Lucio Fulci 監督、脚本家、俳優
マカロニウエスタン、ジャーロ、怪奇映画など、イタリアで娯楽映画ばかり撮っていた監督。初期にはコメディ等を撮っていたが日本には未輸入が殆ど。中期以降、過剰で病的な残虐描写とイメージ先行による難解な(破綻した)物語構成で、強烈なインパクトを残す作品を監督し、一部に熱狂的ファンを持つ。 代表作は『サンゲリア』、『地獄の門』、『ビヨンド』など。
「カルト映画好きなら見ていて当然でしょう」 このセリフの重いこと、重いこと。 だって、カルト映画の2/3は見ていて楽しくないものなんですよ。 それを自ら進んで、人生の貴重な時間を費やすなんて、マゾなんじゃないかって思います。 さて、今回見たのは間違いなくそういう作品。 ルチオ・フルチのカルト作「地獄の門」(1980/日本未公開)。 もうね、タイトルからしてアレですよね。 ちなみ日本のビデオ会社が付けた邦題はウケ狙いではなく、英語題の直訳。 (更に言えば英語題も「THE GATES OF HELL」と「CITY OF THE LIVING DEAD」の二種があります) そんな映画ですか、「いつか…
ルチオ・フルチ監督の映画 『未来帝国ローマ』(1984年)を観た。 近未来のローマ市。WBSテレビの役員コルテスはライバル局の殺人レース番組の高視聴率に手を焼いていた。重役サムの命令により彼は死刑囚による殺人競技を企画。殺人レースのスターライダー・ドレイクを罠にかけ参加させるが…。 ルチオ・フルチ版『バトルランナー』(1987年)かと、思いきや脚本家によると「『バトルランナー』にパクられた。」とか。 元々ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』の人気にあやかった『サンゲリア(ゾンビ2)』を作った人だからパクリ返されたのはしゃあないなと、思う。 視聴率に狂騒してるのには違和感はあったが、VRで恐怖を体験…
ルチオ・フルチ監督の映画『墓地裏の家』(1981年)を観た。 謎の自殺を遂げた同僚の研究を引き継ぐために、郊外の一軒家に引っ越した歴史学者ノーマンとその一家。引っ越した直後から一家に不可解な出来事が起こるようになる。その家の地下室には想像を絶する秘密が隠されていた…。 冒頭から頭を貫通するナイフや体が湧き出るウジ、勢いよく吹き出す血に生首等々…。 スプラッター描写は多種に渡っていて冴えていたが、その代わりストーリー展開には冴えがなかった。同居人の博士の所業と一緒でツギハギだらけ。博士の異形は面白かったけど。 警告は子供であってもバカにしちゃいけないし不動産屋の言う事は真に受けちゃいけない。 w…
S原:どもー、ワゴンイチです~!よろしくお願いします〜!ねー! Y木:いやー最近ね、DVDがすごいね。 S原:DVDがすごい?どーゆーことです?それは。 Y木:だからほら。アクションとかホラーとかあるじゃないですか。 S原:あー、そういうこと。映画ね、映画のことね。まあ楽しいすからね!うん〜。 Y木:イタリアのホラーみたいなものあるでしょ。 S原:あーありますよね。80年代とかね。マニアがいてね。そういうDVDは、高い値段になってるんですよ。 Y木:ダリオ・アルジェントの「サスペリア2」とかね。 S原:そうそう。イタリアンホラーの巨匠ですよ。あの人形のシーンで、みんなトラウマになっていましたけ…
荒野の処刑 (字幕版) ファビオ・テスティ Amazon ★★ ギャンブラーのスタビー(ファビオ・テスティ)、娼婦のバニー(リン・フレデリック)、アルコール依存症のクレム(マイケル・J・ポラード)、墓堀り黒人のバド(ハリー・ベアード)が、ソルトフラッツの町から追放される。町は自警団による暴力で悪が一掃されていた。馬車で南へ旅するスタビーたちは、チャコ(トーマス・ミリアン)という銃の名手を仲間にする。ところが、一行はチャコに裏切られるのだった。 マカロニ・ウェスタン。中途半端な詐欺師が孤高のヒーローに成長するロードムービーである。随所で西部劇の定型を外そうと頑張っているが、そのせいで気の抜けたコ…
「ゾンビ」(1979)の世界的ヒットで、ゾンビブームが起こりました。 当然、柳の下の二匹目のドジョウを狙った作品も多かったわけで、その中の一本が「サンゲリア」(1979製作/1980日本公開)。 製作はイタリア。 監督はホラーマニアの支持が熱いB級の巨匠ルチオ・フルチ。 明らかに胡散臭い映画ですが、カルト的な人気はあるようです。 (あらすじ) ニューヨークに無人のクルーザーが流れ着き、中を調べた警官が腐乱死体に襲われた。クルーザーの持ち主の娘は父を探しに、新聞記者と一緒に南の島に向かった。そこにはゾンビを研究する医師が住んでいた・・・ ( ↓ 海外版予告編。結構グロいシーンがあるので閲覧注意で…
VHSビデオで映画『タッチ・オブ・デス 死の感触』(1988年、ルチオ・フルチ監督)を視聴した。 裕福な未亡人相手に猟奇殺人を続けているギャンブル依存症の中年男が、見知らぬ影に脅かされていく。 元々はコメディ志向だったルチオ・フルチ監督によるブラック・コメディ。それでも電気ノコギリによる人体切断、なかなか死なんおばはんを電子レンジでチンしたり自分を脅したホームレスをぐちゃぐちゃになるまで車で轢く所はフルチの爺さんらしくて良かった。見えない影に怯えて加害者なのに被害者の一面があったり犯罪を隠蔽したのに明らかになっていく倒錯した構図は、フルチ監督らしい一筋縄ではいかない演出だった。 www.you…