アウシュビッツ行 最終列車 ヒトラー第三帝国ホロコースト

ベルリンから家畜用貨車に押し込められ、アウシュヴィッツへと輸送される人々の、水もなく食べ物もない、実に過酷な状況の中での様々な人間模様が描かれた作品でした。先日行ったビルケナウの「地獄の門」を入って、しばらく行ったところの線路上に、1台の貨車が展示してあり、

2014年3月 アウシュヴィッツ・ビルケナウ

これは、比較的最近発見された当時のものだと、現地ガイドから説明を受けたのですが、正に、「シンドラーのリスト」やこの作品に出てくる貨車そのもので、このような貨車に乗せられて遠路を運ばれてきた人々は、それだけでも実に苦しかっただろうと感じた、その様子が、この作品では丹念に描かれています。この作品でもそうなのですが、水がない苦しみは、シンドラーのリストでも、シンドラーが貨車のそばで、水を与えてくれと依頼して貨車に放水がされて、貨車内の人々が水を求めて貨車の開口部に我先にと群がる様子が描かれていたことが思い出されました。
救いのない作品(ホロコーストものはどれもそうなのですが)の中で、通りすがりのドイツ兵がナチス親衛隊と対立しながら貨車内のユダヤ人に食べ物を与える場面など、やや救いを感じるシーンがあったことが印象に残りました。
ユダヤ人を輸送する貨車内を、ここまで丹念に描いた作品は珍しいと思われ、印象に残る作品となりました。

2014年05月10日のツイート

アウシュビッツ ホロコーストガス室の戦慄

こちらは、アウシュヴィッツ強制収容所内の様子について、現代の若者たちのホロコーストナチス等についてのインタビューも織り交ぜながら、ドキュメンタリータッチで描いたもので、作品中、ユダヤ人が歩かされている背後に見えたのが、おそらく、私も見た

2014年3月 アウシュヴィッツ・ビルケナウ

ではないかと思われ、当時の人々が、この標語のようなもの(働けば自由になれる)を見て、どのような思いを抱いたのかということが、現地でも思いましたしこの作品を観ながらも思いました。
作品中で登場していたクレマトリウム(ガス室と焼却炉を備えた施設)は、私も見た第1クレマトリウムだろうと推測されました。作品中で、煙突から焼却の黒い煙がゆっくりと不気味に立ち上って行くのを見て戦慄に近いものを改めて感じました。

2014年3月 アウシュヴィッツ・ビルケナウ

アウシュヴィッツに到着した人々に対する選別や、ガス室での残虐な殺戮が、リアルに描かれていたのは衝撃的でしたが、ガス室内の様子は、かなり実際に近いとは感じたものの、前に読んだ

私はガス室の「特殊任務」をしていた

私はガス室の「特殊任務」をしていた

で紹介されていた悲惨な様子までは、さすがに出せていないと思いました。あまりにも残虐、悲惨過ぎて、再現するのは困難ということでしょう。
文章では読んでも、なかなか克明に映像化はされない(されにくい)ところを、かなり丹念に映像化していて、観ていて辛いものがありますが、アウシュヴィッツを知る上では貴重な作品と感じました。

NHKスペシャル パールハーバー 日米の運命を決めた日

NHKスペシャル パールハーバー 日米の運命を決めた日 [DVD]

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2011年の新年早々に観たものでしたが、久しぶりに観ました。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110101#1293848083

真珠湾攻撃が迫る中での、日米双方の関係者の動きや思惑、和解を目指しつつも今なお残るわだかまり、しこりといったものが、丁寧に描かれていて、製作、放送後、既に20年余りを経ているにもかかわらず、まったく色あせるものがなく、しかも、既に他界した真珠湾攻撃当時の関係者のインタビューも収録されていて、今後、ますます貴重さが増すだろうと感じました。
こういった「奇襲」は、真珠湾攻撃に限らず、戦争の歴史の中で、繰り返し使用され歴史を大きく変えてきたものですが、集団的自衛権で喧しい現在の日本で、肝心の自国の防衛は万全なのか、例えば、他国へ向けて発射されたミサイルのことばかり議論している間に、自国の、例えば東京へ向けたミサイル攻撃に対処できるのか、漁民などに偽装した武装集団が海岸沿いの中小都市を急襲し市民を無差別に殺傷するような事態に対処できるのか等々、考え始めると次々と不安が頭をもたげて来ました。しがない弁護士が心配しても仕方がないことで、集団的自衛権行使にあれだけ熱心な政府ですから、自国の防衛については、想定される事態については十分に対処でき、その上での集団的自衛権の議論になっているのでしょう。そう思うと、根拠はないものの何となく安心な気がしてきました。良い国に生まれて本当に幸せです。