見返しを覗いた本文がすべて煙草のピースの空き箱を伸ばして使用されているというもの。ある種の下手物装ともいえるかもしれない。

冒頭には「ピース」のパッケージが、そして本文は表裏白の(つまり筒型のパッケージに収まっている部分)ところが、上下切除され正方形の形になっており、表面のみ1首ずつ印刷されている。中には挿絵も入っており、なかなか凝ったつくり。

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ちょっと検索してみれば、昭和2年に「朝鮮愛慕詩集」というのを出しており、戦後も詩集や句集、民謡集やらあれこれと出している。豆本もチラホラあることから、装幀に一言ある趣味的なものであったのだろう。いままで斉藤昌三あたりの下手物装とか変わった装幀については知っているつもりであったが、全頁が煙草の内箱っていうのは初めて手にしたものであった。

2018-07-27

台風前の五反田

五反田遊古会、初日。本当は和洋会の方にとも思っていたのだが、ダラダラと家を出たせいで間に合わず。注文品が当たっていたので五反田優先で。

今日もあいかわらず雑本が多くて個人的には気に入っている。ガレージで戦前の筋書きなどを明後日から2階へ。ザーッと見て行く。月の輪さんで前回の趣味展の残りが出ており、あの時にいいやと諦めた戦後新劇パンフなど一時抱えたがやはり戻したり。集めている三島由紀夫の本で、新潮文庫の初版帯付きがダブり含めてズラズラあったので買ってみたり。注文した水上滝太郎「果樹」初版凾2000円はハズレ、「感情装飾」のみ当たり。

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川端康成「感情装飾」(金星堂)大正15年6月15日初版凾付5000円

アダムズ・シドニー編「アメリカの実験映画」(フィルムアート社)初カバ欠200円

意外なみっけものは、「アメリカの実験映画」。どうってことない本なのだが、1960年代の実験映画の基本文献でこれがなかなかない。カバ欠だがこれはお買い得。この辺の文献って、あとはレナンの「アンダーグラウンド映画」くらいで、ろくろくアンガー論すらないよなあ。「感情装飾」は、本文の1ページに破り取った箇所がありこの値段。といっても、初版裸を持っているので差し替えできる。装幀は吉田謙吉。

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「論争ジャーナル」昭和44年10月号、200円

三島由紀夫初版文庫、各200円

「論争ジャーナル」は週刊誌みたいな判型のは数冊持っているのだが、この判型のは初めて見た。それから三島文庫。文庫本の初版まで集めるようなコレクターは数が少ないと思うのだが、以外と穴で、例えば集英社文庫版「命売ります」初版刊行日に実は2種あるとか気がついている人は少なかろう。

帰宅して見たら、三島の文庫は全部既に初版を持っていた。「夜会服」の帯くらいか。そして「アメリカの実験映画」、日本の古本屋検索したらけっこうあった。前は全く出てこずあるとしても神保町の演劇映画専門店で1万超していたのである。

2018-07-20

炎暑の趣味展

趣味展である。

このところ毎日30度越え、炎暑の日々が続く。古書会館に到着したのは9時40分頃だが、既に人影がない。暑さのため早めに古書会館をあけて会場入口まで開放したのであろう。そして開場。まずは扶桑棚へ向かう。いつものように人がごった返している。どうも今日は雑誌が多いような印象。単行本でそこまでという感じではなかった。普通の棚に比べればそんなことはないのだろうが。会場全体を回ってきてから見ると、既に売れてしまって空いているところに改造社の円本の上製凾付がズラリと補充され200円で列んでいたので、谷崎の巻のみ確保。月の輪さんのところで細かく細かく見て行くと、戦後のあれこれの演劇パンフなんかがバカ安であって、ここでもあれこれと漁る。会場はギンギンに冷房が効いている。13時過ぎ、外に出て一服してから、古書仲間と昼食へ。その後お茶。

17時過ぎに再度会場に戻ってまたあれこれと見て回り、お会計。

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江見水蔭「二人女王」(青木嵩山堂)明治39年1月1日初版口絵欠美1200円

尾崎紅葉「十千万堂日録」(左久良書房)明治41年10月25日初版300円

現代日本文学全集「谷崎潤一郎集」(改造社昭和2年2月13日上製凾200円

岡野他家夫明治文人」(雪華社)昭和38年11月10日初版凾400円

現代日本文学全集は、カバー装の並製本ならば所持していたのだが、こちらの上製本でコンディションがいいものというとなかなか見かけず、今回ようやくといったところ。現代日本文学全集の上製本はたまに見かけるのだが、これが明治大正文学全集の背革装本になるとあんまり見かけなくなる。水蔭のは口絵欠といえども、コンディション上々で良い。

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佐藤春夫芸術家の喜び」(金星堂)大正11年3月15日初版500円

百目鬼恭三郎新潮社八十年小史」(新潮社昭和51年10月20日非売品200円

創刊準備号「木香往来」(書誌ひやね)昭和63年10月20日200円

大江健三郎「みずから我が涙をぬぐいたまう日」(講談社文庫重版カバ毛筆署名800円

百目鬼はたしか「新潮社八十年」の編著者。新潮社の社史は「五十年」「百年」と確か編者が違ったと思う。後者は所持しているが、これは簡単な新潮社社史として目を通したい。「木香往来」は知らなかったが、ひやねが出していたマニヤ向け書物雑誌。少なくとも3号までは出ているようだ。秋朱之介「書物遊記」案内が挟み込まれている。大江はちょっとミーハー趣味で。扶桑棚なら信用できる品物だろう。いまヤフオクで粗製乱造された偽戦後署名本が古書店流入して問題になっているのは聞いている。

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葛西善蔵小説集」1〜6(改造文庫)初版各200円、2巻だけ300円

葛西善蔵感想集」(改造文庫)初版200円

背はちょっと焼けているがまあまあのコンディション。「葛西善蔵小説集」は昭和9年9月から11月までの間の刊行で、全6巻。「感想集」含めてまあ揃いで1500円ならと買ってしまう。

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集めている雑誌「映画評論」6冊と、三島原作シナリオ掲載の「シナリオ」、各200円。「映画評論」は1965年から75年の10年間分をポチポチ集めているが、大分埋まってきた。

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劇団浪曼劇場台本「わが町」和久田誠男旧蔵書き込み200円

これは見つけもの。三島のいた浪曼劇場については、三島作品の上演履歴はハッキリしているけれども、俳優養成所の研究公演まで含めた年表は、数年前に私が「三島由紀夫研究」に出したもの以外はないようで(それすら不完全)、ワイルダーの「わが町」を研究生公演として三島生前にやっていたことは知っていたが、今回のは公演リーフレットが挟まれていて三島没後にも上演されていたことが判明した。和久田さんは演出を担当。かつて直接いろいろ詳しいことを教えていただいたこともあったが、今となって謎も出てくる。

和久田さんは劇団退団後に天誠書林を経営、五反田遊古会に参加されていて、まだわたしが院生であった頃にたまたま目録で堂本正樹先生の「僕の新作能」に続く2番目の自費出版本「能・歌舞伎・僕達の芸術」を注文して受け取りの際にあれこれと話したことをきっかけに毎回いろいろお話をする機会を得、三島全集には「わが友ヒットラー」の台本読みテープを提供していただいたほか、「三島由紀夫研究」の座談会に出ていただいたり、とてもよくしていただいた。亡くなられてもう5〜6年経過したろうか。馬込の店舗には実は一度しかうかがったことがないが、店内中央にドーンと浪曼劇場三島追悼公演「サロメ」のポスターが飾ってあったのが印象深い。

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ミュージカル「聖スブやん」和久田誠男/いずみ・たく使用台本2冊、各200円

両方とも夥しい書き込みと、台本の削除、加筆、挟み込みのあるもの。「聖スブやん」は、野坂昭如エロ事師たち」のミュージカル化。藤田敏雄脚本、松浦竹夫演出、いずみ・たく音楽で、西村晃塩沢とき中山仁ほか出演。松浦演出の中でも出色の出来映えだったと当時の関係者から聞いたことがある。場にいらした月の輪さんにうかがうと和久田さん旧蔵資料との由。小説のアダプテーション資料として今度じっくり読んでみたい。


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徳田秋声「出産」(左久良書房)明治42年4月13日初版2500円

これは先週扶桑事務所で購入したもの。値札には口絵欠とあり、別刷の短冊形挿絵は欠落していたのだが、購入後にパラパラ見ていたらなんと本文に挟まっていた。お得な買い物だった。

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本日からはじまったカラサキ・アユミさんの「古本乙女の日々是これくしょん展」。古書会館の2階の会場に、自らのコレクションがズラリ。SNS上ではやり取りしたことがあったが、今回初めて直接うかがってご挨拶。カストリ、エロ雑誌がメインだが、スーパーのチラシから産婦人科医が毎回商売女性とどんなラーゲを繰り広げたかをドイツ語で綴った日記など珍品揃いであった。8月4日まで。