日本の侵略戦争とアジアの子ども

 カラー図版と題している。文章ではなかなかわかりにくい日中戦争・太平洋戦争時代のことを、当時出版されたものをカラーで見せようとしている。教科書・絵本・漫画・紙芝居・おもちゃ・ポスター・新聞・音楽と、ありとあらゆる教育・メディアを駆使して、子どもたちを戦争に駆り立てている。あからさまな軍国主義教育・愛国心教育の恐ろしさが、当時のものから伝わってくる。本の著者は久保井規夫 明石書店 1996年刊行 2000円

 本の中の「朝鮮双六」は1911年(明治44年)に京都日の出新聞からだされているが、上がりは「併合」天皇による詔勅であっ。神功皇后豊臣秀吉伊藤博文などの朝鮮侵略の野望を寺内正毅朝鮮総督のときに実現したので、上がりで詔勅を持っているのは寺内である。

 今の日本ではこんなにあからさまな軍国主義愛国心養成の教育はされないが、しかし高橋哲也の「心と戦争」晶文社 を読むと安心していられない。戦争のできる国づくりが進められているが、それは教育基本法の抜本改悪・憲法九条の改悪で成就するのでなく、子どもたちの心そのものを、企業・国家に従順なものに変えていく仕組みが進んできている。

「心」と戦争

「心」と戦争

 ところで、昨晩は満月美人、今夜は宵待孔雀が咲いたので紹介する。