『逆説の日本史』で井沢元彦氏は天智天皇暗殺説を唱えている。天智暗殺説自体は前からあったらしく(「逆説」によると郷土史家の山田万吉郎氏が嚆矢だという)、有名なのは井沢説だろう。
概略を書くと、『扶桑略記』という史料の天皇崩御の記事に「一云 天皇駕馬 幸山階觶 更無還御 永交山林 不知崩所 只以履沓落處爲其山陵 以往諸皇不知因果 恒事殺害」とあり、これは天皇暗殺について書かれたものだということ。
本当だろうか?
この件については、既に多くの批判がなされている。山田邦和教授の反論はこれ。
天智天皇の死に関して不思議な話が伝わっています。
平安時代末期に僧皇円によって書かれた『扶桑略記』では、天智天皇が馬に乗って山科の里まで遠出したまま帰ってこず、後日履いていた沓だけが見つかった。その沓が落ちていた所を山陵としたといいいます。
この話から天智天皇の死が暗殺ではないかなどトンデモナイことをいう人がいますが、遠山美都男先生も指摘されているように(『天智天皇』PHP新書)、 道教では仙人が姿を消して昇天する(尸解{しかい})するといわれていますので、この伝説は天智天皇が神仙であるということを示しているものなのです。聖徳太子、菅原道真にも同様な話があります。
俺も大筋これに同意。以上…
ではツマラナイので、俺の思うところを少し書いてみようと思う。