【文徒】2016年(平成28)6月22日(第4巻115号・通巻802号)

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1)【記事】書店閉店が止まらない
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.6.22.Shuppanjin

1)【記事】書店閉店が止まらない

宮崎市の見聞読タナカ吉村店が6月19日をもって閉店。
「今更更新しますが大体のお客様は分かってると思いますが当店は6月19日に閉店させて頂きます。今までお店に足を運んでくれたお客様に感謝の気持ちでいっぱいです。もう少し皆と一緒にカードとかお話したいなーと思ってます。後悔しかありません」
https://twitter.com/A9eONW7YEVV5dT6/status/742720600817336320
https://www.instagram.com/p/BGjH_s7q21s/?taken-by=obrigado
新潟市の古町本間書店が6月16日をもって閉店。
https://www.instagram.com/p/BGobqPvw9L_/?taken-by=furumachi11
光進堂書店玉川上水店が7月5日をもって閉店。閉店後も外商・教科書はつづけるという。
「閉店については、突然決めました。5月の連休明けから検討を始めました。
かなり突然ですよね。理由はポスターにも書きましたが、売上と経費のバランスが崩れてきたからです。競合店とかというより、地理的な部分が大きいと思います。つまり、駐車場がない。コインパーキングすら近くにない。ロータリーにうっかり駐車しようものなら、取り締まりの人がすぐに飛んでくる。最近は駐輪すら取り締まるようになり、お客様に『来るな!』と言っているようなものです。
あとは、やはりスマホの影響は大きいですね。安い・無料なものに流れるのは仕方ないことだと思います」
http://ameblo.jp/taketin1969/entry-12171388987.html
http://ameblo.jp/taketin1969/entry-12170889252.html
くまざわ書店八王子東急スクエア店が6月25日をもって閉店。
https://twitter.com/lr0mmKojyIR5WxI/status/743062383879290880
末広堂書店が6月30日をもって閉店。
「西新宿にある末広堂書店が今月末で閉店という悲しいニュース。
以前の職場の近くだったんで、よく使ってたなぁ。
あと、試し読みできる漫画のチョイスが渋くて、思いがけない隠れた名作品と出会ったりして思い出深い場所でした」
https://twitter.com/n_0_W_0_t/status/743421033546342400
名古屋のトキワ園書店 栄 森の地下街店が6月24日をもって閉店。
「栄地下のトキワ園書店さんが、24日で閉店するそうな。
リアル店舗で私が本買う場合のTOP3に入ってた本屋さんなので、少し寂しいな。
感謝も込めて、1冊購入。」
https://twitter.com/mochi497/status/744446659950743552
雪が谷大塚の三州堂書店本店が6月30日をもって閉店する。7月8日に、フォークシンガーの保利太一を迎えてのライブイベント「ありがとう!三州堂書店 本店」が開催される。
「昭和20年に古本屋として創業し、70年以上雪が谷大塚の東急ストア横にて営業を続けてきた新刊書店『三州堂書店 本店』が、6月30日で閉店することになりました。
個人的なことになりますが、思えば、『街の手帖』を創刊した時、本を販売してもらうためにはじめて営業に行ったのがここ『三州堂書店 本店』でした。アポイントもなく突然訪ねて行ったぼくの話を聞いてくれて、販売してくださることを即断いただいた思い出いっぱいの書店です」
http://cotonoha-jp.com/cms/news/214
小樽市花園の工藤書店が6月30日をもって閉店。創業は明治36年だ。
「町の本屋を見つけたら、必ず本を買うという自分ルールを課してから初の小樽だったので、楽しみにしていたのですが、まさかの閉店・・・100年以上の老舗なので、ここは大丈夫だと思ってたんだけどなぁ・・・」
https://twitter.com/konbusakelove/status/741777226534785024

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2)【本日の一行情報】

J-WAVEの番組「SEASONS」は6月18日のオンエアで、駒沢公園の近くの書店「SNOW SHOVELING BOOKS & GALLERY」 を紹介した。「文徒」では以前に紹介したことがあるが、ここは新刊も古本も売る書店だ。店名の由来は、村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」に出てくる「文化的雪かき」を英訳したものである。
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/06/post-1785.html
http://snow-shoveling.jp/

◎文京区のユカイハンズギャラリーで、ミシマ社の書籍を紹介する展覧会「小!ミシマ社展」が開催されている。
http://bunkyo.keizai.biz/headline/351/

◎「週刊コウロン顛末記」の水口義朗が「夕刊フジ」のインタビューを受けている。
「このままいくと、日本は滅びに向かいます。戦争をしない国を理想とした美しい日本の資本主義は、リッチとプアーが偏らないようにバランスをとらないと、醜い資本主義国になってしまいます。成長と保障を提供する中流の復興への努力が必要です」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160619/dms1606190830004-n1.htm
「出版人・広告人」7月号にも登場する。乞うご期待。

◎「POPEYE」創刊メンバーのひとりである石川次郎の発言。
「雑誌のタイトルが決まるまでには、ちょっと経緯があって。木滑さんが『POPEYE』にしようって、突然言い出したんです。でね、僕は反対したんです。取材する立場の人間になってくれ、と。アメリカに行って『POPEYE』ですって言うと、まずコミックマガジンだと思われるから、勘弁してくれよって。(笑)それで僕は、『シティボーイ』ってタイトルを提案した。そうしたら、(木滑さんは)そんなの良くないって。でも、サブタイトルの“Magazine for City Boys”には賛成してくれたから、合作なんです」
http://top.tsite.jp/news/lifetrend/i/29467841/?sc_int=tcore_news_recent
石川次郎の「POPEYE」があり、椎根和の「POPEYE」があったと思うんだよなあ。椎根が創刊を担った「Hanako」の「元型」も「POPEYE」に見い出せると私は考えている。

芥川賞直木賞の候補作が決まった。芥川賞で候補となった、今村夏子の「あひる」を掲載した「たべるのがおそい」は、福岡県の書肆侃侃房から刊行されている。個人的には「こちらあみ子」の今村に受賞してもらいたいなあ。「群像」に掲載された崔実の「ジニのパズル」も強烈な作品だけれど。芥川賞の他の候補作は山崎ナオコーラ「美しい距離」(文學界)、高橋弘希「短冊流し」(新潮)、村田沙耶香コンビニ人間」(文學界)と並ぶ。
一方、直木賞の候補作は伊東潤「天下人の茶」(文藝春秋)、荻原浩「海の見える理髪店」(集英社)、門井慶喜「家康、江戸を建てる」(祥伝社)、原田マハ「暗幕のゲルニカ」(新潮社)、湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(光文社)、米澤穂信「真実の10メートル手前」(東京創元社)。オレ、「暗幕のゲルニカ」しか読んでいないや。
http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2073557.html

◎「別冊フレンド」(講談社刊)で連載されている、ぢゅん子の「私がモテてどうすんだ」がテレビアニメ化され、今秋TBS系で放送開始となる。講談社漫画賞少女部門の受賞作だ。
http://anime.eiga.com/news/102759/
http://www.tbs.co.jp/anime/watamote/

集英社文庫の夏のフェア「ナツイチ」のキャンペーンキャラクターは中条あやみに決定した。中条は女優であり、「Seventeen」の専属モデルだ。
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20160619-OHT1T50320.html
http://natsuichi.shueisha.co.jp/

◎「週刊少年ジャンプ」での連載が40周年となる秋本治の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が8年振りでテレビアニメ化され、フジテレビで放送されることになった。コミックスの総発行部数は、累計1億5650万部!
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2016/160620-i144.html
連載が開始されたとき、私は大学1年生である。

電通、デジタルCRMに強みを持つ株式会社電通イーマーケティングワンサイバーエージェント連結子会社でアプリ運用やグロースハックに国内有数の知見を持つシロク、米国のエンゲージメントマーケティング・ソリューションプロバイダーであるMarketoの日本法人であるマルケトの4社は、スマホアプリから実店舗までの複数チャネルを結び付け、多様なデータの分析から運用までをワンストップで実現するCRMソリューション「Growth Edge」を共同で開発し、提供を開始した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016074-0617.pdf

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、デンマークのデジタルエージェンシー「Magnetix A/S」(マグネティックス社)の株式を100%取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016075-0617.pdf

電通は、今後発展が期待される、ビジネス領域における宇宙開発技術の活用に取り組むため、社内横断組織「電通宇宙ラボ」を6月20日付で立ち上げた。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016078-0620.pdf

徳間書店の「月刊コミックゼノン」で連載されている大久保圭の「アルテ」5巻が発売されたが、一部の書店でフェアが開催され、飾りつけを競い合っている。優秀店は作者の大久保が審査して決定する。
http://natalie.mu/comic/news/191429

渋谷道玄坂に「BOOK LAB TOKYO」が6月25日にオープンする。「つくる人を応援する」というコンセプト軸のもと、料理本をはじめ、IT分野の技術書やデザイン本、建築本、自然科学などのサイエンス分野の専門書のほか、実用的なビジネス書を多く取り揃えた、最大蔵書数1万冊の新刊書店だそうだ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000019878.html

◎市民が誘致して開店した「留萌ブックセンターby三省堂書店」が7月で5周年を迎えるという。北海道新聞によればポイントカード会員数は留萌南部3市町の人口の半数近くに及ぶ1万4869人に及ぶ。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/dohoku/1-0284146.html

アバターコミュニケーションアプリ「LINE プレイ」 は、小学館の女性ファッション誌「CanCam」とのコラボを開始した。
http://www.4gamer.net/games/197/G019766/20160620035/

◎「週刊実話」の「外資に売られたシャープ 栃木県・矢板市 企業城下町の悲哀」が読ませる。
http://wjn.jp/article/detail/9387082/
http://wjn.jp/article/detail/4368805/
http://wjn.jp/article/detail/1416744/

世界文化社から「子どもにつけたい 外国語由来 の名前」が発売された。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000009728.html
オレは、この手の名前をつけたくないけれど。

新潟日報によれば、十日町市の少女が獣医師になるまでを追ったドキュメンタリー映画「夢は牛のお医者さん」(2014年公開・テレビ新潟製作)の絵本と児童書が小学館から刊行される。
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20160620262270.html

勝恵子&海老原高明夫妻が紹介されている。
http://jyouhonet.com/katsukeiko-1740

◎「おそ松さん」が集英社の女性ファッション誌「SPUR」(シュプール)8月号の特装版の表紙を飾る。モデルが表紙の通常版とは別に発売されるわけだ。
http://mantan-web.jp/2016/06/21/20160620dog00m200025000c.html

◎菅野守の「なぜテレビ局はダメになったのか? 変わる視聴率競争」にこんな一節がある。
「インターネットの普及によって「放送と通信の融合」が大きな議論を呼んだのは、もはや遠い昔の話。今ではスマートフォンをはじめとするデジタル機器1台で、テキスト、音声、映像など、あらゆる情報が手軽に入手できるようになった。
このような状況の中で、テキストは新聞や雑誌、書籍で、音声は電話やラジオで、映像はテレビで、というように、情報の形式によってメディアを変えるという態度は無意味になった。
デジタル機器の高度化、そしてNetflixやHuluをはじめとする映像配信サービスの台頭で、放送時間に合わせて、視聴者が番組をわざわざ見に来るといった行動が、ナンセンスな時代になってしまったのだ」
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1606/21/news023.html
週刊誌がデジタルシフトをして映像を扱っても少しもおかしくない時代なのである。週刊誌は、そういう可能性に正面から向き合うべきである。

集英社が運営する、公式ファッション通販サイト「FLAG SHOP」は「LINE Pay」を導入開始した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000011454.html

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3)【深夜の誌人語録】

絶望している暇があるのであれば、可能性に賭けるべきである。