シチュエーションパズル、水平思考推理ゲームなどと呼ばれる謎解き/推理ゲームの一種。同系統の推理ゲームは火付け役となったポール・スローンの著作シリーズ「Lateral Thinking Puzzles」の頭文字をとってLTPとも言われる。
日本でLTPがウミガメのスープと呼ばれるのは、この種のゲームでもっともよく知られている問題のタイトルが「ウミガメのスープ」であるため。
ただし、「ウミガメのスープ」を誰が考えたのかは(この文章の記述者が知る限り)不明である。
「この問題を15分で解いた人に、FBIからスカウトが来た」といった尾ひれがついていることもある。
「ウミガメのスープ」の問題を日本で初めて紹介したと思われるのは、景山民夫のエッセイ「ウミガメのスープ」(「バッカス」1987年9月号初出/『どんな人生にも雨の日はある』ISBN:4101102155 所収)。ここでは、「ハーバードの学生が考えたものらしい」などと書かれている。
ドラマシリーズ「世にも奇妙な物語」は、景山民夫のこのエッセイを原作として「ウミガメのスープ」をドラマ化している。
また、野田英樹の芝居「赤鬼」では、モチーフのひとつに「ウミガメのスープ」が使われている。
男がレストランで、ウミガメのスープを注文した。一口それを口にした男はウエイターを呼び、「これは確かにウミガメのスープかね」と聞いた。ウエイターは「さようでございます」と答えた。
その夜、男は自殺した。なぜ?
(ウエイターを呼ばず、一口食べるとその場で席を立ち、外に出てピストル自殺した、といったバリエーションもある。解答は同じ)
この問題の解答はあまりにブラックであり、そのためか2ちゃんねるのオカルト板で出題専用スレが立ったことが火付け役となり、以後2ちゃんねる内外で人気を博している。
一人が出題者として問題を出し、他の人が解答者としてその問題に対する質問を行う。出題者はそれに対して返答し、解答者たちは出題者の返答を元に状況を推理していく。出題者は基本的にYES/NOでしか答えることはできない。
現在はこの方式の「ウミガメのスープ」のほかに、解答者の質問回数が制限される「20の扉」や、出題者と解答者が登場人物となり解答者の指示で出題者がミッションを遂行する「亀夫君」などがある。
また、「20の扉」でも質問回数が一定数を超えると一回だけ出題者が嘘をつけるなど、ゲームをより深く楽しむためのローカルルールが日々考案されている。
ポールスローンの腕を送る男―水平思考推理ゲーム (ウミガメのスープ (2))
ポールスローンの札束を焼く強盗―水平思考推理ゲーム (ウミガメのスープ (3))
レベルファイブによって「スローンとマクヘールの謎の物語」としてゲーム化。2009年発売予定。