古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

スムース名古屋イベント

 ただいま戻りました。少し思い出して書いてみよう。
 前日、アイラーが届き、ビール飲みながら、結局、深夜4時過ぎまで聴いてしまった。
 だから翌日20日、家を出たのは、11時くらいになってしまった。5番のバスで京都駅へ。弁当は東京行きのときと同じ「ちらし寿司」。
 40分ぐらいで着くのだから、名古屋は近いんだ。
 地下鉄で栄に出てまずはリブロに挨拶に行く。スムースメンバーの古本棚をじっくり眺め、自分の棚の本の場所を入れ替え売れそうな本を面出しにする。店長のTさんに挨拶。
 さて、古本屋めぐりだ。知らない町を歩きまわるのは楽しい。パルコから歩いて上前津へ。上前津周辺にたくさんの古本屋さんがあるのだが、まだ残っているのかはわからない。
 海星堂書店、三松堂、つたや書店、など。つたや書店の店頭が特によかった。
 川崎長太郎『色乞食』昭和32年、宝文館、カバーなし、100円。
 丸山薫詩集『青春不在』昭和27年、創元社、函入りで100円。
 小野十三郎現代詩手帖』、昭和53年19刷、創元社、100円。
 三松堂の中で、山本さんですか、と声をかけてもらう。前にちょうちょぼっこで会った青年だった。外に出て、天牛堺の話などする。そのとき古書会館で今日から即売会が始まっているというのを教えてもらう。1階の100円均一はやはり人気があって、もう嵐の去った後のようだという。でも100円均一と聞けば、行くしかない。この大阪の青年に会えて本当によかった。場所を聞いて歩いていくことにする。
 でも途中、古本という看板があれば、無視できない。三進堂書店だったか、店頭を見ていると店内に林さんの姿が。だれかと会うかも知れないとは思っていたが。林さんを誘って、古書会館に向かう。ちょっと分かりにくい場所だったが。 
 山口瞳『わが町』、柳原良平装幀、昭和43年、新潮社、100円。
 広津和郎『美しき隣人』、昭和32年、宝文館、100円。
 百田宗治『自選詩集 閲歴』、昭和21年、目黒書店、100円。
 金魚阿岐良句集『燈』、限定300部、山河社発行、沙羅書店発売、100円。
 トルーマン・カポーティ『おじいさんの思い出』、村上春樹訳、山本容子銅版画、100円。
 林さんはホテルに荷物を置きに。私は、古本屋さんにもどることにする。
 亜希書房は地下にあった。
 カメラ毎日別冊『マンレイ』、1984年、100円。
 都筑久義『評伝 尾崎士郎』、昭和46年、バラザー出版、100円。
 結構歩きまわりました。知らない町なので何もかも新鮮、歩いていて楽しかったですねえ。古本なんて看板が遠くから見えるとワクワクしました。地下鉄に乗って、シマウマ書房へ。
 いい古本屋さんでした。スムースメンバーが次々に集まってきた。
 トークは、林哲夫制作のスムース年表(これは貴重です。興味あるかたはぜひ入手してください。)をもとに、あれこれ、話しました。たくさんの人に集まってもらいました。ありがとうございました。
 二次会、三次会はカラオケ、1時半ごろホテルに入る。岡崎は明日古書会館に行くという。ぼくは疲れているのでやめとこう。
 夜中、くしゃみと鼻水が出て、よく寝られなかった。
 21日の朝、8時半ごろ目が覚めると、あまり寝ていないにもかかわらず、やっぱり古書会館に行きたくなり、電話して一緒にいくことにした。それがよかったんだ。いい本が買えました。
 星新一『ご依頼の件』、1980年新潮社、サイン落款入り、100円。
 M・フーコー哲学の舞台』、エピステーメー叢書、100円。
 紀田順一郎『読書人の周辺』、昭和54年、実業之日本社、100円。
 芥川比呂志『肩の凝らないせりふ』、昭和52年、新潮社、100円。
 佐藤民寳『短篇集 希望峰』、昭和14年、新農民文學叢書、砂子屋書房、100円。
 宇野千代『残っている話』、1980年、青山二郎装画、集英社、100円。
 津島佑子『葎の母』、昭和50年、河で書房新社、100円。
 古書会館を出て、昨日のつたや書店へ。
 文庫3冊、購入する。
 開高健編『友よ、さらば』『神とともに行け』
 ヘンリー・ミラー『南回帰線』、河野一郎訳、講談社文庫。
 各80円は安いなあ。
 岡崎と栄に戻り、昼食、そのあと、ジャズ喫茶「YURI」へ。
 いいアルバムがかかって音も大きく、最高だった。
 デュ−ク・ピアスンの「プロフィール」→ビル・エヴァンスソニー・ロリンズとじっくり聴く。
 タコライスか何か知らないけど、みんな食事してた。それも満員で待ってる人もいて、こんなジャズ喫茶ははじめてだ。
 今度は夜に来たいな。
 名古屋が好きになった。
 一箱古本祭りもたくさんの人だった。ぼくは五っ葉文庫さんで、
 鈴木翁二『うみのきらきら』新装改訂版、を600円で買いました。
 徒然舎の人にも挨拶ができてよかった。笑顔のかわいいステキな人でした。
 帰りは、岡崎、林、扉野とぼくの4人で京都へ。
 岡崎とふたりで、木屋町の「ディランセカンド」に寄る。
 結構、お客さんがいたので安心した。