Hatena::ブログ(Diary)

Essais d’herméneutique このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2050-11-18

はじめに……

アカデミズム底辺で生きる流しのヘタレ神学研究者氏家法雄による神學、宗教學、倫理學、哲學の噺とか、人の生と世の中を解釈する。思想と現実の対話。

2010年11月25日より「はてな」に雑文を移項いたしますので、今後ともどうぞ宜しくお願いします。

ついでですのでひとつ。

絶賛求職ちう。

過去(2007年8月28日〜2010年11月24日)の雑文は以下のURLより閲覧できます。

引っ越しがうまくいけばこちらへ完全移行の予定。

当分はココログと併用いたします。

Essais d’herméneutique

氏家法雄のブクログは以下のURLから閲覧できます。

ujikenorioの本棚 (ujikenorio) - ブクログ


f:id:ujikenorio:20111229153022j:image

2018-08-15

日記:ロックのフィルマー批判

f:id:ujikenorio:20180814144945j:image

ジョン・ロック(加藤節訳)『完訳 統治二論』(岩波文庫)。

膨大な第一部はフィルマーの王権神授説批判。「いかなる人間も自由に生まれついていない」というフィルマーの神学は、人間の自由や幸福の追求を保証する神への冒涜に他ならない。近代民主主義基礎論は神学的挑戦(「神の作品」の政治)から生まれたことに留意しなければならない。

人間の「プロパティ」は神に由来する。だとすれば、フィルマーとは異なった仕方で弁証しなければらない。ここに「神学パラダイム」と「政治的なるもの」(を相対化)させていく往復=神学ダイナミズムが、仮象を絶対化する神学「なるもの」を撃つのである。現在も同じような危機の時代である。

僕は神が存在するのか、神が存在しないのかに関心は一切なくて、フィルマーの神学のようなものが大手を振って歩くことが恐ろしいというだけの話。おなじような現象がかく方面で惹起していることに驚きを隠せない。驚くだけでなくて何とかしなければならないのだけどね。



f:id:ujikenorio:20180723134802j:image


覚え書:「社説 政治と女性 目標値を検討する時だ」、『朝日新聞』2017年12月17日(日)付。


f:id:ujikenorio:20180804173907j:image


-----

社説 政治と女性 目標値を検討する時だ

2017年12月17日

 もはや「自然増」を漫然と待つべき状況ではない。政治の世界に女性が少なすぎる。

 10月の衆院選で、女性候補者は全体の17・7%だった。それでも過去最高だったというが、5人に1人にも満たない。

 当選者数は、もっと小さい。定数465で、47。前回より2人増えても1割にすぎない。

 国際的にも格差はきわだつ。「世界経済フォーラム」によると、日本の「国会の男女比」は144カ国中129位。まぎれもない「後進国」である。

 男女雇用機会均等法の施行から31年たっても、政界は分厚いガラスの天井に覆われている。

 いま必要なのは、ありふれた女性活躍の掛け声ではない。真の政治的意思を持って「目標値」を定めることである。

 女性が増えればすぐ社会が良くなるわけではない。男性と同様に、女性も個々には政治家としての資質の優劣はある。

 だとしても今の状況で国民の声をあまねく反映できるはずがない。国の意思決定の場に女性の数が大きく増えれば、政治の風景は間違いなく変わる。

 多くの女性が、育児と仕事を両立させる苦労を強いられている。職場で名字が変わる不都合さも身にしみている。家庭の事情で仕事をあきらめるのも、女性の場合が多いのが現実だ。

 より暮らしやすい社会づくりに何が必要か。女性が多い国会は、長時間労働や保育、介護などの問題にもっと敏感になりえる。選択夫婦別姓を求める声も届きやすくなるだろう。

 海外では、候補者議席の一定割合を女性に割り当てるクオータ制の導入が進んでいる。

 台湾では、国会にあたる立法院で12年前から比例代表名簿を半分以上にし、今や議員は4割近くを占める。フランス国会選挙で各政党とも候補を半々とするよう義務づけている。

 日本では遅ればせながら、国政選挙地方議会選挙で均等にする努力義務を政党に課す法案が今年合意されたが、先の衆院解散で廃案になった。

 各政党とも真剣にやる気があるのか。すぐに同数を求めるクオータ制が難しいなら、段階的な目標を立てる、あるいはまず比例代表の名簿だけ半々にする方法なども検討できよう。

 女性の現職政治家や経験者と相談できる若者向けの議員育成プログラムもほしい。政治との接点を増やすため、各種の審議会で女性委員を半分以上に定めることから始めてもいい。

 大切なのは、具体的な結果の目標を定め、実現させる行動を起こすことだ。

    −−「社説 政治と女性 目標値を検討する時だ」、『朝日新聞2017年12月17日(日)付。

-----




(社説)政治と女性 目標値を検討する時だ:朝日新聞デジタル





f:id:ujikenorio:20180804171505j:image

f:id:ujikenorio:20180723134759j:image

2018-08-14

覚え書:「社説 BPO意見書 放送の倫理が問われた」、『朝日新聞』2017年12月16日(土)付。

f:id:ujikenorio:20180804173715j:image

-----

社説 BPO意見書 放送の倫理が問われた

2017年12月16日

 何でもあり、の情報たれ流しがまかり通ってはならない。一テレビ局の問題にとどめず、放送界全体が改めて足元を見つめ直す機会とするべきだ。

 東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)が1月に放送した番組「ニュース女子」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の委員会が「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を出した。

 化粧品会社DHC系列の制作会社がつくり、MXは関与していない「持ち込み番組」で、沖縄米軍ヘリパッド建設への抗議活動を批判的に取りあげた。

 事実関係の誤り、裏づけ取材の欠如、不適切な映像使用、侮蔑的な表現など、指摘された問題点は数多い。驚くのは、MXが適正なチェック(考査)をしないまま放送したことだ。

 バラエティー・情報番組であっても事実を扱う以上、報道と同じように真実に迫る最善の努力が求められる。持ち込み番組であればなおさら、慎重かつ厳格に考査しなければならない。視聴者に届けるものをチェックするのは、放送に責任を持つ者の最低限の義務である――。

 BPOの見解は、今さら確認するまでもない当然の内容だ。MXは、公共電波の使用を認められた放送局としての自覚を欠いていたというほかない。

 当初、放送法を順守した内容だと主張したMXだが、自社の番組審議会からも批判され、考査体制を見直すなどした。今回改めて「改善に着手している」とのコメントを出したが、なぜこうした事態を招いたのか、自ら検証し、番組を通じて説明することが、視聴者への誠実な向き合い方ではないか。

 この20年、NHKや民放各局は考査に力を入れてきた。社会の目が厳しさを増し、コンプライアンスが重視されるようになったことが背景にある。企画が持ち込まれたときには、早い段階から点検し、収録にも立ち会う。最後は字幕スーパー入りの完全版を、他部局やスポンサーと見ることも多いという。

 地方の民放局では、ネットの動画配信会社などからの番組の売り込みが増える傾向にある。視聴者から、より刺激的なコンテンツを求められる場面もあるだろう。だが、やすきに流れてしまっては、存立基盤を掘り崩すことになる。

 意見書は、放送局の考査は、放送内容に対する外部の干渉を防ぐとともに、あいまいな情報も入り乱れるネット空間と一線を画し、誇りを守る「とりで」だと記す。放送に携わる人たちは、胸に刻んでもらいたい。

    −−「社説 BPO意見書 放送の倫理が問われた」、『朝日新聞2017年12月16日(土)付。

-----






(社説)BPO意見書 放送の倫理が問われた:朝日新聞デジタル





f:id:ujikenorio:20180723134650j:image

覚え書:「折々のことば:964 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月17日(日)付。


f:id:ujikenorio:20180804173712j:image


-----

折々のことば:964 鷲田清一

2017年12月17日

 大学って、早く出たいけどずっといたい不思議なところですね。

 (谷口キヨコ

     ◇

 哲学を学ぼうと大学院入学した関西の人気ラジオパーソナリティーは、4年かけて修士論文を書き上げた後、私にこう言った。多くの番組や取材をこなす中、一つの問いを、急いで答えを出そうとせずに温め、ゼミ生とも存分に語りあえた。異なるもう一つの時間をもてた。この先にはさらに深い問いがありそうと、おぼろげに感じつつ大学を去る。でもまた戻ってくればいい。

    −−「折々のことば:964 鷲田清一」、『朝日新聞2017年12月17日(日)付。

-----




折々のことば:964 鷲田清一:朝日新聞デジタル





f:id:ujikenorio:20180804171224j:image

f:id:ujikenorio:20180723134647j:image

2018-08-13

日記:物事をより多面的・長期的に理解するための弁証法

f:id:ujikenorio:20180812213551j:image

-----

 少し大げさな言い方になりますが、西欧では古代ギリシア以来、二つの対立する立場に分かれて問答しながら、お互いに相手の議論の曖昧なところ、捻れているところを指摘し、批判し合うことで、双方がそれぞれの考えを修正し、単なる思い込み(doxa:ドクサ)から、よく考え抜かれた知識(épistémè:エピステーメー)へと至る「弁証法」と呼ばれる方法の伝統があります。

 「弁証法」は英語で<dialectics>、ドイツ語で<Dialektik>といいますが、元の意味は「対話(dialog)の術」ということです。自分の内に閉じこもってモノローグ(monolog)的に考えているといつのまにかヘンな思い込みにはまりがちですが、二人以上の人間が集まって「対話」することで、死角をなくしていこうとするわけです。

 高校の倫理の教科書にも出てくる一九世紀前半のドイツ哲学者ヘーゲル(一七七四〜一八三一)は、さまざまのレベルでの「弁証法」的なやりとりを通して、人類は次第に究極の真理に近づいていけると考えました。

 政治や法の正しいあり方、国家間の付き合い方のルール、各人が属する各種の共同体の運営の仕方、文化・芸術の理想、学問的な真理……等などをめぐって、私たちは絶えず討論し、場合によっては衝突しますが、ヘーゲルに言わせれば、そのような弁証法的な「対立」を通して、私たちは物事をより多面的・長期的に理解できるようになり、真理に近づいているのです。

    −−仲正昌樹知識だけあるバカになるな! 何も信じられない世界で生き抜く方法』大和書房、2008年、79−80頁。

-----



f:id:ujikenorio:20180723134531j:image


知識だけあるバカになるな!
仲正 昌樹
大和書房
売り上げランキング: 407,012

覚え書:「社説 生活保護費 引き下げ方針、再考を」、『朝日新聞』2017年12月16日(土)付。


f:id:ujikenorio:20180804173349j:image


-----

社説 生活保護費 引き下げ方針再考

2017年12月16日

 厚生労働省生活保護費の引き下げを検討している。一般低所得世帯の生活費と比べて、都市部などで保護世帯の受給額の方が多いという検証結果が出たためだ。子どものいる世帯や高齢者世帯が影響を受ける。

 しかし、いまの支給額でも生活は苦しいという声が少なくない。保護費の水準を決める仕組みに問題があるとの指摘もある。引き下げは再考し、制度の点検見直しを急ぐべきだ。

 生活保護費のうち、生活費にあたる「生活扶助費」の改定では、30年ほど前から一般世帯の消費実態とのバランスをみる方式になった。5年ごとの全国消費実態調査を用いて一般低所得世帯と比べる今のやり方になったのは07年の検証からだ。

 だが、検証結果はあくまで政策判断の材料で、そのまま反映してきたわけではない。生活保護予算を減らしたのは03年度と04年度、13〜15年度だけだ。このうち大幅減額は3年かけて6・5%減とした13〜15年度のみで、自民党生活保護費の削減を選挙公約に掲げたことによるものだった。

 生活保護の基準は、経済的に苦しい家庭の子どもへの就学援助や、介護保険料の減免、税制最低賃金の水準など国民生活に広く関わる。安倍政権は、家庭が貧しくても大学に進学できるよう授業料の減免や給付型奨学金の拡充を打ち出したばかりだ。最低賃金引き上げなど暮らしの底上げも掲げてきた。保護費の引き下げはこれらの政策と矛盾する。

 そもそも、今回の検証結果の詳細なデータが厚労省審議会に示されたのは今月上旬だ。来年度予算案の決定が迫っており、委員からは「十分な検討ができない」と不満が漏れた。審議会の報告書には「検証結果を機械的に当てはめないよう、強く求める」と明記された。

 いまの検証の方法に対しても、「一般低所得世帯との均衡のみで捉えていると、絶対的な水準を割ってしまいかねない」「子どもの健全育成のための費用が確保されない恐れがある」などの懸念が出された。報告書には「検証方法には一定の限界がある」「これ以上、下回ってはならないという水準の設定についても考える必要がある」などの留意事項が盛り込まれた。

 仕組み自体に限界があるという指摘は、4年前の前回の報告書にもあった。最低生活保障のあり方をきちんと議論してこなかったのは政府の怠慢だ。

 堅持すべきラインはどこなのか。時代にあった生活保護の姿を早急に議論するべきだ。

    −−「社説 生活保護費 引き下げ方針再考を」、『朝日新聞2017年12月16日(土)付。

-----




(社説)生活保護費 引き下げ方針、再考を:朝日新聞デジタル





f:id:ujikenorio:20180723134528j:image

2018-08-12

覚え書:「社説 巡航ミサイル 専守防衛の枠を超える」、『朝日新聞』2017年12月13日(水)付。

f:id:ujikenorio:20180804173156j:image

-----

社説 巡航ミサイル 専守防衛の枠を超える

2017年12月13日

 防衛省が長距離巡航ミサイルの導入を決めた。来年度当初予算案に関連経費約22億円を追加要求する。

 日本はこれまで専守防衛のもと、自衛隊ミサイルの長射程化を控えてきた。財政的な制約や、不毛な軍拡競争に陥る可能性への考慮もあった。

 今回の判断について、防衛省はこう説明している。

 北朝鮮ミサイル警戒にあたるイージス艦の防護や離島防衛のためであり、あくまで日本の防衛のためである――。

 たしかに日本周辺の安全保障環境は厳しい。自衛隊の能力を不断に見直す必要はある。

 だが今回、航空自衛隊戦闘機に搭載する米国製ミサイルは射程900キロ。日本海から発射すれば北朝鮮全域に届く。

 これほど長射程のミサイルイージス艦防護や離島防衛に不可欠とは言えない。長距離巡航ミサイルの導入は、専守防衛の枠を超えると言うほかない。

 むしろその導入は、敵のミサイル基地をたたく敵基地攻撃能力の保有に向けた大きな一歩となりかねない。

 政府は敵のミサイル基地への攻撃について、「他に手段がない」場合に限って、「法理論的には自衛の範囲」としてきた。一方で05年の防衛庁長官答弁は「敵基地攻撃を目的とした装備は考えていないし、それを目的とした長距離巡航ミサイルも考えていない」としている。

 日本の安全保障は、米軍が攻撃を担う「矛」、自衛隊が守りに徹する「盾」の役割を担ってきた。この基本姿勢の変更と受け止められれば、周辺国の警戒を招き、かえって地域の安定を損ねる恐れもある。

 厳しい財政事情のなかでも、安倍政権は5年連続で防衛費を増額してきた。米トランプ政権が同盟国への武器輸出に熱を入れるなか、日本がひとたび専守防衛の枠を踏み越えれば、さらに巨額の兵器購入を迫られることはないのか。

 看過できないのは、専守防衛に関わる重大な政策転換が、国会や国民への説明もないまま唐突に打ち出されたことだ。

 政府は今夏の概算要求には盛り込んでいなかったが、特別国会の閉幕間際になってから追加要求に踏み切った。

 来年は防衛大綱見直しや、次の中期防衛力整備計画議論が本格化する。自民党内では防衛費の大幅増額や敵基地攻撃能力の保有を求める声が強い。

 なし崩しに安全保障政策の転換をはかる安倍政権の姿勢は危うい。年明けの通常国会で徹底的な議論を求める。

    −−「社説 巡航ミサイル 専守防衛の枠を超える」、『朝日新聞2017年12月13日(水)付。

-----

(社説)巡航ミサイル 専守防衛の枠を超える:朝日新聞デジタル


f:id:ujikenorio:20180804170432j:image


f:id:ujikenorio:20180723134405j:image

覚え書:「折々のことば:961 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月14日(木)付。


f:id:ujikenorio:20180804173153j:image


-----

折々のことば:961 鷲田清一

2017年12月14日

 大人者、不失其赤子之心者也

 (孟子

     ◇

 「大人(たいじん)とは、その赤子(せきし)の心を失わざる者(ひと)なり」。意味の枠組みにとらわれないで、ものをまっすぐ見つめる。変化の兆しに敏感でいる。余計なことに気を配らず、何かに夢中になる。嫌なことは嫌と言う……。この《未熟》を護(まも)るためにこそ、人はものごとの真の軽重をわきまえていなければならない。間違いを間違いと言わなければならない。『孟子』第八巻「離婁(りろう)章句」から。

    −−「折々のことば:961 鷲田清一」、『朝日新聞2017年12月14日(木)付。

-----




折々のことば:961 鷲田清一:朝日新聞デジタル





f:id:ujikenorio:20180804170712j:image

f:id:ujikenorio:20180723134402j:image


孟子〈上〉 (岩波文庫)

岩波書店
売り上げランキング: 96,928

孟子〈下〉 (岩波文庫)

岩波書店
売り上げランキング: 82,229