金先物が史上最高値更新。いまの米国を見ていれば...

ニューヨーク商品取引所ではアメリカの景気減速への懸念が強まったことから、安全資産とされる金の先物に対する買い注文が増え、金の先物価格が史上最高値を更新しました。

 米国の景気減速よりも何よりも、今回の債務上限引き上げ問題を見ていれば、米国を信頼できるのかどうか、という問題になってくる。ドルの信認を米国自体が破壊している。ティーパーティのような保守派が一定の影響力を持ち、何が起きるのかわからないという不安を世界にばらまいてしまった。ユーロはユーロでポルトガルアイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインというPIIGS問題の処理をめぐって右往左往しているし、こうなると、答えは「金」になってしまう。あとは、スイスフランなのだろうか。円も買われているけど、こちらは...。

危機と金(ゴールド)

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君のためなら千回でも

君のためなら千回でも [DVD]

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 アフガニスタン出身のカーレド・ホッセイニが米国で書いたベストセラー小説の映画化。原題は「Kite Runner」。アマゾンからあらすじを抜粋すると、こんな具合...

まだ平和だった1970年代アフガニスタン。少年時代のアミールとハッサンは兄弟のように育ち強い絆で結ばれていた。だがある衝撃的な事件が起き、アミールはハッサンを裏切ってしまう。時を同じくしてソ連軍がアフガン侵攻を決行、2人は歴史の流れに引き裂かれ再び会うこともなかった…。20年の歳月が流れたが、アメリカで平穏に暮らすアミールの心には決して抜けない棘のように後悔の念が残っていた。アミールは意を決し、今やタリバン政権下となった戦禍の故郷へ危険な旅に出る。過去の過ちを正すことに遅すぎるということはないのだから…。

 最後はハッピーエンドともいえるのだが、重苦しく、陰惨な場面もある物語。ひとくちにアフガニスタンと言っても、その中にさらに民族差別があることもわかる。このあたり、小説だと、もっと微妙な陰影を与えているのかもしれない。アフガニスタンの悲劇はいまだに終わっていないだけに、さらに重苦しい印象が残る。この原作小説が米国で大ベストセラーとなったのも不思議な感じがする。移民の国だけに、国の惨禍を逃れ、新天地を求めることに感情移入があるのだろうか。
君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫) 君のためなら千回でも(下巻) (ハヤカワepi文庫)

ノルウェーの大量殺戮テロリスト。ポケットに爆弾!かと思ったら、iPodだったという話

In an exclusive interview with SPIEGEL, the head of special police unit that captured Anders Behring Breivik reconstructs the minutes of the operation, revealing that his officers nearly shot Breivik, fearing he might be carrying explosives. The suspicious device turned out to be an iPod.

 ノルウェーの大量殺戮テロリストを逮捕した警察のタイムラインをドイツのシュピーゲルが現地警察への独占取材をもとに再現している。で、これを読むと、警察は最初、ブレイビク容疑者が身につけているベストに爆発物が入っているのではないかと疑ったらしい。自爆を警戒して射殺することも検討したらしいが、ベストから出た線が耳につながっていたので、爆発物ではないと判断して射殺ではなく、逮捕に至ったという。で、このポケットの中身が何かというと、iPodだったという。iPodを聴きながら、銃撃し、血の海を徘徊していたのだろうか。恐ろしい...。しかし、この犯人、FacebookTwitter、そしてiPodと、かなりデジタル好きだった様子。

iPodは何を変えたのか?

iPodは何を変えたのか?

21世紀の日本は、巨大地震の世紀? 予測か、予知か、予言か?

東日本大震災規模とされる平安時代貞観(じょうがん)地震(869年)や関東直下型地震、東海・東南海・南海地震の3連動とみられる仁和(にんな)地震など9世紀に起きた地震が、阪神大震災(平成7年)以降の地震の状況と酷似していることが、産業技術総合研究所の寒川(さんがわ)旭(あきら)・招聘(しょうへい)研究員(地震考古学)の分析でわかった。近い将来に首都圏直下型や3連動型地震が起きる可能性が高いとの見解を示し、「千年に一度の巨大地震の世紀になるかもしれない」と警鐘を鳴らす。

 いまだに余震が頻繁に続いているが、「先年の一度の巨大地震の世紀」になるとの説も。いまや言ったもの勝ちみたいな感じもあり、諸説飛び交っているが、過去の事例を引き出して当てはめるのが当分、流行するのだろうなあ。富士山の噴火はどんなものなのだろう。朝鮮半島では、北朝鮮の聖地、白頭山の噴火を懸念する向きもあるけど。

超巨大地震に迫る 日本列島で何が起きているのか (NHK出版新書)

超巨大地震に迫る 日本列島で何が起きているのか (NHK出版新書)

混乱が続くシリア。CNNは現地の惨状を伝えるユーチューブの動画を紹介

 シリアの騒乱が続いてる。政府の血の弾圧で現地の状況は凄惨さ増している。最近は、何が起きているのか、現地の人によってインターネットにアップされた映像で知ることができる。例えば、CNNが伝えている以下のような話

インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」には2日、ハマ市内の川に、政権側に殺害されたデモ隊メンバーとされる遺体が次々と投げ込まれる映像が掲載された。一方で国営テレビは、反体制運動に参加したイラク人戦闘員によって殺害されたシリア秘密警察要員の遺体だと主張。反体制派活動家もこれを認めるなど、情報が錯綜(さくそう)している。

 CNNが放映していたのは、以下にリンクした動画だが、かなり残酷なだけに、ユーチューブでも「次のコンテンツは、見た人を不快にさせる、または不適切な可能性があると YouTube コミュニティが特定したものです。ご自身の責任において閲覧してください」という注が入る。
・‪UPDATE [31/7/2011] Syria, Hama: "Peaceful" intellectuals dump bodies into river (GRAPHIC)‬‏ - YouTube => http://bit.ly/oOgY9Z
 この映像を見ても、事態が悪化していることがわかる。しかし、いまは市民ひとりひとりが記者の時代なのだなあ。

現代シリア・レバノンの政治構造 (アジア経済研究所叢書 5)

現代シリア・レバノンの政治構造 (アジア経済研究所叢書 5)

エジプト、ムバラク前大統領の裁判が始まる

民衆デモの高まりを受け2月に退陣したエジプトのムバラク前大統領の初公判が3日、首都カイロの警察学校に設けられた法廷で開かれた。辞任後、ムバラク被告が公に姿を現したのは初めて。ムバラク被告の裁判は、同国が、軍出身者を頂点とする中東の典型的な独裁体制との決別に向かいつつあることを印象づけた。

 エジプトで、ムバラク前大統領の裁判が始まる。CNNやBBCはライブ中継していた。民主化の象徴としての裁判になるのだろう。で、裁判は国によって違うのはもちろんだが、法廷の様子も違う。被告たちは檻のような鉄格子の中に入れらている。動物のような感じで、このあたり民主化で改善が必要な感じ。ただ、イタリアのマフィアの裁判でも被告が檻のような鉄格子の中にいた記憶がある。世界の裁判では、ひとつのスタイルなのだろうか。

現地発 エジプト革命――中東民主化のゆくえ (岩波ブックレット)

現地発 エジプト革命――中東民主化のゆくえ (岩波ブックレット)